UEFA EURO 2020決勝

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UEFA EURO 2020決勝は、2021年7月11日(中央ヨーロッパ夏時間)にイギリスウェンブリーウェンブリー・スタジアムで開催された、UEFA EURO 2020の決勝戦である。

UEFA EURO 2020決勝
大会名UEFA EURO 2020
延長/PK戦 3 - 2でイタリアの勝利
開催日2021年7月11日
会場ウェンブリー・スタジアム(ウェンブリー)
最優秀選手イタリア レオナルド・ボヌッチ[1]
主審オランダ ビョルン・カイペルス[2]
観客数67,713人[2]
2016
2024

試合前

ここまで33試合連続無敗・8連勝中であり、1968年以来2度目の優勝を狙うイタリアと、EUROで初めて決勝進出を果たし、決勝は自国開催となっているイングランドのマッチアップになった。両者は過去27回対戦したことがあり、通算成績はイタリアの10勝9分け8敗である。

決勝までの道のり

イタリアはグループAで3戦全て完封勝利で決勝トーナメント進出を決めた。ラウンド16でオーストリアに苦戦するが延長戦の末に勝利すると、ベルギースペインと強豪国を撃破し4度目の決勝進出を決めた。

イングランドはパフォーマンスに苦言を呈されることもあったが、グループDを3戦無失点で首位通過した。ラウンド16でドイツを相手に快勝を収めると、ウクライナデンマークを破って史上初の決勝に進出した。

イタリア試合イングランド
対戦相手結果グループステージ対戦相手結果
トルコ3 - 0第1節 クロアチア1 - 0
スイス3 - 0第2節 スコットランド0 - 0
ウェールズ1 - 0第3節 チェコ1 - 0
グループA 1位
チーム
 イタリア330070+79
 ウェールズ311132+14
 スイス311145-14
 トルコ300318−70
順位表
グループD 1位
チーム
 イングランド321020+27
 クロアチア311143+14
 チェコ311132+14
 スコットランド301215-41
対戦相手結果決勝トーナメント対戦相手結果
オーストリア2 - 1 (延長)ラウンド16 ドイツ2 - 0
ベルギー2 - 1準々決勝 ウクライナ4 - 0
スペイン1 - 1 (延長) (4–2 PK)準決勝 デンマーク2 - 1 (延長)

試合

詳細

イタリア[3]
イングランド[3]
GK21ジャンルイジ・ドンナルンマ
RB2ジョバンニ・ディ・ロレンツォ
CB19レオナルド・ボヌッチ 55分
CB3ジョルジョ・キエッリーニ 90+6分
LB13エメルソン・パルミエリ 118分
DM8ジョルジーニョ 98分
CM18ニコロ・バレッラ 47分 55分
CM6マルコ・ヴェッラッティ 96分
RW14フェデリコ・キエーザ 86分
CF17チーロ・インモービレ 55分
LW10ロレンツォ・インシーニェ 84分 91分
控え
FW11ドメニコ・ベラルディ 55分
MF16ブライアン・クリスタンテ 55分
FW20フェデリコ・ベルナルデスキ 86分
FW9アンドレア・ベロッティ 91分
MF5マヌエル・ロカテッリ 96分
DF24アレッサンドロ・フロレンツィ 118分
監督:
ロベルト・マンチーニ
GK1ジョーダン・ピックフォード
CB2カイル・ウォーカー 120分
CB5ジョン・ストーンズ
CB6ハリー・マグワイア 106分
RWB12キーラン・トリッピアー
LWB3ルーク・ショー
CM14カルバン・フィリップス
CM4デクラン・ライス 74分
SS10ラヒーム・スターリング 58分
SS19メイソン・マウント 99分
CF9ハリー・ケイン
控え
FW20ブカヨ・サカ 70分
MF8ジョーダン・ヘンダーソン 74分 120分
MF7ジャック・グリーリッシュ 99分
FW17ジェイドン・サンチョ 120分
FW11マーカス・ラッシュフォード 120分
監督:
ガレス・サウスゲート

MVP:
レオナルド・ボヌッチ
副審[2]:[4]
サンデル・ファン・ローケル
アーウィン・ゼインストラ
第4審判[2]:
カルロス・デル・セロ・グランデ
ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)
バスティアン・ダンケルト
VARアシスタント
ポル・ファン・ボーケル
クリスチャン・ギッテルマン
マルコ・フリッツ

Match rules[5]

  • 試合時間は90分(45分ハーフ)
  • 90分終了時に同点の場合は30分(15分ハーフ)の延長戦を行い、それでも決着がつかない場合はPK戦を行う
  • 交代は5人まで、延長戦に突入時は6人目の交代が認められる。[note 1]

試合展開

前半

イタリアは4-3-3のフォーメーションを採用。準決勝のスペイン戦と同じ11人が先発した。イングランドは準決勝デンマーク戦から1人変更。ブカヨ・サカにかえてキーラン・トリッピアーを起用し、4-2-3-1ではなくラウンド16・ドイツ戦で採用した3-4-3でスタートした。

開始2分、ハリー・ケインが右サイドに大きく展開し、これを受けたトリッピアーがフリーでクロスを上げると、逆サイドに走り込んでいたルーク・ショーが左足で合わせてイングランドが先制した。開始1分57秒での得点はEURO決勝では史上最速得点となった。イングランドは、その後も5-4-1の守備ブロックが機能し、相手に攻め込ませず安定した試合運びを続けた。早々ビハインドとなったイタリアは、ボールは保持するもののトリッピアーとカイル・ウォーカーが並ぶ相手守備陣に強みである左サイドを抑え込まれて攻撃が停滞。フェデリコ・キエーザの単独での仕掛けとロレンツォ・インシーニェの直接FK以外には有効な攻撃をできないまま前半が終了。0-1でイングランドがリードして折り返した。

後半

55分、イタリアはニコロ・バレッラに代えブライアン・クリスタンテチーロ・インモービレを下げドメニコ・ベラルディを投入し、インシーニェの0トップに変更。この交代により中央でボールを回すことができるようになり、イングランドを押し込み始める。60分、キエーザがエリア内に持ち込みシュートを放ち、GKジョーダン・ピックフォードに初めてセーブを強いた。67分、イタリアは右CKを得ると、ニアでクリスタンテがフリックしたボールをマルコ・ヴェッラッティがヘディングシュートし、これはピックフォードが右手で防いだがこぼれ球をレオナルド・ボヌッチが押し込んで同点に追いついた。34歳71日での得点はEURO決勝では史上最年長得点記録となった。その後イングランドはトリッピアーに代えサカを投入して4-3-3に変更、74分にはジョーダン・ヘンダーソンを投入して改善を図るも、イタリアが一方的に攻める展開が続いた。イタリアは86分にキエーザが足首を負傷しフェデリコ・ベルナルデスキと交代。また、その直後にピッチに乱入者が現れるなどして試合が止まる場面もあった。終了間際はイングランドがゴールに近づくも得点には至らず、1-1で延長戦に突入した。

延長戦

イタリアはアンドレア・ベロッティ、イングランドはジャック・グリーリッシュと攻撃の選手を投入。96分、イングランドは左サイドをラヒーム・スターリングが突破しエリア内に侵入し、中央のヘンダーソンへ折り返すも、ジョルジョ・キエッリーニにクリアされた。イタリアも103分、エメルソン・パルミエリのクロスをGKが飛び出して弾いたこぼれ球がベロッティの元にこぼれるが、シュートは打ち切れなかった。

後半開始早々の106分、イタリアは直接FKのチャンスを得たが、GK正面へのボールとなった。イングランドも108分、ウォーカーのロングスローからチャンスを作り、ケインがゴール前にクロスを入れたが、ハリー・マグワイアの手前でGKジャンルイジ・ドンナルンマが触って防いだ。その後は膠着したまま時間が経過し、1-1で延長戦も終了した。

PK戦

両者とも1人目は成功。2人目は、先攻のイタリア・ベロッティのシュートをGKピックフォードがセーブした。イングランドは3人目のラッシュフォードが左ポストに当てて失敗し、4人目のサンチョのシュートをGKドンナルンマがセーブした。5人目にイタリアはジョルジーニョが蹴ったが、GKピックフォードがセーブ。イングランドは5人目のサカが右を狙ったシュートを放つも、GKドンナルンマがセーブし、イタリアがPK戦を3-2で制し、53年ぶり2度目の欧州制覇を成し遂げた。

統計

後半[6]
イタリアイングランド
得点10
シュート93
枠内シュート40
セーブ03
支配率65%35%
CK12
ファウル102
オフサイド00
警告40
退場00

延長[6]
イタリアイングランド
得点00
シュート52
枠内シュート10
セーブ01
支配率57%43%
CK11
ファウル56
オフサイド30
警告11
退場00

Overall[6]
イタリアイングランド
得点11
シュート206
枠内シュート61
セーブ05
支配率61%39%
CK35
ファウル2113
オフサイド51
警告51
退場00

注釈

参考資料

外部リンク