四正勤
四正勤 | ||||
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まだ生じないもの | 生じたもの | |||
不善 | 起こさないよう 勤める | 遺棄する | ||
善 | 起こすように 勤める | 維持する | ||
四正勤(ししょうごん、巴: cattāro sammappadhānā, チャッターロ・サンマッパダーナー)とは、仏教における修行内容の1つ。「三十七道品」の中の第2の行法で、4種の正しい努力のこと[1][2]。「四精勤」(ししょうごん)[3]、「四正断」(ししょうだん)[4][1]、「四意断」(しいだん)[1]とも訳される。
- 断断 - 既に生じた悪を除くように勤める
- 律儀断 - まだ生じない悪を起こさないように勤める
- 随護断 - まだ生じない善を起こすように勤める
- 修断 - 既に生じた善を大きくするように勤める
パーリ経典において
パーリ経典においては、これはcattārimāni sammappadhānāniとして以下に定義される[5]。
- まだ生じないakusala(悪) - anuppādāya(不生)に努める
- すでに生じたakusala - pahānāya(断)に努める
- まだ生じないkusala(善) - uppādāya(生起)に努める
- すでに生じたkusala - ṭhitiyā(維持)に努める
悪(akusala)と善 (kusala)については、論蔵およびアッタカターにおいて言及されている[6]。一般的にakusalaは三毒をなす貪(lobha)・瞋(dosa)・癡(moha)を指している[7]。kusalaはその反対で、無貪(alobha)、無瞋(adosa)、無癡(amoha)を指す[8][9]。
脚注・出典
参考文献
- 中村 元ほか編『岩波仏教辞典』(第二版)岩波書店、2002年10月。ISBN 4-00-080205-4。
- 多屋頼俊、横超慧日・舟橋一哉 編『仏教学辞典』(新版)法藏館、1995年4月。ISBN 4-8318-7009-9。