帯状回

帯状回(たいじょうかい、: cingulum, cingulate gyrusCG)は、大脳の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に走る脳回帯状皮質(たいじょうひしつ、: cingulate cortexCC)とも呼ばれる。領域の下端が脳梁溝で、領域の上端が帯状溝で区切られる[1]

脳: 帯状回
左大脳半球の内側面。オレンジ色で示す領域が帯状回。脳梁の周囲を取り囲むように存在する。
ヒト脳を第三脳室を通るように冠状断した図。茶色で示す部分が帯状回。左右両半球の帯状回が、大脳縦裂を挟んで向かい合って存在する。
名称
日本語帯状回
英語Cingulate gyrus
ラテン語gyrus cinguli
略号CgG, CG
構成要素前部帯状回後部帯状回
画像
アナトモグラフィー三次元CG
Digital Anatomist内側
内側
下方
下方
上方
関連情報
Brede Database階層関係、座標情報
NeuroNames関連情報一覧
MeSHGyrus+Cinguli
グレイ解剖学書籍中の説明(英語)
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機能

帯状回は大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしており、感情の形成と処理、学習記憶に関わりを持つ部位である。また前部帯状回(後述)は、不適切な無意識的プライミングの抑制に必要な、実効制御(executive control)と関わりを持つことが知られている。また呼吸器系の調整とも関わりを持つ。

解剖

帯状回はブロードマンの脳地図における、23野、24野、26野、29野、30野、31野、32野におおよそあたる。26野、29野、30野は一般に膨大後部皮質という名称で呼ばれる。

区分

接続

帯状回は視床の前核および新皮質領域、そして大脳皮質の体性感覚皮質領域からの入力を受けている。

また帯状回の下部は、帯状束という白質繊維の束があり、大脳辺縁系の各領域を結びつける役割を果たしている。帯状束は、矢状方向(体の前後方向)で脳梁に沿いながら、前部帯状回後部帯状回海馬傍回を連絡している。

画像

周辺の脳溝

ブロードマン領野

精神外科

かつて精神外科において帯状回を切除するロボトミー術(チングレトミー)が行われていたことがある。現在精神外科は否定されており施術は行われない。

関連項目

出典

大脳脳葉
外側面外側溝内部 と 極内側面
外側面外側溝内部内側面 - 上部
脳底部 - 眼窩面脳底部 - 側頭葉下面内側面 - 下部