世代

世代(せだい、英語: generation

  1. 祖父母子供と数える助数詞。あるいは世代集団が次の世代の子を作るまでの周期または期間。代、。主に人間のことをいうが、他の生物についても使う。
  2. 誕生した時期を共有する集団。世代集団、世代群。コーホート
  3. (生物学)ほぼ同時期に出生した一群の個体[1]
  4. ほぼ同時期に存在する同系統の機械規格などの

各国での世代の研究

世代名は特定の年代を一括りにした呼称であり、出生就学就職などの時期の社会情勢や、出生時期の節目(元号世紀など)によって区切られることが多い。

日本の世代

日本においては、西暦ではなく和暦で表記されることも多いため、生年月日を記載する際も、生まれた時の元号(もしくは、元号の頭文字アルファベット[注釈 1])を選択して和暦で記載する場合があり、元号で生まれを区分されている。改元期の2019年に一部の省庁では公式文書を西暦表記で統一することも検討された[2]が、元号表記が減る流れにある一方で、2018年時点でのアンケートにおいて、生まれ年を元号で答える事が多いと回答した20代〜50代は約4割を占めており[3]、依然として元号で生年月日を答える人が多い。

また、元号による区分以外にも様々な世代名が存在するが、ここではウィキペディア記事が存在する世代について紹介する。世代の定義も人によって異なるが、ここで示されている「生まれた年」はリンク先の定義をもとに表記している。なお、範囲についての出典のないものやリンク先に複数の出典が存在するものは、ここでの範囲と異なっている場合があるので、注意が必要である。

生まれた時代生まれた年月日世代名生まれた年月日世代名生まれた年月日
明治生まれ1868年10月23日-1912年7月30日    
大正生まれ大正世代1912年7月30日-1926年12月25日
昭和生まれ1926年12月25日-1989年1月7日
昭和一桁1926年12月25日-1934年12月31日
焼け跡世代1935年-1946年
全共闘世代1941年-1949年
団塊の世代1947年-1949年[4][5]
しらけ世代1950年-1964年
断層の世代1951-1960年[5]
バブル世代1965年4月2日-1976年4月1日[6]新人類1961年-1970年[7][5]
氷河期世代1971年4月2日-1982年4月1日
団塊ジュニア1971年-1974年[8][5]
ポスト団塊ジュニア1975年-1981年[5]
キレる17歳世代1982年4月2日-1987年4月1日  
さとり世代1987年4月2日-2004年4月1日[9][10][11][12]
平成生まれ1989年1月8日-2019年4月30日
コロナ世代2002年-2014年[13]

アメリカ合衆国

アメリカにおける各世代の範囲は「○○の時代」を世代としてくくる例が多く、世代の幅も10-20年となる例が多い(ジェネレーションX以降は概ね16年ごとに区切られている)。

例えば、アメリカの「ベビーブーマー」は日本版である「団塊の世代」よりも幅が広く、「第二次世界大戦の終結からケネディ政権」の時代に生まれた世代を指している。同様に、「ベビーブーマー」の親世代である「ビート・ジェネレーション」も「第一次世界大戦からローリング・トゥエンティーズまで」の時代に生まれた世代を指している。

この他、1980年代から1990年代(中期あるいは後半頃)に生まれた2000年代以降に社会に進出する世代である「ジェネレーションY」は、「ミレニアル世代」あるいは「ミレニアルズ」と呼称されるケースが多くなっている。

生まれた年世代名またがる世代生まれた年
1860年-1882年ミッショナリー・ジェネレーション
Missionary Generation
  
1883年-1900年失われた世代、ロストジェネレーション
Lost Generation
1901年-1927年グレイテスト・ジェネレーション
Greatest Generation
戦間期世代
Interbellum Generation
1901年-1913年
ビート・ジェネレーション
Beat Generation
1914年-1929年
ジャズ・エイジ
Jazz Age
1918年-1929年
1928年-1945年サイレント・ジェネレーション
Silent Generation
  
1946年-1964年ベビーブーマー
Baby Boomers
1965年-1980年ジェネレーションX
Generation X
1980年代-1990年代前半ミレニアルズ / ジェネレーションY
Millennials / Generation Y
1990年代後半-2000年代ジェネレーションZ
Generation Z
2010年代-2020年代前半ジェネレーションα
Generation Alpha
2020年代後半-2030年代ジェネレーションβ
Generation Beta
アメリカ合衆国および西洋世界などにおける主な世代区分
(世代の範囲はピュー研究所[14]などの区切りに基づく)

周期

世代
慣用
時間
SI25〜30年前後[要出典]
定義人が子供を作るまでの期間
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日本における出産時の母親の年齢階級別割合の推移

女性が第1子を出産する年齢の平均は国や時代によって多少異なるが、おおよそ25〜30年である。2015年の日本では30.7歳(厚生労働省調べ[15])である。1963年から毎年統計が取られており、30年前の1976年には25.7歳だったが、晩婚化の影響を受け徐々に高くなる傾向にある。他国では、2007年のアメリカ合衆国では25.2歳、2004年のイギリスでは27.4歳、2006年のオーストラリアでは30歳である。

ただし、実際は第2子以降もおり(日本での第2子の出産年齢の平均は、2015年では32.5歳[15])、また夫の年齢は妻より高い(2013年では33.6歳[16])。そのため、親子の平均の年齢差、つまり「1世代」はこれらの数値より多少長くなる。

なお、「世代」の「世(せい、よ)」は30年を表す時間の単位でもあり、漢字の字形も「十」を3つ組み合わせたものである。30年(1世)を3等分(10年毎)、5等分(6年毎)、6等分(5年毎)などに分けて数える方法もある。また、2世(60年)を還暦、12世(360年)を1運という。

次の表では1世代を30年で単純計算した年数を表す。

世代間隔続柄年数間隔血縁
8代前八世の祖240年前1/256
7代前七世の祖210年前1/128
6代前六世の祖180年前1/64
5代前五世の祖150年前1/32
4代前高祖父母120年前1/16
3代前曾祖父母90年前1/8
2代前祖父母60年前1/4
1代前30年前1/2
当代(第1代)当人0年1
1代後(第2代)30年後1/2
2代後(第3代)60年後1/4
3代後(第4代)曾孫90年後1/8
4代後(第5代)玄孫120年後1/16
5代後(第6代)来孫150年後1/32
6代後(第7代)昆孫180年後1/64
7代後(第8代)仍孫210年後1/128
8代後(第9代)雲孫240年後1/256

技術の世代

人間や生物の世代になぞらえ、技術革新などによる技術や設計思想の入れ替わりを世代と呼ぶ。次のような分野で多用される。

なお、現行機や現行技術・規格の次の世代のものは次世代機、次世代〜と呼ばれている。

生物学

生物学では「generation」「世代」と言うと、ほぼ同時期に出生した一群個体を意味する[1]。ただしヒトのように、一年を通してどの季節でも出生の起きるものでは「世代」という概念・区分は便宜的なものとなる[1]

世代の重なり合い(generation overlapping)

異なる世代に属する各齢層(age class)の個体が、同時に生きる(共存する)場合を「世代の重なり合いが完全である」と言う[1]。ヒトはこの例である[1]

ある時期に注目すると一部の齢層だけが存在する場合は「世代の重なり合いが不完全である」と言う。寿命の短い昆虫類や一年生の草木ではこうなっているものが多い[1]

脚注

注釈

出典

関連項目