斉の内乱

紀元前490年、斉の景公の病が重くなり、死期を悟った。遺命として公子荼とを太子とし、他の公子を萊らいに東遷させることを国夏（中国語版）と高張（中国語版）に命じた。9月、景公が死んで、国夏と高張は公子荼を国君とした（晏孺子荼）。国夏と高張は執政した。10月、萊にいた公子嘉^[1]・公子駒く・公子黔けんは衛に亡命し、公子鉏しょ^[2]・公子陽生は魯に亡命した^[3]。田乞は国夏と高張と親交を重ねていたが、その一方で他の大夫たちに対しては両氏への反感を煽っていた。

紀元前489年6月、田でん乞きつは鮑牧（中国語版）らと兵を率いて公宮で反乱を起こし、高氏と国氏を攻撃した。晏あん孺じゅ子し荼との軍隊はすぐに敗北し、田乞は勝利に応じて国夏を追撃した。国夏は莒（中国語版）（きょ）に亡命した。軍隊は返回して、高張を殺し、晏圉（中国語版）（あんぎょ）は魯に亡命した^[4][5]。鮑牧は右相、田乞は左相となった。国氏と高氏の祀まつりを絶やさぬために国書（中国語版）と高無丕（中国語版）（こうむひ）を立てた。同時に、年少の晏孺子荼は、支持者を失い自立できなくなった。田乞は諸大夫が推薦する公子陽生を国君とした（悼とう公）。晏孺子荼は頼に移され、さらに駘たいに移されて、野外の幕下で殺害された。遺体は殳ず冒ぼう淳じゅんに葬られた^[6][7]。