American Megatrends

ソフトウェア開発を行う企業

American Megatrends Incorporated(アメリカン・メガトレンズ・インコーポレーテッド、AMI、または、アメリカンメガトレンド)はアメリカ合衆国ジョージア州に本社を置くパーソナルコンピュータ向けハードウェアソフトウェアの開発を行う企業。2005年まで同社の日本代理店であったアメリカンメガトレンド(現・プラネックスカーズ)についてもここに記述する。なお、本記事においては略称のAMIと称する。

American Megatrends, Inc.
種類非公開会社
略称AMI
本社所在地アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジョージア州ノークロス[1][2]
設立1985年
業種情報・通信業
事業内容パーソナルコンピュータ用ハードウェア・ソフトウェア・ファームウェアの開発・販売
代表者S. Shankar[3]
関係する人物S. Shankar, Pat Sarma[4]
外部リンクami.com
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株式会社アメリカンメガトレンド
American Megatrends,Inc.Japan
本社所在地日本の旗 日本
東京都千代田区(2005年3月時点)[5]
設立1994年4月1日
業種情報・通信業
事業内容コンピュータ周辺機器・ソフトウェアの輸入販売および設計開発
外部リンクami.com
特記事項:2005年4月、プラネックスコミュニケーションズの完全子会社になる[6]。同年7月、同社とは別に米AMIの日本支社(American Megatrends)が設立される[7]。同時期に米AMIの販売代理店業務を中断[8]。2009年10月、プラネックスフォースシステムズに社名変更[9]
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歴史

AMIは1985年インドチェンナイ出身のサブラモニアン・シャンカー(Subramonian Shankar)によって設立された[10]。同社はハイエンドを対象としたマザーボードメーカーとして開業した。その最初の顧客はPC's Limited[4](後のデル[11])で、初期のIntel 80386設計マシンであった。

ハードウェア事業は台湾でのODMに移し[12]、AMIは主要なマザーボードメーカーにBIOSファームウェアを供給し続けた。同社はマザーボード用BIOSソフトウェア、サーバー用マザーボード、ストレージコントローラ、リモート管理カードを手がけた。

1996年、AMIはストレージコントローラ(RAIDカード)のMegaRAIDを開発し、HPやデルといった主要なOEMに採用された。RAID事業は2001年LSIロジック[4] に売却された。[13]

2011年時点でもAMIはOEMを中心とした事業を継続している。製品の系統はAMIBIOSAptio(UEFI標準をベースとしたAMIBIOS8の後継)、診断ソフト、リモートアクセスファームウェア、マザーボード、SGPIOバックプレーンコントローラ、ドライバ・ファームウェア開発、プロセッサ供給、中小企業向けNASSANストレージシステム、Androidオペレーティングシステム用のソリューション事業など。[4]

AMIBIOS

マザーボード上のAMIBIOS搭載ROM
AMIBIOSのエラー画面(キーボード認証エラー)

AMIBIOS(AMI BIOSとも書く)はAMIによって開発・販売されているIBM PC互換BIOSである。1994年頃には、同社の発表では75%のPC互換機にAMIBIOSが使われていた。[14]

AMIはAMIBIOSに関しては厳格なOEMビジネスモデルを持っている。マザーボードメーカーに対しては、どんな取引形態を持ちかけられようと、ソースコードを販売、あるいはそれぞれのOEM先に個別にAMIBIOSをカスタマイズして提供した。AMIBIOSはエンドユーザーには販売せず、従ってライセンス企業以外へはドキュメントや技術サポートを提供しなかった。ただし、同社は1994年1995年にBIOSに関する書籍を2冊発行している[15]

起動時、BIOSファームウェアは画面の左下隅にID文字列を表示する。このID文字列はファームウェアがいつコンパイルされたか、何の設定オプションが選択されたか、OEMライセンスコード、対象のチップセットとマザーボード、といった様々な情報の断片を含む。それには3種類のID文字書式があり、最初は古いAMIBIOS、2番目と3番目は比較的新しいAMI Hi-Flex(high flexibility) BIOSである。これらの文字はPOST中にInsertキーが押されているときに表示される。[15]

元々のAMI BIOSは起動時のパスワードを暗号化せずにNVRAM(不揮発性メモリ)に保存していた。そのため、PCのNVRAMを読むことができるユーティリティを使えば、パスワードを読んだり変えたりすることができた。AMI WinBIOS単一換字式暗号を用いてパスワードを暗号化している。[16]

POST画面が表示されているときにDeleteキーまたはF2キーを押していると、BIOSセットアップユーティリティプログラムが起動する。いくつかの初期バージョンのAMI BIOSはAMIDIAGユーティリティ(別売)のサブセットも搭載していたが、後のAMI BIOSは詳細な診断プログラムをBIOS DMIとして統合しており、AMI DIAGは含まれていない。[15]

AMI BIOSはディストリビュータを通してのみ販売され、エンドユーザーには直接は販売されていない。ファームウェアのアップグレードや交換はAMIから同社が直接販売するマザーボード用のみが供給されている。

Aptio

AptioはAMIによって開発・販売されているUEFIである。

脚注

参考文献

  • American Megatrends, Inc. (1993). Programmer's Guide to the AMIBIOS. Windcrest/McGraw-Hill. ISBN 0-07-001562-7 
  • American Megatrends Inc. (1994). Programming Amibios. McGraw-Hill Ryerson, Limited. ISBN 0-07-001561-9 

関連記事

外部リンク