1967年のF1世界選手権

1967年のFIAフォーミュラ1
世界選手権
前年:1966翌年:1968
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1967年のF1世界選手権(1967ねんのエフワンせかいせんしゅけん)は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第18回大会である[1]1967年1月2日南アフリカで開幕し、10月22日メキシコで開催される最終戦まで、全11戦で争われた。

1967年のF1世界選手権

シーズン概要

オランダグランプリでロータスは史上最高のレーシングエンジンの1つであるコスワースDFVを公開した。DFVはフォードの資金提供により開発されたエンジンで、F1では後に155勝を挙げることとなる。ジム・クラークはシーズンで4勝を挙げたが、タイトルはデニス・ハルムが獲得した。モンツァでクラークはタイヤ交換のためピットインし、再び首位を取るべく猛追したものの最後の一周で燃料切れとなった。そのドライブは彼が傑出したドライバーであることを裏付けるものであった。ダン・ガーニーイーグルは1勝を挙げ、ペドロ・ロドリゲスは南アフリカグランプリで勝利した。このレースでは地元ドライバーのジョン・ラヴがロドリゲスに迫ったが、ロドリゲスはこれを抑え時代遅れと化したクーパーに最後の勝利をもたらした。

ハルムはF1史上初のシーズン中ポールポジションを獲得しなかったワールドチャンピオンとなった。1984年シーズンニキ・ラウダもシーズン中にポールポジションを獲得せずにタイトルを獲得したが、そのようなワールドチャンピオンは2023年現在この2名だけである。

開催地及び勝者

ラウンドレースサーキット開催日ポールポジションファステストラップ優勝者コンストラクタータイヤレポート
1 南アフリカグランプリキャラミ1月2日 ジャック・ブラバム デニス・ハルム ペドロ・ロドリゲス クーパー-マセラティF詳細
2 モナコグランプリモナコ5月7日 ジャック・ブラバム ジム・クラーク デニス・ハルム ブラバム-レプコG詳細
3 オランダグランプリザントフォールト6月4日 グラハム・ヒル ジム・クラーク ジム・クラーク ロータス-フォードF詳細
4 ベルギーグランプリスパ・フランコルシャン6月18日 ジム・クラーク ダン・ガーニー ダン・ガーニー イーグル-ウェスレイクG詳細
5 フランスグランプリル・マン7月2日 グラハム・ヒル グラハム・ヒル ジャック・ブラバム ブラバム-レプコG詳細
6 イギリスグランプリシルバーストン7月15日 ジム・クラーク デニス・ハルム ジム・クラーク ロータス-フォードF詳細
7 ドイツグランプリニュルブルクリンク8月6日 ジム・クラーク ダン・ガーニー デニス・ハルム ブラバム-レプコG詳細
8 カナダグランプリモスポート・パーク8月27日 ジム・クラーク ジム・クラーク ジャック・ブラバム ブラバム-レプコG詳細
9 イタリアグランプリモンツァ9月10日 ジム・クラーク ジム・クラーク ジョン・サーティース ホンダF詳細
10 アメリカグランプリワトキンズ・グレン10月1日 グラハム・ヒル グラハム・ヒル ジム・クラーク ロータス-フォードF詳細
11 メキシコグランプリエルマノス・ロドリゲス10月22日 ジム・クラーク ジム・クラーク ジム・クラーク ロータス-フォードF詳細

エントリーリスト

チームコンストラクターシャシーエンジンタイヤドライバー出場ラウンド
ブラバム・レーシング・オーガニゼーションブラバムBT20
BT19
BT24
レプコ 740 3.0 V8G ジャック・ブラバム全戦
デニス・ハルム全戦
クーパー・カー・カンパニークーパーT81
T81B
T86
マセラティ 9/F1 3.0 V12
マセラティ 10/F1 3.0 V12
F ヨッヘン・リント全戦
ペドロ・ロドリゲス1-7, 11
アラン・リーズ6
リチャード・アトウッド8
ジャッキー・イクス9-10
オーウェン・レーシング・オーガニゼーションBRMP83
P261
P115
BRM P75 3.0 H16
BRM P60 2.1 V8
G ジャッキー・スチュワート全戦
マイク・スペンス全戦
チーム・ロータスロータス43
33
49
BRM P75 3.0 H16
クライマックス FWMV 2.0 V8
BRM P60 2.1 V8
フォード コスワースDFV 3.0 V8
F ジム・クラーク全戦
グラハム・ヒル全戦
エーピー・ウィーツェス8
ジャンカルロ・バゲッティ9
モイセス・ソラーナ10-11
48フォード コスワースFVA 1.6 L4F ジャッキー・オリバー7
アングロ・アメリカン・レーサーズイーグルT1F
T1G
クライマックス FPF 2.8 L4
ウェスレイク 58 3.0 V12
G ダン・ガーニー全戦
リッチー・ギンサー1-2
ボブ・ボンデュラント4
A.J.フォイト4
ブルース・マクラーレン5-7
ルドヴィコ・スカルフィオッティ9
ホンダ・レーシングホンダRA273
RA300
ホンダ RA273E 3.0 V12F ジョン・サーティース1-7, 9-11
ロブ・ウォーカー/ジャック・ダーラッシャー レーシング・チームクーパーT81マセラティ 9/F1 3.0 V12F ジョー・シフェール全戦
DW レーシング・エンタープライゼスブラバムBT11クライマックス FPF 2.8 L4F


D

ボブ・アンダーソン1-6
ヨアキム・ボニエ・レーシングチームクーパーT81マセラティ 9/F1 3.0 V12F ヨアキム・ボニエ1-2, 4-11
レグ・パーネル・レーシングロータス
BRM
25
P261
P83
BRM P56 2.0 V8
BRM P75 3.0 H16
F ピアス・カレッジ1-3, 6
クリス・アーウィン3-11
ジョン・ラヴクーパーT79クライマックス FPF 2.8 L4F ジョン・ラヴ1
サム・ティングルLDSMk 3クライマックス FPF 2.8 L4F サム・ティングル1
スクーデリア・スクリバンテブラバムBT11クライマックス FPF 2.8 L4- デイヴ・チャールトン1
ルキ・ボサブラバムBT11クライマックス FPF 2.8 L4- ルキ・ボサ1
マトラ・スポーツマトラMS7フォード コスワースFVA 1.6 L4D ジャン=ピエール・ベルトワーズ2, 5, 10-11
ジョニー・セルボ=ギャバン2, 5
ギ・リジェクーパー
ブラバム
T81
BT20
マセラティ 9/F1 3.0 V12
レプコ 620 3.0 V8
D


F

ギ・リジェ2, 4-7, 9-11
ブルース・マクラーレン・モーターレーシングマクラーレンM4B
M5A
BRM P56 2.0 V8
BRM P142 3.0 V12
G ブルース・マクラーレン2-3, 8-11
スクーデリア・フェラーリ SpA SEFACフェラーリ312フェラーリ 242 3.0 V12
フェラーリ 218 3.0 V12
F ロレンツォ・バンディーニ2
ルドヴィコ・スカルフィオッティ2-5
クリス・エイモン2-11
マイク・パークス3-4
ジョナサン・ウィリアムズ11
アドヴァンス・マフラー/ブルース・ブルームイーグルT1Gウェスレイク 58 3.0 V12G リッチー・ギンサー3
バーナード・ホワイト・レーシングBRMP261BRM P60 2.1 V8G デヴィッド・ホッブス6, 8
シャルル・ホーゲル・レーシングクーパーT77ATS 2.7 V8D シルビオ・モーザー6
バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ AGローラT100BMW M10 2.0 L4D ヒューベルト・ハーネ7
ゲルハルト・ミッターブラバムBT23フォード コスワースFVA 1.6 L4D ゲルハルト・ミッター7
ロイ・ウィンケルマン・レーシングブラバムBT23フォード コスワースFVA 1.6 L4- アラン・リーズ7
エキュリー・フォード-フランスマトラMS5フォード コスワースFVA 1.6 L4D ジョー・シュレッサー7
ロン・ハリス・レーシングチームプロトスF2フォード コスワースFVA 1.6 L4- ブライアン・ハート7
クルト・アーレンス7
ローラ・カーズローラT100BMW M10 2.0 L4
フォード コスワースFVA 1.6 L4
F デヴィッド・ホッブス7
ブライアン・レッドマン7
ティレル・レーシング・オーガニゼーションマトラMS7フォード コスワースFVA 1.6 L4D ジャッキー・イクス7
マイク・フィッシャーロータス33BRM P60 2.1 V8F マイク・フィッシャー8, 11
カストロール・オイルズ・リミテッドイーグルT1Fクライマックス FPF 2.8 L4G アル・ピーズ8, 10-11
トム・ジョーンズクーパーT82クライマックス FWMV 2.0 V8- トム・ジョーンズ8
エキュリー・フィリピネッティクーパーT81マセラティ 9/F1 3.0 V12F アンドレア・デ・アダミッチ9
イアン・ラビー・レーシングマクラーレンM2Bクライマックス FWMV 2.0 V8F トレバー・テイラー9
  • ピンク地はドイツグランプリでのF2参加者

1967年のドライバーズランキング

ジム・クラークがワトキンズ・グレンで行われたアメリカグランプリで優勝した。

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。

順位ドライバーRSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント[2]
1 デニス・ハルム413Ret2212Ret3351
2 ジャック・ブラバム6Ret2Ret142125246 (48)
3 ジム・クラークRetRet16Ret1RetRet31141
4 ジョン・サーティース3RetRetRet641Ret420
5 クリス・エイモン343Ret3367Ret920
6 ペドロ・ロドリゲス15Ret9658615
7 グラハム・ヒルRet2RetRetRetRetRet4Ret2Ret15
8 ダン・ガーニーRetRetRet1RetRetRet3RetRetRet13
9 ジャッキー・スチュワートRetRetRet23RetRetRetRetRetRet10
10 マイク・スペンスRet685RetRetRet55Ret59
11 ジョン・ラヴ26
12 ジョー・シフェールRetRet1074RetRetDNSRet4126
13 ヨッヘン・リントRetRetRet4RetRetRetRet4Ret6
14 ブルース・マクラーレン4RetRetRetRet7RetRetRet3
15 ヨアキム・ボニエRetRetRet58Ret6103
16 クリス・アーウィン7Ret577RetRetRetRet2
17 ボブ・アンダーソン5DNQ98RetRet2
18 マイク・パークス5Ret2
19 ギ・リジェ10NC106RetRet111
20 ルドヴィコ・スカルフィオッティ6NCRet1
21 ジャッキー・イクス6Ret1
- ジャン=ピエール・ベルトワーズDNQ770
- デヴィッド・ホッブス890
- ジョナサン・ウィリアムズ80
- アラン・リーズ90
- リチャード・アトウッド100
- マイク・フィッシャー11Ret0
- デイヴ・チャールトンNC0
- ルキ・ボーサNC0
- アル・ピーズNC0
- ピアス・カレッジRetRetDNS0
- モイセス・ソラーナRetRet0
- サム・ティングルRet0
- ロレンツォ・バンディーニRet0
- ジョニー・セルボ=ギャバンRet0
- シルビオ・モーザーRet0
- ジャンカルロ・バゲッティRet0
- トム・ジョーンズDNQ0
- エーピー・ウィーツェスDSQ0
- リッチー・ギンサーDNQ0
順位ドライバーRSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント
結果
金色勝者
銀色2位
銅色3位
ポイント獲得
完走
完走扱い(全周回数の90%以上走行)
規定周回数不足(NC)
リタイア(Ret)
予選不通過(DNQ)
予備予選不通過(DNPQ)
失格(DSQ)
スタートせず(DNS)
レース中止(C)
水色プラクティスのみ(PO)
金曜日テストドライバー(TD)
2003年以降
空欄プラクティス出走せず(DNP)
除外 (EX)
到着せず (DNA)
欠場 (WD)

1967年のコンストラクターズランキング

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。各コンストラクターとも最上位の車両にポイントが与えられた。前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。

順位マニファクチャラーRSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント[2]
1 ブラバム-レプコ412Ret121123263 (67)
2 ロータス-フォード16Ret1Ret431144
3 クーパー-マセラティ15104455844628
4 ホンダ3RetRetRet641Ret420
5 フェラーリ343Ret3367Ret820
6 BRMRet68237755Ret517
7 イーグル-ウェスレイクRetRet1RetRetRet3RetRet13
8 ロータス-BRMRet2711Ret6
9 クーパー-クライマックス2DNQ6
10 マクラーレン-BRM4Ret7RetRetRet3
11 ブラバム-クライマックス5DNQ98RetRet2
- マトラ-フォードRet770
- イーグル-クライマックスRetDNQNCRet0
- LDS-クライマックスRet0
- ロータス-クライマックスRet0
- クーパー-ATSRet0
順位マニファクチャラーRSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント
  • 太字はカウントされたポイント

ノンタイトル戦結果

レースサーキット開催日優勝者コンストラクターレポート
II レース・オブ・チャンピオンズブランズ・ハッチ3月12日 ダン・ガーニー イーグル-ウェスレイク詳細
I スプリングカップオールトン・パーク4月15日 ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ詳細
XIX BRDC インターナショナル・トロフィーシルバーストン4月29日 マイク・パークス フェラーリ詳細
XVI グラン・プリモ・ディ・シラクサシラクサ5月21日 マイク・パークス
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
フェラーリ詳細
XIV インターナショナル・ゴールドカップオールトン・パーク9月16日 ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ詳細
XV スペイングランプリハラマ11月12日 ジム・クラーク ロータス-フォード詳細

参照

外部リンク