福岡市地下鉄箱崎線
箱崎線(はこざきせん)は、福岡県福岡市博多区の中洲川端駅から同市東区の貝塚駅までを結ぶ福岡市交通局が運営する鉄道路線(地下鉄)である。「福岡市交通事業の設置等に関する条例」による路線名は2号線、『鉄道要覧』記載の路線名は2号線(箱崎線)。ラインカラーは 青。路線記号は○H。
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![]() 2000系電車(貝塚駅にて) | |||
基本情報 | |||
国 | ![]() | ||
所在地 | 福岡県福岡市 | ||
種類 | 地下鉄 | ||
起点 | 中洲川端駅 | ||
終点 | 貝塚駅 | ||
駅数 | 7駅 | ||
路線記号 | ○H | ||
路線番号 | 2号線 | ||
開業 | 1982年4月20日 | ||
最終延伸 | 1986年11月12日 | ||
所有者 | 福岡市交通局 | ||
車両基地 | 姪浜車両基地 | ||
使用車両 | 車両の節を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 4.7 km | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
最高速度 | 75 km/h[1] | ||
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停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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概要
中洲川端駅からカーブする空港線と分岐し、そのまま明治通りの直下を北上して福岡県庁舎・九州大学病院・筥崎宮のそばを通り、九州大学の旧・箱崎キャンパス[注 1]を横断して西日本鉄道(西鉄)貝塚線(旧・宮地岳線)の始発駅である貝塚駅とを結ぶ。なお、全区間でかつて路面電車の西鉄福岡市内線が通っていた道路[注 2]をほぼ踏襲している。
路線長は4.7 kmで、日本の地下鉄では名古屋市営地下鉄上飯田線(0.8 km)に次いで短い。
西鉄貝塚線との直通運転構想
貝塚駅で接続する西鉄貝塚線とは、箱崎線建設検討前の1971年(昭和46年)3月11日答申の都市交通審議会答申第12号『福岡市及び北九州市を中心とする北部九州都市圏における旅客輸送力の整備増強に関する基本的計画について』において「都心部から箱崎方面に至る路線を新設し、西鉄宮地岳線(現・貝塚線)との直通運転について検討が必要」と明記されており[2]、建設の時点から念頭に置かれていた。
2007年(平成19年)、「福岡都市交通問題協議会」において、福岡市と西日本鉄道(西鉄)が相互直通運転の実現に向けて検討を行うことで合意[2]。箱崎線と西鉄宮地岳線(現・貝塚線)貝塚駅 - 西鉄香椎駅間の直通運転を行う前提で検討を行い、2010年には福岡市によって、三苫駅 - 空港線天神駅間で交通局と西鉄が直通運転を行い、車両数を3両編成とする新たな直通検討案がまとめられた[3][4]。しかし、箱崎線の輸送力が低下するほか、西鉄・福岡市双方に多額の初期設備投資が必要となる(宮地岳線各駅の3両対応化及びレール改良、天神駅での折り返し設備新設など)ことから、施設改良に多額の無償資金を投入する必要があり、事業化に向けては、無償資金の調達方法、需要喚起方策、運行経費の低減化などが課題とされ[5]、市では全体の事業費を精査し、採算性を検討するとしたものの、結果的にほとんどの案で費用対効果が見込みづらいこと、唯一黒字化が見込まれる可能性のある「貝塚線からの直通列車が天神で折返し運転を行う」案では箱崎線から空港線天神以西へ直通する乗客のほうが西鉄貝塚線から直通する乗客より多いとの調査結果から、地下鉄内の乗降パターン次第で利便性が低下する可能性があることなどを理由に消極的な結論となった[6]。
2018年(平成30年)1月に行われた福岡市の交通対策特別委員会で、西鉄貝塚線内を2両編成で運行し、貝塚駅で4両編成を増結し、箱崎線内は6両編成で運行する新案が発表された[7][注 3]。これにより、天神以西への乗り入れ、両線の輸送力の維持が可能となり、設備投資も従来案を下回るという[9]。
2021年(令和3年)1月22日、毎日新聞は西鉄貝塚線への乗り入れによる費用対効果について、費用便益比(B/C)が収支均衡となる「1」を大きく下回る「0.42」と福岡市が試算したと報じた[10]。2018年(平成30年)に議論された貝塚駅で増結・分離する方式では、現在より約1分程度の時間短縮にとどまり、155億円と見込まれる初期投資に見合わないためで、直通運転の可能性は残しつつも事業凍結される見通しと報じている[10]。
路線データ
運行形態
全線おおむね日中7 - 8分間隔。ラッシュ時は博多・福岡空港方面への輸送力確保のため本数が少なくなり、おおむね5 - 10分程度の間隔となるのが特徴。日中は以下の系統が交互に運行されている。
車両
福岡市交通局の車両のみが使用されており、空港線と共通で使用される。空港線と直通運転を行っている九州旅客鉄道(JR九州)の車両は箱崎線には乗り入れない。
- 1000N系
- 2000N系
導入予定車両
歴史
- 1982年(昭和57年)4月20日:2号線 中洲川端駅 - 呉服町駅間が開業。同日に天神駅 - 中洲川端駅間が延伸開業した1号線(現在の空港線)との相互直通運転を開始。
- 1984年(昭和59年)4月27日:呉服町駅 - 馬出九大病院前駅間が開業。
- 1986年(昭和61年)
- 1993年(平成5年)3月3日:箱崎線の愛称が設定される。
- 1999年(平成11年)11月21日:サイクルトレインの実証実験を2000年(平成12年)1月30日まで実施。
- 2004年(平成16年)7月1日:呉服町駅 - 貝塚駅の各駅が業務委託駅となる[15](p64)。
- 2009年(平成21年)
- 2011年(平成23年)3月2日:空港線・七隈線と共に全駅で駅ナンバリング(駅番号制)を表示[15](p65)[16](同年1月24日から、各駅に順次表示[17])。
- 2024年(令和6年)秋頃:4000系電車が営業運転を開始予定[11]。
駅一覧
- 全駅福岡県福岡市内に所在。
- 中洲川端駅を含む全駅が貝塚管区駅の所管で、現場的業務はJR西日本中国メンテック福岡支店(旧 JR西日本福岡メンテック)に委託[18]され正規職員は助役以上の職員のみである。
- シンボルマークの由来については駅記事を参照。
駅番号 | 駅名 | 営業キロ | 接続路線 | シンボルマーク | 所在地 | |
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駅間 | 累計 | |||||
H01 | 中洲川端駅 | - | 0.0 | 福岡市地下鉄:![]() | 「中」と「川」の図案化 | 博多区 |
H02 | 呉服町駅 | 0.5 | 0.5 | 日宋交易船 | ||
H03 | 千代県庁口駅 | 0.7 | 1.2 | 恵比須顔 | ||
H04 | 馬出九大病院前駅 | 0.9 | 2.1 | ハト | 東区 | |
H05 | 箱崎宮前駅 | 0.8 | 2.9 | 筥崎八幡宮大鳥居 | ||
H06 | 箱崎九大前駅 | 0.8 | 3.7 | 松 | ||
H07 | 貝塚駅 | 1.0 | 4.7 | 西日本鉄道:NK 貝塚線(NK01) | 巻き貝 |
乗り継ぎ割引
脚注
注記
出典
参考資料
- 『福岡都市圏における公共交通機関に関する調査』(PDF)(レポート)福岡市住宅都市局、2018年1月16日 。2018年4月29日閲覧。