全米映画俳優組合賞主演女優賞

全米映画俳優組合賞主演女優賞(ぜんべいえいがはいゆうくみあいしょうしゅえんじょゆうしょう、英文表記:Screen Actors Guild Award for Outstanding Performance by a Female Actor in a Leading Role)は、映画俳優組合が映画女優に贈る賞である。

統計

最高記録主演女優助演女優総計
最多受賞女優フランシス・マクドーマンドレネー・ゼルウィガーヴィオラ・デイヴィス2ケイト・ウィンスレット2レネー・ゼルウィガーヴィオラ・デイヴィス3
最多候補女優メリル・ストリープ10ケイト・ブランシェット5メリル・ストリープ11
受賞経験無しの最多候補女優ジュディ・デンチ6エイミー・アダムス4エイミー・アダムスニコール・キッドマン6
複数の候補者を持つ作品*2シカゴ』、『ダウト〜あるカトリック学校で〜』、『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』、『女王陛下のお気に入り』、『スキャンダル』、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス3
最年長受賞者グレン・クローズ
(『天才作家の妻 40年目の真実』、2018年)
71グロリア・スチュアート
(『タイタニック』、1997年)
87グロリア・スチュアート
(『タイタニック』、1997年)
87
最年長候補者ジュディ・デンチ
(『ヴィクトリア女王 最期の秘密』、2017年)
83
最年少受賞者ジェニファー・ローレンス
(『世界にひとつのプレイブック』、2012年)
22ケイト・ウィンスレット
(『いつか晴れた日に』、1995年)
20ケイト・ウィンスレット
(『いつか晴れた日に』、1995年)
20
最年少候補者エヴァン・レイチェル・ウッド
(『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』、2003年)
16ダコタ・ファニング
(『アイ・アム・サム』、2001年)
7ダコタ・ファニング
(『アイ・アム・サム』、2001年)
7
*『フォレスト・ガンプ/一期一会』、『マルコヴィッチの穴』、『あの頃ペニー・レインと』、『シカゴ』、『バベル』、『ダウト〜あるカトリック学校で〜』、『マイレージ、マイライフ』、『ザ・ファイター』、『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』、『女王陛下のお気に入り』、『スキャンダル』、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

受賞及び候補者一覧

備考:

1990年代

受賞及び候補者作品名役名
1994ジョディ・フォスターネルネル・ケルティ ‡
ジェシカ・ラングブルースカイカーリー・マーシャル †
メグ・ライアン男が女を愛する時アリス・グリーン
スーザン・サランドン依頼人レジー・ラブ ‡
メリル・ストリープ激流ゲイル・ハートマン
1995スーザン・サランドンデッドマン・ウォーキングヘレン・プレイジェーン英語版
ジョアン・アレンニクソンパット・ニクソン
エリザベス・シューリービング・ラスベガスセーラ ‡
メリル・ストリープマディソン郡の橋フランチェスカ・ジョンソン ‡
エマ・トンプソンいつか晴れた日にエレノア・ダッシュウッド ‡
1996フランシス・マクドーマンドファーゴマージ・ガンダーソン †
ブレンダ・ブレッシン秘密と嘘シンシア ‡
ダイアン・キートンマイ・ルームベッシー ‡
ジーナ・ローランズミルドレッドミルドレッド・ホークス
クリスティン・スコット・トーマスイングリッシュ・ペイシェントキャサリン・クリフトン ‡
1997ヘレン・ハント恋愛小説家キャロル・コネリー †
ヘレナ・ボナム=カーター鳩の翼ケイト ‡
ジュディ・デンチQueen Victoria 至上の恋ヴィクトリア女王
パム・グリアジャッキー・ブラウンジャッキー・ブラウン
ロビン・ライトシーズ・ソー・ラヴリーモーリーン
ケイト・ウィンスレットタイタニックローズ・デウィット・ブケイター ‡
1998グウィネス・パルトロー恋におちたシェイクスピアヴァイオラ・デ・レセップス †
ケイト・ブランシェットエリザベスエリザベス1世
ジェーン・ホロックスリトル・ヴォイスリトル・ヴォイス
メリル・ストリープ母の眠りケイト・グルデン ‡
エミリー・ワトソンほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレジャクリーヌ・デュ・プレ
1999アネット・ベニングアメリカン・ビューティーキャロライン・バーナム ‡
ジャネット・マクティアTumbleweedsマリー・ジョー・ウォーカー ‡
ジュリアン・ムーアことの終わりサラ・マイルズ ‡
メリル・ストリープミュージック・オブ・ハートロベルタ・ガスパーリ英語版
ヒラリー・スワンクボーイズ・ドント・クライブランドン・ティーナ

2000年代

受賞及び候補者作品名役名
2000ジュリア・ロバーツエリン・ブロコビッチエリン・ブロコビッチ
ジョアン・アレンザ・コンテンダーライラ・ハドソン ‡
ジュリエット・ビノシュショコラヴィアンヌ ‡
エレン・バースティンレクイエム・フォー・ドリームサラ・ゴールドファーブ ‡
ローラ・リニーユー・キャン・カウント・オン・ミーサマンサ・プレスコット ‡
2001ハル・ベリーチョコレートレティシア・マスグローヴ †
ジェニファー・コネリービューティフル・マインドアリシア・ナッシュ
ジュディ・デンチアイリスアイリス・マードック
シシー・スペイセクイン・ザ・ベッドルームルース・ファウラー ‡
レネー・ゼルウィガーブリジット・ジョーンズの日記ブリジット・ジョーンズ ‡
2002レネー・ゼルウィガーシカゴロキシー・ハート ‡
サルマ・ハエックフリーダフリーダ・カーロ
ニコール・キッドマンめぐりあう時間たちヴァージニア・ウルフ
ダイアン・レイン運命の女コニー・サムナー ‡
ジュリアン・ムーアエデンより彼方にキャシー・ウィテカー ‡
2003シャーリーズ・セロンモンスターアイリーン・ウォーノス
パトリシア・クラークソンThe Station Agentオリヴィア・ハリス
ダイアン・キートン恋愛適齢期エリカ・バリー ‡
ナオミ・ワッツ21グラムクリスティーナ・ペック ‡
エヴァン・レイチェル・ウッドサーティーン あの頃欲しかった愛のことトレイシー・ルイス・フリーランド
2004ヒラリー・スワンクミリオンダラー・ベイビーマギー・フィッツジェラルド †
アネット・ベニング華麗なる恋の舞台でジュリア・ランバート ‡
カタリーナ・サンディノ・モレノそして、ひと粒のひかりマリア ‡
イメルダ・スタウントンヴェラ・ドレイクヴェラ・ドレイク ‡
ケイト・ウィンスレットエターナル・サンシャインクレメンタイン・クルシェンスキー ‡
2005リース・ウィザースプーンウォーク・ザ・ライン/君につづく道ジューン・カーター
ジュディ・デンチヘンダーソン夫人の贈り物ローラ・ヘンダーソン ‡
フェリシティ・ハフマントランスアメリカブリー ‡
シャーリーズ・セロンスタンドアップジョージー・エイムズ ‡
チャン・ツィイーSAYURI千代 / さゆり
2006ヘレン・ミレンクィーンエリザベス2世
ペネロペ・クルスボルベール〈帰郷〉ライムンダ ‡
ジュディ・デンチあるスキャンダルについての覚え書きバーバラ・コヴェット ‡
メリル・ストリーププラダを着た悪魔ミランダ・プリーストリー ‡
ケイト・ウィンスレットリトル・チルドレンサラ・ピアース ‡
2007ジュリー・クリスティアウェイ・フロム・ハー君を想うフィオーナ・アンダーソン ‡
ケイト・ブランシェットエリザベス:ゴールデン・エイジエリザベス1世
マリオン・コティヤールエディット・ピアフ〜愛の讃歌〜エディット・ピアフ
アンジェリーナ・ジョリーマイティ・ハート/愛と絆マリアンヌ・パール
エリオット・ペイジJUNO/ジュノジュノ ‡
2008メリル・ストリープダウト〜あるカトリック学校で〜シスター・アロイシアス ‡
アン・ハサウェイレイチェルの結婚キム ‡
アンジェリーナ・ジョリーチェンジリングクリスティン・コリンズ
メリッサ・レオフローズン・リバーレイ・エディ ‡
ケイト・ウィンスレットレボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまでエイプリル・ウィーラー
2009サンドラ・ブロックしあわせの隠れ場所リー・アン・テューイ英語版
ヘレン・ミレン終着駅 トルストイ最後の旅ソフィヤ・トルストイ英語版
キャリー・マリガン17歳の肖像ジェニー・メラー ‡
ガボレイ・シディベプレシャスクレアリース・“プレシャス”・ジョーンズ ‡
メリル・ストリープジュリー&ジュリアジュリア・チャイルド

2010年代

受賞及び候補者作品名役名
2010ナタリー・ポートマンブラック・スワンニナ・セイヤーズ / スワン・クイーン †
アネット・ベニングキッズ・オールライトニコール・オールグッド ‡
ニコール・キッドマンラビット・ホールベッカ・コーベット ‡
ジェニファー・ローレンスウィンターズ・ボーンリー・ドリー ‡
ヒラリー・スワンクディア・ブラザーベティ・アン・ウォーターズ
2011ヴィオラ・デイヴィスヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜アイビリーン・クラーク ‡
グレン・クローズアルバート氏の人生アルバート・ノッブス ‡
メリル・ストリープマーガレット・サッチャー 鉄の女の涙マーガレット・サッチャー
ティルダ・スウィントン少年は残酷な弓を射るエヴァ・カチャドリアン
ミシェル・ウィリアムズマリリン 7日間の恋マリリン・モンロー
2012[1]ジェニファー・ローレンス世界にひとつのプレイブックティファニー・マクスウェル †
ジェシカ・チャステインゼロ・ダーク・サーティマヤ・ランバート ‡
マリオン・コティヤール君と歩く世界ステファニー
ヘレン・ミレンヒッチコックアルマ・レヴィル
ナオミ・ワッツインポッシブルマリア・ベネット ‡
2013[2]ケイト・ブランシェットブルージャスミンジャネット・"ジャスミン"・フランシス †
エマ・トンプソンウォルト・ディズニーの約束パメラ・トラバース
サンドラ・ブロックゼロ・グラビティライアン・ストーン ‡
ジュディ・デンチあなたを抱きしめる日までフィロミーナ・リー ‡
メリル・ストリープ8月の家族たちヴァイオレット・ウェストン ‡
2014ジュリアン・ムーアアリスのままでアリス・ホーランド博士 †
ジェニファー・アニストンCake/ケーキ 〜悲しみが通り過ぎるまで〜クレア・シモンズ
フェリシティ・ジョーンズ博士と彼女のセオリージェーン・ホーキング
ロザムンド・パイクゴーン・ガールエイミー・エリオット・ダン ‡
リース・ウィザースプーンわたしに会うまでの1600キロシェリル・ストレイド英語版
2015ブリー・ラーソンルームジョイ・ニューサム / ママ †
ケイト・ブランシェットキャロルキャロル・エアード ‡
ヘレン・ミレン黄金のアデーレ 名画の帰還マリア・アルトマン英語版
シアーシャ・ローナンブルックリンエイリス・レイシー ‡
サラ・シルバーマンI Smile BackElaine "Laney" Brooks
2016エマ・ストーンラ・ラ・ランドミア・ドーラン †
エイミー・アダムスメッセージルイーズ・バンクス
エミリー・ブラントガール・オン・ザ・トレインレイチェル・ワトソン
ナタリー・ポートマンジャッキー/ファーストレディ 最後の使命ジャッキー・ケネディ
メリル・ストリープマダム・フローレンス! 夢見るふたりフローレンス・フォスター・ジェンキンス
2017フランシス・マクドーマンドスリー・ビルボードミルドレッド・ヘイズ †
ジュディ・デンチヴィクトリア女王 最期の秘密ヴィクトリア女王
サリー・ホーキンスシェイプ・オブ・ウォーターイライザ・エスポジート ‡
マーゴット・ロビーアイ,トーニャ 史上最大のスキャンダルトーニャ・ハーディング
シアーシャ・ローナンレディ・バードクリスティン・"レディ・バード"・マクファーソン ‡
2018グレン・クローズ天才作家の妻 40年目の真実ジョーン・キャッスルマン ‡
エミリー・ブラントメリー・ポピンズ リターンズメリー・ポピンズ
オリヴィア・コールマン女王陛下のお気に入りアン女王
レディー・ガガアリー/スター誕生アリー ‡
メリッサ・マッカーシーある女流作家の罪と罰リー・イスラエル英語版
2019レネー・ゼルウィガージュディ 虹の彼方にジュディ・ガーランド
シンシア・エリヴォハリエットハリエット・タブマン
スカーレット・ヨハンソンマリッジ・ストーリーニコール・バーバー ‡
ルピタ・ニョンゴアスアデレード・ウィルソン
シャーリーズ・セロンスキャンダルメーガン・ケリー

2020年代

受賞及び候補者作品名役名
2020ヴィオラ・デイヴィスマ・レイニーのブラックボトムマ・レイニー‡
エイミー・アダムスヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌ベヴ
ヴァネッサ・カービー私というパズルマーサ・ワイス‡
フランシス・マクドーマンドノマドランドファーン†
キャリー・マリガンプロミシング・ヤング・ウーマンカサンドラ・トーマス/キャシー‡
2021ジェシカ・チャステインタミー・フェイの瞳タミー・フェイ・ベイカー†
オリヴィア・コールマンロスト・ドーターレダ・カルーソ‡
レディー・ガガハウス・オブ・グッチパトリツィア・レッジアーニ英語版
ジェニファー・ハドソンリスペクトアレサ・フランクリン
ニコール・キッドマン愛すべき夫妻の秘密ルシル・ボール
2022[3]ミシェル・ヨーエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスエヴリン・ワン・クワン†
ケイト・ブランシェットTAR/ターリディア・ター‡
ヴィオラ・デイヴィスウーマン・キング 無敵の女戦士たちナニスカ
アナ・デ・アルマスブロンドマリリン・モンロー
ダニエル・デッドワイラー英語版ティルメイミー・ティル英語版
2023リリー・グラッドストーンキラーズ・オブ・ザ・フラワームーンモーリー・バークハート‡
アネット・ベニングナイアド 〜その決意は海を越える〜ダイアナ・ナイアド‡
キャリー・マリガンマエストロ: その音楽と愛とフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタイン‡
マーゴット・ロビーバービーバービー
エマ・ストーン哀れなるものたちベラ・バクスター†

エピソード

これまでに全米映画俳優組合賞主演女優賞を受賞しているにもかかわらず、同年のアカデミー主演女優賞を受賞できなかった女優が以下9名存在する。

  • 1994年: ジョディ・フォスター(『ネル』) - ジェシカ・ラング(『ブルースカイ』)に敗北
  • 1999年: アネット・ベニング(『アメリカン・ビューティー』) - ヒラリー・スワンク(『ボーイズ・ドント・クライ』)に敗北
  • 2002年: レネー・ゼルウィガー(『シカゴ』) - ニコール・キッドマン(『めぐりあう時間たち』)に敗北
  • 2007年: ジュリー・クリスティ(『アウェイ・フロム・ハー君を想う』) - マリオン・コティヤール(『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』)に敗北
  • 2008年: メリル・ストリープ(『ダウト〜あるカトリック学校で〜』) - ケイト・ウィンスレット(『愛を読むひと』)に敗北
  • 2011年: ヴィオラ・デイヴィス(『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』) - メリル・ストリープ(『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』)に敗北
  • 2018年: グレン・クローズ(『天才作家の妻 40年目の真実』) - オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)に敗北
  • 2020年: ヴィオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』) - フランシス・マクドーマンド(『ノマドランド』)に敗北
  • 2023年: リリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』) - エマ・ストーン(『哀れなるものたち』)に敗北

また、2008年のケイト・ウィンスレット(『愛を読むひと』)は、アカデミー賞では主演女優賞を受賞したが、同年の全米映画俳優組合賞では主演女優賞には候補に挙がらず、助演女優賞を受賞した。

複数回受賞者

2回

複数回候補者

2回
3回
4回
  • ケイト・ウィンスレット(『タイタニック』、『エターナル・サンシャイン』、『リトル・チルドレン』、『レボリューショナリー・ロード』)
  • ヘレン・ミレン(『クィーン』、『終着駅』、『ヒッチコック』、『黄金のアデーレ』)
  • アネット・ベニング(『アメリカン・ビューティー』、『華麗なる恋の舞台で』、『キッズ・オールライト』、『ナイアド』)
5回
  • ケイト・ブランシェット(『エリザベス』、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』、『ブルージャスミン』、『キャロル』、『TAR』)
6回
  • ジュディ・デンチ(『Queen Victoria』、『アイリス』、『ヘンダーソン夫人の贈り物』、『あるスキャンダルについての覚え書き』、『あなたを抱きしめる日まで』、『ヴィクトリア女王 最期の秘密』)
10回
  • メリル・ストリープ(『激流』、『マディソン郡の橋』、『母の眠り』、『ミュージック・オブ・ハート』、『プラダを着た悪魔』、『ダウト〜あるカトリック学校で〜』、『ジュリー&ジュリア』、『マーガレット・サッチャー』、『8月の家族たち』、『マダム・フローレンス!』)

参考文献

外部リンク