三菱UFJニコス

日本の東京都千代田区にあるクレジットカード会社
UFJニコスから転送)

三菱UFJニコス株式会社(みつびしユーエフジェイニコス、: Mitsubishi UFJ NICOS Co., Ltd.)は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ (MUFG) の中核企業で、日本の大手クレジットカード会社である。MUFG内略称はニコス

三菱UFJニコス株式会社
Mitsubishi UFJ NICOS Co., Ltd.
本社の所在する秋葉原UDX
種類株式会社
市場情報非上場(以下は過去のデータ)
東証1部 8583
1961年10月2日 - 2008年7月28日
略称NICOS
本社所在地日本の旗 日本
101-0021
東京都千代田区外神田四丁目14番1号
秋葉原UDX
北緯35度42分1.8秒 東経139度46分21秒 / 北緯35.700500度 東経139.77250度 / 35.700500; 139.77250
本店所在地113-8411
東京都文京区本郷三丁目33番5号
設立1951年(昭和26年)6月7日
(日本信用販売株式会社)
業種その他金融業
法人番号8010001000016 ウィキデータを編集
事業内容クレジットカード
代表者石塚啓(代表取締役会長)
角田典彦(代表取締役社長兼社長執行役員)
資本金1,093億円
(2017年5月15日現在)
発行済株式総数22億7,853万9,531株
(2017年5月15日現在)
純利益52億4100万円(2021年03月31日時点)[1]
純資産1573億9900万円(2021年03月31日時点)[1]
総資産2兆4262億9500万円(2021年03月31日時点)[1]
従業員数3,384人
(2023年3月31日現在)
決算期3月末
主要株主三菱UFJフィナンシャル・グループ
100%
(2017年10月1日現在)
主要子会社#主要子会社参照
関係する人物山田光成(日本信販創業者)
外部リンクwww.cr.mufg.jp ウィキデータを編集
特記事項:貸金業者登録 関東財務局長(10)第00115号
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概要

1951年6月7日に、信販最大手の企業である「日本信用販売」(後に商号を「日本信販」に変更)として設立。2005年10月1日にUFJ銀行の子会社となり、UFJカードを合併。同時に「UFJニコス」に商号を変更した。2006年10月1日に農業協同組合 (JA) 系列の協同クレジットサービスを合併した。2007年4月1日に三菱銀行系のDCカードを合併し[2]、商号を「三菱UFJニコス」に変更した。信販系クレジットカードと銀行系クレジットカードの2つの流れを汲む。現在はUFJカードを含むMUFGカードDCカード(三菱銀行系)、NICOSカード(日本信販系)の3種類のカードを発行している。3種類のカード決済システムを約1500億円かけて21年度までに統合する[3]

2008年4月1日に個品割賦事業を大手信販会社のジャックス事業譲渡した[4]。その後、MUFGが直接出資する子会社となっている。2005年11月にMUFGが農林中金と提携を結び、2008年には三菱UFJニコス株の一部を農林中金に譲渡している。2011年3月には、過払金返還に備えて引当金を積み増し、財務基盤を強化するため、MUFGと農林中金を引受先とする1千億円の増資を実施した[5][6]2017年10月1日に、MUFGが農林中金の保有する三菱UFJニコス株のすべてを取得し、三菱UFJニコスを完全子会社化すると発表した。MUFGは、スマートフォンによる決済仮想通貨関連の事業が広がる中、三菱UFJニコスを完全子会社化し、決済事業の中核を担う会社としたい考えと報じられている[7]JAカード事業に関しては、JAグループ向けの決済ソリューションにかかる企画業務等を担う新会社であるJAカード株式会社を農林中金と三菱UFJニコスの共同出資によって、2017年10月1日に設立し、翌年1月から営業を開始した[8]

株式会社フィナンシャルワンカードから始まったフィナンシャルワンの運営も引き継いでいる。グループスローガンは、MUFG共通の『世界が進むチカラになる。』である。シンボルマークやコーポレートカラーもMUFGと共通である。

年間取扱高は9兆6,398億67百万円(2016年3月期連結)。前身のディーシーカードが三菱銀行系のクレジットカード会社であったことから三菱広報委員会の会員である一方[9]、同じく前身のUFJニコスが三和系のクレジットカード会社であったことからみどり会の会員でもある[10]

自身でクレジットカードを発行する前、カードを用いない信用販売事業を専門としていた時代にはJCBの設立にも関与していた。JCBのロゴの赤(JCBの「C」の部分)は日本信販のコーポレートカラーである。

沿革

日本信販株式会社

株式会社UFJカード

  • 1968年 - 東海銀行系のクレジットカード会社として「株式会社ミリオンカード・サービス」(mc) 設立。
  • 1983年 - 三和銀行、JCBのフランチャイジーとして「株式会社三和カードサービス」を設立。
  • 2000年 - 株式会社三和カードサービスが東洋カードサービス株式会社と株式会社大同生命カードサービスを合併。商号を「株式会社フィナンシャルワンカード」に変更。
  • 2002年1月15日 - UFJ銀行発足と合わせて、株式会社ミリオンカード・サービスが株式会社フィナンシャルワンカードを合併し、株式会社UFJカード(登記上は株式会社ユーエフジェイカード)に商号変更。ブランド名をミリオンカードから、UFJカードに変更。
  • 2004年 - 日本信販・UFJカード・ビザと共同開発のSmartplusがサービス開始。

株式会社ディーシーカード

  • 1967年 - 三菱銀行系のクレジットカード会社として「ダイヤモンドクレジット株式会社」設立。
  • 1969年 - マスターカード発行。
  • 1989年 - Visaカード発行。業界初のビザ、マスターカードのデュアル発行。商号を「株式会社ディーシーカード」に変更。
  • 1992年 - リボ払い専用カード発行。
  • 1999年 - 業界初となるホームページからの利用明細ダウンロードサービスを開始。
  • 2000年 - 業界初となる翌月の請求金額をEメール送付を開始。
  • 2003年 - 会員情報誌「GRAN」発行。

UFJニコス株式会社→三菱UFJニコス株式会社

  • 2005年10月 - 日本信販株式会社が株式会社UFJカードを合併し、「UFJニコス株式会社」に商号変更。
  • 2006年
  • 2007年4月1日 - 「株式会社ディーシーカード」を合併し、商号を「三菱UFJニコス株式会社」に変更。
  • 2008年
    • 1月1日 - ニコス地域会社6社を吸収合併。
    • 4月1日 - 子会社のJNS管理サービス株式会社に個品割賦事業を会社分割後、全株式をジャックスに譲渡。
    • 7月16日 - 新ブランド「MUFGカード」発行。
    • 7月28日 - 上場廃止。
    • 8月1日 - 株式交換により、三菱UFJフィナンシャルグループの完全子会社となる。
    • 8月8日 - 株式譲渡(2億4400万株)により、農林中央金庫の持分法適用関連会社となる。
  • 2013年3月31日 - Visa Touch/Smartplusの新規入会受付終了[12]
  • 2017年10月1日 - 三菱UFJフィナンシャル・グループにより完全子会社化される。

本社等の所在地

主要子会社

連結子会社

  • カードビジネスサービス株式会社
  • MUニコス・クレジット株式会社

持分法適用関連会社

など。

グループ会社

三菱UFJニコスが発行するクレジットカードの内、DCカード及びMUFGカード(旧UFJカード)は、グループ会社も発行している。DCカードグループ及びMUFGカードグループのいずれか又は両方に属する会社は、次表の通りである。

凡例:○募集中 ●銀行本体発行に移行 △募集停止 ×利用停止

社名DCMUFG
札幌北洋カード
あおぎんカードサービス[注釈 1]
みちのくカード
いわぎんディーシーカード
フィデアカード[注釈 2]△×[注釈 3]
やまぎんカードサービス
大東クレジットサービス
とちぎんカード・サービス
東和カード
ちばぎんディーシーカード
第四ディーシーカード[注釈 4]
たいこうカード
富山ファースト・ディーシー
福井カード[注釈 4]
山梨中銀ディーシーカード
八十二カード
十六カード
OKBペイメントプラット
静銀ディーシーカード
清水リース&カード
愛銀ディーシーカード
名古屋エム・シーカード
中京カード
百五カード
滋賀ディーシーカード
京都クレジットサービス[注釈 4]
池田泉州DC
南都ディーシーカード[注釈 4]
紀陽カードディーシー×[注釈 5]
ひろぎんカードサービス[注釈 6]
やまぎんカード
西京カード×[注釈 7]
百十四ディーシーカード[注釈 4]
いよぎんディーシーカード
九州カード
FFGカード[注釈 8]
りゅうぎんディーシー
かいぎんカード
菱信ディーシーカード
東京海上日動ファイナンス

提携(FC契約)金融機関

次の銀行とクレジットカードの銀行本体発行に関して提携(ブランドとしてはDCと提携)している[13]

加盟する信用情報機関

主なサービス

クレジットカード

非接触決済

JCBカード(UFJ JCBカード)や一部提携カード[注釈 10]QUICPay[注釈 11]、VISAブランドのクレジットカードはVisaのタッチ決済、その他のクレジットカード(MasterCardブランドのDCカードを除く)はSmartplusにそれぞれ対応している(一部を除く)。かつてはVisa Touchも扱っていた。

ローンカード

三菱UFJニコスローンカードを、2008年6月10日から取り扱っている[14]。尚、MUFGカードは、同年7月16日から募集を開始している[15]

ギフトカード

ギフトカードとして、「三菱UFJニコスギフトカード」を発行している。2016年現在発行されている額面金額は次の通り。

  • 500円券
  • 1,000円券
  • 5,000円券

過去にニコスギフトカードなどで10,000円券が発行されていた。

過去にダイヤモンドクレジット・DC・日本信販・NICOS・ミリオン・UFJ・UFJNICOSの各会社およびブランド名で発行されていたギフトカード(以下本節内において旧券と記述)も、2020年現在の三菱UFJニコスギフトカード取扱加盟店であれば、DC・UFJ・ギフトカード取扱店規約(以下本節内において取扱店規約と記述)第2条により2020年現在発行されている三菱UFJニコスギフトカードと同様に利用できる[16][17][18]

旧ニコスギフトカードの旧デザイン券のうち、1995年10月~1998年8月に発行された額面金額が5,000円のものと10,000円のものについては2016年時点で加盟店での利用は不可となっており、三菱UFJニコスが発行している三菱UFJニコスギフトカードとの交換を行っている(同時期発行されていた額面金額が1,000円の旧券については2020年現在も利用が可能である[19])。

ダイヤモンドクレジットギフトカードやミリオンギフトカードなどは加盟店側が使用可否のみならずその存在自体を知らず、使用を断られることがある。本来上記の旧券の使用を正当な理由[注釈 12] が無いにもかかわらず店側の周知不足を理由に使用を拒否することは取扱店規約第7条に違反する行為であり、その場合三菱UFJニコスは取扱店規約第12条に基づき加盟店との契約を解除することが可能である[16][17][18]

誤ってギフトカードのミシン目を切り取ってしまうと無効となり、加盟店での利用は不可能となるが、切り取り片が残っている場合は三菱UFJニコスギフトカードセンターへ連絡すれば有効なギフトカードと交換が可能な場合もある[19]

2024年3月末に「三菱UFJニコスギフトカード」の販売を終了し、代替として「JCBギフトカード」が案内されている。

共同住宅の分譲

日本信販時代に、コンドミニアム、アドリームのブランドで展開していた。

クレジットカードのサービス

POINT名人.com

約400の通販サイトへのポータルサイトで、同サイトから通販サイトにアクセスすれば、対象カード[注釈 13] 利用によるショッピングで通常の2 - 20倍のポイントが付与される仕組みとなっている[20]

海外アシスタンスサービス ハローデスク

株式会社JTBグローバルアシスタンスに業務を委託し、海外アシスタントサービス「ハローデスク」を開設している。

会員専用WEBサービス

三菱UFJニコスが発行する、MUFGカード(MUFG CARD WEBサービス)[注釈 14]、DCカード(DC Webサービス)、NICOSカード(Net Branch)のカードブランド毎に会員専用WEBサービスがあり、請求額・利用明細照会、利用可能額照会、ポイントの照会・応募、キャンペーンの参加登録、住所等の変更、支払方法の変更や各種申込みがインターネット上で可能である。

加盟店

  • MUFGカード、DCカード、NICOSカードのVISA/MasterCard提携タイプは三菱UFJニコス及びいずれかの国際ブランドの加盟店で利用する事が出来る。
  • MUFGカードのAmerican Express提携タイプはAMEX、加えてJCBの一部加盟店で利用する事が出来る(三菱UFJニコスの加盟店で利用する事は出来ない)。
  • NICOSカードの国内専用タイプは三菱UFJニコスの加盟店の内、従来のNICOS全加盟店及びDC/UFJの一部加盟店で利用する事が出来る。
  • UFJ-JCBカード及びMUFG-JCBカードは、JCBの加盟店で利用する事が出来る(三菱UFJニコスの加盟店で利用する事は出来ない)。

不正利用検知システム

三菱UFJニコスでは、悪意のある第三者による不正使用を未然に食い止めるため、米国 Nestor Inc.が開発したPrism Creditを導入し常時モニタリングしている。

CMキャラクター

MUFGカード

寺島しのぶ  「次の豊かさへ、ご一緒に。」
山崎一
2011年11月より出演。
松坂桃李
小島藤子
MUFGカードゴールド、2012年7月7日から。

以下は過去の出演者

瑛太 「一生、つきあえる。MUFGカード」
2009年7月より出演。
鈴木浩介 MUFGカードの2,000円から持てるゴールドカードの発行CM
2008年8月より出演。

DCカード

カッパ
タヌキ
中井貴一
本田望結
カッパ、タヌキ、中井の3人の珍道中を描いたシリーズは10年以上続く長寿CMだった(一時期「カッパとタヌキのDCカード」のCMキャッチを使っており、カッパとタヌキは中井よりもメインだった)。2007年に中井が一旦降板し、2009年4月から2012年5月まで武井壮などとカッパ・タヌキのコンビでCMが放送された。2012年より中井がCMに復帰、新たに本田も加わる。
カッパとタヌキにはそれぞれ氏名があり、「カッパ・まき」と「たぬき・ネイリー」。
広瀬すず
2016年5月より出演。このCMでは、新たにデザインされたカッパとタヌキが登場した。

企業CM

藤井美菜
2007年11月より出演。
「セキュリティ・ファースト」篇

ミリオンカード→UFJカード

髙嶋政宏
ミリオンカード創立30周年の1998年まで出演していた。
反町隆史
ミリオンカード創立30周年の1998年からUFJカードとなった後の2003年までのおよそ5年間出演していた。
竹野内豊
2005年10月の合併後より出演。

NICOS

田中邦衛
NICOSブランド制定前の1987年に出演。
柴田恭兵
NICOSブランド制定前の1989年から2年間出演。
ケン・ティレル
1990年、柴田と共演。
中嶋悟
NICOSブランド制定前の1991年に出演。
GO-BANG'S
1991年のNICOSブランド導入開始時に出演。CM用に制作されたGO-BANG'Sの楽曲(未発売)を挿入曲として採用。
田村正和
1992年から合併前の2005年9月迄、およそ13年間の長期出演だった。
ナインティナイン
1998年から2年間出演。田村との共演との他、単独出演もあり。
樹木希林
2001年、田村と共演。
妻夫木聡
2005年10月の合併後より出演。

提供スポンサー

MUFGカード

DCカード

UFJカード

NICOS

関連項目

※Jリーグの協賛スポンサーを1993年-2007年まで務めた。1993年-1995年は下半期の2回戦(通算3・4回戦目)を「日本信販・NICOSシリーズ」として提供した。

脚注

注釈

出典

外部リンク