傷だらけの人生

傷だらけの人生」(きずだらけのじんせい)は、俳優鶴田浩二の楽曲で、16枚目のシングルである。1970年12月25日に発売。

「傷だらけの人生」
鶴田浩二シングル
B面嘘で男が泣くものか
リリース
ジャンル演歌
レーベルビクターレコード
作詞・作曲藤田まさと(作詞)
吉田正(作曲)
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1971年度年間4位(オリコン)
  • 鶴田浩二 シングル 年表
    同期の桜
    (1970年)
    傷だらけの人生
    (1970年)

    1971年
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    解説

    • 高田幸吉門下で歌唱力にも優れていた鶴田浩二が、自らの多く演じた任侠映画に出てくる昔気質の侠客ばりに、理不尽な時世、軽佻浮薄な人情への怒りと、日陰育ちのやくざ者の哀しみを歌った重厚な作品で、鶴田のレコードでも代表的なヒット曲となった。曲は1番から3番まで、渡世人らしき男による自嘲混じりの語りを前置きに、その語りに結び付く内容の歌詞が歌われる構成となっており、曲の冒頭、鶴田が映画の侠客さながら情感豊かに語る口上は広く知られている。
    • 「古い人間」が「今の世の中」を憂う詩は、藤田まさとが「鶴田浩二」をイメージして書き下ろしたもので、それに吉田正が曲をつけた。戦争体験を背負った「戦中派世代」の鶴田と、発表当時の高度経済成長時代における享楽的な社会風潮とをモチーフとして対比させた内容でもある。「傷だらけの人生」という表現は直接歌詞中には出てこないが、1番冒頭の語りと、己のやくざな身の上を嘆く3番の歌詞とが、題名を象徴する内容となっている。
    • 本曲に限らず、鶴田はステージではマイクにハンカチを添え、耳に手を当てる独特のポーズで歌うことが多かったが、「手が脂性であったことと、従軍時に耳を傷めて演奏のリズムが取りにくかったことが理由である」と本人が明言している。
    • 発売から3ヶ月ほどでオリコンチャートトップ10に初登場、累計で100万枚近い[1](または120万枚[2])売上げを記録。
    • 1971年7月に発売になったアルバム『男/傷だらけの人生』は最高位2位を記録。
    • 1971年には、この曲をテーマに『傷だらけの人生』と『傷だらけの人生 古い奴でござんす』の二本の映画が作られた。共に監督は小沢茂弘、脚本は村尾昭が務めた。
    • NHKからは「公共放送で流すことは好ましくない曲」「任侠映画に出演している」という理由でNHK紅白歌合戦の出場を拒否され[3]、これに鶴田は激怒し、以後、NHKの番組出演を拒否するようになり、『男たちの旅路』に出演するまで約6年間続いた。出演拒否を解除した後、鶴田は、NHKでは方針転換もあり『思い出のメロディー』などでこの曲を歌唱している他、彼の遺作でもあるドラマ『シャツの店』劇中でもこの歌を歌っている。
    • 1973年(昭和48年)、藤圭子がカヴァー、アルバム『演歌の旅 緋牡丹博徒』収録
    • 1998年(平成10年)、五木ひろしがシングル、アルバムでカヴァーした。
    • ギャグ漫画『天才バカボン』では、バカボンのパパの愛唱歌という設定がされている[4]

    収録曲

    • 全作詞:藤田まさと 作曲・編曲:吉田正
    1. 傷だらけの人生
    2. 嘘で男が泣くものか

    映画

    傷だらけの人生
    監督小沢茂弘
    脚本村尾昭
    原作石本久吉
    出演者鶴田浩二
    待田京介
    北林早苗
    遠藤辰雄
    石山健二郎
    八代万智子
    小島慶四郎
    藤山寛美
    若山富三郎
    音楽渡辺宙明
    撮影吉田貞次
    編集宮本信太郎
    製作会社東映
    公開1971年7月3日
    上映時間96分
    製作国 日本
    言語日本語
    次作傷だらけの人生 古いやつでござんす
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    傷だらけの人生』は、1971年日本映画主演鶴田浩二監督小沢茂弘製作東映、96分。『傷だらけの人生シリーズ』の第1作。

    概要

    昭和四年の大阪・天満を舞台に大聖寺一家親分の三代目を巡ってヤクザ達の姿を描く。

    出演

    スタッフ

    脚注

    関連項目