若月健矢

日本のプロ野球選手

若月 健矢(わかつき けんや、1995年10月4日 - )は、埼玉県加須市出身のプロ野球選手捕手)。右投右打。オリックス・バファローズ所属。

若月 健矢
オリックス・バファローズ #2
2021年10月21日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍日本の旗 日本
出身地埼玉県加須市
生年月日 (1995-10-04) 1995年10月4日(28歳)
身長
体重
180 cm
88 kg
選手情報
投球・打席右投右打
ポジション捕手
プロ入り2013年 ドラフト3位
初出場2015年5月1日
年俸1億2000万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
獲得メダル
男子 野球
日本の旗 日本
アジア プロ野球チャンピオンシップ
2017

妻は声優立花理香[2]

経歴

プロ入り前

小学1年から大桑ジャイアンツで野球を始める[3]。捕手となったきっかけは、入部時に空いていたポジションが捕手だったことにあるという[4]。加須平成中時代に加須シニアで全国8強入り[5]

花咲徳栄高では1年秋から捕手でレギュラーを獲得。2年生時に監督の助言でプロ入りを志すようになった[4][5]。4番・捕手として関口明大(青山学院大 - 徳島インディゴソックス)とバッテリーを組み3年春の第85回記念選抜高等学校野球大会に出場し、自身は本塁打を放つも1回戦敗退。夏の甲子園は県大会でノーヒットノーランの貢献も[6]、準々決勝で敗れ出場を逃す[7]。同大会終了後、高校日本代表に選出され、第26回18U野球ワールドカップ準優勝を経験した。高校通算28本塁打[8]。高校時代のチームメイトには他に楠本泰史がいる。

2013年10月24日に行われたドラフト会議では、オリックス・バファローズから3位指名を受け[8]、11月21日に契約金5000万円、年俸500万円(金額は推定)で仮契約した。背番号は37

オリックス時代

2014年は一軍出場こそなかったものの、シーズン終了後にU-21日本代表に選出され、国際舞台の経験を得た[9]

2015年5月1日に一軍初出場を果たすが、この時は代走のみの起用で、1試合の出場のみで二軍降格となった。シーズン終盤に再度一軍登録され、9月25日の対北海道日本ハムファイターズ戦(京セラドーム大阪)で初の捕手起用・先発出場を果たし、その後計4試合先発マスクを被った[10]。この期間にプロ初安打も記録した。

2016年、前シーズンに正捕手を決めきれなかったオリックスでは、福良淳一監督が捕手全員を横一線で競争させると明言[10]。開幕当初は伊藤光山崎勝己の併用が続いていたが、6月3日にシーズン2度目の一軍登録を果たした若月は徐々に出場機会を増やし、7月以降は伊藤がマスクを被る金子千尋の先発試合以外はほぼ先発マスクを任されるようになり[11]、チームの7月のシーズン初月間勝ち越しに貢献した[12]。最終的にチームの捕手では最多の85試合に出場した。なお、この年のオリックスは若月、伊藤、山崎、伏見寅威齋藤俊雄田中大輔の捕手6名で、日本プロ野球史上初の「シーズンチーム捕逸0」の記録を達成した[13]

2017年、開幕戦となる3月31日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(京セラドーム大阪)では、金子千尋とのバッテリーで初の開幕スタメンを勝ち取った。しかし、この試合では5回までに4失点を喫し、サインが合わず金子が苛立ちを見せる場面もあるなどして敗戦し[14]、結局2017年シーズン中に金子と再びバッテリーを組むことはなく、その役目は伊藤光に譲ることとなった[14]。このシーズンも前年同様チームの捕手で最多の100試合に出場したものの、打率が夏場には1割台に低迷したほか[15]打点失策数・盗塁阻止率など攻守の指標の多くが2016年を下回った。5月頃から、球場では一部の観客から若月に向けて「頼むから辞めてくれ」[16]などのヤジが飛ぶようになり、若月もシーズン途中から「今の心境」として選手登場曲を中島みゆきの「ファイト!」に変更するなど[16]、苦悩のシーズンを過ごした[14][16]。オフの11月8日に怪我で辞退した宇佐見真吾に代わり、2017 アジア プロ野球チャンピオンシップ日本代表に選出された[17]。11月25日から台湾で開催される2017アジアウインターベースボールリーグにおいて、NPBウエスタン選抜に選出された[18]

2018年、正捕手として114試合に出場。打率.245を記録するなど打撃面で成長を見せた。特に対千葉ロッテマリーンズ戦で打率.400、ZOZOマリンスタジアムでは.538を記録した。

2019年、自己最多の138試合に出場し、リーグ1位の盗塁阻止率.371を記録した。盗塁阻止率のリーグ1位は球団では1992年の中嶋聡以来27年ぶりとなった[19]。打撃では打率.178と低迷した[20]

2021年、シーズン序盤から伏見寅威頓宮裕真がマスクをかぶる試合が多く、若月自身は2週間近く出番がない時期もあった[21]。しかし、シーズン中盤からはスタメンマスクを被る機会が増え、68試合に出場した。10月9日の対福岡ソフトバンクホークス戦(福岡PayPayドーム)では自身初のランニングホームランを放つ[22]など、自己最多となる5本塁打を放った。また、夏場以降はエースである山本由伸とバッテリーを組み、11戦10勝と好成績を記録するとともに、最優秀バッテリー賞に選出された[23]。1年を通して若月は「開幕当初は3人目という位置付けだった。試合に出ることに必死だった。中盤から終盤にかけて試合に出られるようになって、優勝争いの中でマスクをかぶれたのは良い経験になった」と述べている[24]。現状維持となる推定年俸3800万円で契約を更改した[25]

2022年、8月19日の西武戦で自身初の2打席連続本塁打を記録[26]し、9月15日の日本ハム戦では自身初のサヨナラ安打を放ち、シーズン4度目のサヨナラ勝ちに貢献する[27]など、シーズン途中から打撃面での成長を見せた。新型コロナウイルス陽性による離脱もあり、出場試合数は前年と同じ68試合にとどまったものの、打率.281でシーズンを終え、得点圏打率.371と勝負強さも見せた。また、前年同様、エースの山本と多くバッテリーを組み、山本の15勝のうち12勝を若月とのバッテリーであげ、優勝争いのかかった終盤戦は全て若月がマスクを任され、チームの日本一に大きく貢献した。これらが評価され、1000万円増の推定年俸4800万円で契約を更改した[28][29]。また、山本と2年連続の最優秀バッテリー賞に選出された[30]

2023年は併用されていた伏見がFA移籍するものの、埼玉西武ライオンズから森友哉が加入。4月1日の開幕2戦目には森が5番・捕手、若月が8番・指名打者という打順が組まれ、自身初の指名打者起用に若月は「エイプリルフールかなと思って。そんなわけないやろと、ちょっと思ったんですけど」とコメントしている。なお、同試合ではその起用に答えて4打数2安打を記録し、8回以降は指名打者を解除して捕手のポジションにも就いた[31]。同月30日の対ロッテ戦(京セラドーム大阪)では3-3の同点で迎えた延長11回二死一、二塁の打席で小野郁からサヨナラ二塁打を放った[32]。ファン投票並びに選手間投票によりオールスターゲームに選出されていた森が左脚の負傷に出場を辞退したことにより、代替選手として初めてオールスターゲームに選出された[33]。7月22日の対日本ハム戦(ほっともっと神戸)では4-4の同点で迎えた9回一死無走者の打席で宮西尚生から自身初のサヨナラ本塁打を放ち[34]、シーズンでは2度のサヨナラ打を放った。また、同年8月にFA権を取得したが、9月に残留を表明。「早く決めて楽になりたかった」と話した[35]。この年は96試合に出場し、自己最多の6本塁打を記録。森の加入があったものの、捕手での先発出場は83試合で、森の56試合を上回り[36]、この年3年連続山本との最優秀バッテリー賞[37]、自身初となる捕手部門でのゴールデングラブ賞を受賞した[注 1][40]。12月10日に臨んだ契約更改では、7200万円増で自身初の1億円の大台到達となる推定年俸1億2000万円で、球団と複数年契約を結んだ[36]

選手としての特徴

二塁送球が1.9秒を切る強肩[41]と送球の安定感[8]が売り。体も強く、努力家である点もプロ入りに際して評価された[42]

若月のリードについて、オリックス入団直後から2020年までバッテリーコーチとして指導してきた鈴木郁洋は、「バッターの反応もよく見れるし、もともとバッターを抑える感覚を持っている」「何回教えてもできない子もいるそういう感覚を、あいつはプロに入ってきた時から持っていた」と評している[11]

人物

愛称は「ケンケン[43]

趣味は漫画を読むこと[4][44]。先述の中島みゆきの他、尾崎豊光GENJIなど、自身が生まれる前の昭和期のヒットソングを嗜好し、登場曲に多く選択している[12]

2019年12月28日、声優の立花理香との結婚をスポーツニッポン紙上で発表した[2][45][46]

2022年7月24日、京セラドーム大阪で行われた福岡ソフトバンクホークス戦でお立ち台に立った際、第1子誕生を報告した[47]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2015オリックス511110100010000000021.091.091.091.182
20168526222922521300652000230416425.227.259.284.543
201710025621816448215918002321003509.202.245.271.515
20181143022692266921822710231702806.245.269.305.574
201913834829821539016521202502114734.178.241.218.460
2020752151921446120367192081905404.240.290.349.639
2021681401171125405441610911102272.214.290.376.666
202268193171164870467143191903345.281.326.392.718
20239631828627731416107172116015016615.255.295.374.669
通算:9年749204517911494087652155715211213668622641451.228.272.311.583
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



捕手






















2015オリックス4282001.0000110.000
2016845035634.9950604317.283
2017995335956.9922513813.255
20181146577728.9972624319.306
20191388358537.99673704426.371
2020714613623.9961453510.222
2021673583113.997023185.217
20226543851510.9901432419.442
2023926575423.9971412912.293
通算73444704512344.99510396275121.306

表彰

記録

初記録
  • 初出場:2015年5月1日、対福岡ソフトバンクホークス7回戦(京セラドーム大阪)、10回裏に平野恵一の代走で出場
  • 初先発出場:2015年9月25日、対北海道日本ハムファイターズ23回戦(京セラドーム大阪)、9番・捕手で先発出場
  • 初打席:同上、3回裏に斎藤佑樹から空振り三振
  • 初安打:2015年9月28日、対東北楽天ゴールデンイーグルス25回戦(京セラドーム大阪)、3回裏に戸村健次から左前安打
  • 初打点:2016年6月19日、対東北楽天ゴールデンイーグルス11回戦(沖縄セルラースタジアム那覇)、4回裏に釜田佳直から中前適時打
  • 初本塁打:2017年10月6日、対福岡ソフトバンクホークス25回戦(福岡 ヤフオク!ドーム)、5回表に千賀滉大から左越えソロ
  • 初盗塁:2018年5月22日、対東北楽天ゴールデンイーグルス10回戦(楽天生命パーク宮城)、4回表に二盗(投手・池田隆英 捕手・嶋基宏
その他の記録

背番号

  • 37(2014年 - 2020年)
  • 2(2021年 - )

登場曲

※奇数打席
※偶数打席(共に2020年)[49]

代表歴

脚注

注釈

出典

参考文献

関連項目

外部リンク