胃瘻造設術

胃瘻造設術(いろうぞうせつじゅつ、: Gastrostomy)とは、胃瘻を作る手術のこと。

歴史

1822年アメリカ陸軍の軍医ウィリアム・ボーモント(William Beaumont)によって、銃によって胃に瘻孔が形成された患者の経過が報告された。1849年にフランスの外科医シャルル・セディヨ(Charles Sedillot)によって開腹胃瘻造設術が初めて報告されるも不成功。1875年にイギリスの外科医ジョーンズ・シドニー(Jones Sydney)によって開腹胃瘻造設術の成功例が報告される。その後、1891年に、ドイツの外科医オスカー・ウィッツェル(Oskar Friedrich Witzel)や、1894年にアメリカの外科医マーチン・スタム(Martin Stamm)によって、相次いで開腹胃瘻造設術の術式が報告されていった。

上部消化管内視鏡を用いての内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は、1980年アメリカグリーンビル記念病院の小児科医のミシェル・W・L・ガウデラー(Michael W.L.Gauderer)と外科医ジェフリー・L・ポンスキー(Jeffrey L.Ponsky)によって6歳の神経障害児に対してPULL法で行われたのが最初である[1]

その後、1983年に上野文昭(茅ケ崎徳洲会病院)・門田俊夫(防衛医科大学校第一外科学)によって、1984年にアメリカのラッセル(Russell.T.R)によって、Introducer法によるPEGが報告され、広く施行されるようになってきた[2]

種類

経皮内視鏡下胃瘻造設術

経皮内視鏡下胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:PEG)には以下の方法があり、PULL/PUSH法と、Introducer法に大別される。[3]

  • PULL法:胃瘻カテーテルを胃内腔より腹壁外に引きだす方法
  • PUSH法:胃瘻カテーテルを胃内腔から腹壁外へ押し出す方法
  • Introducer法:胃壁固定後に外筒(シース)やガイドカテーテルを用いて胃瘻カテーテルを挿入する方法。PULL/PUSH法と異なり、胃瘻カテーテルを口腔・咽頭を通過させない。

※鮒田式胃壁固定術:胃壁-腹壁の固定具として鮒田昌貴(三重大学医学部外科学第二教室)によって開発され汎用されている。

PEGは身体的負担も少なく、現在の主流となっている[4]

開腹胃瘻造設術

19世紀以降、胃瘻造設術として開発されてきた代表的な術式には以下があり、現在以下を基本として様々な変法等は報告されている。

  • Witzel法
  • Stamm法
  • Janeway法
  • Heineke-Mikulicz法

その他

胃瘻造設から以下の造設手技が考案され発展してきている。

  • 経皮内視鏡下空腸瘻造設術(Percupercutaneous endoscopic jejunostomy:PEJ)
  • 経皮内視鏡下十二指腸瘻造設術(Percutaneous endoscopic duodenostomy:PED)
  • 経皮経食道胃管挿入術(Percutaneous Trans-Esophageal Gastro-tubing:PTEG)

脚注

関連

外部リンク

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