杉本町駅

大阪府大阪市住吉区にある西日本旅客鉄道の駅

杉本町駅(すぎもとちょうえき)は、大阪府大阪市住吉区杉本三丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)阪和線である。駅番号はJR-R26副駅名は、大阪市立大学

杉本町駅
西口
すぎもとちょう
Sugimotochō
(大阪市立大学前)
JR-R25 我孫子町 (1.0 km)
(1.0 km) 浅香 JR-R27
地図
所在地大阪市住吉区杉本三丁目2-73
北緯34度35分37.85秒 東経135度30分10.54秒 / 北緯34.5938472度 東経135.5029278度 / 34.5938472; 135.5029278 東経135度30分10.54秒 / 北緯34.5938472度 東経135.5029278度 / 34.5938472; 135.5029278
駅番号JR-R26
所属事業者西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線R 阪和線
キロ程6.9 km(天王寺起点)
電報略号スキ
駅構造地上駅
ホーム2面4線(乗降は2面2線のみ)
乗車人員
-統計年度-
7,290人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日1929年昭和4年)7月18日
備考直営駅
みどりの窓口
阪 大阪市内
テンプレートを表示
杉本町駅
すぎもとちょう
Sugimotochō
八尾 (11.3 km)
所属事業者西日本旅客鉄道
所属路線関西本線(貨物支線)
キロ程11.3 km(八尾起点)
開業年月日1952年昭和27年)9月1日[1]
廃止年月日2009年平成21年)3月31日
テンプレートを表示

概要

かつては、八尾駅が起点の関西本線貨物支線(阪和貨物線)の終点であり、2004年までは線路保全のために1日1往復運行する回送列車(錆取り列車)が運転されていた。同線は2004年7月1日に営業が休止され、2009年3月31日付で正式に廃線となった[2]

またかつては、当駅で天王寺駅方面へと折り返す普通も運行されていた。

歴史

駅構造

改札口は西口・東口と無人(自動改札とコールセンターへのカメラ付き問合せ用インターホン付)の西口(エレベーター専用)改札の3箇所ある。

島式ホーム2面4線を有する地上駅で、快速電車および特急列車の待避が行われている。有効長は6両編成分。駅舎は上り線西側の天王寺寄りにあり、各ホームへは跨線橋で結ばれている。跨線橋は旧阪和電鉄創業当時の面影を色濃く残しているが、ホーム幅員の狭さ (4.5m) とともに当駅のバリアフリー化を阻む要因となっている[9]

堺市駅が管轄している直営駅で、JRの特定都区市内制度における「大阪市内」に属しており、阪和線の大阪市の駅としては最も南に位置している。ICカード「ICOCA」を利用することができる(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。

以前は堺市駅より地区駅長が配属されていたが、現在は、運輸助役(内勤助役)・運転係・駅員が配置されている。

のりば

のりば路線方向行先
1R 阪和線上り(通過列車のみのため閉鎖)
2 阪和線上り天王寺大阪方面[10]
3R 阪和線下り(通過列車のみのため閉鎖)
4 阪和線下り関西空港和歌山方面[10]
  • 奇数番線(1・3番のりば)が本線、偶数番線(2・4番のりば)が待避線であるが、2006年7月29日付で1・3番のりばにステンレス製の安全柵が整備された。現在停車列車はすべて2・4番のりばを使用している。

線路配置

西側から1番線(上り本線)、2番線(上り待避線)、3番線(下り本線)、4番線(下り待避線)、5番線(阪和貨物線)となっている。

阪和貨物線へ送り込むための待避線である6番線が駅の南側の上下線の間にあり、駅構内の上り待避線の2番線へとつながっている。かつては、駅南の踏切辺りでバラストによって2番線につながる部分が塞がれており(天王寺方面からの杉本町行きの列車に対する安全側線の意味もあった)、待避線は阪和貨物線のためだけに使われていた。しかし、関西空港線の開業に合わせてバラストは撤去され、阪和貨物線に入る列車がいない時は6番線経由で2番線に入るようになった。これにより、僅かではあるが普通列車の待避時間が短縮された。踏切部分にあるポイントは、6番線 - 2番線間をバラストで塞いでいた当時の名残であり、現在でも線路磨きを兼ねてこのポイントを通る列車がある。なお、6番線から5番線へのポイントはすでに使用停止になっており、5番線も阪和線から分かれる辺りに簡易な車止めが設置されている。

かつては天王寺寄りに上下渡り線があったが、高架工事を機に撤去された。

開かずの踏切問題・東口設置計画

開かずの踏切

駅の北側に杉本町北一と北二、南側に杉本町南一踏切があり、国土交通省から開かずの踏切に指定されている[11][12][13]。2004年に阪和線美章園駅 - 我孫子町駅間の上り線(天王寺方面)が、2006年には下り線も同区間で高架化されたが、着工当時は関西本線貨物支線(阪和貨物線)に列車が走っていたため、杉本町駅の高架化は見送られた[9]。しかしその後、大阪市が主体で立体交差化の着手を進める予定となった[14]

東口

東口(2016年8月25日)
工事中の東改札口

前述の通り、この駅の改札口は西側にしかなく、大阪市立大学(現大阪公立大学)など駅の東側に行くには前述の踏切を渡らなければならなかった。停留場としての開業当時は東側(大阪市立大学がある側)に改札口が設けられたが、第二次世界大戦後にGHQが大阪市立大学を全面接収すると、セキュリティ上の理由から現在の位置に改札口が移設された[9][15]。MBS『VOICE』の「憤懣本舗」ではGHQの時代で話が終わっているが、昭和30年頃に国鉄が改めて東側に改札を開設しようとしたところ、今度は西側出口周辺の商店街店主を中心とした反対活動が起こり、国鉄側も設置に消極的な状況が続いていた。

2008年7月「JR杉本町駅東口設置推進の会」が大阪市立大学の教員有志や地域自治会の賛同者などで設立され、以後活発な東口設置運動が展開された。数度にわたるシンポジュウムで理解を深め賛同者を増やし、バリアフリー法による住民提案を行ったが大阪市の受け入れるところとならず、推進の会を中心とする東口設置に関する協議会が作られ、地域住民も一体になって1万3千名にもの署名を集めるなど、危険な踏切を渡らずに駅東側への安全な東口設置への促進が強力に行われ、2011年6月に東口改札の工事が着工された(着工当時はJR西日本と大阪市は2012年度7月30日を完工予定と発表していた)。

その後、当初発表されていた予定よりも大幅に前倒しされ、2012年3月11日(既存西口のバリアフリー化「エレベータ新設・階段昇降機新設 等」と合わせて)供用が開始された[15]

この東口開設に伴い、大阪市立大学は「北西門」を新設した(北西門は学生・教職員からの名称募集を行い、のちに「杉本門」と決定される)。また大阪市建設局は東口から杉本町駅南踏切東側(大阪市立大学本館地区側)へのアクセスを改善するため、駅東側に「歩行者用南北通路(住吉区第2564号線)」を着工し、2012年12月19日に開通した[16]

利用状況

大阪公立大学杉本キャンパスの最寄り駅であり、特に学生利用が終日多い駅である。阪和線の普通列車のみ停車する駅では、利用者数が最も多かったが、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大による大幅な利用者数減少により、その人数は上野芝駅津久野駅を下回った。

大阪府統計年鑑[17]によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。

年度1日平均
乗車人員
1997年9,943
1998年9,595
1999年9,345
2000年9,082
2001年8,945
2002年8,692
2003年8,654
2004年8,607
2005年8,629
2006年8,934
2007年9,014
2008年9,079
2009年8,964
2010年8,953
2011年8,938
2012年8,921
2013年9,195
2014年8,968
2015年9,256
2016年9,245
2017年9,181
2018年9,095
2019年9,156
2020年5,869
2021年7,290

駅周辺

バス路線

最寄停留所は杉本町駅前および山之内四丁目となる。以下の路線が乗り入れ、大阪シティバスにより運行されている。

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
阪和線
関空快速・紀州路快速・快速・直通快速・区間快速
通過
普通
我孫子町駅 (JR-R25) - 杉本町駅 (JR-R26) - 浅香駅 (JR-R27)

かつて存在した路線

西日本旅客鉄道
関西本線貨物支線(阪和貨物線
八尾駅 - (久宝寺駅) - 杉本町駅

脚注

出典

関連項目

外部リンク