東海ステークス

日本の中央競馬の重賞競走

東海ステークス(とうかいステークス)は、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。競馬番組表上の名称は「東海テレビ杯 東海ステークス(とうかいテレビはい とうかいステークス)」と表記している[3]

東海ステークス
Tokai S[1]
第41回東海ステークス(2024年1月21日)
優勝馬:ウィリアムバローズ 鞍上:坂井瑠星
開催国日本の旗日本
主催者日本中央競馬会
競馬場中京競馬場
創設1984年12月9日
2024年の情報
距離ダート1800m
格付けGII
賞金1着賞金5500万円
出走条件サラ系4歳以上(国際)(指定)
負担重量別定(#競走条件を参照)
出典[2][3][4]
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寄贈賞を提供する東海テレビ放送は、名古屋市に本社を置く放送局[5]

正賞は東海テレビ杯、地方競馬全国協会理事長賞[2][3]

概要

第40回東海ステークス
優勝馬:プロミストウォリア
(鞍上:バウルジャン・ムルザバエフ)

1984年に創設された4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走「ウインターステークス(GIII)」が本競走の前身[6][7]。1997年にGIIへ格上げされる際に、それまでGII金鯱賞に掛けられていた東海テレビの寄贈賞が本レースに振り替えられて「東海テレビ杯 東海ウインターステークス(とうかいテレビはい とうかいウインターステークス)」と改称[6][7]。2000年には当時ダートのオープン特別として夏季→春季に行われていた「東海ステークス」と統合され、施行時期を5月に移行のうえ名称も現名称となった[6][7](ただし、2012年のみ「東海テレビ杯」がプロキオンステークスに移動したため、単に「東海ステークス」の名称で行われた[6])。2013年に年間を通じたダート路線におけるローテーションが見直された際、1月開催に変更され現在に至る[6]

施行距離は創設当初ダート2200mだったが、1990年にはダート2300mに延長[6]小倉競馬場で行われた1999年はダート2400mで行われていた)。京都競馬場で行われた2010年 - 2012年はダート1900mで行われ[6]、2013年からはダート1800mに変更された[6]。これにより「フェブラリーステークス」へ向けたステップレースとしての性格が強まり[6]、2014年からは本競走の1着馬にフェブラリーステークスの優先出走権が付与されるようになった[6]

外国産馬は1989年から、地方競馬所属馬は1996年からそれぞれ出走可能になった[6]ほか、2006年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[6]

中央競馬で行われるダートグレード競走の中で、唯一のGII格付けである。

競走条件

以下の内容は、2024年[2][3]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(4頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 4歳55kg、5歳以上56kg、牝馬2kg減
    • 2023年1月21日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増4
    • 2023年1月20日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)


賞金

2024年の1着賞金は5500万円で、以下2着2200万円、3着1400万円、4着830万円、5着550万円[2][3]

歴史

  • 1984年 - 4歳以上の馬による重賞競走(GIII[注 1])として「ウインターステークス」の名称で創設、中京競馬場のダート2200mで施行[6]
  • 1985年 - 全国指定交流競走に指定。
  • 1987年 - 施行日を愛知杯と交換。
  • 1989年 - 混合競走に指定され、外国産馬が出走可能になる[8]
  • 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[8]
  • 1997年
    • 地方競馬所属馬の出走枠が5頭に拡大[8]
    • GII[注 1]に昇格[6]
    • ダート競走格付け委員会によりダートグレード競走に指定、統一GIIに格付けされる。
    • 名称を「東海テレビ杯 東海ウインターステークス」に変更[6]
  • 1999年 - この年に限り小倉競馬場のダート2400mで施行。
  • 2000年 - 名称を「東海テレビ杯 東海ステークス」に変更[6]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、競走条件を「3歳以上」に変更[8]
  • 2006年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬は4頭まで出走可能となる[9]
    • 地方競馬所属馬の出走枠を4頭に変更[9]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[10]
  • 2010年 - 中京競馬場の改修のため、この年から2012年までは京都競馬場1900mに条件を変更して施行。
  • 2012年 - 競走条件を「4歳以上」に変更[6]
  • 2013年 - 平安ステークスと時期を入れ替え、同時に中京競馬場での施行に戻る(距離は1800mに短縮)。
  • 2014年 - この年から本競走の1着馬にフェブラリーステークスへの優先出走権を付与[6]
  • 2020年 - 京都競馬場整備工事に伴う開催日割の変更のため京都競馬場で施行[11]
  • 2021年 - 新型コロナウイルス感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[12]
  • 2024年 - 阪神競馬場スタンドリフレッシュ工事に伴う開催日割の変更のため京都競馬場で施行[13]

歴代優勝馬

距離はすべてダートコース。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第13回まで「ウインターステークス」、第14回から第16回は「東海ウインターステークス」、第17回以降は「東海ステークス」[8][6]

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1984年12月9日中京2200mアンドレアモン牡5JRA2:18.1吉永正人松山康久(株)アモン
第2回1985年12月8日中京2200mチェリーフット牡3JRA2:19.1中島敏文藤本晋岡本照三
第3回1986年12月7日中京2200mライフタテヤマ牡4JRA2:19.7猿橋重利安田伊佐夫辻幸雄
第4回1987年12月6日中京2200mクラウンエクシード騸6JRA2:19.9秋山忠一小林稔名古屋友豊(株)
第5回1988年12月4日中京2200mソダカザン牡4JRA2:19.6横山典弘石栗龍雄曽田正雄
第6回1989年12月3日中京2200mマルブツスピーリア牡3JRA2:21.2加用正瀬戸口勉大沢毅
第7回1990年12月16日中京2300mナリタハヤブサ牡3JRA2:25.3横山典弘中尾謙太郎山路秀則
第8回1991年12月15日中京2300mナリタハヤブサ牡4JRA2:24.5熊沢重文中尾謙太郎山路秀則
第9回1992年12月20日中京2300mチェリーコウマン牝3JRA2:25.9菊沢隆仁工藤嘉見(有)弘馬
第10回1993年12月18日中京2300mローリエアンドレ牡4JRA2:27.5藤田伸二境直行山本精一
第11回1994年12月17日中京2300mライブリマウント牡3JRA2:27.1石橋守柴田不二男加藤哲郎
第12回1995年12月16日中京2300mキョウトシチー牡4JRA2:31.8松永幹夫中尾謙太郎(株)友駿ホースクラブ
第13回1996年12月14日中京2300mトーヨーシアトル牡3JRA2:24.9松永昌博松永善晴(有)トーヨークラブ
第14回1997年11月30日中京2300mアブクマポーロ牡5船橋2:24.8石崎隆之出川克己鑓水秋則
第15回1998年12月6日中京2300mマチカネワラウカド牡4JRA2:25.6石橋守高橋隆細川益男
第16回1999年12月5日小倉2400mマイターン牡4JRA2:33.6橋本美純宮徹下井道博
第17回2000年5月21日中京2300mファストフレンド牝6JRA2:24.2蛯名正義高市圭二竹﨑大晃
第18回2001年5月20日中京2300mハギノハイグレイド牡5JRA2:23.4池添謙一松田国英日隈良江
第19回2002年5月19日中京2300mハギノハイグレイド牡6JRA2:22.3福永祐一松田国英日隈良江
第20回2003年5月25日中京2300mゴールドプルーフ牡8名古屋2:26.5丸野勝虎今津勝之近藤正道
第21回2004年5月23日中京2300mアンドゥオール牡5JRA2:23.7松永幹夫長浜博之(有)社台レースホース
第22回2005年5月22日中京2300mサカラート牡5JRA2:22.6秋山真一郎石坂正(有)サンデーレーシング
第23回2006年5月21日中京2300mハードクリスタル牡6JRA2:23.6藤岡佑介作田誠二芹澤精一
第24回2007年5月20日中京2300mメイショウトウコン牡5JRA2:26.8武幸四郎安田伊佐夫松本好雄
第25回2008年5月25日中京2300mヤマトマリオン牝5JRA2:24.0小林徹弥安達昭夫坂東まさ子
第26回2009年5月24日中京2300mワンダースピード牡7JRA2:23.7小牧太羽月友彦山本信行
第27回2010年5月23日京都1900mシルクメビウス牡4JRA1:55.4田中博康領家政蔵(有)シルク
第28回2011年5月22日京都1900mワンダーアキュート牡5JRA1:53.7和田竜二佐藤正雄山本信行
第29回2012年5月19日京都1900mソリタリーキング牡5JRA1:56.4浜中俊石坂正(有)サンデーレーシング
第30回2013年1月20日中京1800mグレープブランデー牡5JRA1:51.0C.ルメール安田隆行(有)社台レースホース
第31回2014年1月26日中京1800mニホンピロアワーズ牡7JRA1:50.4酒井学大橋勇樹小林百太郎
第32回2015年1月25日中京1800mコパノリッキー牡5JRA1:50.9武豊村山明小林祥晃
第33回2016年1月24日中京1800mアスカノロマン牡5JRA1:51.9太宰啓介川村禎彦豊田智郎
第34回2017年1月22日中京1800mグレンツェント牡4JRA1:53.2横山典弘加藤征弘(有)シルクレーシング
第35回2018年1月21日中京1800mテイエムジンソク牡6JRA1:51.8古川吉洋木原一良竹園正繼
第36回2019年1月20日中京1800mインティ牡5JRA1:49.8武豊野中賢二武田茂男
第37回2020年1月26日京都1800mエアアルマス牡5JRA1:50.2松山弘平池添学(株)ラッキーフィールド
第38回2021年1月24日中京1800mオーヴェルニュ牡5JRA1:49.2川田将雅西村真幸杉山忠国
第39回2022年1月23日中京1800mスワーヴアラミス牡7JRA1:51.7松田大作須貝尚介(株)NICKS
第40回2023年1月22日中京1800mプロミストウォリア牡5JRA1:51.2B.ムルザバエフ野中賢二(有)シルクレーシング
第41回2024年1月21日京都1800mウィリアムバローズ牡6JRA1:49.2坂井瑠星上村洋行猪熊広次

東海ステークスの記録

レースレコード - 1:49.2(第38回優勝馬 オーヴェルニュ)

同名の競走

前述の通り、2000年に「ウインターステークス」が「東海ステークス」と名称変更のうえ統合されたが、1999年までは「東海ステークス」という名称の特別競走が別に中京競馬場で行われていた[14]

出典で確認できる1986年から1989年までは準オープンクラス(1400万下)の競走として芝で行われ、1991年よりオープンに変更後はダート1700mで行われていた[14]。1993年は中京競馬場の改修工事によるスケジュールの都合で開催されなかった。

優勝馬

施行日競馬場距離条件優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
1986年6月15日中京芝1800m1400万下ホワイトルーパス牝61:49.3梅野信一清田十一井門敏雄
1987年7月11日中京芝1800m1400万下キーストンコール牡51:48.4小迫次男矢野照正志村勝男
1988年7月9日中京芝1800m1400万下タマモリック牝61:47.9南井克巳吉永忍タマモ
1989年7月8日中京芝1800m1400万下ホウエイソブリン牡61:47.6武豊目野哲也北川末次
1991年6月29日中京ダート1700mオープンワンモアニードユー牡51:44.2角田晃一渡辺栄松井一三
1992年7月4日中京ダート1700mオープンヘイセイシルバー牡41:43.5安藤賢一大根田裕也加藤章
1994年7月3日中京ダート1700mオープンプロストライン牡51:45.5竹原啓二松山康久社台レースホース
1995年7月2日中京ダート1700mオープンチアズアトム牡61:43.5本田優星川薫北村キヨ子
1996年6月2日中京ダート1700mオープンスピードアイリス牝51:45.3福永祐一森秀行市川不動産
1997年6月8日中京ダート1700mオープンエムアイブラン牡51:44.8小池隆生伊藤修司稲美豊
1998年6月14日中京ダート1700mオープンパーソナリティワン牡41:44.3徳吉孝士久恒久夫宗像進
1999年6月13日中京ダート1700mオープンキョウトシチー牡81:45.1安藤勝己中尾謙太郎友駿ホースクラブ

脚注

注釈

出典

各回競走結果の出典

外部リンク