Pentium Dual-Core

Pentium Dual-Core(ペンティアム・デュアルコア)は、インテル2007年6月に発表した、x86アーキテクチャマイクロプロセッサ (CPU) である。

Pentium Dual-Core
Pentium Dual-Core E2140
生産時期2006年から2009年まで
生産者インテル
CPU周波数1.30 GHz から 3.33 GHz
FSB周波数533 MHz から 1066 MHz
プロセスルール65nm から 32nm
マイクロアーキテクチャCore, Nehalem
命令セットx86, x64
コア数1, 2
ソケットLGA775
LGA1156
Socket P
コードネームAllendale-1M
Wolfdale
Clarkdale
Merom-1M
Penryn
前世代プロセッサPentium Extreme Edition
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概要

PentiumブランドでCoreマイクロアーキテクチャを採用した最初の製品となる。

Coreマイクロアーキテクチャとそれを採用した製品Intel Core 2の発表に併せ、Intelは全社的な改編を行い、それまでのIntelのイメージリーダーであったPentiumブランドの廃止も発表した。しかし、日本においてはCore 2ブランドへの移行が成功したものの、日本以外の地域ではPentiumブランドの人気が根強かったことから、Core 2ブランドの下位製品としてPentiumブランドを位置づけることで移行を促す計画に変更、Intelは関係各社にPentiumブランドの存続を打診し、当シリーズの発表に至った。[1]

略称としてPentium DCと呼ばれることがあり、同じくPentiumブランドのデュアルコア製品であるPentium Dと混同されることがある。Pentium DはNetBurstマイクロアーキテクチャを採用した製品であり、Coreマイクロアーキテクチャを採用したPentium Dual-Coreとは別物である。また、Coreマイクロアーキテクチャを採用したCore 2ブランドの下位製品がPentiumブランドで発売されると公表された際、当製品群のプロセッサナンバーのパワークラスが"E"と予告されていたことから便宜的にPentium Eとも呼ばれ、現在でも使用されることがある。

当初はデスクトップ向けのパワークラスEの製品のみだったが、モバイル向けのパワークラスTの製品も発売された。

2010年1月8日に発表・発売されたNehalemマイクロアーキテクチャ(32nmプロセス)の Pentium G6950 に合わせ、従来の E/T シリーズから Dual-Core の表記が外れ、商品群としては単に「Pentium」となった。

ブランドと性能の位置づけ

Pentium Dual-CoreはCore 2 Duoの廉価版であるため、基本的な機能は同等だが、L2キャッシュの容量が抑えられているほか、仮想化支援などハイエンドのCore 2 Duoが持っているストリーミングSIMD拡張命令はラインナップの大部分において無効化されていた。しかし、E6300以降のプロセッサでは仮想化支援機能であるIntel VTが有効になった。

また、同じマイクロアーキテクチャのデュアルコアで、下位製品に当たるCeleron Dual-Coreとも、L2キャッシュ容量により差別化が行われている。デスクトップ向けCeleron Dual-Core E1000系のL2キャッシュ容量は、Pentium Dual-Core E2000系の半分の512KBとなっており、モバイル向けCeleron Dual-Coreは、省電力機能であるEISTが無効化されている。

以前のPentiumブランドは、コンシューマ向けのハイエンドからメインストリームまでをカバーしていたが、現在ではCoreブランドがその地位にあり、Coreブランドより下、ローエンドのCeleronブランドより上という位置付けがなされている。

製品ラインナップ

デスクトップ向け

Conroe-1M (コンロー-1M), Allendale-1M(アレンデール-1M)

65nmプロセス・ルールで製造される、第一世代Pentium Dual-Core。Core 2 Duo E4000系のL2キャッシュ容量を半分の1MBに抑えたものに相当する。

プロセッサ・ナンバー動作周波数コア数FSBL2キャッシュIntel 64VT対応TXT英語版対応ソケットTDP
E22202.40GHz (200x12)2コア800MHz1MB×LGA77565W
E22002.20GHz (200x11)
E21802.00GHz (200x10)
E21601.80GHz (200x9)
E21401.60GHz (200x8)
Wolfdale(ウルフデール)

45nmプロセス・ルールで製造される第二世代Pentium Dual-Core。L2キャッシュ容量がE2000系の2倍の2MBになっている。45nm世代のCore 2 Duoと同じWolfdaleコアだが、SSE4命令セットはサポートされていない。なお、E5300とE5400の一部とE5500以上の全てのプロセッサでは仮想化支援機能であるIntel VTが有効になっている。

プロセッサ・ナンバー動作周波数コア数FSBL2キャッシュIntel64VT対応TXT対応ソケットTDP
E68003.33GHz (266x12.5)2コア1066MHz2MB×LGA77565W
E67003.20GHz (266x12)
E66003.06GHz (266x11.5)
E6500K2.93GHz (266x11)
E6500
E63002.80GHz (266x10.5)
E58003.20GHz (200x16)800MHz
E57003.00GHz (200x15)
E55002.80GHz (200x14)
E54002.70GHz (200x13.5)×/○
E53002.60GHz (200x13)
E52002.50GHz (200x12.5)×

モバイル向け

Core 世代

製品名はPentium Dual-Core Mobile Processor。コアクロックは、省電力モードでは800MHzで動作する。

Yonah(ヨナ)

Intel 64は無効化されているが、VTに対応している。

  • デュアルコア
  • プロセスルール: 65 nm
  • プロセシング・ダイ・サイズ: 90 mm2
  • トランジスタ数: 1億5100万個
  • FSB: 533 MHz (MT/s)
  • L2 cache: 1 MB
  • MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, XD bit
  • 拡張版 Intel SpeedStep テクノロジー
  • ソケット: Socket M
プロセッサ・ナンバー動作周波数コア数FSBL2キャッシュIntel 64VT対応ソケットTDP発売時期
T21301.86 GHz (133x14)2533 MHz
(533 MT/s)
1MB×Socket M31W'07Q2
T20801.73 GHz (133x13)
T20601.60 GHz (133x12)'07Q1

Core 2 世代

トランジスタ数とダイサイズが増大し、TDPが若干上がっている。ソケットも変更された。製品名からDual-Core が外れ、 Intel Pentium となった。

Merom-2M (メロン-/メロム-)
  • デュアルコア
  • プロセスルール: 65 nm
  • プロセシング・ダイ・サイズ: 143 mm2
  • トランジスタ数: 2億9100万個
  • FSB: 533 - 667 MHz (MT/s)
  • L2 cache: 1 MB
  • MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, Intel 64, XD bit
  • ソケット: Socket P(PPGA 478)
プロセッサ
・ナンバー
動作周波数コア数FSBL2キャッシュIntel 64VT対応ソケットTDP発売時期
T34002.16 GHz (166x13)2コア667MHz1MB×Socket P35W'08Q4
T32002.00 GHz (166x12)
T24102.00 GHz (133x15)533MHz'08Q3
T23901.86 GHz (133x14)'08Q2
T23701.73 GHz (133x13)'08Q1
T23301.60 GHz (133x12)'07Q4
T23101.46 GHz (133x11)
Penryn-3M、Penryn-L(ペンリャン- / ペンリン-)

リソグラフィは45nm、FSBは800 MHzになった。この世代まではインテル トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー (Intel TXT) に対応していない。

  • デュアルコア/シングルコア
  • プロセスルール: 45 nm
  • プロセシング・ダイ・サイズ: 107 mm2
  • トランジスタ数: 4億1000万個
  • FSB: 800 MHz (MT/s)
  • L2 cache: 1 MB
  • MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, Intel 64, XD bit
  • ソケット: Socket P(µFC-BGA 956 はオンボード)
プロセッサ
・ナンバー
動作周波数コア数FSBL2キャッシュIntel64VT対応ソケットTDP発売時期備考
T45002.30 GHz (200x11.5)2コア800MHz1MB×Socket P35W'10Q4OEM
T44002.20 GHz (200x11)'09Q4
T43002.10 GHz (200x10.5)'10Q1
T42002.00 GHz (200x10)
SU41001.30 GHz (200x6.5)2MBオンボード
(µFC-BGA 956)
10W'09Q3
SU27001コア'09Q2

脚注

関連項目