41平均律

41平均律(しじゅういちへいきんりつ、: 41 equal temperament)は、41-tET, 41-EDO, 41-ET, とも略称され、オクターヴを41段の等間隔なステップ(等しい周波数比)に分割することにより得られる音律である。各ステップは、 ( ) の周波数比率、あるいは 1200/41 ≈ 29.26829268 セントで、七限界のコンマに近い音程である。41平均律はSchismatic temperament[1][注 1]かつMiracle temperament[2][注 2]と見做すことができる。完全五度12平均律よりも純正音程に近い平均律として29平均律に次いで2番目に小さい平均律である。

歴史

41平均律は19平均律31平均律ほどは、幅広く用いられていない[要出典]。ピアニストでエンジニアのパウル・フォン・ヤンコ英語版がピアノの調律に用いており、デン・ハーグGemeentemuseum英語版に展示されている[3]。また、Tonal Plexus鍵盤のレイアウトは41平均律を意識してデザインされている。41平均律はまた、トリターヴ(tritave、振動比 3:1)を13分割したボーレン・ピアース・スケール英語版の近似の一つとして見做すこともできる。

音程

音程名サイズ(段)サイズ(セント)純正比純正(セント)誤差(セント)
自然七度33965.8547:4968.8262.972
完全五度24702.4393:2701.955-0.484
全音階的三全音20585.36645:32590.2244.858
ピタゴラス音律の減五度20585.3661024:729588.272.904
狭い七限界の三全音20585.3667:5582.512-2.854
狭い十一限界の三全音19556.09811:8551.318-4.78
15:11幅の広い四度18526.82915:11536.95110.122
27:20幅の広い四度18526.82927:20519.551-7.278
完全四度17497.5614:3498.0450.484
七限界の狭い四度16468.29321:16470.7812.488
七限界の長三度15439.0249:7435.084-3.94
十一限界の長三度14409.75614:11417.5087.752
ピタゴラス音律の二全音14409.75681:64407.82-1.936
長三度13380.4885:4386.3145.826
十一限界の中立三度12351.2211:9347.408-3.812
短三度11321.9516:5315.641-6.31
ピタゴラス音律の短三度10292.68332:27294.1351.452
十三限界の短三度10292.68313:11289.21-3.473
七限界の短三度9263.4157:6266.8713.456
七限界の全音8234.1468:7231.174-2.972
全音,大全音7204.8789:8203.91-0.968
全音,小全音6175.6110:9182.4046.794
小さい十一限界の中立二度5146.34112:11150.6374.296
七限界の全音階的半音4117.07315:14119.4432.37
ピタゴラス音律の半音階的半音4117.0732187:2048113.685-3.388
全音階的半音4117.07316:15111.731-5.342
ピタゴラス音律の全音階的半音387.805256:24390.2252.42
20:19幅の半音387.80520:1988.8010.996
七限界の半音階的半音387.80521:2084.467-3.338
半音階的半音258.53725:2470.67212.136
七限界の三分音258.53728:2762.9614.424
十一限界の四分音258.53733:3253.273-5.264
55:54幅の六分音129.26855:5431.7672.498
56:55幅の六分音129.26856:5531.1941.926
七限界のコンマ129.26864:6327.264-2.004

上記の表の通り、41平均律は倍音列の第10倍音までの全ての音程をよく区別し近似する。これには大全音と小全音を区別する音程が含まれている。従って41平均律は19平均律31平均律などの他の調律と異なり中全音律でないし、このための近似としても適さない。41平均律は5、7、9限界の音楽と良い近似を見せる。41平均律はより高い倍音の音程とも近似を見せ、第12倍音までを十一限界の広い中立二度(11:10)を除いて区別し近似する。

緩和

41平均律は、ディエシス(128:125)、七限界のディエシス(49:48)、七限界の六分音(50:49)、七限界のコンマ(64:63)、シントニックコンマ(81:80)を含む音程を緩和していない。

41平均律は、100:99、すなわち広い十一限界の中立二度と小全音の差、七限界のクライスマ(225:224)、1029:1024(8:7の音程の3倍と3:2の差)、小ディエシス(3125:3072)を緩和する。

脚注

注釈

出典

関連項目