2022 AFC女子アジアカップ

アジアサッカー連盟の大会で2023 FIFA女子ワールドカップの予選を兼ねる。

AFC女子アジアカップ2022: AFC Women's Asian Cup 2022)は、2022年1月20日から2月6日にかけて、インドで開催された第20回目のAFC女子アジアカップである。アジアサッカー連盟(AFC)所属の女子サッカーナショナルチームによる大陸選手権大会。

AFC女子アジアカップ2022
AFC Women's Asian Cup 2022
大会概要
開催国インドの旗 インド
日程2022年1月20日 - 2月6日
チーム数12 (1連盟)
開催地数(3都市)
大会結果
優勝 中華人民共和国 (9回目)
準優勝 韓国
3位 日本
 フィリピン
大会統計
試合数25試合
ゴール数104点
(1試合平均 4.16点)
総入場者数0人
(1試合平均 0人)
得点王オーストラリアの旗 サム・カー(7点)
最優秀選手中華人民共和国の旗 王珊珊
 < 20182026 > 

この大会は2023 FIFA女子ワールドカップの予選を兼ね[1]、開催地枠で出場できるオーストラリアを除いたチームのうち上位5チームが本大会出場権を獲得、それに次ぐ2チームが大陸間プレーオフに進出する[2]

概要

AFCは2019年10月26日に、今大会より本大会出場チーム数を8から12に拡大することを発表した[3][4]

本大会の開催時期は、当初は2022年10月の終わり-11月の頭が見込まれている[5]と報じられていたものの、その後に2022年1月20日 - 2月6日の開催とすることが2021年1月28日に発表された[6]

開催地決定

開催地の立候補は2019年5月31日に締め切られ、以下の3協会が立候補を表明した[7][8]

2020年2月19日に、AFCの女子委員会が開催地としてインドを推薦すると表明したことが発表された[5]。その後インドが正式に開催国として決定された[9]

予選

開催地のチーム(  インド)ならびに、前回(2018年)大会の成績上位3チーム(  日本  オーストラリア  中華人民共和国)は予選免除。残る8チームを予選で選出する[6]

予選は2021年9月13日 - 25日にかけて実施された[6](ただし、A組とD組は10月に延期された)。

出場チーム予選成績出場回数
 インド免除(開催地)6大会ぶり9回目
 日本免除(前回大会優勝)15大会連続17回目
 オーストラリア免除(前回大会準優勝)5大会連続8回目
 中華人民共和国免除(前回大会3位)15大会連続15回目
 チャイニーズタイペイA組1位4大会ぶり14回目
 ベトナムB組1位9大会連続9回目
 インドネシアC組1位13大会ぶり5回目
 ミャンマーD組1位2大会ぶり5回目
 韓国E組1位13大会連続13回目
 フィリピンF組1位2大会連続10回目
 イランG組1位初出場
 タイ王国H組1位9大会連続17回目

本大会

大会方式

本大会出場チームが12となるため、4チームずつの3組に分かれて1回総当たりで対戦したのち、各組上位2チームならびに各組3位チームのうち成績上位2チーム(合計8チーム)によるノックアウトトーナメントを行う[10]。なおノックアウトステージでは3位決定戦は行わない[11]

会場

以下の3都市で開催される[12]。当初はアフマダーバードグジャラート州)、ブバネーシュワルオリッサ州)、ナビムンバイの3都市での開催が予定されていた[13][14]が、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的流行に伴い、会場をマハーラーシュトラ州の3都市に集約した上で、全試合無観客試合として開催することが決まった[15][16]

マハーラーシュトラ州ムンバイナビムンバイプネー
ムンバイ・フットボール・アリーナ英語版DYパティル・スタジアムシュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス
収容人数: 18,000収容人数: 55,000収容人数: 11,900

組み合わせ抽選

組み合わせ抽選はクアラルンプールにて2021年10月28日 15:00(現地時間=UTC+8)より行われた[17][18]。ポット分けは以下の通りで[18]、開催地のインドが事前にシード順最上位で組み合わせのA1番に入ることが決まっている[17]ほかは、前回大会の成績に基づいて定められた[19]

ポットチーム前回大会
ランク
抽選時の
FIFA
ランク
ポット1  インド1857
 日本113
 オーストラリア211
ポット2  中華人民共和国319
 タイ王国438
 韓国518
ポット3  フィリピン668
 ベトナム832
 チャイニーズタイペイ1039
ポット4  ミャンマー1146
 イラン1372
 インドネシア不参加96

出場国についての扱い

世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は2021年10月7日に、WADAが定める規定にインドネシアおよびタイのドーピング対策機関が違反したことへの処分として、両機関の資格を一部停止するとともに、両国がWADAが定める大会に国旗を用いて参加することを禁止した[20]。このことから今大会において両国は、AFCの案内上は国旗が表示される一方で、会場で掲出される旗は国旗とは別の旗となった[21]

グループステージ

組み合わせ抽選の結果、グループステージの組み合わせは以下の通り決定した[22]

順位決定方式

各グループにおいて、総当たり戦で勝ち点が並んだチームについては、以下の基準により順位を定める[23]

  1. 勝ち点が並んだチーム同士の対戦における勝ち点
  2. 勝ち点が並んだチーム同士の対戦における得失点差
  3. 勝ち点が並んだチーム同士の対戦における得点数
  4. 上記1-3の基準を適用して、2チーム以上のチームが並んでいる場合は、それらのチームのみに対して上記1-3の基準を再度適用するという手続きを繰り返す。これによりなお並ぶチームがある場合、以下の基準に進む。
  5. グループ全試合での得失点差
  6. グループ全試合での得点数
  7. PK戦(2チームのみがここまでの基準で並び、かつ最終節で当該2チームが対戦している場合のみ)
  8. イエローカードレッドカードの数によるポイント(反則ポイント
  9. 抽選

各組3位チームの成績を比較する際は、「AFC Competition Operations Manual Appendix 2[24]」(AFC大会運営規定 付則2)の規定に基づき[25]、以下の基準により順位を定める。なおグループ間でチーム数が異なる場合は、チーム数が多いグループの3位チームについては、グループ下位チームとの対戦戦績を除外して比較対象となる試合数を合わせる。

  1. グループ全試合の勝ち点
  2. グループ全試合の得失点差
  3. グループ全試合の総得点
  4. イエローカードレッドカードの数によるポイント(反則ポイント。イエローカード1点, 1試合2枚のイエローカードによるレッドカード3点, 直接のレッドカード3点, イエローカードを受けた後のレッドカード4点)
  5. 抽選

グループA

チーム出場権
1  中華人民共和国 (Q)2200110+116決勝トーナメントに進出
2  チャイニーズタイペイ (Q)210154+13
3  イラン2002012−120
4  インド[注 1] (H)00000000出場辞退



v  チャイニーズタイペイ

#2
中華人民共和国  4 - 0  チャイニーズタイペイ
王霜  3分 (PK)68分
王珊珊  9分
張馨  54分
スタッツ
レポート
ムンバイ・フットボール・アリーナ英語版ムンバイ
観客数: 0人
主審: Abirami Apbai Naidu


v  中華人民共和国

#7
イラン  0 - 7  中華人民共和国
スタッツ
レポート
王霜  28分49分 (PK)
肖裕儀  43分
王珊珊  55分59分
唐佳麗  77分
(Fatemeh Adeli)  82分 (OG)
ムンバイ・フットボール・アリーナ(ムンバイ)
観客数: 0人
主審: Pansa Chaisanit

v  インド

#8
チャイニーズタイペイ  中止  インド
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)


v  中華人民共和国

#13
インド  中止  中華人民共和国
ムンバイ・フットボール・アリーナ(ムンバイ)

v  イラン

#14
チャイニーズタイペイ  5 - 0  イラン
賴麗琴  4分31分65分 (PK)
陳燕萍  40分
王湘惠  78分
スタッツ
レポート
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: 小泉朝香


グループB

チーム出場権
1  オーストラリア (Q)3300241+239決勝トーナメントに進出
2  フィリピン (Q)320174+36
3  タイ王国 (Q)310253+23
4  インドネシア3003028−280


v  インドネシア

#3
オーストラリア  18 - 0  インドネシア
カー  9分11分26分 (PK)36分54分
フォード  14分
ファウラー  17分
ラソ  24分88分
カーペンター  34分49分
ファンエグモンド  39分 (PK)57分69分
ヤロップ  59分
サイモン  68分71分
ルイク  78分
スタッツ
レポート
ムンバイ・フットボール・アリーナ(ムンバイ)
観客数: 0人
主審: Mahsa Ghorbani

v  フィリピン

#4
タイ王国  0 - 1  フィリピン
スタッツ
レポート
マクダニエル  81分
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: Công Thị Dung


v  タイ王国

#9
インドネシア  0 - 4  タイ王国
スタッツ
レポート
Chetthabut  27分36分71分
Makris  76分
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: 山下良美

v  オーストラリア

#10
フィリピン  0 - 4  オーストラリア
スタッツ
レポート
カー  51分
(ランドル)  53分 (OG)
ファンエグモンド  67分
ファウラー  87分
ムンバイ・フットボール・アリーナ(ムンバイ)
観客数: 0人
主審: Wang Chieh


v  タイ王国

#15
オーストラリア  2 - 1  タイ王国
ファンエグモンド  39分
カー  80分
スタッツ
レポート
Nipawan Panyosuk  90+3分
ムンバイ・フットボール・アリーナ(ムンバイ)
観客数: 0人
主審: Thein Thein Aye

v  インドネシア

#16
フィリピン  6 - 0  インドネシア
ギロウ  6分
ボールデン  27分
アニス  56分82分
ミクラット  74分
セザール  94分
スタッツ
レポート


グループC

チーム出場権
1  日本 (Q)321091+87決勝トーナメントに進出
2  韓国 (Q)321061+57
3  ベトナム (Q)301228−61
4  ミャンマー301229−71



v  ベトナム

#6
韓国  3 - 0  ベトナム
池笑然  4分81分 (PK)
(Trần Thị Phương Thảo)  7分 (OG)
スタッツ
レポート
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: 秦亮英語版


v  韓国

#11
ミャンマー  0 - 2  韓国
スタッツ
レポート
イ・グンミン英語版  50分
池笑然  84分
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: ケイシー・レイベルト英語版

v  日本

#12
ベトナム  0 - 3  日本
スタッツ
レポート
成宮唯  38分58分
熊谷紗希  50分
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: Lara Lee


v  韓国

#17
日本  1 - 1  韓国
植木理子  1分スタッツ
レポート
Seo Ji-youn  85分
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: Edita Mirabidova

v  ミャンマー

#18
ベトナム  2 - 2  ミャンマー
グエン・ティ・トゥイエット・ズン  47分
フイン・ヌー  64分
スタッツ
レポート
Win Theingi Tun  28分
Khin Marlar Tun  49分
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: Ranjita Devi Tekcham


各組3位チーム

グループAのインドの棄権に伴い、各組3位チームの成績を比較する際は、グループB・Cの3位チームについては当該グループ4位のチームとの対戦戦績を除外する[25]

チーム出場権
1B  タイ王国 (Q)200213−20決勝トーナメントに進出
2C  ベトナム (Q)200206−60
3A  イラン2002012−120


決勝トーナメント

準々決勝準決勝決勝
          
    
   中華人民共和国3
   ベトナム1 
   中華人民共和国 (PK)2(4)
    日本2(3) 
   日本7
   タイ王国0 
   中華人民共和国3
    韓国2
   オーストラリア0
   韓国1 
   韓国2
    フィリピン0 
   チャイニーズタイペイ1(3)
   フィリピン (PK)1(4) 

準々決勝


準々決勝1
v  ベトナム
#19
中華人民共和国  3 - 1  ベトナム
王霜  25分
王珊珊  52分
唐佳麗  53分
スタッツ
レポート
グエン・ティ・トゥイエット・ズン  11分
DYパティル・スタジアムナビムンバイ
観客数: 0人
主審: Jeong Oh-hyeon


準々決勝3
v  タイ王国
#21
日本  7 - 0  タイ王国
菅澤優衣香  27分65分 (PK)80分83分
宮澤ひなた  45+2分
隅田凜  48分
植木理子  75分
スタッツ
レポート
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: ケイシー・レイベルト英語版

準々決勝4
v  フィリピン
#22
チャイニーズタイペイ  1 - 1
(延長)
 フィリピン
卓莉萍  82分スタッツ
レポート
クインリー・クエザダ  49分
 PK戦 
丁旗
王湘惠
陳英惠
許翊筠
蘇芯芸
卓莉萍
3 - 4 Sara Castañeda
Tahnai Annis
Jessica Miclat
Hali Long
Olivia McDaniel
Sarina Bolden
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: Thein Thein Aye


準決勝


準決勝1
v  日本
#23
中華人民共和国  2 - 2
(延長)
 日本
吳澄舒  46分
王珊珊  119分
スタッツ
レポート
植木理子  26分103分
 PK戦 
張馨
張睿
楊莉娜
高晨
王珊珊
4 - 3 熊谷紗希
長谷川唯
清水梨紗
長野風花
南萌華
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: Lara Lee

準決勝2
v  フィリピン
#24
韓国  2 - 0  フィリピン
趙昭賢  4分
孫華妍  34分
スタッツ
レポート
シュリー・シヴ・チャトラパティ・スポーツコンプレックス(プネー)
観客数: 0人
主審: Chatsanit Pansa

決勝


v  韓国

#25
中華人民共和国  3 - 2  韓国
唐佳麗  68分 (PK)
張琳艷  72分
肖裕儀  93分
スタッツ
レポート
チェ・ユリ(崔有利)  27分
チ・ソヨン(池笑然)  48分 (PK)
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: Casey Reibelt

ワールドカップ代表決定戦

FIFA女子ワールドカップのアジアからの出場枠が、開催地として出場権を得ているオーストラリアを除いて「直接の出場枠5チーム・大陸間プレーオフの出場枠2チーム」であることから、準々決勝敗退のチームで以下の通りプレーオフを行う[27]

  • A:オーストラリアが準々決勝で勝利した(ベスト4に進出した)場合
    • 準々決勝の敗者4チームが2チームずつに分かれて(「準々決勝1の敗者 vs 準々決勝3の敗者」と「準々決勝2の敗者 vs 準々決勝4の敗者」)1試合対戦する。勝った2チームはワールドカップの直接の出場権を得、負けた2チームは大陸間プレーオフの出場権を得る。
  • B:オーストラリアが準々決勝で敗退した場合
    • 準々決勝の敗者のうちオーストラリアを除いた3チームが1回総当たりで対戦する。最上位チームがワールドカップの直接の出場権を得、それ以外の2チームは大陸間プレーオフの出場権を得る。
  • C:オーストラリアがグループリーグで敗退した場合
    • 準々決勝の敗者の4チームでノックアウト方式の5位-8位決定戦を行う(決定戦初戦は「準々決勝1の敗者 vs 準々決勝3の敗者」と「準々決勝2の敗者 vs 準々決勝4の敗者」で行い、その勝者同士で5位決定戦、その敗者同士で7位決定戦)。5位チームがワールドカップの直接の出場権を得、6位・7位のチームは大陸間プレーオフの出場権を得る。

1月24日の試合結果により、Cの方式となる可能性は消滅した。準々決勝にてオーストラリアが韓国に敗れたため、Bの方式で残りのワールドカップ出場権を争うことになった。対戦日程は以下の通り決定した[28]

チーム出場権
1  ベトナム220041+36ワールドカップに出場
2  チャイニーズタイペイ210142+23大陸間プレーオフに出場
3  タイ王国200205−50

v  ベトナム

#26
タイ王国  0 - 2  ベトナム
スタッツ
レポート
フイン・ヌー  19分
タイ・ティ・タオ  24分
DYパティル・スタジアムナビムンバイ
観客数: 0人
主審: Edita Mirabidova

v  タイ王国

#27
チャイニーズタイペイ  3 - 0  タイ王国
蘇育萱  44分84分
陳英惠  90+3分
スタッツ
レポート
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: キム・ユージョン

v  チャイニーズタイペイ

#28
ベトナム  2 - 1  チャイニーズタイペイ
チュオン・ティ・キエウ  7分
グエン・ティ・ビック・トゥイー  56分
スタッツ
レポート
蘇育萱  50分
DYパティル・スタジアム(ナビムンバイ)
観客数: 0人
主審: 山下良美

優勝国

 2022 AFC女子アジアカップ優勝国 

中華人民共和国
5大会振り9回目

表彰

大会最優秀選手大会得点王ベストゴールキーパーフェアプレー賞
王珊珊[29] サム・カー(7得点)[30] 朱鈺[31]  韓国

2023 FIFA女子ワールドカップ出場国

本大会出場

大陸間プレーオフ出場

出典

大会規定

外部リンク