航空保安管制群

航空保安管制群(こうくうほあんかんせいぐん、英称:Air Traffic Control Service Group)は、東京都府中市府中基地に所在する、航空支援集団の隷下部隊である。

航空保安管制群
Air Traffic Control Service Group
航空保安管制群の部隊章
創設1989年(平成元年)3月16日
所属政体日本の旗 日本
所属組織 航空自衛隊
部隊編制単位
兵種/任務/特性航空管制
所在地東京都 府中市
編成地府中
上級単位航空支援集団
担当地域日本全国
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概要

航空保安管制群は、本部を府中基地に置き、司令は1等空佐をもって充てられている。移動管制隊をふくめ18個管制隊及び飛行管理隊、飛行情報隊を隷下に有する。各管制隊は飛行場ごとに設置され、航空交通管制業務(飛行場管制、進入/ターミナル・レーダー管制、着陸誘導管制)を行い、飛行管理隊は運航情報、航空機移動情報等の処理、飛行情報隊はノータム(NOTAM)、飛行情報出版物(航空路図誌等)の編集等を行っている[1][2]

主に航空自衛隊が所管するレーダーサイト・管制空域に対する管制を行う。洋上管制については海上自衛隊航空管制隊の所管となる。

また、新千歳空港北海道)、三沢空港青森県)、茨城空港茨城県)、小松空港石川県)、県営名古屋空港愛知県)、米子鬼太郎空港鳥取県)では、航空自衛隊の航空機だけでなく、民間航空会社の旅客機に関しても航空自衛官が航空交通管制業務を行っている[1]

加えて、国土交通省航空局航空交通管理センター)に連絡官を派遣し、防衛省を代表して官(防衛省)・軍(米軍)・民(民間)それぞれの空域の調整等を行う[3]

1989年の航空支援集団設置に伴い、現在の名称となった。前身の航空保安管制気象群は1957年の設立である。

沿革

  • 1957年(昭和32年)
  • 1958年(昭和33年)
    • 1月16日 - 岐阜管制分遣隊を編成。
    • 8月1日 - 静浜、小牧管制分遣隊を編成。矢の目、入間川、板付管制分遣隊を仙台、入間、春日管制分遣隊に改編。
    • 10月1日 - 飛行点検隊を府中に編成(10月4日、美保基地へ移動)。木更津管制分遣隊を編成。
    • 12月1日 - 気象業務隊及び気象通信隊を府中に、飛行管理隊を入間に編成。
  • 1959年(昭和34年)6月1日 - 部隊改編。
  1. 各管制分遣隊を管制隊に改編。
  2. 飛行点検隊が木更津基地へ移動。
  3. 仙台管制分遣隊を廃止。
  • 1960年(昭和35年)8月1日 - 臨時芦屋管制隊を編成。
  • 1961年(昭和36年)
    • 2月1日 - 小松管制隊を編成。臨時芦屋管制隊を芦屋管制隊に改編。
    • 7月15日 - 航空保安管制気象群が廃止、「保安管制気象団」が新編。隷下部隊として「保安管制群」が設置。
  • 1963年(昭和38年)12月16日 - 宇都宮管制隊を廃止。
  • 1964年(昭和39年)8月1日 - 小月管制隊を廃止。
  • 1965年(昭和40年)11月20日 - 百里管制隊を編成。
  • 1969年(昭和44年)4月1日 - 木更津管制隊を廃止。
  • 1971年(昭和46年)10月1日 - 気象通信隊が気象群隷下に編入。
  • 1972年(昭和47年)10月11日 - 臨時那覇管制隊を編成。
  • 1973年(昭和48年)10月16日 - 飛行情報隊を府中に編成。臨時那覇管制隊を那覇管制隊に改編。
  • 1989年(平成元年)3月16日 - 航空救難団、輸送航空団、保安管制気象団などを改編・統合して「航空支援集団」が新編。保安管制群が「航空保安管制群」に改編。
  • 2003年(平成15年)3月27日 - 移動管制隊を百里に編成。
  • 2004年(平成16年)12月1日 - 名古屋飛行場の管制業務の一部を国土交通省から移管されたため、小牧管制隊を新編。
  • 2013年(平成25年)4月1日 - 航空保安管制群本部が入間基地から府中基地へ移転。
  • 2018年(平成30年)3月27日 - 飛行管理隊が入間基地から府中基地へ移転。
  • 2019年(令和元年)10月1日 - 無事故管制3,000万回達成[4]

部隊編成

主要幹部

官職名階級氏名補職発令日前職
航空保安管制群司令1等空佐樫地慶一2024年03月28日第1航空団基地業務群司令
副司令1等空佐湯淺幹生2022年09月30日航空自衛隊第5術科学校第2教育部長
歴代の航空保安管制群司令
(1等空佐(一)[5]
氏名在職期間前職後職
保安管制気象団保安管制群司令
01岡本豪三
2等空佐
1961.7.15 - 1962.7.15航空保安管制気象群勤務保安管制気象団勤務
02佐々成吾
(2等空佐)
1962.7.16 - 1966.3.15第15飛行教育団勤務飛行教育集団司令部監察安全班長
03佐々木孝輔1966.3.16 - 1968.2.15輸送航空団木更津航空隊司令航空自衛隊幹部学校研究部員
04倉科康介1968.2.16 - 1969.7.15航空自衛隊第2術科学校第1教育部長航空自衛隊第3補給処整備部長
05高杉景自1969.7.16 - 1971.2.15第3航空団飛行群司令飛行教育集団司令部監理部長
06植草義四郎1971.2.16 - 1972.5.14自衛隊茨城地方連絡部保安管制気象団副司令
07中津芳信1972.5.15 - 1974.7.15保安管制気象団付保安管制気象団付
→1974.8.15 官吏死亡[6]
08宮新清1974.7.16 - 1976.3.15航空幕僚監部防衛部防衛課研究班長航空自衛隊幹部学校学校教官
09星野吉章1976.3.16 - 1977.7.31航空救難団飛行群新潟救難隊長
兼 新潟分とん基地司令
航空幕僚監部監理部総務課勤務
10池田博1977.8.1 - 1979.7.31北部航空警戒管制団第18警戒群司令
兼 稚内分とん基地司令
航空自衛隊幹部学校勤務
11丸山作次郎1979.8.1 - 1981.11.3航空自衛隊第5術科学校第2教育部長第4航空団副司令
12由田昭策1981.11.4 - 1983.10.31保安管制気象団勤務航空自衛隊幹部学校勤務
13石川清一1983.11.1 - 1987.3.31航空自衛隊第5術科学校第2教育部長退職
14蓮見武男1987.4.1 - 1988.7.31保安管制群副司令保安管制気象団司令部人事部長
15都留義人1988.8.1 - 1989.3.15航空自衛隊第5術科学校第2教育部長航空保安管制群司令
航空保安管制群司令
01都留義人1989.3.16 - 1990.1.7保安管制群司令航空救難団司令部付
→1990.2.9 定年退官
02小宮憲悟1990.1.8 - 1991.11.30航空保安管制群航空自衛隊幹部学校主任教官
03保阪初男1991.12.1 - 1994.7.31航空幕僚監部人事教育部援護業務課長教材整備隊司令
04齊藤有司1994.8.1 - 1995.7.31航空自衛隊第5術科学校第2教育部長教材整備隊司令
05松井茂基1995.8.1 - 1997.11.30陸上幕僚監部調査部調査第2課退職(空将補昇任)
06中村征治1997.12.1 - 2000.3.31統合幕僚学校主任教官退職(空将補昇任)
07中久保勲2000.4.1 - 2002.7.31航空幕僚監部監理部監理課長西部航空警戒管制団司令
春日基地司令(空将補昇任)
08長尾 齊2002.8.1 - 2005.3.31第3航空団基地業務群司令航空自衛隊情報保全隊司令
09田中 仁2005.4.1 - 2009.3.31航空自衛隊幹部学校計画課長退職(空将補昇任)
10木村達人2009.4.1 - 2010.12.23航空幕僚監部運用支援・情報部情報課長航空自衛隊第5術科学校長(空将補昇任)
11横塚一夫2010.12.24 - 2013.7.31航空教育集団司令部教育部長退職(空将補昇任)
12本田親行2013.8.1 - 2015.7.31航空開発実験集団司令部総務部長退職
13太田久雄2015.8.1 - 2018.7.31第4航空団副司令航空教育集団司令部総務部長
14荒木俊一2018.8.1 - 2019.8.22北部航空警戒管制団副司令作戦システム運用隊司令
横田基地司令
15渡部琢也2019.8.23 - 2021.9.29航空幕僚監部総務部総務課広報室長第1輸送航空隊司令
小牧基地司令(空将補昇任)
16井上伸康2021.9.30 - 2023.3.15中部航空方面隊司令部幕僚長退職[7]
17定免克己2023.3.16 - 2024.3.27第5高射群司令北部航空警戒管制団司令(空将補昇任)
18樫地慶一2024.3.28 -第1航空団基地業務群司令


脚注

関連項目

外部リンク