藤岡陽子
藤岡 陽子(ふじおか ようこ、1971年7月21日[1] - )は、日本の小説家、看護師[2]。本名、中原陽子[1]。2児の母[2]。
経歴
京都府京都市に生まれる[1]。同志社高等学校では赤神諒と同期[3]。同志社大学文学部卒業[2]。卒業後は文章を書く仕事がしたい[4]と1994年に報知新聞社にスポーツ記者として勤務し、高校野球やゴルフを取材する[2]。整理部を経て1997年9月、およそ3年半で退社[2]。その後、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学し[2][4]、スワヒリ語科で学ぶ[5]。卒業はせず帰国し[5]、1999年に大阪文学学校(夜間部)に通い[6]、小説を書いては投稿する日々を続けるが落選が続く[4]。2年連続で「オール読物新人賞」の最終候補に残るが、その後結婚し、出産したことで小説を書く余裕を無くしてしまう[4]。また、経済的に夫に依存することに不安を感じ、慈恵看護専門学校を卒業して、看護師資格を習得[4]。小説を書きたいという気持ちは依然として強かったため[4]、2006年、再び大阪文学学校(昼間部)で学び[6]、同年「結い言」で宮本輝が選考する第40回北日本文学賞選奨を受賞[2]。その後、2年連続で「小説宝石新人賞」の最終候補に残り、2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー[2]。
2021年『メイド・イン京都』にて第9回京都本大賞受賞[7]。2023年『リラの花咲くけものみち』にて第7回未来屋小説大賞を受賞[8]。2024年、同作で第45回吉川英治文学新人賞。同作は娘が獣医を目指して北海道の酪農学園大学に進学したことを機に書かれた[9][10]。
著書
- いつまでも白い羽根(2009年6月 光文社 / 2013年2月 光文社文庫)
- 海路(2011年6月 光文社)
- トライアウト(2012年1月 光文社 / 2015年3月 光文社文庫)
- ホイッスル(2012年9月 光文社 / 2016年11月 光文社文庫)
- 手のひらの音符(2014年1月 新潮社 / 2016年9月 新潮文庫)
- 波風(2014年7月 光文社 / 2019年6月 光文社文庫)
- 闇から届く命(2015年2月 実業之日本社)
- 【改題】むかえびと(2018年4月 実業之日本社文庫)
- 晴れたらいいね(2015年7月 光文社 / 2017年8月 光文社文庫)
- おしょりん(2016年2月 ポプラ社 / 2023年6月 ポプラ文庫)
- テミスの休息(2016年4月 祥伝社)
- 【改題】陽だまりのひと(2019年4月 祥伝社文庫)
- 満天のゴール(2017年10月 小学館 / 2023年3月 小学館文庫)
- この世界で君に逢いたい(2018年7月 光文社 / 2021年8月 光文社文庫)
- 海とジイ(2018年11月 小学館 / 2022年9月 小学館文庫)
- 跳べ、暁!(2020年7月 ポプラ社 / 2022年7月 ポプラ文庫)
- きのうのオレンジ(2020年10月 集英社 / 2023年8月 集英社文庫)
- メイド・イン京都(2021年1月 朝日新聞出版 / 朝日文庫、2024年4月)第9回京都本大賞受賞
- 金の角持つ子どもたち(2021年5月 集英社文庫)
- 空にピース(2022年2月 幻冬舎 / 2024年1月 幻冬舎文庫)
- リラの花咲くけものみち(2023年7月 光文社)第45回吉川英治文学新人賞受賞 第7回未来屋書店#未来屋小説大賞第1位
アンソロジー
「」内が藤岡陽子の作品
- リアルプリンセス(2017年1月 ポプラ社 / 2019年4月 ポプラ文庫)「あの人は海を捨てた」
メディア・ミックス
映画
- おしょりん(2023年10月20日福井先行公開、11月3日全国公開、主演:北乃きい)