Apple Advanced Technology Group

Apple Advanced Technology Group(アドバンスト・テクノロジー・グループ)は、Appleの最先端技術研究所として、1986年から1997年にかけて運営された組織。

Cupertino City Center buildings.
ATGは、クパティーノ 市の中心の建物群にあった。

歴史

ラリー・テスラーにより、Apple社内で製品開発からは独立した、長期的な将来に渡る技術を研究する為に教育研究グループ(ERG)として1986年10月に設立された。その後の閉鎖までの責任者は、デビッド・ネーゲル、リチャード・ルフェーブル[1] および ドナルド・ノーマン[2] ノーマンがVPとして着任した研究組織として知られている。Appleに復帰した スティーブ・ジョブズが1997年に閉鎖した[3]

研究

ATGの行った研究の取り組みは、ハードウェアとソフトウェアに跨がった、人間とコンピュータの相互作用、音声認識、教育技術、ネットワーク、情報アクセス、分散型管理システム、協調コンピューティング、コンピュータグラフィックス、および言語行動、などの観点からのもの。 ATGには次の4人のAppleフェロー、 アル・アルコーン[4] - オブジェクト指向ソフトウェアパイオニア、アラン・ケイ[5]ビル・アトキンソンレーザープリンターの発明者のゲイリー・スタークウェザー、機械学習/音声認識技術の専門家カイフ・リーが在籍していた。 さらに、ATGが設立した、大学の研究では、1992年から毎年、学生チーム向けのデザインコンペが開催されていた[6]

技術開発成果

ATGで発明・開発された技術には、Color QuickDraw, QuickTime, QuickTime VR, QuickDraw 3D, QuickRing, 3DMF the 3D metafile graphics format, ColorSync, HyperCard, Apple events, AppleScript, Apple PlainTalk 音声認識ソフト, Apple Data Detectors, V-Twin分析検索エンジン, Macintalk Pro合成音声、ニュートンの文字認識[7] コンポーネントソフトウェア技術(OpenDocとなる), MCF, HotSauce, Squeak, 子ども向けのプログラミング環境のCocoa (登録商標。Appleは後年アプリケーションフレームワークCocoa として商標を再利用)が挙げられる。

Exploratory Design Group

ATG解散後、Appleの最先端技術研究組織は知られていなかったが、スティーブ・ジョブズや後任CEOのティム・クック直属のEngineering Fellowで、2022年に亡くなったWilliam Athasが創設し率いてきた、最先端の研究開発をしている組織Exploratory Design Group(略称XDG)が2023年2月に明るみに出た[8]。数年以上前から次世代のディスプレイ技術やバッテリ技術、センサーなどを開発し既にiPhoneApple Watchといった製品に応用されている。Jeff Koller、Dave Simon、Heather Sullens、Bryan Raines、Jared Zerbeなどがメンバーとして挙げられ、2023年2月現在はジョニー・スルージ(ハードウェアテクノロジー担当上級副社長)に率いられている[8]

参考文献