1958年フランスグランプリ

1958年フランスグランプリ (1958 French Grand Prix) は、1958年のF1世界選手権第6戦として、1958年7月6日ランス・サーキットで開催された。

フランス 1958年フランスグランプリ
レース詳細
1958年F1世界選手権全11戦の第6戦
ランス・サーキット(1954-1972)
ランス・サーキット(1954-1972)
日程1958年7月6日
正式名称XLIV Grand Prix de l'ACF
開催地ランス・サーキット
フランスの旗 フランス ランス
コース公道コース
コース長8.302 km (5.159 mi)
レース距離50周 415.1 km (257.95 mi)
決勝日天候晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバーフェラーリ
タイム2:21.7
ファステストラップ
ドライバーイギリス マイク・ホーソーンフェラーリ
タイム2:24.9
決勝順位
優勝フェラーリ
2位ヴァンウォール
3位フェラーリ

レース概要

ファン・マヌエル・ファンジオは開幕戦アルゼンチンGP以来[1]の参戦で、彼がドライブするマセラティ・250Fは軽量化やホイールベースの短縮などの改修が行われた事実上のワークス仕様で、通称「ピッコロ」と呼ばれた[2]

予選はマイク・ホーソーンポールポジションを獲得し、チームメイトのルイジ・ムッソが2位に続いた。決勝も両者同じ順位で推移したが、10周目にホーソーンの前へ出るべくスピードを上げていたムッソがカーブで曲がりきれずクラッシュしてしまう。マシンは何度も横転しながら大破し、ムッソ自身は即死だった。F1の死亡事故1954年ドイツGPオノフレ・マリモン以来2件目で、決勝レースでは初の死亡事故となった。ホーソーンはその後も首位を譲らずポール・トゥ・ウィン1954年スペインGP以来4年ぶりの優勝(通算3勝目)を果たし、フェラーリ1956年ドイツGP以来2年ぶりの勝利をもたらした。スターリング・モスジャン・ベーラとの競り合いに勝って2位となり、チャンピオン争いはホーソーンとモスが23点で並び白熱の度を増した。ファンジオはレース前半で一時2位となったが4位でフィニッシュした。レース終盤に首位のホーソーンがファンジオの背後に追いつくが、ファンジオに敬意を表して周回遅れにするのを踏みとどまった。そしてファンジオは当レースをもって引退を決め、渡欧後10年のレース活動に終止符を打った[3]

エントリーリスト

No.ドライバーエントラントコンストラクターシャシーエンジンタイヤ
2 ルイジ・ムッソ スクーデリア・フェラーリフェラーリ246フェラーリ Tipo143 2.4L V6E
4 マイク・ホーソーン
6 ヴォルフガング・フォン・トリップス
8 スターリング・モス ヴァンダーヴェル・プロダクツ・リミテッドヴァンウォールVW5ヴァンウォール 254 2.5L L4D
10 トニー・ブルックス
12 スチュアート・ルイス=エヴァンズ
14 ジャン・ベーラ オーウェン・レーシング・オーガニゼーションBRMP25BRM P25 2.5L L4D
16 ハリー・シェル
18 モーリス・トランティニアン
20 ロイ・サルヴァドーリ クーパー・カー・カンパニークーパーT45クライマックス FPF 2.0L L4D
22 ジャック・ブラバムクライマックス FPF 2.2L L4
24 グラハム・ヒル チーム・ロータスロータス16クライマックス FPF 2.2L L4D
26 クリフ・アリソン12クライマックス FPF 2.0L L4
28 キャロル・シェルビー スクーデリア・セントロ・スッドマセラティ250Fマセラティ 250F1 2.5L L6P
30 トロイ・ラットマン
32 ジェリーノ・ジェリーニ
34 ファン・マヌエル・ファンジオ ファン・マヌエル・ファンジオマセラティ250Fマセラティ 250F1 2.5L L6P
36 フィル・ヒル ヨアキム・ボニエマセラティ250Fマセラティ 250F1 2.5L L6P
38 ヨアキム・ボニエ
40 パコ・ゴディア パコ・ゴディアマセラティ250Fマセラティ 250F1 2.5L L6P
42 ピーター・コリンズ スクーデリア・フェラーリフェラーリ246フェラーリ Tipo143 2.4L V6E
ソース:[4]

結果

予選

順位No.ドライバーコンストラクタータイム
14 マイク・ホーソーンフェラーリ2:21.7
22 ルイジ・ムッソフェラーリ2:22.4+ 0.7
316 ハリー・シェルBRM2:23.1+ 1.4
442 ピーター・コリンズフェラーリ2:23.3 1+ 1.6
510 トニー・ブルックスヴァンウォール2:23.4+ 1.7
68 スターリング・モスヴァンウォール2:23.7+ 2.0
718 モーリス・トランティニアンBRM2:23.7+ 2.0
834 ファン・マヌエル・ファンジオマセラティ2:24.0+ 2.3
914 ジャン・ベーラBRM2:24.2+ 2.5
1012 スチュアート・ルイス=エヴァンズヴァンウォール2:25.3+ 3.6
1140 パコ・ゴディア 2マセラティ2:27.1+ 5.4
1222 ジャック・ブラバムクーパー-クライマックス2:27.3+ 5.6
1336 フィル・ヒルマセラティ2:29.5+ 7.8
1420 ロイ・サルヴァドーリクーパー-クライマックス2:30.0+ 8.3
1532 ジェリーノ・ジェリーニマセラティ2:30.7+ 9.0
1638 ヨアキム・ボニエマセラティ2:30.9+ 9.2
1728 キャロル・シェルビーマセラティ2:32.0+ 10.3
1830 トロイ・ラットマンマセラティ2:36.0+ 14.3
1924 グラハム・ヒルロータス-クライマックス2:40.9+ 19.2
2026 クリフ・アリソンロータス-クライマックス2:49.7+ 28.0
216 ヴォルフガング・フォン・トリップスフェラーリNo Time
ソース:[5][6]
追記
  • ^1 - タイムはフォン・トリップスのマシンで記録したもの。コリンズのマシンによるタイムは2:24.0
  • ^2 - タイムはファンジオが記録した

決勝

順位No.ドライバーコンストラクター周回数タイム/リタイア原因グリッドポイント
14 マイク・ホーソーンフェラーリ502:03:21.319 1
28 スターリング・モスヴァンウォール50+ 24.666
36 ヴォルフガング・フォン・トリップスフェラーリ50+ 59.7214
434 ファン・マヌエル・ファンジオマセラティ50+ 2:30.683
542 ピーター・コリンズフェラーリ50+ 5:24.942
622 ジャック・ブラバムクーパー-クライマックス49+ 1 Lap12
736 フィル・ヒルマセラティ49+ 1 Lap13
838 ヨアキム・ボニエマセラティ48+ 2 Laps16
932 ジェリーノ・ジェリーニマセラティ47+ 3 Laps15
1030 トロイ・ラットマンマセラティ45+ 5 Laps18
1120 ロイ・サルヴァドーリクーパー-クライマックス37+ 13 Laps14
Ret16 ハリー・シェルBRM41オーバーヒート3
Ret14 ジャン・ベーラBRM41燃料ポンプ9
Ret12 スチュアート・ルイス=エヴァンズ
トニー・ブルックス
ヴァンウォール35エンジン10
Ret24 グラハム・ヒルロータス-クライマックス33オーバーヒート19
Ret40 パコ・ゴディアマセラティ28アクシデント11
Ret18 モーリス・トランティニアンBRM23燃料ポンプ7
Ret10 トニー・ブルックスヴァンウォール16エンジン5
Ret2 ルイジ・ムッソフェラーリ9事故死2
Ret28 キャロル・シェルビーマセラティ9エンジン17
Ret26 クリフ・アリソンロータス-クライマックス6エンジン20
ソース:[7]
追記

第6戦終了時点のランキング

コンストラクターズ・チャンピオンシップ
順位コンストラクターポイント
1 フェラーリ28
12 ヴァンウォール22
13 クーパー-クライマックス19
4 BRM10
15 マセラティ6

  • : トップ5のみ表示。ベスト6戦のみがカウントされる。

脚注

参照文献

  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク

前戦
1958年ベルギーグランプリ
FIA F1世界選手権
1958年シーズン
次戦
1958年イギリスグランプリ
前回開催
1957年フランスグランプリ
フランスグランプリ次回開催
1959年フランスグランプリ