メゼレイン

メゼレイン(mezerein)は12β-ヒドロキシダフネトキシンキサントフィルエステルである。メゼレインは動物実験において抗がん活性を示す[2]

メゼレイン
識別情報
CAS登録番号34807-41-5
PubChem22833497
日化辞番号J53.914G
特性
化学式C38H38O10
モル質量654.7 g mol−1
外観無色固体[1]
への溶解度不溶
危険性
安全データシート(外部リンク)LC Laboratories
EU分類Irritant Xi
主な危険性刺激性
RフレーズR38
SフレーズS22, S24/25
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1970年に、ジンチョウゲ属 (Daphne) 植物セイヨウオニシバリ (Daphne mezereum)から単離・構造決定された[3]。メゼレインはダフネトキシンと同様にプロテインキナーゼCを活性化する[4][5][6]

分布

メゼレインは主にセイヨウオニシバリ (Daphne mezereum)といったジンチョウゲ属 (Daphne) 植物の種子に含まれている。種子には0.1%程のメゼレインが含まれており、さらにダフネトキシンも含まれている。果実やその他の部位の毒性は低い[7]Daphne mezereum種子は、吐剤や便秘薬、抗がん剤として利用される。外用としては痛風やリウマチ、皮膚病に使用される。農業分野では、この種子は魚毒としても使用されていた。

効果および危険性

Daphne mezereum種子のエタノール/水抽出物はアメリカ国立癌研究所 (NCI) の標準プロトコルである白血病細胞株P-388に対して経口で増殖抑制活性を示し[8]、マウス白血病細胞株P-1210に対しても50 μg/kgで活性を示す。メゼレインを12〜13 μg/回の濃度で経皮投与すると発がん促進作用を示す[2]

ヒトに対してはメゼレインおよびDaphne mezereum種子は高い毒性を示し[9]、経口摂取すると数時間後に口および喉の焼けつくような感覚、顔および唇の腫れ、口渇、吐き気、出血性下痢といった深刻な症状を引き起こす。メゼレインの慢性摂取は腎臓に損傷を与える。10から12粒の種子を摂取すると死に至る。外部的には、メゼレインは強力な皮膚刺激や腫れ、水膨れ、激しいかゆみを引き起こす。皮膚接触の影響閾値は約1 μgである。

脚注