怪盗グルーシリーズ

アメリカのメディア・フランチャイズ

怪盗グルーシリーズ」(Despicable Me)は、イルミネーションが製作し、ユニバーサル・ピクチャーズが配給するアメリカの3DCGアニメ映画シリーズ、及びそこから派生したメディア・フランチャイズ

怪盗グルーシリーズ
創作者セルジオ・パブロス英語版
初作品怪盗グルーの月泥棒(2010年)
所有者イルミネーションユニバーサル・スタジオ
期間2010年 -
出版物
書籍#書籍
映画・テレビ
映画メインシリーズ
怪盗グルーの月泥棒(2010年)
怪盗グルーのミニオン危機一発(2013年)
怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年)
スピンオフシリーズ
ミニオンズ(2015年)
ミニオンズ フィーバー(2022年)
短編映画ミニオンズ: アルバイト大作戦(2016年)
カイルの秘密の生活(2018年)
ミニオンのミニミニ脱走(2018年)
ミニオンのクリスマス大騒動(2019年)
ミニオンのキャンプで爆笑大バトル(2019年)
ミニオンの月世界(2023年)
テレビスペシャルミニオンズ・ホリデー・スペシャル(2020年)
ゲーム
コンピュータゲームDespicable Me: The Game(2010年)
ミニオンラッシュ(2013年)
ミニオンパラダイス英語版(2015年)
その他
アトラクションミニオン・ハチャメチャ・ライド(2012年 - )

2010年に公開された『怪盗グルーの月泥棒 3D』から始まり、その後『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013年)と『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2017年)の2つの続編が公開されており、また『ミニオンズ』(2015年)『ミニオンズ フィーバー』(2022年)2つのスピンオフ作品がある。

また、このフランチャイズには、多数の短編映画、テレビ特番、複数のビデオゲーム、テーマパークのアトラクションも含まれている。このフランチャイズは、世界的な興行収入が37億ドルを超え、アニメーション映画のフランチャイズとしては最高額、映画のフランチャイズとしては歴代15位の興行収入を記録している。

映画

メインシリーズ

怪盗グルーの月泥棒(2010年)

2010年7月9日に全米公開された『怪盗グルーの月泥棒』(: Despicable Me)は、シリーズ最初の作品であり、イルミネーション最初の作品でもある。監督はピエール・コフィンクリス・ルノー、原案はウォルト・ディズニー・スタジオ出身のセルジオ・パブロス英語版、脚本はシンコ・ポールとケン・ダウリオが務めた。6900万ドルの予算に対して、興行収入が全世界で5億4300万ドル以上を記録した。日本では、興行収入が12億円を記録した[1]

怪盗グルーのミニオン危機一発(2013年)

続編『怪盗グルーのミニオン危機一発』(: Despicable Me 2)は、2013年7月3日に全米公開された[2][3]。監督はピエール・コフィンとクリス・ルノー、脚本はシンコ・ポールとケン・ダウリオが務め、前作の製作陣が再集結した[4]。7600万ドルの予算に対して、全世界で9億7,000万ドル以上の興行収入を記録した[5][6]。日本では、興行収入25億円を記録し、前作を上回った[7]アカデミー賞長編アニメ映画賞歌曲賞にノミネートされた。

怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年)

シリーズ第3作目となる『怪盗グルーのミニオン大脱走』(: Despicable Me 3)は、2017年6月30日に全米公開された。監督はピエール・コフィンとカイル・バルダ、共同監督はエリック・ギヨンが務め、前作に引き続きシンコ・ポールとケン・ダウリオが脚本を務めた[8][9]。8000万ドルの予算に対して、興行収入が全世界で10億3479万ドル以上を記録した[10][11]。日本では、興行収入73.1億円を記録し、現在、日本で公開された[12]ディズニー/ピクサーを除いたハリウッド・アニメーションでは過去最高収入である。

怪盗グルーのミニオン超変身(2024年)

イルミネーションのCEOであるクリス・メレダンドリが2017年9月のインタビューで、シリーズの4作目が製作中であることを明らかにした[13]

スピンオフシリーズ

ミニオンズ(2015年)

初のスピンオフ作品『ミニオンズ』(: Minions)は、2015年7月10日に全米公開された[14]。監督はピエール・コフィンとカイル・バルダ、脚本はブライアン・リンチ英語版、製作はクリス・メレダンドリとジャネット・ヒーリーが務めた[15]。7400万ドルの予算に対して、興行収入が全世界で11億5707万ドル以上の興行収入を記録し、『アナと雪の女王』に次ぐ世界歴代2番目に興行収入の多かったアニメーション映画となった[16]。日本国内に限っても興行収入は52.3億円を記録した。[17]

ミニオンズ フィーバー(2022年)

2017年1月25日、『ミニオンズ』の続編にあたる『ミニオンズ フィーバー』(: Minions: The Rise of Gru)の製作が発表され、同年7月19日に製作が開始された[18]。当初は2020年7月3日公開予定だったが新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、2021年7月2日2022年7月1日に延期された[19]。監督はカイル・バルダ、脚本はブライアン・リンチ英語版、製作はクリス・メレダンドリとジャネット・ヒーリークリス・ルノーが務めた[20]

ショート作品

#日本語題原題公開日収録作品備考脚注
1みんなで模様替えHome Makeover2010年12月14日怪盗グルーの月泥棒DVD・Blu-rayに収録[21]
2ミニオンのお仕事Orientation Day
3バナナBanana
4ミニオンの子犬Puppy2013年12月10日怪盗グルーのミニオン危機一発DVD・Blu-rayに収録[22]
5郵便室危機一発Panic in the Mailroom
6アグネスの自転車Training Wheels
7クロミニオンCro Minion2015年12月08日ミニオンズ[23]
8ライバルCompetition
9ピンキー・ネルソンの大冒険Binky Nelson Unpacified
10ミニオンズ:アルバイト大作戦Mower Minions2016年07月08日ペット劇場公開[24]
11カイルの秘密の生活The Secret Life of Kyle2017年12月05日怪盗グルーのミニオン大脱走DVD・Blu-rayに収録[25]
12ミニオンのミニミニ脱走Yellow is the New Black2018年11月09日グリンチ劇場公開[26][27]
13ミニオンのクリスマス大騒動Santa's Little Helpers2019年02月05日DVD・Blu-rayに収録[28][29]
14ミニオンのキャンプで爆笑大バトルMinion Scouts2019年08月27日ペット2[30][31]
15ミニオンの月世界Mooned2023年12月22日FLY!/フライ!劇場公開[32]

その他のメディア

テレビスペシャル

ミニオンズ・ホリデー・スペシャル(2020年)

『ミニオンの子犬』『アグネスの自転車』『ミニオンのクリスマス大騒動』『ミニオンのキャンプで爆笑大バトル』などの短編作品を30分にまとめたもの。2020年11月27日NBCで放送された[33]

ビデオゲーム

Despicable Me: The Game(2010年)

Despicable Me: The Game』は、PlayStation 2PlayStation PortableWii向けに製作されたビデオゲームである[34]ニンテンドーDS版は、「Despicable Me: The Game - Minion Mayhem」という名前で発売された[35]バンダイナムコエンターテインメントAnino Games英語版が開発した「Despicable Me: Minion Mania」と題したiPhoneiPad向けのものも発売された[36]

ミニオンラッシュ(2013年)

ミニオンラッシュ』(: Despicable Me: Minion Rush)は、2013年6月13日にiPhone、iPad、AndroidWindows Phone向けに開発されたビデオゲームである[37]。発売後3ヶ月で1億回ダウンロードを記録し、BAFTAのキッズ投票部門で英国アカデミー児童賞を受賞した[38][39]

ミニオンズパラダイス(2015年)

ミニオンズパラダイス』(: Minions Paradise)は、2015年10月13日エレクトロニック・アーツが開発したFree-to-playのモバイルゲームである[40]

書籍

#原題発売日ISBN脚注
1Despicable Me: My Dad the Super Villain2010年5月19日0-316-08382-8[41]
2Despicable Me: The Junior Novel0-316-08380-1
3Despicable Me: The World's Greatest Villain0-316-08377-1
4Minions: Sleepy Kittens0-316-08381-X[42]
5Despicable Me 2: The Junior Novel2013年5月14日0-316-23432-X[43]
6Despicable Me 2: The Anti-Villain League Handbook0-606-31738-4[44]
7Despicable Me 2: Undercover Super Spies0-316-23446-X[45]
8Despicable Me 2: Meet the Minions0-316-23440-0[46]
9Despicable Me 2: Make a Minion2013年10月10月1-471-12146-1[47]
10Despicable Me 2: Attack of the Evil Minions!2016年8月2日0-316-39294-4[48]

アトラクション

ミニオン・ハチャメチャ・ライド(2012年)

2012年7月2日ユニバーサル・スタジオ・フロリダ2014年4月12日ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド、2017年4月21日ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにオープンした。ユニバーサル・クリエイティブとリールFX・クリエイティヴ・スタジオズの共同で制作された[49]

ミニオン・パーク

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに2017年4月21日オープンした[50]。2021年オープン予定のユニバーサル・スタジオ・北京にも「ミニオン・ランド」として導入が予定されている[51]

主な登場人物

声は「原語版 / 日本語吹替版」で表記。

グルー英語版
声 - スティーヴ・カレル / 笑福亭鶴瓶
本名はフェロニアス・グルー[52][53]ロシア語のアクセント(日本語吹替版では関西弁[54])で話すシリーズの主人公。マーゴ、エディス、アグネスの養父であり、ミニオンズのボス。メインシリーズ2作目の『怪盗グルーのミニオン危機一発』では、ルーシー・ワイルドと結婚する。3作目の『怪盗グルーのミニオン大脱走』では、グルーにドルーという生き別れになっていた双子の兄弟がいることが判明する。
グルーはドラキュラ伯爵のようなキャラクターとして構想されていたが、監督を務めたクリス・ルノーとピエール・コフィンは、「アウリック・ゴールドフィンガー英語版のようなキャラクターとジェームズ・ボンドのようなテクノロジーの世界」を反響させる悪役を選ぶことになった[55]
ミニオンズ
声 - ピエール・コフィン[56] / 非公開
1つまたは2つの目を持つグルーの子分。フランス語英語スペイン語イタリア語など、多くの言語の単語を混ぜた言語を話すが、国ごとに吹き替えを行い認識できるようにしている[57][58][59]。彼らは地球上の生命の始まりから存在しており、最も恐ろしい悪役に仕えたいと願っている[60]。短編作品『バナナ』では、ミニオンたちが果物、特にバナナに対して抑えきれないほどの渇望を抱いていることが明らかになっている。特に注目されているのは、スチュアート、ケビン、ボブ、メル、ケン、マイク、デイブ、ジェリー、カール、トム、フィル、ティム、ジョージである[61][62]
ネファリオ博士
声 - ラッセル・ブランド / 伊井篤史(第1作・第2作)、土田大(スピンオフ第2作)
イギリス訛りで話すグルーの仲間の科学者。高齢のため耳が遠く、聞き間違いで風変わりな発明品を生み出すこともある。グルーの母親であるマレーナに恋愛感情を抱いている。1968年の大悪党大会の展示ブースで冷凍光線銃を携えて出展していた。
マーゴ
声 - ミランダ・コスグローヴ / 須藤祐実
グルーが引き取った三姉妹の長女。しっかり者で、三姉妹の中で保護者的存在。グルーと出会ってから彼に不信感を抱いていたが、信頼するようになる。
イディス
声 - デイナ・ゲイアー / 矢島晶子
グルーが引き取った三姉妹の次女。おてんばな性格で、口が悪いところがある。グルーの家に来た際、彼の発明品を弄って遊んでいた。
アグネス
声 - エルシー・フィッシャー(第1作・アトラクション・第2作)、ネヴ・シャレル(第3作) / 芦田愛菜
グルーが引き取った三姉妹の末っ子。三姉妹の中で1番にグルーのことを信頼した。ユニコーンのぬいぐるみ「フラッフィ」を常に持ち歩いている。
声優は原語版吹き替え版共に子役が担当している。原語版のエルシー・フィッシャーは成長と共に交代したが、吹替版の芦田愛菜はシリーズ一貫して担当している。
ルーシー・ワイルド
声 - クリステン・ウィグ / 中島美嘉
反悪党同盟の美人捜査官。グルーと組んで悪党を追い詰める。柔術クラヴ・マガアステカ戦英語版クランピングなどを組み合わせた独自の格闘技を完成させている。147回のデートを経てグルーと結婚し、三姉妹の母となる。
ドルー
声 - スティーヴ・カレル / 生瀬勝久
グルーの生き別れになっていた双子の兄弟。フリードニアという国に住んでいる。グルーとは対照的にブロンドの髪を持ち、白い服装をしている。

スタッフ

役割スタッフ
メインシリーズスピンオフシリーズ
怪盗グルーの月泥棒怪盗グルーのミニオン危機一発怪盗グルーのミニオン大脱走ミニオンズミニオンズ フィーバー
2010年2013年2017年2015年2022年
監督クリス・ルノー
ピエール・コフィン
ピエール・コフィン
カイル・バルダ
エリック・ギヨン
(共同監督)
ピエール・コフィン
カイル・バルダ
カイル・バルダ
ブラッド・アブルソン
ジョナサン・デル・ヴァル
製作クリストファー・メレダンドリ
ジョン・コーエン
ジャネット・ヒーリー
クリス・メレダンドリ
ジャネット・ヒーリー
クリス・メレダンドリ
ジャネット・ヒーリー
クリス・ルノー
製作総指揮セルジオ・パブロス
ニーナ・ローワン
ロバート・テイラークリス・ルノーピエール・コフィン
脚本シンコ・ポール
ケン・ダウリオ
ブライアン・リンチ
音楽ハンス・ジマー
ヘイター・ペレイラ
ファレル・ウィリアムス
ヘイター・ペレイラ
ファレル・ウィリアムス
ヘイター・ペレイラ
編集パム・ジーゲンハーゲン
グレゴリー・パーラー
グレゴリー・パーラークレア・ドジソン
製作会社イルミネーション
配給ユニバーサル・ピクチャーズ

評価

興行収入

作品興行収入順位製作費脚注
北米その他の地域全世界日本北米全世界
メインシリーズ怪盗グルーの月泥棒2010年$251,513,985$291,600,000$543,113,98512.0億円110163$69,000,000[63]
怪盗グルーのミニオン危機一発2013年$368,065,385$602,700,620$970,761,88525.0億円3834$76,000,000[6]
怪盗グルーのミニオン大脱走2017年$264,624,300$770,175,109$1,034,799,40973.1億円9625$80,000,000[11]
メインシリーズ合計$884,199,550$1,664,475,729$2,548,675,279110.1億円$225,000,000
スピンオフシリーズミニオンズ2015年$336,045,770$823,352,627$1,159,398,39752.1億円4914$74,000,000[64]
ミニオンズ フィーバー2022年
合計$1,220,245,320$2,487,828,356$3,708,073,676162.2億円1813$299,000,000[65][66]

評価

作品Rotten TomatoesMetacriticCinemaScore[67]
メインシリーズ怪盗グルーの月泥棒2010年81%(197レビュー)[68]72(35レビュー)[69]A
怪盗グルーのミニオン危機一発2013年75%(181レビュー)[6]62(39レビュー)[70]A
怪盗グルーのミニオン大脱走2017年58%(190レビュー)[11]49(37レビュー)[71]A
スピンオフシリーズミニオンズ2015年55%(216レビュー)[72]56(35レビュー)[73]A–
ミニオンズフィーバー2022年

脚注

外部リンク