中村裕之

日本の政治家

中村 裕之(なかむら ひろゆき、1961年2月23日 - )は、日本政治家自由民主党所属の衆議院議員(4期)、自由民主党北海道支部連合会長[1]

中村 裕之
なかむら ひろゆき
農林水産副大臣就任に際し公表された公式肖像写真
生年月日 (1961-02-23) 1961年2月23日(63歳)
出生地日本の旗 日本 北海道余市郡余市町
出身校北海学園大学
所属政党自由民主党麻生派
公式サイト中村ひろゆき公式サイト

選挙区北海道4区
当選回数4回
在任期間2012年12月16日 - 現職

選挙区後志総合振興局所管区
当選回数3回
在任期間2003年 - 2012年
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農林水産副大臣文部科学政務官北海道議会議員(3期)を歴任。

経歴

北海道余市郡余市町出身。北海道小樽潮陵高等学校北海学園大学経済学部を卒業し、北海道庁総務部札幌北道税事務所に勤務[2]

1989年から中村建設株式会社に入社し、1993年より代表取締役に就任[2]。北海道PTA連合会会長、日本PTA全国協議会副会長、(社)日本青年会議所道南ブロック会長等を務めた。

2003年、当時の北海道4区選出の衆議院議員である佐藤静雄の影響を受け、北海道議会議員後志管内)へ出馬し、トップ当選[3][4]。その後、3期連続で当選を果たした。

2012年第46回衆議院議員総選挙において、北海道4区札幌市手稲区・後志管内)から自由民主党公認で出馬。民主党の元経済産業大臣だった鉢呂吉雄比例復活を許さず、初当選を果たした。

2014年第47回衆議院議員総選挙でも、鉢呂に比例復活を許さず、再選となった。

2017年第48回衆議院議員総選挙では、立憲民主党本多平直希望の党高橋美穂を破って3選(本多は比例復活)。

2018年第4次安倍改造内閣文部科学政務官に就任[5]。就任後は幼児教育の無償化、公立小中学校に対する1人1台のパソコンタブレットの支給実現に取り組んだ[6]

2021年自由民主党総裁選挙においては、自身と同じ麻生派に所属する河野太郎では無く、積極的な財政出動で景気浮揚と国土強靱を目指す高市早苗の支持を表明[7]

2021年10月に発足した第1次岸田内閣農林水産副大臣に任命された[8]

同年10月13日、日本共産党第49回衆議院議員総選挙立憲民主党と競合する22の選挙区で候補者取り下げを発表[9]。北海道4区も共産党小樽地区委員会副委員長の松井真美子が立候補を見送った。この結果、中村は不適切発言で辞職した本多平直に代わり立憲民主党公認候補として出馬した大築紅葉との一騎打ちとなった[10]。選挙期間中、中村の応援演説に駆けつけた麻生太郎が「温暖化で北海道の米がうまくなった」等と発言したことが物議を醸し[11]、開票日(10月31日)直前は大築に先行を許したとの報道もあったが[12]、僅か696票差で大築を上回り、4選を果たした(大築は比例復活で初当選)[13][14][15]

不祥事

IR汚職事件

資金提供を巡る問題

統合型リゾート(IR)事業をめぐり、秋元司と共に逮捕された500ドットコムより、2017年9月頃に衆議院議員5名へ100万円を渡したとする供述があり、中村の名前も挙げていたことから、2019年末に東京地検特捜部からの捜査を受けた[16]。これに対して中村は、500ドットコムからの資金提供は無く、加森観光代表取締役会長の加森公人から200万円の寄付があり、うち100万円を自身のセミナーの講師として来た岩屋毅へ寄付し、収支報告書上へも記載したと説明した[17][18]

2020年2月3日、東京地検特捜部は、500ドットコム側から計約385万円相当の賄賂を受け取ったとして、収賄罪で秋元を追起訴したが、政治資金規正法違反罪で起訴が検討された中村、岩屋ら衆議院議員5人の立件は見送られた[19][20]

大臣規範違反

農林水産副大臣在任中、地元の石油販売会社「菊地石油」の会長を辞めていなかったことが、2023年7月3日に公開された所得報告書などで分かった。大臣規範は政務三役が在任中、営利企業の役職員を兼ねることを禁じている。中村の事務所は取材に対し、登記手続きにミスがあったとした上で、「報酬の支払いが停止されたので、登記手続きも当然行われたと思っていた。しっかり確認すべきだった」とコメントした[21]

政策・主張

憲法

  • 憲法改正について、2017年、2021年のアンケートで「賛成」と回答[22][23]
  • 改正すべき項目として「自衛隊の保持を明記する」「家族の尊重や家族間の相互扶助に関する条項を新設する」「各都道府県から必ず1人は参議院議員を選出するよう明記する」「緊急事態に関する条項を新設する」と主張[23]
  • 憲法9条への自衛隊の明記について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[24]
  • 憲法を改正し緊急事態条項を設けることについて、2021年の毎日新聞社のアンケートで「賛成」と回答[25]

北海道関連

  • 北海道唯一の原子力発電所である泊発電所再稼働に関し、2021年10月時点の回答として、二酸化炭素を排出しない発電方法であり、再生可能エネルギーによる発電は電力供給量が不安定であるとして、安全性を確認した上での再稼働容認の立場を取っている[26]。また、2014年のアンケートにおいても、「原子力規制委員会の審査に合格した原子力発電所は運転を再開すべきだ」との問いに「どちらかと言えば賛成」と回答している[27]
  • 寿都町神恵内村で検討が進む放射性廃棄物の処分地を巡る文献調査に関し、2021年10月時点の回答として、地元の決断を尊重するとし、賛否は示していない[26]
  • JR北海道在来線の維持について、2021年10月時点の回答として、小樽―余市間は利用者数が全道7番目と多いことから、維持存続を主張している。また、長万部―余市間については、新幹線が通る倶知安町を起点としたバス路線を拡充し、バスへの転換を進めるべきとしている[26]

外交・安全保障

  • 安全保障関連法の成立について、2017年のアンケートで「評価する」と回答[22]
  • 北朝鮮に対しては対話よりも圧力を優先すべきだ」について、2021年のアンケートで「どちらかと言えば賛成」と回答[27]
  • 「日本の防衛力はもっと強化すべきだ」について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[27]
  • 「他国からの攻撃が予想される場合には敵基地攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「賛成」と回答[23]

ジェンダー

  • 選択的夫婦別姓制度の導入について、2017年のアンケートでは「どちらとも言えない」と回答[22]。2021年のアンケートでは「反対」と回答[23]
  • 2021年1月、選択的夫婦別姓の導入反対を求める文書を地方議会議長に郵送した(後述)[28]
  • 同性婚を可能とする法改正について、2021年のNHKのアンケートで「どちらかといえば反対」と回答[24]。「同性婚を制度として認めるべきだと考るか」との2021年の毎日新聞社のアンケートに対し「認めるべきでない」と回答[25]
  • LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法案を早期に成立させるべきか」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[23]
  • クオータ制の導入について、2021年のアンケートで「反対」と回答[24]

消費税

  • 2012年の公開アンケートにおいて、消費税2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げる法律が成立したことについて「引き上げは必要だが、時期は先送りすべきだ」と回答している[29]
  • 2014年の公開アンケートにおいて、「2017年4月に消費税率を10%に引き上げるべきだ」と回答している[30]
  • 2017年の公開アンケートにおいて、消費税2019年10月に10%に引き上げることについて「賛成」と回答している[31]
  • 新型コロナウイルスを取り巻く状況を踏まえ「消費税0%の検討」を掲げた日本の未来を考える勉強会の副会長を務め、『国民を守るための「真水100兆円」令和2年度第2次補正予算に向けた提言』に賛同している[32]

その他

  • アベノミクスについて、2017年のアンケートで「評価する」と回答[22]
  • 安倍内閣による森友学園問題加計学園問題への対応について、2017年のアンケートで「どちらともいえない」と回答[22]
  • 森友学園への国有地売却をめぐる公文書改竄問題で、2021年5月6日、国は「赤木ファイル」の存在を初めて認めた[33]。しかし5月13日、菅義偉首相はファイルの存在を踏まえた再調査を行わない考えを報道各社に書面で示した[34]9月の自民党総裁選挙で総裁に選出された岸田文雄も10月11日、衆議院本会議の代表質問で再調査の実施を否定した[35]。国の対応をどう考えるかとの問いに対し、同年の毎日新聞社のアンケートで「これ以上、調査や説明は必要ない」と回答[25]
  • ドナルド・トランプ大統領を信頼できるか」との設問に対し、2017年の毎日新聞社のアンケートで「信頼できる」と回答[31]
  • 公共事業による雇用確保は必要だ」について、2014年のアンケートで「どちらかと言えば賛成」と回答[27]
  • 2013年11月26日、特定秘密保護法案の採決で賛成票を投じている[36]
  • 「大企業や所得の多い人への課税を強化し、国の財源に充てることについてどう考えるか」について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[24]
  • 「国会議員に定年を設けることの必要性をどう考えるか」について、2021年のアンケートで「どちらかといえば必要」と回答[24]

人物

統一教会との関係

  • 2014年12月14日に行われた総選挙後の同月21日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関係者を中心に構成された自身の支援組織「裕世会」の幹部らと面会した。中村は統一教会の北海道地区幹部を務めた人物と握手する写真をブログに載せ、「献身的に応援して下さった皆様です」とコメントを添えた[37][38]
  • 2021年6月11日、統一教会の関連団体「天宙平和連合」が創設した世界平和国会議員連合の議員連盟「日本・世界平和議員連合懇談会」の総会に、中村を含む国会議員20名が出席した[39][40]。教団は同年10月の衆院選に立候補した議連参加者の支援を熱心に行った[39]
  • 2022年6月13日、「日本・世界平和議員連合懇談会」は総会を開催し、中村は幹事に就任した。顧問で国際勝共連合会長の梶栗正義が講演し、その際に統一教会の関連団体「平和政策研究所(IPP)」が発行する「政策情報レポート」が配られた。[41]
  • 2022年8月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりについて問われた北海道新聞のアンケートに対し、「選挙の手伝いを受けた」「関連団体のイベントに出席した」と回答した[42]

その他

  • 衆議院議員当選後は麻生派に所属。
  • 安倍晋三から「一緒にいると、こっちもおおらかになる」と評された[43]
  • 2021年現在も出身地である余市町に在住している[43]
  • トドの食害対策に関心を示しており、対策拡充を呼び掛けている[44]
  • 喫煙者であり、超党派の議員連盟であるもくもく会にも所属している[45]
  • 2021年1月30日、中村ら自民党国会議員有志50人は、47都道府県議会議長のうち同党所属の約40人に、選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見書を採択しないよう求める文書を郵送した。一部の地方議員や市民団体は、地方議会の独立性を脅かす行為であると批判した[28][46][47][48][49]

所属団体・議員連盟

脚注

関連項目

外部リンク

公職
先代
葉梨康弘
宮内秀樹
農林水産副大臣
武部新と共同

2021年 - 2022年
次代
勝俣孝明
野中厚
先代
宮川典子
新妻秀規
文部科学大臣政務官
白須賀貴樹と共同

2018年 - 2019年
次代
佐々木さやか
青山周平