1970年のル・マン24時間レース

1970年のル・マン24時間レース
前年:1969翌年:1971

1970年のル・マン24時間レース24 Heures du Mans 1970 )は、38回目[1]ル・マン24時間レースであり、1970年6月13日から6月14日にかけてフランスのサルト・サーキットで行われた。

1970年のコース

概要

フォードは目的を達したとしてヨーロッパのレース出場を止めた[2]

ポルシェワークスは撤退した[2][3]が、前年勝利できなかったポルシェ・917を、前年までライバルのフォード監督でレース運営を熟知していたジョン・ワイヤーに託した[3]。ガルフ・オイル(現シェブロン)が大スポンサーとしてつき資金面でも盤石であった[2]

マツダ・10A型エンジンが日本製エンジンでは初めてリーバイス・レーシングのシェブロンB16マツダ、48号車に搭載された[注釈 1]

イギリス勢はドナルド・ヒーリー・モーターカンパニー[4]の34号車[5]がV型8気筒[5]、2,995ccエンジン[5]を搭載しロジャー・エネヴァー/アンドリュー・ヘッジズ組[4]で参戦した。

決勝

安全性に配慮し1971年のル・マン24時間レースからは通常のローリングスタートとなったので、結果としてル・マン式スタートが行われた最後の年となった[2]

出走したのは51台[6][1]

シェブロンB16マツダ、48号車は19周でリタイヤした。

ドナルド・ヒーリー、34号車はは24時間目にエンジントラブルでリタイヤした[4]

結果

完走は7台[6][1]

ハンス・ヘルマン(Hans Herrmann )/リチャード・アトウッド[4][6][1]ポルシェ・917[1]、23号車が4,607.810km[4][1][6]を平均速度191.992km/h[4][1]で走りポルシェは初の総合優勝を果たした[注釈 2]。2位もポルシェ・917、3位はポルシェ・908/2Lでポルシェは表彰台独占となった。

順位クラス号車チームドライバーシャシエンジン周回数
1S
5.0
23 ポルシェ・ザルツブルクポルシェ・917Kポルシェ・912型4,494cc[1]水平対向12気筒343
2S
5.0
3 マルティニ・レーシング
ポルシェ・917Lポルシェ・912型4,494cc[1]水平対向12気筒338
3P
3.0
27 マルティニ・レーシングポルシェ・908/2Lポルシェ・908型2,997cc水平対向8気筒335
4S
5.0
11 N.A.R.T.フェラーリ・512Sフェラーリ・4,993cc60V型12気筒313
5S
5.0
12 エキュリー・フランコルシャン
  • Hughes de Fierlandt
  • Alistair Walker
フェラーリ・512Sフェラーリ・4,993cc60V型12気筒305
6GT
2.0
40 ソノート
  • クロード・バロー=レナ
  • ギー・シャスイユ
ポルシェ・914/6 GTポルシェ・901/03型1,991cc水平対向6気筒285
7GT
2.5
47 エキュリー・ルクセンブルク
  • エルウィン・クレーメル
  • ニコラス・クーブ
ポルシェ・911Sポルシェ・2.3リットル水平対向6気筒282

注釈

出典

参考文献

  • 『ルマン 伝統と日本チームの戦い』グランプリ出版 ISBN 4-87687-161-2
  • ドミニク・パスカル著、日沖宗弘訳『ル・マンの英国車』ネコ・パブリッシング ISBN 4-87366-068-8
  • 黒井尚志『ル・マン 偉大なる草レースの挑戦者たち』集英社 ISBN 4-08-780158-6
  • 『われらがポルシェ ポルシェなんでも事典』講談社