第50回世界卓球選手権団体戦

第50回世界卓球選手権団体戦英語: 2010 World Team Table Tennis Championships)は、2010年5月23日から5月30日にかけてロシアモスクワオリンピック・スタジアムで開催された世界卓球選手権。2007年5月にモスクワでの開催が決定された[1]。大会公式球には日本のバタフライが選ばれている[2]

第50回世界卓球選手権団体戦
大会概要
開催期間2010年5月23日 - 5月30日
回次50
開催地ロシアの旗 ロシアモスクワ
会場オリンピック・スタジアム
優勝者
男子団体中華人民共和国の旗 中国
女子団体シンガポールの旗 シンガポール

男子は中国が5連覇、女子はシンガポールが中国の9連覇を阻止し初優勝した。女子準々決勝の日本対韓国戦はおよそ5時間に及ぶ熱戦となった。ドイツの呉佳多は香港戦で帖雅娜、姜華珺とランク上位の2選手を破りドイツに銅メダルをもたらした。

試合形式

大会には男子は111カ国・地域、女子は83カ国・地域、あわせて134カ国・地域が出場した。

本大会では世界ランク上位から24カ国・地域ごとに6チームごと4つのリーグに分かれて予選リーグが行われる。男女ともにチャンピオンディビジョン、第2ディビジョン、第3ディビジョンは各24カ国、男子の第4ディビジョンは39カ国が5チームごと8つのリーグに分けて対戦[3]、女子の第4ディビジョンは11カ国が2つのリーグに分けて対戦した[4]

各国のメンバーは5人以内でシングルスのみ5セットマッチ、3セット先取、1セットにつき5ゲームで行われる。1ゲームにつき11点先取、サービスは2本交代。原則としてA対X、B対Y、C対Z、A対Y、B対Xの組み合わせで行われる。

決勝トーナメントには各組3位までが出場する。各組の2位、3位になったチームが対戦し、準々決勝で各組1位となったチームと対戦する。各組の4位から6位チームは13位から24位決定戦に回る。

男子

予選[5]1位2位3位4位5位6位
A組 中国 ロシア ポーランド フランス ギリシャ イタリア
B組 韓国  スウェーデン  チェコ  チャイニーズタイペイ  ウクライナ  ルーマニア
C組 ドイツ 日本  ハンガリー スペイン クロアチア  デンマーク
D組 香港  ベラルーシ  オーストリア ポルトガル シンガポール 北朝鮮
順位チーム出場選手[6]
1 中国馬龍(1位)、王皓(2位)、馬琳(4位)、張継科(5位)、許昕(7位)
2 ドイツティモ・ボル(3位)、ドミトリ・オフチャロフ(15位)、クリスティアン・ズース(24位)、バスティアン・シュテガー(25位)、パトリック・バウム(34位)
3 日本水谷隼(11位)、吉田海偉(22位)、岸川聖也(30位)、松平健太(40位)、張一博(153位)
3 韓国朱世赫(9位)、呉尚垠(13位)、柳承敏(17位)、徐賢徳(52位)、鄭榮植(60位)
5 香港唐鵬(19位)、チェン・ユック(20位)、李静(28位)、江天一(30位)、高礼澤(32位)
6 ロシアアレクセイ・スミルノフ(33位)、フェドル・クズミン(46位)、キリル・スカチコフ(77位)、アレクサンダー・シバエフ(125位)、ミハイル・グラディシェフ(234位)
7  ベラルーシブラディミル・サムソノフ(8位)、エフゲニー・チチェチニン(97位)、ビタリー・ネクベドビッチ(176位)、パベル・プラトノフ(260位)、アレクサンドル・クチュク(379位)
8  ハンガリーヤカブ・ヤーノシュ(81位)、フェレンツ・パジー(123位)、ダニエル・コシバ(232位)
9  チェコピーター・コルベル(48位)、ドミトリ・プロコプコフ(54位)、トマス・トレグレル(141位)、イジー・ウラブリク、ヨーゼフ・シモンチク
10  オーストリアヴェルナー・シュラガー(16位)、陳衛星(21位)、ロベルト・ガルドシュ(47位)、ダニエル・ハベソーン(157位)、シュテファン・フェゲルル(228位)
11  スウェーデンイェンス・ルンクウィスト(38位)、パル・イェレル(61位)、ロベルト・スベンソン(107位)、ファビアン・オーケストレム(229位)、アンドレアス・トルンクヴィスト(296位)
12 ポーランドワン・ツォンイ(67位)、ルシアン・ブラシュチック(75位)、バルトス・スッフ(92位)、ダニエル・ゴラク(148位)、パトリック・チョイノフスキ(291位)
13 北朝鮮ジャン・ソンマン(63位)、キム・ヒョクボン(83位)、イ・チョルグク(117位)、キム・ナムチョル(180位)
14 ポルトガルジョアン・モンテイロ(43位)、ティアゴ・アポローニャ(62位)、マルコス・フレイタス(90位)、エニオ・メンデス(275位)
15 スペインカルロス・マチャド(84位)、アルフレード・カルネロス(165位)、マルク・デュラン(200位)、ヘスス・カンテロ(283位)
16 シンガポールガオ・ニン(26位)、ヤン・ツー(54位)、祭暁黎(172位)、パン・シュエジエ(494位)
17  チャイニーズタイペイ荘智淵(18位)、呉志祺(120位)、黄聖盛(161位)、陳建安(208位)、周東ユ(222位)
18 クロアチアアンドレイ・ガチーナ(54位)、ロコ・トシッチ(100位)、イバン・ジュバシッチ(239位)、トミスラフ・コラレク(300位)
19 フランスクリストフ・レグー(64位)、アドリアン・マテネ(87位)、エマニュエル・ルベッソン(131位)、アブデル=カデル・サリフ(215位)
20 ギリシャパナギオティス・ギオニス(45位)、コンスタンティノス・パパイエオリウー(185位)、アナタシオス・リニオティス(358位)、ディミトリオス・パパディミトリオウ(384位)
21  ウクライナヤロスラフ・ツムデンコ(140位)、オレクサンドル・ディドゥフ(142位)・コウ・レイ(191位)、エフエン・プリスチェバ(304位)
22  ルーマニアアドリアン・クリシャン(49位)、コンスタンティン・チオティ(91位)、アンドレイ・フィリモン(105位)、オビディウ・イオネスク(185位)
23  デンマークマイケル・メイス(10位)、アラン・ベンツェン(80位)、フィン・ツグウェル(94位)、クリスティアン・コングスガード(212位)、モーテン・ラスムッセン(307位)
24 イタリアミハイ・ボボチーカ(76位)、ステファノ・トマージ(231位)、ニアゴル・ストヤノフ(277位)、マルコ・レッシュ・ダルドゾ(529位)

女子

中国女子チーム
予選[5]1位2位3位4位5位6位
A組 中国 ポーランド クロアチア イタリア イングランド  オーストリア
B組 シンガポール ドイツ オランダ スペイン  チェコ アメリカ合衆国
C組 香港 韓国  ハンガリー 北朝鮮  ウクライナ フランス
D組 日本  チャイニーズタイペイ  ルーマニア  ベラルーシ ロシア スロバキア
順位チーム出場選手[7]
1 シンガポール馮天薇(2位)、ユー・モンユー(10位)、王越古(13位)、スン・ベイベイ(17位)、リ・ジャウェイ(33位)
2 中国劉詩雯(1位)、郭焱(3位)、郭躍(5位)、丁寧(4位)、李暁霞(7位)
3 日本福原愛(8位)、平野早矢香(14位)、石川佳純(29位)、藤井寛子(60位)、藤沼亜衣(74位)
3 ドイツ呉佳多(22位)、クリスティン・シルベライセン(48位)、エルケ・シャール(50位)、サビーネ・ヴィンター(101位)
5 韓国キム・キョンア(6位)、朴美英(11位)、唐汭序(16位)、石賀浄(28位)、文炫晶(88位)
6 香港姜華珺(9位)、帖雅娜(21位)、柳絮飛(46位)、張瑞(66位)、于國詩(126位)
7  ハンガリークリスティナ・トート(27位)、ペトラ・ロバス(67位)、ゲオルギナ・ポータ(72位)、サンドラ・ペルゲル(181位)
8 オランダリ・ジャオ(25位)、リ・ジェ(32位)、エレナ・チミナ(95位)、リンダ・クレーメルス(182位)、カーラ・ノウウェン(238位)
9  チャイニーズタイペイ黄怡樺(31位)、鄭怡静(61位)、熊乃儀(155位)、許慧純(160位)、陳思羽(277位)
10 ポーランドリー・チェン(23位)、ナタリア・パルティカ(48位)、シュイ・ジェ(69位)、カタジナ・グルジボウスカ(161位)、アガタ・パストル(299位)
11 クロアチアタマラ・ボロシュ(52位)、コルネリア・バイダ(89位)、アンドレア・バクラ(143位)、ミレラ・ドゥラク(299位)
12  ルーマニアダニエラ・ドデアン(19位)、エリザベータ・サマラ(26位)、ベルナデッテ・スッチ(112位)、カメリア・ポストアカ(117位)
13 北朝鮮キム・ジョン(56位)、ハン・ヘソン(112位)、ヒョン・リョンヒ(119位)、キム・ヘソン(122位)
14 ロシアアンナ・ティホミロワ(101位)、ヤナ・ノスコワ(161位)、アナスタシワ・ボロノワ(172位)、ポリナ・ミハイロワ(178位)、オルガ・バラノワ(309位)
15 スペイン朱芳(51位)、ガリア・ドボラク(82位)、サラ・ラミレス(85位)、ション・イェンフェイ(1000位以下)
16 アメリカ合衆国高軍(39位)、アリエル・シン(232位)、ナタリー・スン(411位)、チャン・リリー(452位)、エリカ・ウー(564位)
17  ウクライナマルガリタ・ペソツカ(45位)、テチャーナ・ソロチンスカ(94位)、ガンナ・ガポノワ(225位)、イリナ・モツィク(1000位以下)
18  ベラルーシビクトリア・パブロビッチ(34位)、ベロニカ・パブロビッチ(58位)、アリョーナ・ドゥブコワ(211位)、アレクサンドラ・プリバロワ(220位)
19 イタリアニコレータ・ステファノバ(57位)、ウェンリン・タン・モンファルディーニ(76位)、デボラ・ヴィヴァレッリ(514位)
20 スロバキアバーボラ・バラージョバ(137位)、ビエラ・マルチェコバ(1000位以内)
21 イングランドジョアンナ・パーカー(145位)、ケリー・シブリー(164位)、ハナ・ヒックス(492位)、カリナ・ルフェーブル(509位)
22  チェコイベタ・バチェノフスカ(50位)、ダナ・ハダチョバ(166位)、カテリナ・ペンカボバ(189位)、マルティナ・スミスチコバ(202位)
23 フランスキャロル・グルンディッシュ(103位)、オーロール・ドゥサン(164位)、オードリー・マテネ(200位)
24  オーストリア李チャン冰(47位)、マルティナ・ペッツナー(353位)、サラ・カインツ(1000位以下)

ランキングは2010年5月のもの

日本選手団

2010年1月22日に日本卓球協会から男女各5人ずつの選手が発表された[8]

ランキングは2010年4月のもの

国際卓球連盟の会議

大会にあわせて開催された国際卓球連盟のオリンピック委員会でロンドンオリンピックのシングルス出場枠は各国2名までとなった[9]

日本での放送

テレビ東京TXN系列局で放送。キャスターに石原良純、会場のリポート・インタビュアーに大橋未歩、解説に近藤欽司、松下浩二、岸田聡子、実況に植草朋樹斉藤一也中川聡、東京スタジオからは相内優香秋元玲奈が出演。またAKB48の『Dance with me』が番組テーマ曲として使用された。

ピンポン7

世界卓球をPRするため、番組にかかわる大橋、相内、秋元の3人に松丸友紀須黒清華前田海嘉繁田美貴を加えたテレビ東京の女性アナウンサー7人によって結成された。

AKB48卓球部

2009年の個人戦同様、メンバーはAKB48からのメンバーから構成。高橋みなみ大島優子柏木由紀渡辺麻友峯岸みなみ宮澤佐江宮崎美穂指原莉乃石田晴香仲川遥香の10名。テレビ東京の番組テーマソング『僕のYELL 世界卓球ver.』も担当した[10][11][12]

脚注

外部リンク