Doom (フランチャイズ)

Doom』(ドゥーム)は、ジョン・カーマックジョン・ロメロエイドリアン・カーマックケヴィン・クラウドトム・ホールが制作したコンピューターゲームシリーズとメディアフランチャイズ[1]。このシリーズでは、ユニオン・エアロスペース・コーポレーション(Union Aerospace Corporation、UAC)後援の下で活動するスペースマリーン(宇宙海兵隊)が、デーモンとアンデッドの大群と戦う様に焦点を当てている。

Doom
創作者
初作品DOOM (1993)
所有者ゼニマックス・メディア
出版物
小説こちらを参照
漫画Doom (1996)
映画・テレビ
映画こちらを参照
ゲーム
ゲームDoom: The Boardgame (2004)
コンピュータゲームゲーム一覧

Doomファーストパーソン・シューティングゲームの草分け的存在の1つと考えられており、 IBM互換のコンピューターに3Dグラフィックス、3次元空間、ネットワーク化されたマルチプレイヤーゲームプレイ、およびDoom WAD形式でのプレイヤー製Modのサポートなどの機能を導入している。1993年のデビュー以来、Doomシリーズのゲームは1000万本以上販売されている。このシリーズは、数多くの続編、小説、コミック・ブック、ボードゲーム、映画の翻案を生み出している。

ゲーム

本シリーズは、「ドゥームガイ」のあだ名で呼ばれるスペースマリーンとデーモンアンデッドで構成される地獄の勢力との戦いを描いたファーストパーソンシューティングゲームである。第二作『Doom II: Hell on Earth』は、第一作『Doom』の後の世界を描いており、地獄から戻ったスペースマリーンが、地球を侵略して何十億もの人間を殺したデーモンたちと戦う内容となっている[2]

メインシリーズ

タイトル詳細

発売日:
  • 1993年12月10日 (1993-12-10)
  • 1993年
システム別発売日:
1993 – MS-DOS
1994 – Sega 32X, Atari Jaguar
1995 – Super Nintendo Entertainment System, PlayStation
1996 – 3DO
1997 – セガサターン
1998 – Acorn Archimedes
2001 – ゲームボーイアドバンス
2006 – Xbox 360 (当初はアクティビジョンが発売)
2009 – iOS
2012 – Xbox 360 (ベセスダによる再発売)
2019 – Nintendo SwitchPlayStation 4Xbox OneAndroid
補足:
  • 当初はid Softwareが開発し、GT Interactive Softwareが発売した。
  • 1995年4月30日、オリジナルの3つのエピソードに加えて新たな4番目のエピソード「Thy Flesh Consumed」を収録したアップデート版「The Ultimate Doom」が発売された。
  • 2019年5月22日、ジョン・ロメロはゲームの25周年を記念して非公式の5番目のエピソード「Sigil」を公開した[3]



発売日:
  • WW 1994年10月10日
システム別発売日:
1994 – MS-DOS
1995 – Classic Mac OS、PlayStation
1997 – セガサターン
2002 – ゲームボーイアドバンス
2010 – Xbox 360 (最初はアクティビジョンが発売)
2012 – Xbox 360 (ベセスダによる再発売)
2019 – Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、iOS、Android
補足:
  • 当初はid Softwareが開発しGT Interactive Softwareが発売した。
  • 1995年のPlayStation版と1997年のセガサターン版は前作とのカプリングで本作が収録して発売された。
  • 1995年12月26日、追加の21ステージを収録した拡張パック『Master Levels for Doom II』が発売された。
  • 2010年5月26日、Nerve Softwareが開発した拡張パック『Doom II: No Rest for the Living』がXbox 360向けに発売された。



発売日:
  • 1996年6月17日 (1996-06-17)
  • 1996年
システム別発売日:
1996 – MS-DOS, PlayStation, Classic Mac OS
補足:
  • TeamTNTが開発し当初はid Softwareが発売した
  • 『Final Doom』は『Doom Ⅱ』の二つのMod、「TNT: Evilution」と「The Plutonia Experiment」のコンピレーション作品であり、Doom Ⅱの大半とDoomの一部リソースに加えて、新ステージのセット(どちらもDoom Ⅱと同じステージ構造を用いており、30の通常ステージと2つのシークレットステージがある)、新たなグラフィックとテクスチャ、新たな音楽(TNT: Evilutionのみ)そして新たな幕間のテキスト画面を特徴とする。



発売日:
  • 1997年3月31日 (1997-03-31)
  • PAL 1997年12月2日
システム別発売日:
1997 – Nintendo 64
2020 – Microsoft Windows、Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One (ベセスダによる再発売)
補足:



発売日:
  • 2004年8月3日 (2004-08-03)
  • 2004年8月13日
システム別発売日:
2004 – Microsoft WindowsLinux
2005 – OS XXbox
補足:
  • 最初はid Softwareが開発しアクティビジョンが発売
  • Xbox版は「The Ultimate Doom」と『Doom Ⅱ』の完全版とが含まれているが、限定のコレクターズエディションでのみ入手可能



発売日:
  • 2005年4月3日 (2005-04-03)
  • 2005年4月8日
システム別発売日:
2005 – Microsoft Windows、Linux、Xbox
補足:
  • Nerve Softwareが開発し、アクティビジョンが発売した。
  • Microsoft Windows版はプレイするために『Doom 3』が必要な拡張パックとして発売。
  • Xbox版は『Doom 3』は必要なく、また『The Ultimate Doom』『Doom Ⅱ』『Master Levels for Doom II』の完全版も収録している。



発売日:
  • 2012年10月16日 (2012-10-16)
  • 2012年10月19日
  • 2012年10月18日
システム別発売日:
2012 – Microsoft Windows、PlayStation 3、Xbox 360
2015 – Nvidia Shield
2019 – Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One
補足:
  • id Softwareが開発し、ベセスダ・ソフトワークスが発売。
  • Doom 3のHDリマスターとDoom3の拡張パック『Resurrection of Evil』。本作には新たな拡張パック「The Lost Mission」も収録されている。
  • 本作はまた、『The Ultimate Doom』と『Doom Ⅱ』の完全版及びNerve Softwareが開発した拡張パック「No Rest for the Living」も収録されている。



発売日:
  • WW 2016年5月13日
システム別発売日:
2016 – Microsoft Windows、PlayStation 4、Xbox One
2017 – Nintendo Switch
補足:
  • id Softwareが開発し、ベセスダ・ソフトワークスが発売
  • マルチプレイヤーはCertain Affinityとの共同開発
  • SnapMapはEscalation Studiosとの共同開発



発売日:
  • WW 2020年3月20日
システム別発売日:
2020 – Microsoft Windows、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch、Stadia
補足:
  • id Softwareが開発しベセスダ・ソフトワークスが発売
  • 2016年のリブートの続編

スピンオフ

タイトル詳細

発売日:
  • WW 2005年9月13日
システム別発売日:
2005 – モバイル
補足:
  • Fountainhead Entertainmentが開発し、JAMDAT Mobileが配信



発売日:
  • WW 2009年6月26日
システム別発売日:
2009 – iOS
補足:
  • Escalation Studiosが開発し、id Softwareが発売。



発売日:
  • WW 2009年11月23日
システム別発売日:
2009 – Java MEBlackBerry OS
2010 – Windows Mobile、iOS
補足:
  • id Softwareが開発・発売



発売日:
  • WW 2017年12月1日
システム別発売日:
2017 – Windows Mixed RealityHTC VivePS VR
補足:
  • id Softwareが開発し、ベセスダ・ソフトワークスが発売
  • 2016年のリブート作『Doom』の出来事中が舞台のバーチャルリアリティーゲーム

開発と歴史

発売の年表
太字はメインシリーズ作品
1993Doom
1994Doom II: Hell on Earth
1995Master Levels for Doom II, The Ultimate Doom
1996Final Doom
1997Doom 64
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004Doom 3
2005Doom 3: Resurrection of Evil, Doom RPG
2006
2007
2008
2009Doom Resurrection, Doom II RPG
2010Doom II: No Rest for the Living
2011
2012Doom 3: BFG Edition
2013
2014
2015
2016Doom
2017Doom VFR
2018
2019
2020Doom Eternal

第一作『Doom』の開発は1992年に始まり、同年ジョン・カーマックが新しいゲームエンジン「Doomエンジン」を開発した一方で、id Softwareチームの残りのメンバーは『Wolfenstein 3D』の前日譚『Spear of Destiny』を完成させた。

1994年には第二作『Doom II:Hell on Earth』が発売されており、後に同作で用いられたバージョンのDOOMエンジンに基づく2つの公式作品、『Master Levels for Doom II』(1995年)と『Final Doom』(1996年)が発売された。

1997年発売の『Doom 64』は、id Software監修の下、ミッドウェイゲームズが開発した[4]

ナンバリングタイトル第三作に当たる『Doom 3』は2000年に発表され、2004年に発売された。同作は第一作のリブート作であり、新しいグラフィック技術が用いられている。『Doom 3』は、オリジナルのゲームと同じくらいリアリズムと双方向性における大きな飛躍を実現すると大々的に宣伝され、新たなファンを獲得した。2005年には、『Doom』3用の拡張パック『Doom 3:Resurrection of Evil』が発売された

「Doom 4」のプロジェクトの開発が2013年に取りやめになった後、id Softwareのティム・ウィリッツは、シリーズの次のゲームは引き続きチームの焦点であると述べたが、「Doom 4」というタイトルであるとの確認はされなかった[5]。その後、2014年に『Doom』に名前が変更され、過去作の続編や前日譚ではないシリーズ2回目のリブート作として2016年に発売された[6]。 そして、2016年のリブートの続編である『Doom Eternal』が2020年に発売された。

その他のメディア

小説

Doomを原作とする小説4作『Knee Deep in the Dead』『Hell on Earth』『Infernal Sky』『Endgame』はダフィッド・アブ ・ヒューとブラッド・リナウィーバーが執筆し、4作全てが1995年6月から1996年1月の間にPocket Booksによって出版された。名無しのマリーンは、小説では「フリン・タッガート」または「フライ」と呼ばれている。最初の2冊の本は、最初の2作のゲームで見覚えがあるロケーションと状況を特徴としている。

2008年には、Doom 3Resurrection of Evilのストーリーと脚本を手掛けた作家のマシュー・J・コステロによる新シリーズのDoom小説が出版された。この小説シリーズは、Doom 3のストーリーを小説化することを目的としており、1作目の『Worlds on Fire』が2008年2月26日に発売された[7]。シリーズの第2作目『Maelstrom』は2009年3月に発売された[8]

コミック・ブック

スティーブ・ベーリングとマイケル・スチュワートがトム・グリンドバーグの絵とともに書いた読み切りのコミック・ブックは、コンピューターゲーム大会の景品として1996年5月にマーベル・コミックスから発売された。

ボードゲーム

プレイ中の『Doom: The Boardgame』

2004年に、 ケビン・ウィルソンが設計したボードゲーム『Doom: The Boardgame』がFantasy Flight Gamesから発売された[9]。シリーズ20周年記念として、Game-Art-HQコミュニティは、ゲームのキャラクターの20のイラストでアートの賛辞を作成した。

映画

Doom(2005)

2005年にユニバーサル・ピクチャーズは、最初の実写映画化作品『DOOM』(ドウェイン・ジョンソン主演)を公開した。

DOOM/ドゥーム:アナイアレーション (2019)

2019年、ユニバーサルは、2作目となる実写映画『DOOM/ドゥーム:アナイアレーション』をビデオ映画としてリリースした。

評価

集計レビュー得点
(2020年3月25日時点)
ゲーム名GameRankingsMetacritic
Doom (1993)(PC) 86.67%[10]
(PS1) 84.00%[11]
(iOS) 82.86%[12]
(X360) 80.16%[13]
(32X) 80.00%[14]
(GBA) 79.87%[15]
(JAG) 78.75%[16]
(SNES) 54.05%[17]
(SAT) 47.00%[18]
(iOS) 84[19]
(X360) 82[20]
(GBA) 81[21]
Doom II: Hell on Earth(PC) 95.00%[22]
(X360) 77.36%[23]
(GBA) 76.64%[24]
(PC) 83[25]
(X360) 77[26]
(GBA) 77[27]
Final Doom(PS1) 80.71%[28]
(MAC) 60.00%[29]
(PC) 56.00%[30]
Doom 64(N64) 73.47%[31]
Doom 3(Xbox) 87.63%[32]
(PC) 86.63%[33]
(Xbox) 88[34]
(PC) 87[35]
Doom 3: Resurrection of Evil(PC) 79.52%[36]
(Xbox) 78.02%[37]
(PC) 78[38]
(Xbox) 77[39]
Doom RPG(MOBI) 87.45%[40]
Doom Resurrection(iOS) 86.43%[41](iOS) 79[42]
Doom II RPG(MOBI) 80.00%[43]
(iOS) 79.00%[44]
(iOS) 80[45]
Doom 3: BFG Edition(PS3) 68.00%[46]
(X360) 66.63%[47]
(PC) 51.67%[48]
(PS3) 67[49]
(X360) 67[50]
(PC) 59[51]
Doom (2016)(XONE) 89.04%[52]
(PS4) 85.82%[53]
(PC) 85.38%[54]
(XONE) 87[55]
(PS4) 85[56]
(PC) 85[57]
Doom Eternal(XONE) 89[58]
(PS4) 87[59]
(PC) 90[60]

1996年、Next Generationはシリーズを史上19番目に良いゲームと位置付け、「数百の模倣作品にもかかわらず、どれもidのオリジナルの脈打つクラシックに匹敵できたものはない」と記述した[61]

このシリーズの名無しの主人公であるマリーンは、主に好意的に受け止められている。2009年、GameDailyはオリジナルのシリーズで上下を見ることができなかったため、「単純なことをしくじる10人のゲームヒーロー」のリストに「The Marine」を追加した[62]。UGO Networksは、2012年のコンピューターゲームの最高の無口な主人公リストで4位に位置付け、地獄の軍隊と対峙した時でも沈黙を保ち続ける勇気に言及した[63]。2013年、コンプレックスはドゥームガイを「オリジナルのコンピューターゲームのスペースマリーン」および「古典的な無口な主人公の1人」として、コンピューターゲームの最高の兵士のリストで16位に位置付けた[64]。CraveOnlineとVGRCの両方が、彼をコンピューターゲーム史上5番目に「イカす」男性キャラクターに位置付けた[65][66]

売上

オリジナルの『Doom』は、1993年の発売から1999年までの間に、パッケージで200〜300万本[67]、シェアウェアで115万本[68]を販売した。Doom IIは、同じ期間に米国ですべてのタイプの155万本を販売し[69] 、ヨーロッパでも米国の約4分の1相当が販売され[70] 、オリジナル2部作の合計で約500〜600万枚が販売された。Doom 3は、2004年の発売から2007年までの間に350万本を販売し、その時点でシリーズで最も成功したゲームになり[71]、拡張パックのResurrection of Evilの販売も好調だった。Doom 64の売上は明らかにされていない。

2016年のリブート作は2016年5月の発売から2017年7月までにPC版だけで200万本以上を販売した[72]

脚注