難破船 (曲)

加藤登紀子の楽曲

難破船」(なんぱせん)は、1984年加藤登紀子が発表した楽曲。1987年中森明菜がカバーし、19枚目のシングルとしてリリースした。

難破船
加藤登紀子楽曲
収録アルバム最後のダンスパーティ
リリース1984年12月1日
規格
録音1984年秋
ジャンルポップスバラード
レーベルポリドール
作詞者加藤登紀子
作曲者加藤登紀子
最後のダンスパーティ 収録曲
最後のダンスパーティ
(1)
難破船
(2)
ロマネスク
(3)

概要

1984年12月1日ポリドールより発売された、加藤登紀子のスタジオ・アルバム『最後のダンスパーティ』 (LP: 28MX-1196, CD: H33P-20002)に収録された。同曲は加藤から中森明菜に提供され、1987年9月30日に、19枚目のシングルとしてリリースした(ワーナー・パイオニア / リプリーズ・レコード,EP: L-1755)。

背景

「難破船」は、加藤が作詞と作曲を手掛け、自身が歌唱した楽曲で、ムーンライダーズ白井良明が編曲を担当し、同メンバーの武川雅寛によりストリングス・アレンジが施された[1][2][3]。この楽曲は、アレンジを手掛けた白井プロデュースによるスタジオ・アルバム『最後のダンスパーティ』の収録曲として発表された[2][4][5]。「難破船」を含むこのアルバムのレコーディングは1984年秋に行われ、同年12月1日にポリドールより、LP (28MX-1196)とCD (H33P-20002)の2形態でこのアルバムは発売された[2][4]。加藤のこの楽曲は自身の複数のアルバムに収録された。その後加藤は中森明菜にこの楽曲を提供、1987年9月30日に中森のシングルとしてリリースされた[6][7]。1991年11月には『TOKIKO SONGS』の収録曲として「難破船」を新録音し、2001年11月には『MY BEST ALBUM Tokiko Today』にてこの楽曲を新たにセルフカバーした[8][9]。2010年4月21日には、スペシャル・アルバム『iTunes Originals: 加藤登紀子』をiTunes限定でリリースし、加藤が中森に楽曲提供した「難破船」についてのインタビューも収められた[5][10]

収録曲

『最後のダンスパーティ』より[11]
#タイトル作詞作曲・編曲
1.「最後のダンスパーティ」  
2.「難破船」  
3.「ロマネスク」  
4.「狂った季節」  
5.「マンダリーナ」  
6.「ない・もの・ねだり」  
7.「イマジネーション」  
8.「あいつは私のヒーロー」  
9.「幻想」  
10.「バリデロ」  
合計時間:

中森明菜による歌唱盤

中森明菜 > 中森明菜の作品 > 難破船 (曲)
「難破船」
中森明菜シングル
初出アルバム『BEST II
B面恋路
リリース
規格
ジャンルポップスバラード
時間
レーベルワーナー・パイオニア / リプリーズ・レコード
作詞・作曲加藤登紀子
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 1位(オリコン[18]
  • 1987年度年間6位(オリコン)[18]
  • 1988年度年間81位(オリコン)[18]
  • 1位(ザ・ベストテン[19]
  • 1987年年間7位(ザ・ベストテン)[19]
  • 1988年1月月間6位(ザ・ベストテン)[19]
  • 1988年年間79位(ザ・ベストテン)[19]
  • 中森明菜 シングル 年表
    BLONDE
    (1987年)
    難破船
    (1987年)
    AL-MAUJ (アルマージ)
    (1988年)
    BEST II 収録曲
    「ジプシー・クイーン」
    (9)
    難破船
    (10)
    テンプレートを表示

    1987年9月30日に、中森明菜の19枚目のシングルとして「難破船」がシングルリリースされた[20][7]

    加藤登紀子からの既存曲の提供で[6][21][20]、加藤は中森に楽曲のテープを送り、「明菜ちゃんに歌わせたい」と切望したという[14][20]。加藤は中森の22歳の誕生日祝いがテレビ番組で放映されているのを見て、この楽曲のシーンと中森の雰囲気がぴったりであると思い、加藤は中森に「しばらくこの歌を歌うのを止めるから、あなたが歌ったほうがいい」と、楽曲を送ったと明かしている[22]

    編曲は若草恵が担当した[23]。中森は同年末に行われた『第38回NHK紅白歌合戦』でもこの楽曲を歌唱した[24]。本曲は後の中森の作品でも新録され、1995年12月にリリースしたベスト・アルバムtrue album akina 95 best』と、2007年3月にリリースしたベスト・アルバム『バラード・ベスト 〜25th Anniversary Selection〜』にそれぞれ収録された[25][26][23]

    B面として発表された「恋路」は、来生えつこ作詞、林哲司作曲、萩田光雄による編曲で、中森の初期作品から馴染みのある作家陣となった[23][20]

    批評

    『CDジャーナル』は「難破船」について、「ロマンティシズムあふれる逸品」であり、なだらかな弦楽奏が劇的に高まっていく楽曲と指摘した上で、中森の低音部を発揮させた歌唱が伝わり、典雅の極みであると批評した[21]

    チャート成績

    この楽曲は、TBS系音楽番組ザ・ベストテン』では1987年10月22日から1987年11月19日の5週連続で最高順位1位を記録し、1987年度の年間ベストテンでは、第7位を記録した[27]オリコン週間シングルチャートでは、1987年10月12日付で初登場・最高順位ともに1位を記録した[7]。同チャートの100位以内においては、計19週に渡ってランクインしている[7]。また、1987年度のオリコン年間シングルチャートでは、6位を記録した[7]。トータルセールスでは、1987年のオリコン年間シングルチャートで2位を記録した「TANGO NOIR」を上回っている[7]

    収録曲

    #タイトル作詞作曲編曲時間
    1.「難破船」加藤登紀子加藤登紀子若草恵
    2.「恋路」来生えつこ林哲司萩田光雄
    合計時間:

    規格

    クレジット

    収録アルバム

    難破船

    その他のアーティストによるカバー

    • 女優の桃井かおりが、1993年10月21日に発表したカバー・アルバム『MORE STANDARD』でカバーした[34]
    • 歌手の華原朋美が、2014年10月1日に発表したカバー・アルバム『MEMORIES 2 -Kahara All Time Covers-』でカバー。映画『喰女-クイメ-』のイメージソングとしても使用された。
    • 香港の歌手のヨリンダ・ヤンが、1988年に発表したアルバム『無伴的舞』で広東語詞でカバーした。
    • 香港の歌手のアニタ・ムイが、1988年に発表したアルバム『夢裡共酔』で広東語詞で「無人願愛我」としてカバー。映画『猟鷹計画』の主題歌としても使用された。
    • 歌手の島津亜矢が、2017年9月20日に発表したカバーアルバム『SINGER 4』でカバーした。
    • 歌手の中孝介が、2019年4月10日に発表したアルバム『愛者 ~Kanasha~』でカバーした。
    • ものまねシンガー荒牧陽子が、2019年11月15日に発表したカバー・アルバム『リスペクト!~私が昭和を歌ったらこんな感じ!~』でカバーした。
    • 歌手のMs.OOJAが、2020年8月26日に発表したカバーアルバム『流しのOOJA 〜VINTAGE SONG COVERS〜』でカバーした。
    • 歌手のおかゆが、2021年2月10日に発表したカバーアルバム『おかゆウタ ~カバーソングス~』でカバーした。
    • クレイジーケンバンドが、2021年9月8日に発表したカバーアルバム『好きなんだよ』でカバーした。
    • 歌手の坂本冬美が、2021年10月27日に発表したカバーアルバム『Love Emotion』でカバーした。
    • 声優の雨宮天が、2023年6月21日に発表したカバーアルバム『COVERSⅡ -Sora Amamiya favorite songs-』でカバーした。
    • 2023年-水月ひかり(CV:礒部花凜)配信シングル

    参照

    外部リンク