国鉄シキ20形貨車
国鉄シキ20形貨車（こくてつシキ20がたかしゃ）は、1937年（昭和12年）7月12日に1両のみ川崎造船所（後の川崎重工業、鉄道車両部門は川崎重工業車両カンパニー）で製造された、50 トン積み落し込み式大物車である。神戸製鋼所所有の私有貨車で、鉄道省（後に日本国有鉄道）に車籍編入された。神戸製鋼所が製造している海軍の潜水艦用ディーゼルエンジンを、造船を担当している川崎造船所まで輸送するために製造された。
| 国鉄シキ20形貨車 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 車種 | 大物車 |
| 運用者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
| 所有者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
| 製造所 | 川崎造船所 |
| 製造年 | 1937年（昭和12年） |
| 製造数 | 1両 |
| 消滅 | 1961年（昭和36年） |
| 常備駅 | 小野浜駅→神戸港駅→高砂駅 |
| 主要諸元 | |
| 車体色 | 黒 |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 全長 | 14,860 mm |
| 全幅 | 2,370 mm |
| 全高 | 1,900 mm |
| 荷重 | 50 t |
| 自重 | 24.2 t |
| 換算両数 積車 | 6.0 |
| 換算両数 空車 | 2.4 |
| 台車 | 三軸ボギー台車 |
| 車輪径 | 660 mm |
| 台車中心間距離 | 10,400 mm |
| 最高速度 | 65 km/h |
外形は魚腹形台枠を備えた長物車のような構造である。全長は14,860 mm（車体長14,000 mm）で、車体中央部に穴が開けられており、ここに貨物を落し込んで積載する構造であった。台車は釣合梁式の三軸ボギー台車を2基備えており、KD254形のブレーキを備えていた。また、特認を得て660 mmの小径車輪を使用していたことが大きな特徴で、これにより台枠の高さを959 mmと低く抑えていた。特認の関係上、小野浜駅 - 神戸港駅間に運用が限定されていた。
参考文献
- 吉岡心平『大物車のすべて 中』（初版）ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 92〉、2007年4月1日。ISBN 978-4-7770-5196-0。
- 貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車 -技術発達史-』（初版）日本鉄道車輌工業会、2009年4月30日。