東京丸 (日本海軍)
東京丸(とうきょうまる/とうきゃうまる[4])は、日本海軍(兵部省所管)の運輸船[5](運送船[4])。悪天候により北海道沖で沈没した。
東京丸 | |
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基本情報 | |
建造所 | (アメリカ・ニューヨーク)[1] |
建造費 | 購入代金:140,000円相当[2] |
艦歴 | |
竣工 | 1854年製造[3] |
就役 | 明治4年7月12日(1871年8月27日)購入[4] |
最期 | 明治5年3月2日(1872年4月9日)座礁、沈没[4] |
改名 | 原名:アンクルサム[1] |
要目 | |
排水量 | 1,400英トン[1] |
長さ | 240尺[1](72.73m) または240 ft (73.15 m)[5] |
幅 | 35尺[1](10.61m) または35 ft (10.67 m)[5] |
推進 | 外輪[1] |
出力 | 500馬力[3] |
速力 | 10ノット[3] |
航続距離 | 燃料消費:42,000斤/日[1] |
その他 | 船材:木(鉄筋)[1] |
船歴
元はニューヨークで1854年(安政元年)に竣工した木造汽船アンクルサム[1](UNCLE SAM[4])。
明治4年
明治4年7月12日(1871年8月27日)イギリス人(J.M.バチェルダ[4])所有の東京丸を兵部省が購入した[2][1][5]。代金160,000円のうち80,000円を支払い、残りは飛隼丸、飛龍丸、行速丸の3隻が80,000円相当として交付された[2][5]。
9月28日(新暦11月10日)に東京丸は出港し、鹿児島へ回航[7]、鹿児島を10月18日(新暦11月30日)午前9時に出港し、10月21日(新暦12月3日)午前7時に品海ヘ帰着した[8]。
11月3日(新暦12月14日)、東京丸は艦隊に編入、龍驤艦隊付属となった[9]。なお明治4年『公文類纂』によると艦隊編入は11月5日(新暦12月16日)となっている[10]。11月15日(新暦12月26日)に護送艦東京丸は準四等と定められた[11]。
11月21日(1872年1月1日)から横須賀造船所を行幸していた明治天皇は11月23日(1872年1月3日)に東京丸に乗船、海軍閲覧の後に帰途につき、浜殿で上陸した[12]。
12月3日(1872年1月12日)に石炭運搬のために唐津[要曖昧さ回避]までの回航が命令され[13]、12月12日(1872年1月21日)出港を予定した[14]。その後唐津から鹿児島へ回航した[15]。
明治5年
翌明治5年1月24日(1872年3月3日)に大坂丸と東京丸は艦隊から除かれ運送船とされた[9][16]。
2月10日(新暦3月18日)に開拓使から職人や農夫、諸機械などを北海道へ運搬するために東京丸の借用が申し込まれた[17]。このため当初香港へ向かう予定だった東京丸には2月15日(新暦3月23日)に箱館回航が命令された[18]。東京丸は2月26日(新暦4月3日)に出港を予定し[18]、北海道から鹿児島へ回航する計画が立てられた[19]。東京丸は2月29日(新暦4月6日)午後4時に品海を出港したが[20]、3月2日(新暦4月9日)、北海道メノコナイ(現函館市女那川町付近)沖で濃霧のために座礁、沈没した[21][4]。村民の救助により乗員475人全員が助かったが、破損沈没した船体に積まれた荷物の損害は6000両に及んだ[22]。
船長
脚注
注釈
出典
参考文献
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 明治天皇聖蹟保存会/編『明治天皇行幸年表』大行堂、1933年 。
- アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
- 『記録材料・海軍省報告書第一』。Ref.A07062089000。(国立公文書館)
- 『公文類纂 明治4年 巻11 本省公文 黜陟部8/海軍所往復 磯邉大尉摂津艦へ乗組諸取締方の件海軍所申出他1件』。Ref.C09090281000。
- 『公文類纂 明治4年 巻11 本省公文 黜陟部8/海軍諸達 磯邉瀧山両大尉甲銕副長及東京船長の達他4件』。Ref.C09090281500。
- 『公文類纂 明治4年 巻11 本省公文 黜陟部8/戊1号大日記 前田清照営繕掛兼専務外2件達』。Ref.C09090282600。
- 『公文類纂 明治4年 巻24 本省公文 艦船部/諸所往復 東京丸鹿児島縣へ出帆の件達』。Ref.C09090389000。
- 『公文類纂 明治4年 巻24 本省公文 艦船部/癸2号大日記 東京丸出帆時限の件達』。Ref.C09090390100。
- 『公文類纂 明治4年 巻24 本省公文 艦船部/丙2号大日記 唐津表石炭運送の件東京丸達』。Ref.C09090392600。
- 『公文類纂 明治4年 巻24 本省公文 艦船部/戊1号大日記 東京丸石炭及水火夫等廻送の達』。Ref.C09090393800。
- 『公文類纂 明治5年 巻24 本省公文 艦船部1/戊2号大日記 東京丸達 開拓使より依頼に付函館回艦の件他1件』。Ref.C09110631800。
- 『公文類纂 明治5年 巻24 本省公文 艦船部1/癸1号大日記 岡武庫權大令吏上申 箱館に有之大砲運送方の件』。Ref.C09110639800。
- 『公文類纂 明治5年 巻25 本省公文 艦船部2止/乙3号大日記 開拓使掛合 東京艦借用の件他7件』。Ref.C09110655000。
- 浅井将秀/編『日本海軍艦船名考』東京水交社、1928年12月。
- 海軍省/編『海軍制度沿革 巻四の1』 明治百年史叢書 第175巻、原書房、1971年11月(原著1939年)。
- 海軍省/編『海軍制度沿革 巻八』 明治百年史叢書 第180巻、原書房、1971年10月(原著1941年)。
- 海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第9巻、第一法規出版、1995年。
- 日本舶用機関史編集委員会/編『帝国海軍機関史』 明治百年史叢書 第245巻、原書房、1975年11月。
- 造船協会/編『日本近世造船史 明治時代』 明治百年史叢書 第205巻、原書房、1973年(原著1911年)。
- 福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1。
関連項目
外部リンク
- 東京丸遭難顛末書函館市/函館市地域史料アーカイブ