Intel Atom

インテルが設計・製造する、主に携帯情報端末 (PDA) や低価格PC、組込みシステム向けのマイクロアーキテクチャ及びマイクロプロセッサ群

Intel Atom (インテル アトム、以下 "Atom") は、インテルがかつて設計製造していた、主に携帯情報端末 (PDA) や低価格PC組込みシステム向けのマイクロアーキテクチャ及びマイクロプロセッサ群である。

Atom
第11世代Intel Atomのロゴ
生産時期2008年から2016年まで
生産者インテル
CPU周波数600 MHz から 2.41 GHz
FSB周波数400 MHz から 667 MHz
プロセスルール45 nm から 10 nm
命令セットIA-32, x64
コア数1, 2, 4, 8, 12, 16, 24
パッケージμFCBGA (Socket 437等)
コードネーム
  • Silverthorne
  • Diamondville
  • Pineview
  • Lincroft
  • Cedarview
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Atomは、インテルの製品分類でも特に低消費電力化が図られたLPIAと呼ばれるカテゴリに属している。LPIA製品としてはマイクロアーキテクチャから新規に開発された初めての製品である。米国時間2008年3月2日に発表され、その年の夏から順次出荷されている。

2015年時点では Intel 64 に対応しているが、初期の製品に64ビット非対応で IA-32 の物もあった。メインストリームの製品との差別化のためか、64ビットと同時にVTに対応したモデルは以前は無かったが、2015年時点ではサーバ向けとしてそのようなラインナップも現れた。

概要

Atom N270

過去には、インテルのモバイル・組込み向けプロセッサはx86ではなく、DECから買収したStrongARMと、その発展型をXScaleブランドで販売していた。XScaleは携帯情報端末組込みシステムに採用され、多くのPocket PCで使われた。

当時のx86は、競合していたARMと比べて回路規模クロック周波数の高さから消費電力が大きく、パッケージも大きかったため、小型化や低消費電力が求められるモバイル機器向けや組込み用途にはあまり採用されていなかった。しかし、ソフトウェアの開発環境では、x86の豊富な開発ツールプログラミング技術者の層の厚さといった有利な面があり、その後の半導体プロセスマイクロアーキテクチャの改良などの性能向上によって低消費電力化や小型化が行われれば、市場に受け入れられる環境は整っていた。

2007年4月、インテルはx86ベースで低消費電力という新しいカテゴリ「LPIA」とその第一弾のプロセッサ「A100」を発表した[1]。内実としては、専用に大幅な新規開発を行ったものではなく、既に販売されていたPentium Mマイクロアーキテクチャの第2世代にあたるCeleron M (コードネーム「Dothan-512K」、90 nmプロセス) そのものであり、周辺チップには既存のICH7から消費電力の大きいPCI Expressインタフェースを取り除くなどしたICH7Uが使われていたが、XScale部門をマーベル・テクノロジー・グループに売却した[2]ことなどもあり、x86によるモバイル・組込み機器の発展の端緒となった。インテルはこれに続けて、Atomシリーズを展開した。

マイクロアーキテクチャ

Atomでは以下のマイクロアーキテクチャが使われる[3]

インテル チック・タックモデルのように、機能強化を図る世代と単にシュリンクする世代を交互に繰返すという計画が発表されていたが、実際はそのようには推移していなく、Silvermont で機能強化が行われた。

名称プロセスルール採用特徴
Bonnell
(ボンネル)
45 nmDiamondville, Menlow, Pine Trail, Moorestown, Oak TrailIn Order型、最大2コア、SSSE3
Saltwell
(ソルトウェル)
32 nmCedar Trail, Centerton, Briarwood, Medfield, Clover Trail, Clover Trail+
Silvermont
(シルバーモント)
22 nmAvoton, Rangeley, Bay Trail, Merrifield, MoorefieldOut of Order型、最大8コア、AES-NISSE 4.2、HTTなし
Airmont
(エアーモント)
14 nmBraswell, Cherry Trail
Goldmont
(ゴールドモント)
Apollo Lake, Denverton3命令同時デコード、最大16コア、MPX
Goldmont Plus
(ゴールドモントプラス)
Gemini Lake, Gemini Lake Refresh4命令同時発行、SGX
Tremont
(トレモント)
10 nmSnow Ridge, Elkhart Lake, Jasper Lake, Lakefield6命令同時デコード、最大24コア
Gracemont
(グレイスモント)
Intel 7Alder Lake, Raptor LakeAVX、AVX2
Crestmont
(クレストモント)
Intel 4
TSMC N6
Meteor Lake
Skymont
(スカイモント)
TSMC N3Lunar Lake9命令同時デコード

2016年5月にGoldmontに基づくスマートフォン/タブレット向けのBroxtonの廃止が発表になり[4]、タブレットPC向けのWillow Trailも廃止になり[5]、Joule は発表から10ヶ月で製造終了した。

Bonnell マイクロアーキテクチャ

第1世代のAtom向けマイクロアーキテクチャである。実装している命令セットIntel Core 2と互換であるとされ、x86命令、x87命令、そしてMMXSSESSE2SSE3SSSE3などの拡張命令を搭載している。製品により、Intel 64Intel VTハイパースレッディング・テクノロジーEISTNXビットが利用可能な物もある。また、新しくディープパワーダウン (C6)、スレッド別の低電力状態 (TCx)、CMOSバスモードなど電力管理機能が強化された[6]。最初に出荷された製品は、I/Oパッドを両サイドに配置した細長い長方形のダイ・レイアウトで、製造効率が最も高いとされる正方形のダイ形状ではない。これは、ダイサイズの小さなプロセッサをマルチコア化する際に有利であることから採用されたもので、その後、これを活かしたデュアルコア製品が追加された。[要出典]

約4,700万個のトランジスタにより構成されており、これは当時(2008年)のインテルのx86プロセッサの中では最も少ない[要出典]。ダイサイズ25平方 mm未満であり、インテル史上最小のx86プロセッサとして登場した。製造にはリーク電流低減に有効とされるハフニウム注入によるHigh-k (高誘電率) ゲート絶縁膜とメタルゲートによる45 nmプロセス・ルールが採用されるなど、省電力化が徹底されており、インテルのCPU史上最も低い電圧で動作し、消費電力はVIA Edenと同等。電圧を高くすることで当面最大となる1.8 GHz程度の動作周波数を確保し、それに応じて熱設計電力 (TDP) も0.6 W - 2.5 W程度と抑制された[7]

またワットパフォーマンス向上のため、アウト・オブ・オーダー実行構造を捨て、イン・オーダー実行の、比較的古いマイクロアーキテクチャに立ち返り、再設計されている。[8]

2次キャッシュの容量やFSBの速度はPentium 4-Mと同程度で、実質的な処理速度でも、同クロックのWillamette・NorthwoodのPentium 4やNorthwood-256kのMobile Celeron、Prescott-V (Prescott-256K) のCeleron Dなどと同程度であるが、同クロックのZ530 (FSB533 MHz 1.6 GHz TDP 2.2 W (HT)) とPentium 4-M (Northwood FSB 400 MHz 1.6 GHz TDP 46.8 W) とで比較した場合、TDPは後者の約4.7%となり、エネルギー効率は格段に向上した。[要出典]

このうち、2008年9月より出荷された330は、CPUパッケージに230を2個搭載させたデュアルコアモデルである[9]。330はまずデスクトップパソコン (ネットトップ) において発売を開始、2009年6月にはネットブックへの搭載機種が発売された[10]。330搭載のネットトップについては消費電力が少なく、相応の性能があるため、主に超小型ベアボーンやショップブランドパソコンとして発売されており、ファンレス製品もある。230と330に関しては、各社からMini-ITXマイクロATXのマザーボードに実装された状態で発売され、いずれも概ね1万円以下で入手可能である。CPUのみの交換はできないが、自作デスクトップPCとして組み立てることが可能である。

2009年12月には、開発コードPine Trail-Dと呼ばれていた新型プロセッサD410、D510が発表された。これらの最大の特徴は、元来ノースブリッジの機能だったGPUとメモリコントローラーをCPUに統合した点にある。これにより従来のAtomプラットフォームと比較し、平均消費電力は約20%低下したとされている[11]。また、従来3D性能のもの足りなさが指摘されていたグラフィックは、GMA 950からGMA 3150へと替わった。メモリスロットとメモリ総容量の少なさも解消されたことからWindows 7に正式に対応している。2009年12月に発売された製品では、DVIHDMIはサポートされていない。

Centrino Atom

ノートパソコン市場向けのインテルの製品ブランドの1つCentrinoと結び付けられた「Centrino Atom」(セントリーノ・アトム) という製品群は、低消費電力が求められるデジタル・モバイル機器などでの採用を想定していた。インテルのウェブサイトでは、ノートパソコンとPDAとの中間に位置するネットブックや組込み機器向けとしている。CPUコアはコードネーム「Bonnell」(ボンネル) と呼ばれている。Bonnellを採用した製品は複数公表されており、それぞれ対象とする市場が異なる[12]

  • Silverthorne - MID (モバイル・インターネット・デバイス、Mobile Internet Device、2008年4月に米インテル社が示した新たなノートパソコンのカテゴリー)
  • Diamondville - ネットブックネットトップ

Silverthorneと統合チップセット (コードネーム「Poulsbo」(ポルスボ)、System Controller Hub - SCH) を組み合わせたプラットホーム (コードネーム「Menlow」) には、インテル Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー (Intel Centrino Atom processor technology、セントリーノ・アトム・プロセッサー・テクノロジー) というブランドネームが与えられた。しかし、2008年8月にはインテルが「Centrino Atom」ブランドの廃止を決定。「Atom」に一本化された[13]

ネットトップ・ネットブック向け

頭文字に"D"が付く製品は簡易用途デスクトップPC、いわゆるネットトップ向けである。一方"N"が付く製品はネットブック向けとなる。230と330は主にネットトップ向けだが、ネットブックにも搭載された。

Diamondville (ダイアモンドビル)

2008年3月に発表されたAtom第1世代の製品である。

プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数HT対応FSB (MHz)2次キャッシュ64ビット対応VT 対応EISTTDP (W)DDR2メモリ
2301.601533512 KB××4800
3302512 KB×28
N2701512 KB×2.5533
N2801.66667667

Pine Trail (パイントレイル)

2009年5月に発表された。メモリコントローラーとグラフィックコアを統合したプロセッサ「Pineview」とチップセット「Tiger Point」を組み合わせたプラットフォーム。内蔵されたグラフィックコアはGMA 3150Blu-rayH.264のアクセラレーションには対応していないので、それらにはBroadcomのCrystal HDなどの外部チップで対応することとなる。N475、N455、D525、D425はそれぞれN470、N450、D510、D410のDDR3対応版。

プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュDMI64ビット対応VT 対応EISTTDP (W)メモリ
D4101.661512 KB2.5GT/s××10DDR2800
D4251.80DDR3
D5101.662512 KB×213DDR2
D5251.80DDR3
N4501.661512 KB5.5DDR2667
N4556.5DDR3
N4701.83DDR2
N475DDR3
N5501.502512 KB×28.5
N5701.66

タブレットPC・超小型PC向け

Menlow (メンロー)

2008年4月2日発表。2011年5月20日が最終受注日で生産終了[14]。プロセスルールは45 nm。

プロセッサーナンバー動作周波数コア数HT対応FSB (MHz)2次キャッシュ64ビット対応VT 対応EISTTDP (HT)
Z500800 MHz1400512 KB××0.65 W
Z5101.10 GHz×2 W
Z510P2.2 W
Z510PT
Z515
  • BPT: 1.4 W
  • HFM: 0.65 W
Z5201.33 GHz5332 W (2.2 W)
Z520PT2.2 W
Z5301.60 GHz2 W (2.2 W)
Z530P2.2 W
Z5401.86 GHz2.4 W (2.64 W)
Z5502.00 GHz2.4 W (2.64 W)
Z5602.13 GHz2.5 W (2.75 W)

Oak Trail (オークトレイル)

2011年4月11日発表[17]タブレットPC向けで、Menlowの後継製品。開発コードネーム「Lincroft」ことAtom Z6xxと「Whitney Point」ことIntel SM35 Expressを組み合わせたプラットフォーム。Oak Trail向けプロセッサZ670も同時に発表された。プロセスルールは45 nm。ネットブック向けのAtom N450に比べると消費電力は70%削減されている。F-07C (Windows 7搭載) ではZ650を 0.60 GHz (LFM) で搭載している。メモリは DDR2-800 64bit シングルチャネル (6.4 GB/s)、最大2 GB。最大出力解像度は1366×768 (LVDS)。[18]

プロセッサーナンバー動作周波数コア数HT対応FSB2次キャッシュ64ビット対応VT 対応EISTTDP (W)GPU
Z6501.20 GHz (HFM)1512 KB×3.0PowerVR SGX 535 (400 MHz)
Z670
  • 1.50 GHz (HFM)
  • 0.60 GHz (LFM)
667 MHz

HFM = 最高周波数モード, LFM = 最低周波数モード。

スマートフォン・タブレット向け

Moorestown (ムーアズタウン)

2010年5月4日発表。スマートフォンのアプリケーションプロセッサへの採用が想定されている。コードネーム「Lincroft」ことZ6xxシリーズとコードネーム「Langwell」こと「Platform Controller Hub MP20」チップセットを組み合わせたプラットフォーム。プロセスルールは45 nm。

プロセッサーナンバー動作周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュ64ビット対応VT 対応EISTTDP (W)
Baseバースト
Z6000.801.201512 KB×1.3
Z6050.601.002.2
Z6100.801.201.3
Z6120.901.50
Z6151.201.602.2
Z6200.901.501.3
Z6251.501.902.2

家電 (セットトップボックスなど)向け

Canmore (キャンモア)

Canmoreはセットトップボックステレビ向けのシステム・オン・チップ製品である。Intel Media Processor CE3100。2008年後半に出荷予定[19]

以下の機能を持つ。

Sodaville (ソーダヴィル)

Atom CE4100 (開発コードネーム:Sodaville) は、家電向けシステム・オン・チップ製品で 45 nm プロセスで製造され、2009年9月24日にIDF Fall 2009で発表された[20]。CE4100 CE4130 CE4150の3製品が公表されている[21]

プロセッサーナンバー周波数2次キャッシュA/Vキャプチャ
CPU (GHz)GPU (MHz)
CE41001.20200512 KB×
CE4130
CE4150400
CE41701.60

組込み機器向け

Embedded Menlow

組込み機器向けの、コードネーム「Embedded Menlow」(エンベデッド メンロー) もSilverthorneとPoulsboで構成される。組込み機器においては「同じものが長期間に渡り調達可能であり続ける事」が重要となるため、ライフサイクルサポートを7年としている点が異なる。

Tunnel Creek (トンネルクリーク)

2010年11月22日に米intel社はFPGAを組み込んだ"Intel Atom E600シリーズ" (開発コード名:Tunnel Creek) を発表した。本製品は、産業機械や移動用医療機器、高性能プログラマブル・ロジック・コントローラーといった組込み型コンピュータや、通信機器、視覚システム、VoIPデバイスの制御ユニットなどを主な適用対象としている。

末尾にTがつくのは産業向けで、それ以外は環境温度保証が0 - 70℃であるのに対して、Tがつくのは-40 - 85℃。末尾にCがつくのは、Altera FPGAを統合してシングルパッケージにしたモデル。

組込み用途において、Atomプロセッサを使いながらさらにユーザが独自に設計したデジタル回路を用いる場合には、プログラマブルな集積回路を別チップにしてAtomと共に製品を組み上げる構成が一般的であったが、Intel社はAtomにアルテラ社のFPGAを組み込みシングル・パッケージで提供することにした。AtomプロセッサとFPGAを同一パッケージで扱えることで、設計者は基板スペースが縮小できるだけでなく、設計そのものもより柔軟となり、小さな修正や変更はプログラムの入れ替えによって迅速・容易に設計変更できる。このため、開発コストと設計変更リスクが最小限に抑えられ、また部品在庫の縮減が可能で製造工程も簡素化できるとされる。また、本製品のサポートはIntel社だけに集約し、少なくとも7年間のサポートを行うとしている。

産業用および商用温度環境のサポートし、動作クロックは0.6 - 1.3 GHz、TDP 2.7 W -3.6 Wの製品が準備されている。E665CT、E645CT、E665C、E645Cという4品種が同日から60日以内の出荷であり、E625CTとE625C2製品が2011年第1四半期の出荷を予定している。価格は61 - 106米ドル (1000個時) を予定している[22]

本シリーズのダイは「Lincroft」系統の改良版であるとされる[23][24]

プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュ64ビット対応VT対応EISTTDP (W)DDR2メモリFPGA
E6200.61コア512 KB×2.7800×
E620T
E625C7
E625CT
E6401.03.6×
E640T
E645C7
E645CT
E6601.33.6×
E660T
E665C7
E665CT
E6801.63.9×
E680T

Saltwell マイクロアーキテクチャ

第2世代のAtom向けマイクロアーキテクチャである。Bonnellを32 nmプロセスルールに縮小したもの。2011年9月出荷開始。

ネットトップ・ネットブック向け (Cedar Trail)

2011年9月出荷開始。コードネームは Cedar Trail (シーダートレイル)

サポートされるOSはWindows (グラフィックはWindows 7以降)、Chrome OS、Ubuntu 12.04 LTS (32bit版のみ)、MeeGo。内蔵グラフィック機能はドライバレベルでWindows 7/8/8.1、かつ32bitしかサポートされない(64bit版はβ5止まり)。Windows 8以降は7用のドライバを流用する形での対応となる。前述以外のLinuxディストリビューションやWindows Vista、Windows XP用のドライバは提供されておらず代用も不可能なため、これらのOSと組み合わせて使用する際には、ビデオカードの増設が必要である。32 nmプロセスルール。Intel GMA 3600/3650 は PowerVR SGX 545 ベース。※一般向けには公式にサポート外となっているが、組込み向けには「エンベデッド・メディア・グラフィックス・ドライバー (EMGD)」としてWindows XPもサポートされている。

プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュDMI (GT/s)64ビット対応VT対応EISTTDP (W)Intel GMAGPU周波数 (MHz)メモリ
D25001.862×512 KB×22.5××103600400DDR3-1066 シングルチャネル
D25503650640
D25602.00
D27002.13
N26001.603.53600400DDR3-800 シングルチャネル
N26501.703.6
N28001.866.53650640DDR3-1066 シングルチャネル
N28502.006.6

タブレットPC・超小型PC向け (Clover Trail)

2012年9月27日発表、タブレットPC向け (主にWindows 8タブレットで採用)、Oak Trailの後継製品。コードネームは Clover Trail (クローバートレイル)。プロセスルールは、Medfieldと同様に32 nm。Medfieldに比べてWindowsドライバのサポートなどに調整を加えた製品。メモリは LPDDR2-800 32bit デュアルチャネル (6.4 GB/s)、最大2 GB。DirectX 9.3, OpenVG 1.1, OpenGL 2.1, OpenGL ES 2.0 対応。[25]

プロセッサーナンバー動作周波数コア数HT対応2次キャッシュ64ビット対応VT対応TDP (W)GPU
Z2760
  • 1.80 GHz (バースト)
  • 1.50 GHz (HFM)
  • 0.60 GHz (LFM)
2512 KB×2×1.7PowerVR SGX 545 (533 MHz)

スマートフォン向け (Medfield, Lexington)

2012年1月10日発表 (Z2460)、スマートフォン向けで、Moorestownの後継製品。Saltwell マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは32 nm[26]。メモリは LPDDR2-400 32bit デュアルチャネル (3.2 GB/s)。コードネームは Medfield (メドフィールド)。Z2420はMedfieldに属するが低価格市場向けを想定しておりコードネームは Lexington (レキシントン) となる[27]。2.0 GHz 時は750 mW、0.1 GHz時は50 mW[28]

プロセッサーナンバー動作周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュ64ビット対応VT対応GPUモデム
BaseバーストModel周波数 (MHz)
Z20001.00なし1×512 KB×PowerVR SGX 540320
Z24201.20なし400XMM 6265 (HSPA+)
Z24601.301.60XMM 6260 (HSPA+)
Z2480不明2.00
Z26101.301.60

スマートフォン・タブレット向け (Clover Trail+)

2013年2月24日発表、スマートフォン・タブレット向け、Medfieldの後継製品。コードネームは Clover Trail+ (クローバートレイルプラス)。SoCのコードネームは「Cloverview+」。Clover TrailのGPUをスマートフォン向けに変更したものだが、Medfieldに比べて消費電力で劣るようなことはない[29]。Saltwell マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは32 nm High-Kメタルゲート。最大出力解像度は 1920×1200。命令セットは32ビット。Intel VT-x 対応。

プロセッサーナンバー最高動作周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュGPUメモリモデム
Model周波数 (MHz)
Z25201.202512 KB×2PowerVR SGX 544MP230032ビット×2 LPDDR2-1066 8.528 GB/sXMM 6360 (HSPA+)
Z25601.60400
Z25802.00533

サーバー向け (Centerton, Briarwood)

2012年12月11日発表。CloverTrailをベースとする低消費電力などに適したサーバー向けSoCである[30]。Centerton (センタートン) がサーバー向け、Briarwood (ブライアーウッド) がストレージ・通信機器向け。Saltwell マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは32 nm。メモリは DDR3-1333 シングルチャネル (10.66 GB/s)。Intel 64, Intel VT-x, SSE 3 対応。

Centerton (センタートン)
プロセッサーナンバー動作周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュTDP (W)価格
S12201.62512 KB×28.1$54
S12406.1$64
S12602.08.5
Briarwood (ブライアーウッド)
プロセッサーナンバー動作周波数 (GHz)コア数HT対応2次キャッシュTDP (W)価格
S12691.62512 KB×211.7$80
S127913.1$103
S12892.014.0$120

Silvermont マイクロアーキテクチャ

第3世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、Atom向けとしては最初の機能強化版である。22 nmプロセスルール。Intel VT-x や AES-NI 対応など、サーバ向けの機能が強化されている製品もある。デスクトップ・ネットブック向けのチップは Atom ブランドではなく CeleronPentium のブランドで発売される。最初に発表された製品がサーバー向けで2013年9月4日発表。

Silvermontマイクロアーキテクチャは、Atomとしては初めてアウト・オブ・オーダー型の設計となった。命令デコード、リタイアは依然としてクロック当たり2命令であるが、整数×2、浮動小数点/SIMD×2、ロード/ストア×1の計5つの命令発行ポートを備え、クロック当たり最大5命令を順不同で発行可能である。これらの発行ポートは各々に独立したスケジューラ (リザベーション・ステーション) を備えており、IntelのマイクロプロセッサとしてはNetBurstマイクロアーキテクチャ以来の分散型のスケジューラを持つ構造となっている。従来のAtomマイクロアーキテクチャではロード+演算の型を持つCISC命令に対応するため、命令パイプラインの共通部分にL1Dキャッシュへのアクセス段を組み込み、キャッシュアクセスのレイテンシを隠蔽する構成を取っていたが、Silvermontではこれを廃し、独立したロード/ストアパイプをバックエンドに設けている。このため、パイプライン長は従来と比較して短くなり、整数演算命令における分岐ミス時のペナルティも13サイクルから10サイクルへと短くなっている。

5つのスケジューラのうち2つの整数スケジューラは完全なアウト・オブ・オーダーの実装になっており、オペランドが準備できた命令から発行可能である。一方で他の3つのスケジューラはプログラム順の発行しか許しておらず、スケジューラ内の最も旧い命令が発行されない限り他の命令の発行はできない。このため、浮動小数点演算/SIMD命令で順不同での発行が可能なのは、別のスケジューラに割り当てられた命令同士の組み合わせのみである。ロード/ストア命令に関してはスケジューラが1つしか存在しないため、同種の命令同士で順不同の発行は不可能であるが、可能な限り命令発行をブロックしないために2つの工夫が導入されている。1つはキャッシュミスに対するノンブロッキングな設計で、キャッシュミスが起きても最大8命令までは後続命令をブロックすること無く命令発行が可能である。もう1つはRehab Queueと呼ばれるサブ命令キューの設置で、TLBミスやアドレス計算に必要なオペランドが到着していない等の理由で命令が発行できない場合に、このRehab Queueにスケジューラから命令を追い出すことができる。これらの工夫により、ロード/ストアパイプはインオーダ型のスケジューラ1つでも命令の"詰まり"による性能低下が起こりにくい設計になっている。

Silvermontは2つのコアと1 MBのL2キャッシュで1つのモジュールを構成しており、モジュール間はIntra-Die Interconnect (IDI) と呼ばれるポイント・ツー・ポイント型のインターコネクトで結ばれる。従来は低速なFSBがコア間通信やDRAMアクセスのボトルネックとなっていたが、新アーキテクチャではこれを廃している。サーバ向けには最大8コア、タブレット/ネットブック向けには最大4コア、スマートフォン向けには最大2コアの構成が予定されている。いずれの場合も1コアで1スレッドを実行し、従来のようにハイパースレッディング・テクノロジーには対応しない。対応する命令セットはSSE4.1、SSE4.2、AES-NIなどが新たに加わっているが、2011年より同社のCore系のプロセッサに搭載されているAVXには対応しない。

Intelは前世代の32 nmのSaltwellマイクロアーキテクチャと比較して、シングルスレッドではIPCが50 %程度改善し、同じ消費電力で性能は2倍になると主張している。また、マルチスレッドではSilvermontの4コアで2コア4スレッドの前世代と比較してピーク性能が2.8倍、同じ消費電力の場合は性能が2.5倍になると主張している。

デスクトップPC向け (Bay Trail-D)

2013年11月発表。Cedar Trailの後継として登場。静音性 (ファンレス構造) や省エネ性を重視したタワー型デスクトップやA4型ノートにも搭載されるようになり、以前よりも用途が広がった。Atom の名を冠さず、CeleronPentium のブランドで発売される。

第3世代のAtom向けマイクロアーキテクチャSilvermontを搭載したCPU。22 nmプロセスルール。Intel VT-x や AES-NI 対応など、サーバ向けの機能も強化されている。Bay Trail-Dはデスクトップ向けでPentium J / Celeron J、Bay Trail-Mはノート向けでPentium N / Celeron Nとして販売される。

Bay Trail-D
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDPDDR3LメモリGPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
Pentium J29002.412.6642 MB10 W1333×24688896Q4'13
Pentium J2850N/A854Q3'13
Celeron J19002.02.41Q4'13
Celeron J1850N/A792Q3'13
Celeron J18002.412.5821 MBQ4'13
Celeron J1750N/A750Q3'13

ノートPC向け (Bay Trail-M)

2013年9月発表。GPU は Intel HD Graphics。Intel NUCなどのミニPCでも使われている。

Bay Trail-M
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDP (W)DDR3Lメモリ帯域 (GB/s)GPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
Pentium N35402.162.6642 MB7.51333×221.324313896Q3'14
Pentium N35302.58Q1'14
Pentium N35202.42854Q4'13
Pentium N35102.00N/A750Q3'13
Celeron N29401.832.25854Q3'14
Celeron N29302.16Q1'14
Celeron N29201.862.00844Q4'13
Celeron N29101.60N/A756Q3'13
Celeron N28402.162.5821 MB311792Q3'14
Celeron N28302.41313750Q1'14
Celeron N28202.132.39756Q4'13
Celeron N28151.862.13
Celeron N28102.00N/AQ3'13
Celeron N28081.582.254.5 W1333×110.66311792Q3'14
Celeron N28071.582.164.3 W313750Q1'14
Celeron N28061.602.004.5 W756Q4'13
Celeron N28051.46N/A4.3 W667Q3'13

タブレットPC向け (Bay Trail-T)

2013年9月11日発表。タブレットPC向け (Windows 8.1 や Android 対応)、Clover Trail の後継製品。Silvermont マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは22 nm。GPU は PowerVR から第7世代 Intel HD Graphics (Ivy Bridge 世代) になり、DirectX 11, OpenGL 3.2, OpenCL 1.2 に対応。Intel 64, Intel VT-x, SSE 4.2 対応。H.263, H.264, VC1, Multiview Video Coding, VP8, Motion JPEG のハードウェアデコーダー、H.264 のハードウェアエンコーダー搭載。HDMI 1.4, DisplayPort 1.2, eDP 1.3, WiDi 出力対応。

Bay Trail-T
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数L2キャッシュ (MB)SDP (W)メモリメモリ帯域 (GB/s)GPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
Z36801.332.00212.0LPDDR3-1066×18.54311667
Z3680D2.4DDR3L-RS-1333x110.6313688
Z37401.86422.0LPDDR3-1066×217.1311667Q3'13
Z3740D2.2DDR3L-RS-1333×110.6313688
Z37701.462.392.0LPDDR3-1066×217.1311667
Z3770D1.502.412.2DDR3L-RS-1333×110.6313688

Bay Trail Refresh

2014年3月発表。B2/B3 step (Z3xx0) から C0 step (Z3xx5, Z3xx6) に改良され GPU 周波数が向上している。

Bay Trail Refresh
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数2次キャッシュSDPメモリメモリ帯域 (GB/s)GPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
Z3735D1.331.8342 MB2.2 WDDR3L-RS-1333×110.64311646Q1'14
Z3735E5.3
Z3735F10.6
Z3735G5.3
Z3736F2.1610.6Q2'14
Z3736G5.3646
Z37451.862.0 WLPDDR3-1066×217.1778Q1'14
Z3745D2.2 WDDR3L-RS-1333×110.6792
Z37751.462.392.0 WLPDDR3-1066×217.1778
Z3775D1.492.412.2 WDDR3L-RS-1333×110.6792
Z3785LPDDR3-1333×221.3313833Q2'14
Z37951.592.392.0 WLPDDR3-1066×217.1311778Q1'14

スマートフォン/タブレット向け (Merrifield, Moorefield, SoFIA)

2014年2月24日発表、スマートフォン/タブレット向け、Clover Trail+の後継製品。Silvermontマイクロアーキテクチャ。プロセスルールは22 nm。Z34xx が Merrifield (メリーフィールド)、Z35xx が Moorefield (ムーアフィールド)。

Merrifield
プロセッサーナンバーCPU周波数コア数2次キャッシュGPUGPU周波数メモリモデム
Z34601.60 GHz21 MBPowerVR G6400457 MHzLPDDR3-1066 8.528 GB/sXMM 7160 (LTE)
Z34802.13 GHz533 MHz
Moorefield
プロセッサーナンバーCPU周波数コア数2次キャッシュGPUGPU周波数メモリモデム
Z35802.33 GHz42 MBPowerVR G6430533 MHzLPDDR3-1600 2.8 GB/s
  • XMM 7160 (LTE)
  • XMM 6360 (HSPA+)
  • XMM 7260 (LTE-Advanced)
Z35702.00 GHz640 MHz
Z35601.80 GHz533 MHz
Z35301.33 GHz457 MHz

SoFIA (ソフィア)

2015年3月2日発表[31]。プロセスルールは28 nmであり、インテル社外の半導体製造事業者が製造[32]x64 対応。このシリーズからモデル名がAtom x3/x5/x7の3種類に細分化され、そのうちAtom x3がこれに属する。

SoFIA
プロセッサーナンバーCPU周波数コア数2次キャッシュGPUGPU周波数メモリモデム
x3-C34401.4 GHz42 MBMali T720 MP2LPDDR2/3-1066 32bit×1LTE
x3-C3230RK1.2 GHzMali 450 MP4
  • LPDDR2/3-1066 32bit×1
  • DDR3/DDR3L-1333 16bit×2
HSPA+
x3-C3230RK1.0 GHz21 MBMali 400 MP2LPDDR2-800 32bit×1

サーバー向け (Avoton)

2013年9月4日発表。Avoton (アヴァトン) が一般サーバー向け、Rangeley (レンジレイ) がネットワーク機器組み込み向け。Rangeley の方が製品の提供期間が長い (組込み機器向けオプションあり)。Silvermont マイクロアーキテクチャ。メモリは DDR3-1600 デュアルチャンネル (25.6 GB/s)。搭載メモリの最大容量は16 GB - 64 GB。プロセスルールは22 nm。Intel 64, Intel VT-x, SSE 4.2, AES-NI 対応。Rangeley は C2338, C2358 以外はバースト・ブースト・テクノロジー非対応。

Avoton (アヴァトン)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数2次キャッシュQuickAssistテクノロジーTDP価格
BaseBurst
C23501.72.021 MB×6 W$43
C253042 MB9 W$70
C25502.42.614 W$86
C27301.72.084 MB12 W$150
C27502.42.620 W$171

組み込み向け (Rangeley)

Rangeley (レンジレイ)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数2次キャッシュQuickAssistテクノロジーTDP価格
BaseBurst
C23081.25N/A21 MB6 W
C23161.57 W
C23381.72.0×
C2358
C25081.25N/A42 MB9.5 W
C25161.410 W
C25181.7×13 W$75
C25382.415 W
C2558$86
C27182.084 MB×20 W
C27382.4
C2758$171

Airmont マイクロアーキテクチャ

第4世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2015年3月2日発表。プロセスルールは14 nm。GPU は第8世代 Intel HD Graphics (Broadwell 世代) 。

デスクトップ・ノートPC向け (Braswell)

2015年4月7日発表[33]。当初はデスクトップ・ノート共通としてNシリーズのみが発売されたが、後にデスクトップ専用のJシリーズが追加された。HTT無し。

Braswell
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDP (W)メモリGPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstDDR3L帯域 (GB/s)BaseBurst
Pentium N37001.62.442 MB61600×225.616400700Q1'15
Pentium N37102.56Q1'16
Pentium J37102.646.5740
Celeron N30001.042.082412320600Q1'15
Celeron N30501.62.166
Celeron N31502.084640
Celeron N30101.062.2424600Q1'16
Celeron N31601.646640
Celeron N30602.482600
Celeron J31602.244700
Celeron J30602.482

組み込み向け (Braswell)

HTT無し。

Braswell
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDPメモリメモリ帯域 (GB/s)GPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
x5-E80001.042.042 MB5 WDDR3L-1600×225.612320Q1'16

タブレットPC向け (Cherry Trail)

2015年3月2日発表[34]。タブレットPC向け。Bay Trailの後継製品。コードネーム Cherry Trail (チェリートレイル)。このシリーズではモデル名がAtom x3/x5/x7の3種類に細分化され、そのうちAtom x5とx7がこれに属する。HTT無し。

Cherry Trail
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュSDPメモリメモリ帯域 (GB/s)GPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
x7-Z87001.62.442 MB2 WLPDDR3-1600×225.616200600Q1'15
x7-Z87502.56Q1'16
x5-Z85001.442.2412Q1'15
x5-Z83001.84DDR3L-RS-1600×112.8500Q2'15
x5-Z83301.92Q1'16
x5-Z8350
x5-Z85502.4DDR3L-RS-1600×225.6600

Goldmont マイクロアーキテクチャ

第5世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2016年9月1日発表。プロセスルールは14 nm。GPU は第9世代 Intel HD Graphics (Skylake 世代) 。

デスクトップ・ノートPC向け (Apollo Lake)

Jが付いているのがデスクトップ用、Nが付いているのがノートPC用。

HTT無し。

Apollo Lake (アポロレイク)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDP (W)メモリGPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstDDR3L / LPDDR3帯域 (GB/s)LPDDR帯域 (GB/s)BaseBurst
Pentium J42051.52.642 MB101866×229.82400×238.418250800Q3'16
Celeron J34552.312750
Celeron J33552.02.52700
Pentium N42001.14618200750
Celeron N34502.212700
Celeron N33502.42650

組み込み向け (Apollo Lake)

HTT無し。

Apollo Lake (アポロレイク)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDP (W)メモリGPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstDDR3L帯域 (GB/s)LPDDR4帯域 (GB/s)BaseBurst
x7-E39501.62.042 MB12186629.8240038.418500650Q4'16
x5-E39401.89.5213334.112400600
x5-E39301.326.5550

組み込み向け (Joule)

2016年8月に発表し、2017年6月16日に製造終了。

HTT無し。

Joule (ジョール)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュメモリメモリ帯域 (GB/s)GPU EU数GPU周波数 (MHz)発売時期
BaseBurstBaseBurst
Joule 570x
(Atom T5700)
1.72.444 MBLPDDR4 x425.618450650Q3'16
Joule 550x
(Atom T5500)
1.5N/A12300N/AQ4'16

サーバー向け (Denverton)

HTT, GPU無し。

Denverton (デンバートン)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア数キャッシュTDP (W)DDR4メモリ発売時期
BaseBurst
C33081.62.124 MB9.51866Q3'17
C33381.52.29Q1'17
C35081.648 MB11.25Q3'17
C35382.115
C35582.216
C37081.7816 MB172133
C37502.22.421
C37582.225
C38082.01212 MB
C38502.12.42400
C38582.0
C38301.92.3212133
C39501.72.21616 MB242400
C39552.12.432
C39582.031

Goldmont Plus マイクロアーキテクチャ

第6世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2017年12月11日発表。プロセスルールは14 nm。GPU は第9.5世代 Intel HD Graphics (Kaby Lake 世代) 。ちなみに、この世代は「intel Core i」における第8世代(Kaby Lake Refresh、およびCoffee Lake)と同様の扱いで、この世代以降はWindows 11にも正式に対応している。

デスクトップ・ノートPC向け (Gemini Lake)

Jが付いているのがデスクトップ用、Nが付いているのがノートPC用。

Gemini Lake (ジェミニレイク)
プロセッサーナンバーCPU周波数 (GHz)コア/スレッド数キャッシュ (MB)TDP (W)メモリGPUGPU周波数 (MHz)発売時期
ベースターボブランド名と型番EU数ベースターボ
Pentium Silver J50051.52.84C/4T410DDR4/LPDDR4-2400UHD Graphics 60518250800Q4'17
Pentium Silver N50001.12.76200750
Celeron J41051.52.510UHD Graphics 60012250
Celeron J40052.02.72C/2T700
Celeron N41001.12.44C/4T6200
Celeron N40002.62C/2T650

Gemini Lake Refresh

Gemini Lake Refresh
仕向けコア数

(スレッド数)

CPUブランド名と型番GPUモデルTDP (W)CPU周波数 (GHz)GPU周波数 (MHz)L2キャッシュ発売時期価格

(米ドル)

ブランド名と型番EUベースターボベースターボ
デスクトップ4 (4)Pentium SilverJ5040UHD Graphics 60518102.03.22508004 MBQ4'19161
CeleronJ4125UHD Graphics 600122.7750107
2 (2)J40252.9700
モバイル4 (4)Pentium SilverN5030UHD Graphics 6051861.13.1200750161
CeleronN4120UHD Graphics 600122.6700107
2 (2)N40202.8650

Tremont マイクロアーキテクチャ

第7世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2019年10月24日発表。プロセスルールは10 nm。低消費電力が求められる組み込み分野やサーバーだけでなく5G基地局などネットワーク分野に向けた強化が図られた。またIntel Hybrid Technologyにおけるスモールコアとしても採用されている。

Tremont マイクロアーキテクチャは高いシングルスレッド性能を実現するために、Coreプロセッサ並の分岐予測、6命令同時デコード、実行ポートが10個になっており、同クロックのGoldmont Plusと比べて、平均で30%以上シングルスレッド性能が向上している。

デスクトップ・ノートPC向け (Jasper Lake & Lakefield)

Jasper Lake
仕向けコア数

(スレッド数)

CPUブランド名と型番GPUTDP (W)SDP (W)CPU周波数 (GHz)GPU周波数 (MHz)キャッシュ(MB)発売時期
モデルEUベースターボベースターボL2L3
デスクトップ4 (4)Pentium SilverN6005UHD Graphics3210N/A2.03.34509001.54Q1 2021
CeleronN5105242.9800
2 (2)N450516750
モバイル4 (4)Pentium SilverN60003264.81.13.3350850
CeleronN5100242.8800
2 (2)N450016750
Lakefield
仕向けコア数

(スレッド数)

CPUブランド名と型番GPUTDP

(W)

CPU周波数

(GHz)

GPU周波数

(MHz)

キャッシュ

(MB)

発売時期価格

(米ドル)

モデルEUベースターボベースターボL2L3
モバイル1+4 (5)Core i5L16G7UHD Graphics6471.43.02005001.54Q2 2020281
Core i3L13G4480.82.8

サーバー向け (Snow Ridge)

仕向けコア数

(スレッド数)

CPUブランド名と型番TDP

(W)

CPU周波数

(GHz)

L2キャッシュ(MB)発売時期価格

(米ドル)

ベース
サーバー8(8)Atom PP5921B?2.292020/Q1?
12(12)P5931B13.5
16(16)P5942B18
24(24)P5962B27

組み込み向け (Elkhart Lake)

Elkhart Lake
仕向けコア数

(スレッド数)

CPUブランド名と型番GPUTDP (W)CPU周波数 (GHz)GPU周波数 (MHz)L2キャッシュ(MB)メモリー発売時期
モデルEUベースターボベースターボ
Embedded4(4)PentiumJ6425UHD Graphics32101.83.04008501.5
  • LPDDR4X-4267×4
  • DDR4-3200×2
Q1 2021
N6415166.51.2350800
CeleronJ6413101.8400
2 (2)N62116.51.2250750
4 (4)Atomx6425RE32121.9N/A400N/A
x6427FE
x6425E1.83.0500750
x6413E1691.5
x6414REN/A400N/A
2 (2)x6212RE61.2350
x6211E3.0750
x6200FEN/A4.51.0N/A1.0

Gracemont マイクロアーキテクチャ

Alder LakeRaptor Lakeの高効率コア(Eコア)として採用された。Skylakeと比較して同じ消費電力ならば40%性能が向上し、同じ性能ならば40%消費電力が削減できるという。

AVX-512命令に対応していないため、Alder LakeではPコア(Golden Cove)のAVX-512命令が無効化されている。

GracemontはAlder LakeRaptor Lakeの高効率コア(Eコア)として開発されたため、Alder Lake発表当初、Atom製品は終了し、Gracemontのみを使用したAtom製品は出ないとも予想されたが、その後、2023年に高性能コア(Pコア)を搭載せずGracemontのみを使用したAlder Lake-Nとして、Intel Processor N50、N97、N100、N200及び、Core i3 N300、N305、そして組み込み向けとして引き続きAtomブランドを使用したAtom x7211E、x7213E、x7425Eが発表され、Atom製品及びCeleron、Pentium Silverの後継となることがわかった。

GracemontではTremontから以下の改良が加えられている。

・L1命令キャッシュが64KBに増加

・分岐ターゲットバッファ(BTB)が5,000エントリーに増加

・オンデマンド命令長デコーダ

・命令発行数がクロックあたり5に増加

・命令リタイア数がクロックあたり8に増加

・Reorder Buffer(ROB)が256エントリに増加

・実行ポート数が17ポートに増加

・AVX、AVX2、FMA3、AVX-VNNI命令のサポート

デスクトップPC向け

Alder Lake-S

Alder Lake-S
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期価格

(米ドル)

定格最大型番EU数周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコア定格最大L3L2定格最大
Core i912900KS8816243.42.55.54.0UHD 770323001550DDR5-4800×2
DDR4-3200×2
3014150241Q1'22739
12900K3.22.45.23.9UHD 770323001550125241Q4'21589
12900KFN/A564
129002.41.85.13.8UHD 77032300155065202Q1'22489
12900FN/A464
12900T1.41.04.93.6UHD 77032300155035106489
Core i712700K8412203.62.75.03.8UHD 7703230015002512125190Q4'21409
12700KFN/A384
127002.11.64.93.6UHD 77032300150065180Q1'22339
12700FN/A314
12700T1.41.04.63.4UHD 7703230015003599339
Core i512600K6410163.72.84.93.6UHD 770323001450209.5125150Q4'21289
12600KFN/A264

Raptor Lake-S

Raptor Lake-S
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期価格

(米ドル)

定格最大型番EU数周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコア定格最大L3L2定格最大
Core i913900K816243232.25.84.3UHD 770323001650DDR5-5600×2
DDR4-3200×2
3632125253Q4'22589
13900KFN/A564
Core i713700K8816243.42.55.44.2UHD 7703230016003024125253409
13700KFN/A384
Core i513600K6814203.52.65.13.9UHD 7703230015002420125181319
13600KFN/A294

ノートPC向け (Alder Lake-HX/H/P/U/N)

Alder Lake-HX
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期
定格最大型番EU数最大周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコアL3L2定格最大
Core i912950HX8816242.31.75.03.6UHD Graphics321550DDR5-4800×2
DDR4-3200×2
301455157Q2'22
12900HX
Core i712850HX2.11.54.83.4145025
12800HX2.01.54.83.4
12650HX6814202.01.54.73.32411.5
Core i512600HX4812162.51.84.63.31350189
12450HX448122.41.84.43.1161300127
Alder Lake-H
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期
定格最大型番EU数最大周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコアL3L2定格最大
Core i912900HK6814202.51.85.03.8Iris Xe Graphics961450DDR5-4800×2
DDR4-3200×2
LPDDR5-5200×2
LPDDR4x-4267×2
2411.545115Q1'22
12900H
Core i712800H2.41.84.83.71400
12700H2.31.74.73.5
12650H6410162.31.74.73.5UHD Graphics6414009.5
Core i512600H4812162.72.04.53.3Iris Xe

Graphics

80140018995
12500H2.51.84.53.31300
12450H448122.01.54.43.3UHD Graphics481200127
Alder Lake-P
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期
定格最大型番EU数最大周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコアL3L2定格最大
Core i71280P6814201.81.34.83.6Iris Xe Graphics961450DDR5-4800×2
DDR4-3200×2
LPDDR5-5200×2
LPDDR4x-4267×2
2411.52864Q1'22
1270P4812162.21.64.83.51400189
1260P2.11.54.73.4
Core i51250P1.21.74.43.380140012
1240P1.21.74.43.31300
Core i31220P2810121.51.14.43.3UHD Graphics6411006.5
Alder Lake-U 15W
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期
定格最大型番EU数最大周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコアL3L2定格最大
Core i71265U2810121.81.34.83.6Iris Xe Graphics961250DDR5-4800×2
DDR4-3200×2
LPDDR5-5200×2
LPDDR4x-4267×2
126.51555Q1'22
1255U1.71.24.73.51250
Core i51245U1.61.24.43.3801200
1235U1.30.94.43.31200
1235U IPU搭載
Core i31215U24681.20.94.43.3UHD Graphics641100104.5
1215U IPU搭載
Pentium850514561.20.94.43.348110083.25
8505 IPU搭載
Celeron73051.10.9N/A1100
Alder Lake-U 9W
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期
定格最大型番EU数最大周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコアL3L2定格最大
Core i71260U2810121.10.84.73.5Iris Xe Graphics96950LPDDR5-5200×2
LPDDR4x-4267×2
126.5929Q1'22
1250U1.10.84.73.5950
Core i51240U1.10.84.43.380900
1230U1.00.74.43.3850
Core i31210U24681.00.74.43.3UHD Graphics64850104.5
Pentium850014561.00.74.43.34880083.25
Celeron73001.00.7N/A800
Alder Lake-N
ブランド型番コア数スレッドCPU周波数(GHz)iGPUメモリ周波数キャッシュ

(MB)

熱設計電力

(W)

発売時期
定格最大型番EU数最大周波数(MHz)
PコアEコア合計PコアEコアPコアEコアL3L2定格最大
Core i3N305N/A888N/AN/AN/A3.8UHD Graphics321250DDR5-4800
DDR4-3200
LPDDR5-4800
64N/A15Q1'23
N3007
Intel ProcessorN2004443.73275026
N1003.4246
N973.624120012
N953.416120015
N502223.4167506

脚注

関連項目

外部リンク