選挙ステーション

日本の選挙特別番組
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選挙ステーション』(せんきょステーション)は、テレビ朝日ANN系列)で、1986年7月6日同日選挙)から生放送されている選挙特別番組である。

選挙ステーション
番組のスタジオがあるテレビ朝日本社ビル
ジャンル選挙特別番組
出演者大越健介
大下容子
小木逸平
板倉朋希
渡辺瑠海
製作
制作テレビ朝日ANN
放送
映像形式リアルタイム字幕放送
2012年12月16日放送回より)
連動データ放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1986年7月6日 -
放送時間19:58 - 翌0:25
放送分267(4時間27)分
公式サイト

特記事項:
放送時間及び出演者は2022年7月10日第26回参議院議員通常選挙)放送のもの。
2003年11月9日第43回衆議院議員総選挙)放送時からの番組タイトルロゴ及び番組上の表記は『選挙STATION』。
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同局の平日夜のニュース番組である『NEWS STATION』→『報道STATION』の特別番組という形態をとっている。略称名は『選ステ』(せんすて)。

歴史

第1回目は、衆参同日選挙により開票作業が投票日翌日に行われたため開票日の放送となったが、他系列が午前8時から特番を組む中、一足早く午前7時から断続的にその日の『ニュースステーション』まで放送した。『ニュースステーション』のキャスターを務めた久米宏が中心となって放送し、タイトルは『久米宏の選挙ステーション』となるなど『ニュースステーション』の派生番組の色が濃く、オープニングCGも当時のCGをアレンジし『ニュースステーション』での地球を立方体にしたものが使われた。さらに午後にはアーク放送センター前のカラヤン広場と大阪のABCエキスタ朝日放送のサテライトスタジオ)の2元中継で討論企画と双方に集まった有権者のティーチインも行われた。通常のレギュラー番組のうち『江森陽弘モーニングショー』と『なうNOWスタジオ』は本特番に内包する形式で通常通り放送されたが、『モーニングショー』は本特番のスタジオから江森ら同番組の司会陣が、『なうNOWスタジオ』は渡辺宜嗣らが前述の討論企画を行うカラヤン広場の特設ステージからそれぞれ進行し、久米も出演した。なおこの回ではテーマ曲も当時の『ニュースステーション』と同じく『ANNニュース』のテーマ音楽が使われたが、特番部分のエンディング音楽も通常の後奏をアレンジしていた。

以後は、放送開始時間は投票終了時間とほぼ同じで、かつてはクロスネット局だった山形放送テレビ信州テレビ熊本でも放送していた。

2004年7月11日の第20回参議院議員通常選挙時からは、地上波デジタル放送にて放送を開始した地域から順次連動データ放送を実施している[注 1]

2005年版は選挙投開票日の19:57から翌日未明の3:00まで7時間3分生放送[注 2]

2009年(8月30日実施第45回衆議院議員総選挙)から、これまで出口調査や開票情報を共同取材していた朝日新聞社との協力関係をアピール。番組の前提となる基本データを共有し、新聞・テレビ・インターネットで一体的に展開するというもの。番組宣伝では、「報道ステーションと朝日新聞が総力を結集…」とアナウンスしたほか、両者の特設サイトは朝日新聞グループのコラボレーションであることを明確にした。放送時間は19:56から翌3:30。

2010年7月11日の第22回参議院議員通常選挙時の放送時間は19:57から翌日未明の3:30となったが、2012年12月16日の第46回衆議院議員総選挙および2012年東京都知事選挙時の放送時間は19:56から翌日未明の3:30に復す[1]。同時にリアルタイム字幕放送も行われることになった。

2013年7月21日の第23回参議院議員通常選挙時の放送時間は19:57から翌0:05[2](関連事項は#構成にて後述する)。

2014年12月14日の第47回衆議院議員総選挙時は、当番組の前に放送されたフィギュアスケートグランプリシリーズファイナルの結果を挟みながら、開票状況を伝えた[3]。放送時間は19:59から23:30。

2016年7月10日の第24回参議院議員通常選挙時の放送時間は19:57から翌0:10。

2021年10月31日の第49回衆議院議員総選挙時の放送時間は19:58から翌2:00。なお、テレビ朝日が投票日当日に行った出口調査をもとに投票締め切りの午後8時に発表した各党の議席予想が実際の各党の獲得議席とは大きく外れるというハプニングも後に起きてしまった[4]

タイトルは前述の通り、第1回のみ『久米宏の選挙ステーション』だった。2000年6月25日放送(第42回衆議院議員総選挙時)から、『選挙ステーション2000』という風に西暦がタイトルに付け加えられるようになった。さらに、ロゴ上ではこれまでタイトルの「ステーション」の部分がカタカナ表記であったのが久米降板時の『選挙STATION2003』(2003年11月9日放送、第43回衆議院議員総選挙時)から「STATION」という英語表記へ変更となっている。

これはベースとなる番組『ニュースステーション』の後期(「NEWS STATION」)と『報道ステーション』(報道STATION)のロゴが英字表記のため、それに倣っている。また、新聞テレビ欄での表記は文字制限の関係上カタカナのままで、西暦はスペースの都合である場合とない場合がある。

第1部の出演者は原則として『NEWS STATION』→『報道STATION』の出演者を中心に起用し、当初は開票速報のキャスターや選挙事務所からのリポートの役割で夕方のニュース枠(『ANNニュースレーダー』→『600ステーション』→『ステーションEYE』→『スーパーJチャンネル』)のキャスターも出演していた。『報道STATION』の開始以降はサブキャスターが『報道STATION』のサブキャスターだったり、それ以外の同局の報道・情報番組の女性キャスター・女性司会者が務めるなど、回によって異なっている。第2部については2012年まで『朝まで生テレビ!』の出演者が起用されたが(2017年のみ復活)、抜本的なリニューアルに伴い、2013年以降は主に『報道STATION』の出演者が起用されている。なお、2012年まで第2部で討論の司会を務めた田原総一朗は、第1部のオープニングや政党幹部らへのインタビューにも登場することがあった。

『NEWS STATION』時代は、久米宏と小宮悦子の2人体制で放送していた。1998年7月12日の第18回参議院議員通常選挙からは渡辺真理が開票速報担当としてキャスターに加わった。なお、小宮は同年10月からの『Jチャンネル』の全曜日担当に伴い『NEWS STATION』からは降板したが、本番組は続投し、引き続き久米・小宮・渡辺の共演が実現することになった。2004年3月26日の『NEWS STATION』終了により、久米が『選挙STATION2003』をもって降板[注 3]。『選挙STATION2004』から『報道STATION』初代メインキャスターの古舘伊知郎に交代したが、2016年3月31日をもって『報道STATION』を降板により、古舘も『選挙STATION2014』をもって降板。『選挙STATION2016』から『選挙STATION2019』までは、同局のアナウンサーで『報道STATION』2代目メインキャスターの富川悠太が本番組のメインキャスターを務めた。

同じく『NEWS STATION』の終了により、渡辺真理が『選挙STATION2003』をもって降板。長年サブキャスターとして出演してきた小宮も『選挙STATION2005』をもって降板した。『選挙STATION2007』では当時の同局アナウンサーで『報道STATION』初代サブキャスターの河野明子がサブキャスターを務め、『選挙STATION2009』と『選挙STATION2010』では『スーパーモーニング』の司会者・赤江珠緒[注 4]がサブキャスターを務めた。『選挙STATION2012』からは当時の同局アナウンサーで『報道STATION』3代目サブキャスターの小川彩佳がサブキャスターを務めたが、2018年9月28日をもって『報道STATION』を降板により、小川彩佳が『選挙STATION2017』をもって降板[注 5]。『選挙STATION2019』では、2019年10月に『報道STATION』のメインキャスターに就任した徳永有美がサブキャスターを務め、『報道STATION』金曜日担当のキャスターもその陣に加わった。

2017年10月22日の『選挙STATION2017』では、同年4月22日・23日より開始した『サタデーステーション』・『サンデーステーション』のメインキャスターである高島彩長野智子も第1部キャスターに加わった[5]。また、第2部の討論コーナーが5年ぶりに復活し、19:57から翌4:00までの8時間3分生放送された。長野は『選挙ステーション2003』から『選挙STATION2010』までは第2部の司会を務めていたが、第1部に参加するのはこれが初めてだった。

2021年10月31日の『選挙STATION2021』では、同月4日に『報道STATION』金曜以外のちの2022年10月からは全曜日のメインキャスターに就任した大越健介と、平日昼の情報番組大下容子ワイド!スクランブル』のメインMC・大下容子が、第1部メインキャスターを担当した[6]。同年3月に『報道STATION』のレギュラーコメンテーターを降板した後藤謙次も23時台から登場し、上座のコメンテーター席に座って解説を務めた[7]

構成

第1部は、北海道・東京・愛知・大阪・沖縄の各局女子アナリレーによる各地の投票率予測に始まり、投票終了と同時に発表される出口調査による議席予測、開票速報、注目選挙区状況と選挙ドキュメント、比例・各選挙区の当選確実情報、当選者の喜びの声、タレント議員の当落、各党首・各党の情勢、ベテラン議員との激論バトルなどをANN各局と中継をつなぎ、総力を挙げて総出で送る。

第2部は、2012年までは『朝まで生テレビ!』のフォーマットに基づく田原総一朗司会の討論コーナーを放送した。「(激論!)どうするどうなる日本の政治」との討論テーマの下、与野党の幹部らが意見を戦わせるのが恒例だった。2013年以降は田原司会の討論コーナーが後述の他のコンテンツとの編成上の都合で見送られ、2017年に復活したのを最後に開票速報やパネルディスカッションへ移行している。

第2部終了後は、報道局ニュースルームから最新の開票状況や選挙関連以外の一般ニュースとスポーツニュース、天気予報を伝える。ニュースパートのテロップは基本的に『ANNニュース』仕様のものを使用している。

スポーツ中継に伴う対応

放送日が『全英オープンゴルフ』の最終日と重なった場合は、23:00か24:00に一旦中断し、競技終了後再開される。ただし、2013年は全英オープンゴルフに加え、世界水泳も中継することから、7月22日0:05で当番組を終了させた後すぐに、ゴルフ中継および世界水泳を放送したため、第2部の討論コーナーは放送されなかった。2014年も『フィギュアスケートグランプリファイナル・エキシビション』[8]の放送が重なり、やはり第2部の討論コーナーは放送されなかったほか、他局と異なり放送中にフィギュアスケートの模様と大雪関連のニュースを随時放送した。放送時間も23:30までの短縮となるが、翌日1:30から再び開票速報を放送し補完した。2016年も第2部の討論コーナーは放送されていない。

2001年は『2001年世界水泳選手権』の大会最終日だったため、19:58から20:10まで『選挙ステーション2001』を放送、20:10から再び『世界水泳』、21:00から再び『選挙ステーション2001』を放送。23:30に第1部が終了後、23:30 - 24:00は『世界水泳ダイジェスト』を放送して、7月30日0:00 - 2:00に第2部の討論コーナーを放送。第2部終了後、『速報!甲子園への道』(2:00 - 2:20・朝日放送制作)を挟んで2:20 - 2:50に『ANNニュース』として最新の開票状況や選挙以外のニュース・スポーツ・天気予報を放送した。2007年は、『AFCアジアカップ2007』で日本代表が決勝に進出した場合のみ、21:22で一旦中断され、試合終了後再開される予定だったが、日本が準決勝でサウジアラビアに敗れたためなくなり、通常の放送となった。また、2001年以降サイマル放送を行っていたBS朝日ではそれが行われず、代わりに7月30日の0:00 - 0:10まで『News Access参議院選速報』として放送された。2019年は、『2019年世界水泳選手権』の大会初日と『第148回全英オープンゴルフ』の最終日のため、19:58から20:20まで『選挙STATION2019』第1部、20:20から『世界水泳』、21:58から23:00まで再び『選挙STATION2019』第2部、23:00から翌2:55までは『全英オープン』[9]を放送したため、『選挙STATION』は実質1時間30分程度のみの放送となった。

演出

久米や古舘の各時期のスタイルなどもあり、硬い選挙特番のなかでも所々で久米・古舘流の其々の個性をそのまま演出としていた。

オープニングにはアニメーションを使用して、さながら総合格闘技のようにみせたり(1998年参院選)、ラグビーの試合のように見せた(2000年衆院選)こともある。

1998年参院選の際は、番組冒頭での各地の投票状況中継リポーターが全員女性だったため、久米が「ぶっちゃけた話、3人目が好みです」とスケベ親父丸出しで3か所目の大阪を担当したABCアナウンサー関根友実を好きなタイプとして挙げた。

古舘が初めて参加した2004年参院選の際は、元同僚・小宮との古巣での久々の共演となったため、冒頭のトークにて「いやー、なんか変な感じですよねぇー。テレビ朝日の旧局舎のアナウンス部、本当に懐かしい限りですよねー」と局アナウンサー時代の想い出を述べた。対する小宮も「そうですよねぇー。懐かしいです」と相槌を打った。

2005年衆院選の際は、投票終了時刻の20:00を迎えた同時に六本木ヒルズのテレビ朝日社屋外観を使用し、出口調査から分析した獲得予想議席数を発表した。また、与党の議席割合が焦点になった2014年衆院選2016年参院選では、議席予測を色付きTシャツの人数で表現した。

2019年参院選の際は、当時同局で放送中だった『世界水泳』のパロディとして、各党党首を模したCGキャラクターが競泳をするアニメーションを使用して出口調査の発表を行った。

出演者

以下の情報は、全て『選挙ステーション2022』のもの。☆印はテレビ朝日アナウンサー

大越健介(『報道ステーション』)
大下容子☆(『大下容子ワイド!スクランブル』)
小木逸平☆(『報道ステーション』・『サンデーステーション』)
  • コメンテーター
藤川みな代(テレビ朝日政治部長)
  • 開票キャスター
板倉朋希☆(『報道ステーション』・『サタデーステーション』・ 『羽鳥慎一モーニングショー』)
渡辺瑠海☆(『報道ステーション』)
ほか

歴代の出演者

第1部 歴代出演者
放送年メインキャスターサブキャスター開票キャスターコメンテーター
1986年久米宏小宮悦子小林一喜萩谷順
1989年福岡政行
1990年内田健三猪口邦子
1992年福岡政行
1993年田原総一朗内田健三和田俊
1995年岩井奉信
1996年渡辺宜嗣佐藤紀子石井苗子
1998年渡辺真理菅沼栄一郎福岡政行
2000年福岡政行
2001年渡辺真理田原総一朗矢野絢也
2003年渡辺真理角澤照治福岡政行田中康夫
2004年古舘伊知郎角澤照治金子勝
2005年福岡政行
2007年河野明子星浩田勢康弘
2009年赤江珠緒山口豊市川寛子田崎史郎
2010年
2012年小川彩佳山口豊田崎史郎藤岡信夫
2013年後藤謙次田崎史郎藤岡信夫
2014年藤岡信夫
2016年富川悠太藤川みな代木村草太
2017年小川彩佳
高島彩
長野智子
平石直之八木麻紗子中丸徹
2019年徳永有美小木逸平竹内由恵後藤謙次
2021年大越健介大下容子渡辺瑠海藤川みな代後藤謙次
2022年大下容子
小木逸平
板倉朋希藤川みな代


第2部 歴代出演者(2017年まで)
放送年討論の司会司会
1989年田原総一朗渡辺宜嗣田丸美寿々
1990年
1992年
1993年
1995年宮崎緑
1996年
1998年
2000年丸川珠代
2001年
2003年長野智子
2004年
2005年
2007年
2009年
2010年
2012年村上祐子
2013年(制作されず)
2014年
2016年
2017年田原総一朗渡辺宜嗣村上祐子

列島中継リレー

出口調査が取り入れられて投票終了前から放送するようになり、投票終了までの時間をつかった各局女性アナウンサーによる中継リレーが始まった。南から沖縄県(琉球朝日放送)で始まり、近畿広域圏(朝日放送)、札幌市(北海道テレビ放送)、東京都(テレビ朝日)の順[注 6]で放送する。2005年9月11日(第44回衆議院議員総選挙)の放送では投票終了3分前からの放送で中継に充てる時間が無くなり、これ以降、中継リレーは廃止された。

各局リポーターは以下の通り。カッコ内は当時の所属テレビ局。なお、沖縄担当の宮城さつきは琉球朝日放送が開局して初めて関わった1996年10月20日(第41回衆議院議員総選挙)以来、唯一交代することなく出演した。

2000年6月25日(第42回衆議院議員総選挙
2001年7月29日(第19回参議院議員通常選挙
2003年11月9日(第43回衆議院議員総選挙
2004年7月11日(第20回参議院議員通常選挙
  • 北海道 - 森さやか(北海道テレビ)
  • 東京 - 前田有紀(テレビ朝日)
  • 名古屋 - 高山香織(メ〜テレ)
  • 大阪 - 小寺右子(朝日放送)

系列局での扱い

  • 朝日放送テレビ(ABC TV)の場合、番組の大半を、朝のローカル情報番組『おはよう朝日です』・夕方のローカル報道番組『newsおかえり』をベースにした関西ローカル版に差し替える。東京発の内容は基本的にオープニング部分(概ね議席予測発表まで)やメインキャスターと自民党など主要政党の党首とのやりとり程度しかネットせず[注 7]、ネットスポンサーの提供クレジットも自社送出で表示している。また、番組終了後に『選挙STATION ABC』の単独番組として、朝日放送テレビの放送エリアである近畿地方・徳島県の当落状況を放送する場合もある。
  • 他テレビ朝日系列各局でも番組の一部を差し替え、放送エリア内の開票速報を行う(基本的に夕方のローカル報道番組のメインキャスターが担当。)。
  • クロスネット局福井放送(FBC)・テレビ宮崎(UMK)は裏送りで番組制作に加わっている[注 8]

脚注

注釈

出典

関連項目

参議院選
衆議院選

外部リンク

テレビ朝日ANN 選挙特別番組
前番組番組名次番組
選挙ステーション
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