第90回記念選抜高等学校野球大会

第90回記念選抜高等学校野球大会(だい90かいきねんせんばつこうとうがっこうやきゅうたいかい)は、2018年平成30年)3月23日から4月4日まで阪神甲子園球場で開催された選抜高等学校野球大会である。

第90回記念選抜高等学校野球大会
試合日程2018年3月23日 - 4月4日
出場校36(一般枠・神宮枠:33、21世紀枠:3)校
優勝校大阪桐蔭大阪、2年連続3回目)
試合数35試合
選手宣誓新保利於(瀬戸内
始球式鈴木大地スポーツ庁長官)
開会式司会入場行進:成松海悠(熊本・熊本一[注 1]
式典:廣瀬久実(山梨・山梨学院
入場行進曲今ありて」(大会歌)
国歌独唱冨永春菜(茨城・水戸三
閉会式司会木村太飛(青森・北斗
総入場者数540,000人(1日平均45,000人)[1]
大会本塁打20本
タイブレーク延長13回以降
 < 20172019 > 
選抜高等学校野球大会
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概要

出場校数は前回の記念大会(第85回)と同じ36校となった[注 2]

今大会から、延長戦におけるタイブレーク方式が導入された[2]。大会では1回戦から準決勝までの試合で延長13回に入った際、その表の攻撃から『ノーアウトランナー・一塁二塁』とし、打順も前イニングからの継続(例:四番打者の打席でイニングが始まる場合は、二番打者と三番打者をランナーとして塁に置く)として延長イニング数無制限で試合を再開する。ただし1人の投手が登板できるイニング数は通算15回までとなる[3]。なお決勝戦ではタイブレーク方式を採用せず延長15回終了時点で同点の場合は引き分けとし、翌日以降に再試合とするが、その再試合で延長13回に入った場合には準決勝までと同じ形で延長イニング数無制限でのタイブレーク方式を採用した[4][注 3]

日程

  • 2017年平成29年)
    • 9月19日 - 第1回の大会運営委員会が開かれる。2018年(平成30年)1月26日に出場校選考委員会を開催して本大会の出場校を選出すること、本大会の組み合わせ抽選会を同年3月16日に実施し、試合日程を3月23日から12日間(準々決勝と準決勝の間の休養日を含む)とするなどとした公式日程を決定した[5]。大会運営委員会と同日に開催した日本高等学校野球連盟の理事会に於いて、第90回大会から『延長戦試合での早期勝敗決着を企図したタイブレーク方式の導入』を行うことを決定。理事会ではタイブレーク方式について、暫定的に1回戦から準決勝までの延長13回から採用して実施することを決めたが、決勝戦での採否を始め、どのような方式でタイブレーク試合を行うかなどの詳細については協議の上、当初は2017年11月を目処に決定する方針であった[5][2]
    • 11月14日 - 第48回明治神宮野球大会高校の部・決勝戦が行われ、明徳義塾が36年ぶり2回目の優勝。四国地区の一般選考における出場枠増枠が決定[注 4]
  • 2018年(平成30年)
    • 1月10日 - 本年初の大会運営委員会を開催し、当初予定より2ヶ月遅れでタイブレーク方式の詳細を決定した。
    • 1月26日 - 出場校選考委員会にて出場36校が決定。滋賀から史上初となる3校が選出された一方で、地元の兵庫からは1校も選出されなかった。
    • 3月16日 - 組み合わせ抽選会。
    • 3月23日 - 開会式。
    • 3月25日 - 大会本部が「満員通知」を発表。選抜大会で満員通知が出たのは、関係者によると第60回大会以来30年ぶり[6]
    • 4月2日 - 休養日。
    • 4月4日 - 決勝戦。大阪桐蔭智弁和歌山を5-2で下し2年連続3回目の優勝。大阪桐蔭は史上3校目の大会連覇となった[注 5]。また、大阪勢の優勝は11回目で都道府県別で単独最多となった[7]

選出校

一般選考

地区選出校出場回数
北海道駒大苫小牧北海道4年ぶり4回目
東北花巻東岩手6年ぶり3回目
日大山形山形36年ぶり4回目
聖光学院福島5年ぶり5回目
関東明秀日立茨城初出場
国学院栃木栃木18年ぶり4回目
中央学院千葉初出場
東海大相模神奈川7年ぶり10回目
慶応神奈川9年ぶり9回目
東京日大三東京2年連続20回目
東海静岡静岡2年連続17回目
東邦愛知2年ぶり29回目
三重三重4年ぶり13回目
北信越富山商富山9年ぶり6回目
日本航空石川石川初出場
星稜石川13年ぶり12回目
地区選出校出場回数
近畿近江滋賀3年ぶり5回目
彦根東滋賀9年ぶり4回目
乙訓京都初出場
大阪桐蔭大阪4年連続10回目
智弁学園奈良3年連続12回目
智弁和歌山和歌山4年ぶり12回目
中国おかやま山陽岡山初出場
瀬戸内広島27年ぶり3回目
下関国際山口初出場
四国英明香川3年ぶり2回目
松山聖陵愛媛初出場
明徳義塾高知3年連続18回目
高知高知5年ぶり18回目
九州東筑福岡20年ぶり3回目
創成館長崎4年ぶり3回目
富島宮崎初出場
延岡学園宮崎12年ぶり3回目

21世紀枠

地区選出校出場回数
東北由利工秋田初出場
近畿膳所滋賀59年ぶり4回目
九州伊万里佐賀初出場

組み合わせ・試合結果

1回戦 - 3回戦

1回戦2回戦3回戦
          
3月23日(1)
 東筑3
3月27日(1)
 聖光学院5
 聖光学院3
 東海大相模12
 
3月29日(3)
 
 東海大相模8
 静岡1
 
3月24日(2)
 
 静岡7
 
 駒大苫小牧0
    
    
-2回戦3回戦
          
 
3月24日(3)
 
 日本航空石川10
 膳所0
 
3月30日(1)
 
 日本航空石川3x
 明徳義塾1
 
3月25日(1)
 
 明徳義塾7x
 
 中央学院5
    
    
1回戦2回戦3回戦
          
3月23日(2)
 英明2
3月27日(2)
 国学院栃木3
 国学院栃木9
 延岡学園5
 
3月30日(2)
 
 国学院栃木4
 智弁和歌山7
 
3月25日(2)
 
 富山商2
 
 智弁和歌山4
    
    
-2回戦3回戦
          
 
3月25日(3)
 
 智弁学園5
 日大山形3
 
3月30日(3):延長10回
 
 智弁学園1
 創成館2x
 
3月26日(1)
 
 下関国際1
 
 創成館3
    
    
1回戦2回戦3回戦
          
3月23日(3)
 明秀日立4
3月27日(3)
 瀬戸内3
 明秀日立10
 高知1
 
3月31日(1)
 
 明秀日立1
 大阪桐蔭5
 
3月26日(2)
 
 大阪桐蔭14
 
 伊万里2
    
    
-2回戦3回戦
          
 
3月26日(3)
 
 花巻東5
 東邦3
 
3月31日(2):延長10回
 
 花巻東1x
 彦根東0
 
3月28日(1)
 
 彦根東4
 
 慶応3
    
    
1回戦2回戦3回戦
          
3月24日(1)
 由利工0
3月29日(2)
 日大三5
 日大三0
 三重8
 
3月31日(3)
 
 三重2
 乙訓1
 
3月28日(2)
 
 乙訓7
 
 おかやま山陽2
    
    
-2回戦3回戦
          
 
3月28日(3)
 
 松山聖陵5
 近江8
 
3月31日(4):延長10回
 
 近江3
 星稜4x
 
3月29日(1)
 
 星稜11
 
 富島2
    
    

準々決勝 - 決勝

準々決勝準決勝決勝
          
4月1日(1)
 東海大相模3
4月3日(1):延長10回
 日本航空石川1
 東海大相模10
4月1日(2):延長10回
 智弁和歌山12
 智弁和歌山11x
4月4日
 創成館10
 智弁和歌山2
4月1日(3)
 大阪桐蔭5
 大阪桐蔭19
4月3日(2):延長12回
 花巻東0
 大阪桐蔭3x
4月1日(4) 
 三重2
 三重14   
 星稜9   

決勝戦スコア

4月4日
 123456789RHE
智弁和歌山000200000262
大阪桐蔭00020012X582
  1. (智):池田、平田、根来 - 東妻
  2. (大):根尾 - 小泉
  3. 審判
    [球審]宅間
    [塁審]戸塚・金丸・乗金
  4. 試合時間:1時間58分
智弁和歌山
打順守備選手
1[中]神先恵都(3年)
2[遊]西川晋太郎(2年)
3[三]林晃汰(3年)
4[右]文元洸成(3年)
5[左]冨田泰生(3年)
6[一]二黒川史陽(2年)
7[二]高瀬宗一郎(3年)
打一本多吏樹(3年)
目代康悟(3年)
8[捕]東妻純平(2年)
9[投]池田陽佑(2年)
平田龍輝(3年)
根来塁(2年)
大阪桐蔭
打順守備選手
1[左]宮﨑仁斗(3年)
2[右]青地斗舞(3年)
3[遊]中川卓也(3年)
4[中]藤原恭大(3年)
5[投]根尾昂(3年)
6[二]山田健太(3年)
7[三]石川瑞貴(3年)
8[捕]小泉航平(3年)
9[一]井阪太一(3年)

大会本塁打

1回戦
  • 第1号:日置航(日大三)
2回戦
  • 第2号:谷合悠斗(明徳義塾)
  • 第3号:岡野龍太(智弁学園)
  • 第4号:齋藤礼二(東海大相模)
  • 第5号:工藤魁人(延岡学園)
  • 第6号:島田侑希(国学院栃木)
  • 第7号:近藤翔真(国学院栃木)
  • 第8号:高内希(彦根東)
  • 第9号:井元将也(おかやま山陽)
3回戦
  • 第10号:渡辺健士郎(東海大相模)
  • 第11号:原田竜聖(日本航空石川)
  • 第12号:松山隆一(創成館)
  • 第13号:細川拓哉(明秀日立)
  • 第14号:浦口輝(三重)
準々決勝
  • 第15号:小松勇輝(東海大相模)
  • 第16号:黒川史陽(智弁和歌山)
  • 第17号:林晃汰(智弁和歌山)
  • 第18号:梶田蓮(三重)
準決勝
  • 第19号:渡辺健士郎(東海大相模)
  • 第20号:山田健太(大阪桐蔭)

記録

いずれも今大会終了時点における記録

大会記録

記録選手名所属校対戦相手
1大会最多サヨナラ本塁打3谷合悠斗明徳義塾2回戦・中央学院戦
原田竜聖日本航空石川3回戦・明徳義塾戦
松山隆一創成館3回戦・智弁学園戦
記録日程スコア
1日4試合最多合計得点674月1日・準々決勝東海大相模 3 - 1 日本航空石川
智弁和歌山 11x - 10 創成館
大阪桐蔭 19 - 0 花巻東
三重 14 - 9 星稜
記録日程スコア
1大会最多サヨナラ試合73月25日・2回戦明徳義塾 7x - 5 中央学院
3月30日・3回戦[注 6]日本航空石川 3x - 1 明徳義塾
創成館 2x - 1 智弁学園
3月31日・3回戦花巻東 1x - 0 彦根東
星稜 4x - 3 近江
4月1日・準々決勝智弁和歌山 11x - 10 創成館
4月3日・準決勝大阪桐蔭 3x - 2 三重
記録
通算安打数616[8]
記録
通算四死球数318[注 7][8]

応援団賞

最優秀賞彦根東[9]
優秀賞慶応
膳所
乙訓
おかやま山陽
伊万里

その他の主な出場選手


脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク