1999年日本グランプリ (4輪)

1999年日本グランプリ(1999 Japanese Grand Prix)は、1999年のF1世界選手権最終戦として、1999年10月31日鈴鹿サーキットで開催された。

日本の旗 1999年日本グランプリ
レース詳細
日程1999年シーズン第16戦
決勝開催日1999年10月31日
開催地鈴鹿サーキット
日本 鈴鹿市
コース長5.864km
レース距離53周(310.792km)
決勝日天候曇り(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム1'37.470
ファステストラップ
ドライバードイツの旗 ミハエル・シューマッハ
タイム1'41.319(Lap 31)
決勝順位
優勝
2位
3位

概要

2週間前のマレーシアGPレース後に発覚したフェラーリの車両規定違反騒動は、10月23日に行われたFIA国際控訴審において一転無罪判決が下された。バージボードの寸法オーバー (10mm) は車検の測定方法が適切ではなかったと判断され、誤差の許容範囲内 (5mm) とみなされた。

失格となったフェラーリドライバーの順位が復活したことでミカ・ハッキネンマクラーレン)の暫定チャンピオンが幻となり、逆にエディ・アーバイン(フェラーリ)がポイントリーダーとして最終戦を迎えることになった。獲得ポイントはアーバイン70、ハッキネン66で4点差。今季の上位成績はともに優勝4回、2位2回だが、3位はハッキネン3回に対しアーバイン2回となっており、日本GPでは以下の条件となる。

  • アーバイン先着、もしくはハッキネン4位(69点)以下の場合、アーバインがチャンピオン獲得。
  • ハッキネン優勝(76点)ならば無条件でチャンピオン獲得。
  • ハッキネン2位(72点)ならば、アーバインは4位(73点)以内でチャンピオン獲得。
  • ハッキネン3位(70点)ならば、アーバインは6位(71点)以内でチャンピオン獲得。

コンストラクターズタイトルもフェラーリ118点、マクラーレン114点と同じく4点差の状態で決戦を迎えた。

またこのレースを最後に1990年からF1実況を務めてきたフジテレビアナウンサーの三宅正治フジテレビF1中継から降板した。

予選

予選では最初のアタックでミハエル・シューマッハ(フェラーリ)とハッキネンが同タイムを記録。以後も両者のポールポジション争いが続く。アーバインはこのペースに追いつけないばかりか、ヘアピンで単独クラッシュして赤旗セッション中断の原因を作ってしまった。

セッション再開後、ハッキネンは逆転を狙ってコースインしたが、アタックラップに入る直前にジャン・アレジザウバー)と交錯してチャンスを失い、シューマッハに0.35秒及ばなかった。シューマッハは欠場から復帰後2連連続のポール獲得となった。アーバインはデビッド・クルサード(マクラーレン)、ハインツ=ハラルド・フレンツェンジョーダン)にも先を越され、5番グリッドからのスタートとなった。6、7位にはプロスト勢の2台がつけた。

結果

順位Noドライバーチームタイム
13 ミハエル・シューマッハフェラーリ1:37.470
21 ミカ・ハッキネンマクラーレンメルセデス1:37.820+0.350
32 デビッド・クルサードマクラーレンメルセデス1:38.239+0.769
48 ハインツ=ハラルド・フレンツェンジョーダン無限ホンダ1:38.696+1.226
54 エディ・アーバインフェラーリ1:38.975+1.505
618 オリビエ・パニスプロストプジョー1:39.623+2.153
719 ヤルノ・トゥルーリプロストプジョー1:39.644+2.174
817 ジョニー・ハーバートスチュワートフォード1:39.706+2.236
96 ラルフ・シューマッハウィリアムズスーパーテック1:39.717+2.247
1011 ジャン・アレジザウバーペトロナス1:39.721+2.251
1122 ジャック・ヴィルヌーヴBARスーパーテック1:39.732+2.262
127 デイモン・ヒルジョーダン無限ホンダ1:40.140+2.670
1316 ルーベンス・バリチェロスチュワートフォード1:40.140+2.670
149 ジャンカルロ・フィジケラベネトンプレイライフ1:40.261+2.791
1510 アレクサンダー・ヴルツベネトンプレイライフ1:40.303+2.833
165 アレックス・ザナルディウィリアムズスーパーテック1:40.403+2.933
1712 ペドロ・ディニスザウバーペトロナス1:40.740+3.270
1823 リカルド・ゾンタBARスーパーテック1:40.861+3.391
1915 高木虎之介アロウズ1:41.067+3.597
2021 マルク・ジェネミナルディフォード1:41.529+4.059
2114 ペドロ・デ・ラ・ロサアロウズ1:41.708+4.238
2220 ルカ・バドエルミナルディフォード1:42.515+5.045

決勝

決勝の見所として、マレーシアGPと同じくシューマッハの「アシスト」に注目が集まった。スターティンググリッド通りシューマッハ優勝・ハッキネン2位という結果になるのであれば、アーバインは4位フィニッシュでチャンピオンを獲得することができる。そのような状況になった場合、ハッキネンの僚友クルサードがアーバインを5位以下に封じ込めるという作戦も考えられた。

スタートではシューマッハのホイールスピンが大きく、イン側から好スタートを切ったハッキネンが先頭で1コーナーに飛び込んだ。アーバインはクルサードとフレンツェンを抜いたが、オリビエ・パニス(プロスト)に先行されて4位。軽めの燃料を積んだハッキネンは、2位シューマッハを徐々に引き離していく。

ハッキネンはシューマッハに対して7秒近くマージンを稼ぎ、最初のピットストップを無難にこなした。20周目にパニスがリタイアしたため、アーバインが3位に浮上したが、ピットストップでクルサードに逆転され再び4位に落ちた。クルサード以下、アーバイン、フレンツェン、ラルフ・シューマッハウィリアムズ)らは3位グループの接戦となっている。

今回が引退レースとなる元チャンピオンのデイモン・ヒル(ジョーダン)は、スプーンカーブでコースオフ。ピットでノーズ交換してからレースに復帰したものの、再びピットに戻り自らマシンを降りた。

3位のクルサードも単独コースオフし、ノーズ交換のためピットイン。周回遅れとなったクルサードはシューマッハの前を塞いだが、40周目にマシントラブルのためリタイアした。

ハッキネンは終始安定した走りでシューマッハとの差をキープし、53周のレースを走破して優勝。4ポイント差を逆転して、2年連続ドライバーズチャンピオンを決めた。2位にシューマッハ、3位にアーバインが入賞したため、コンストラクターズチャンピオンはフェラーリが獲得した。フェラーリにとっては1983年のコンストラクターズ以来16年ぶりのタイトル獲得となった。

結果

順位Noドライバーチーム周回数タイム/リタイアグリッドポイント
11 ミカ・ハッキネンマクラーレンメルセデス531:31:18.785210
23 ミハエル・シューマッハフェラーリ53+5.01516
34 エディ・アーバインフェラーリ53+1:35.68854
48 ハインツ=ハラルド・フレンツェンジョーダン無限ホンダ53+1:38.63543
56 ラルフ・シューマッハウィリアムズスーパーテック53+1:39.49492
611 ジャン・アレジザウバーペトロナス52+1 Lap101
717 ジョニー・ハーバートスチュワートフォード52+1 Lap8 
816 ルーベンス・バリチェロスチュワートフォード52+1 Lap13 
922 ジャック・ヴィルヌーヴBARスーパーテック52+1 Lap11 
1010 アレクサンダー・ヴルツベネトンプレイライフ52+1 Lap15 
1112 ペドロ・ディニスザウバーペトロナス52+1 Lap17 
1223 リカルド・ゾンタBARスーパーテック52+1 Lap18 
1314 ペドロ・デ・ラ・ロサアロウズ51+2 Laps21 
149 ジャンカルロ・フィジケラベネトンプレイライフ47エンジン14 
Ret15 高木虎之介アロウズ43ギアボックス19 
Ret20 ルカ・バドエルミナルディフォード43エンジン22 
Ret2 デビッド・クルサードマクラーレンメルセデス39ハイドロリック3 
Ret21 マルク・ジェネミナルディフォード31ギアボックス20 
Ret7 デイモン・ヒルジョーダン無限ホンダ21撤退12 
Ret18 オリビエ・パニスプロストプジョー19発電機6 
Ret19 ヤルノ・トゥルーリプロストプジョー3エンジン7 
Ret5 アレックス・ザナルディウィリアムズスーパーテック0電気系16 

外部リンク

前戦
1999年マレーシアグランプリ
FIA F1世界選手権
1999年シーズン
前回開催
1998年日本グランプリ
日本グランプリ次回開催
2000年日本グランプリ