ロピア
株式会社ロピアは、スーパーマーケットや精肉店を運営する株式会社OICグループ傘下の企業である。神奈川県藤沢市で精肉店「タカラヤ」として創業し、現在は本社を神奈川県川崎市幸区[1]に置く。
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | ![]() 〒212-0016 神奈川県川崎市幸区南幸町2丁目9番地[1] 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三菱ビル13階(丸の内オフィス) |
設立 | 1971年(昭和46年)4月28日[1] |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 1021001004499 |
事業内容 | スーパーマーケット、精肉店、食肉専門店の運営 、手造りハム、ソーセージ等の製造販売、食品の輸入貿易 |
代表者 | 高木秀雄(取締役会長) 高木勇輔(取締役社長)[1] |
資本金 | 1,000万円[1] |
売上高 | 2,695億円(2023年2月期)[1] |
従業員数 | 1500名 |
外部リンク | lopia |
ヤマダアウトレット・ダイクマいずみ中央店跡地への居抜き出店
神奈川県を中心に東京都・埼玉県・千葉県・茨城県の関東地方及び山梨県・愛知県・岐阜県・三重県・奈良県・京都府・大阪府・兵庫県の中部・近畿圏、福岡県、宮城県、沖縄県の15都府県と、日本国外では台湾新北市・桃園市・台中市に出店し[2]、食品スーパーの「ロピア」「新鮮大売りユータカラヤ」を展開する[2]。2011年に株式会社ユータカラヤから株式会社ロピアに社名変更した。
社名・店名の「ロピア」は「ロープライスユートピア」が由来で[3][4]、低価格路線で急速に店舗を増やしている[5]。食品ディスカウントストアとして扱われることもある[6]。モットーは「食生活♡♡(ラブラブ)ロピア」[3]。
コンビニスイーツやプリンを手がける株式会社ロピア(愛知県)は同名の別会社である。
概要
「新鮮大売り」を企業コンセプトとして、関東地方及び中部・近畿・九州・東北地方の1都2府11県でスーパーマーケットを展開する。また神奈川県内で食肉専門店を展開している。
一般的なスーパーマーケットとの同質化競争を避け、精肉を中心とした生鮮食品部門に特に力を入れている。
野菜売場に「八百物屋あずま」、鮮魚売場に「日本橋魚萬」というように独自の屋号を付け、店舗全体を商店街のイメージとし各部門の責任者に大きな裁量を与えて運営を行う「個店主義」をモットーとしている。
中規模スーパーマーケットながら、独自のプライベートブランド商品を自社開発しており[7]、飲料や調味料などのストアブランドも取り揃えている。また元来が精肉店であるため、ハム工場にて自家製ハム・ソーセージなども製造しており、加工食品でも「昔ながらのお肉屋さんのパン粉」がある。一部店舗でのお菓子コーナーでは、蒸気機関車の鉄道模型が走行しており、買い物客を楽しませている。
1990年代から2000年代には西友が撤退した跡地に居抜き出店することが多かったが[8]、近年はららぽーと[4]などのショッピングセンター[2]、島忠ホームズ[2]・ヨドバシカメラなどの異業種の量販店にもテナント出店している。ららぽーとTOKYO-BAY西館(旧・船橋そごう)の改築リニューアルにより2012年11月に千葉県へ進出[9]、その後、東京都や埼玉県のみならず、大阪府・兵庫県などの近畿圏[10]や、東海圏・福岡県・宮城県・山梨県にまで店舗網を拡大している。後述のように、2024年から2025年にかけてイトーヨーカ堂から閉店店舗を承継する形で北海道、青森県、岩手県、新潟県、長野県に進出予定である。一方、かつては静岡県にも出店していたが、こちらは撤退した。
基本的にはクレジットカードや電子マネーは利用できず、支払い方法は現金のみとなる。近年導入されているセミセルフレジもクレジットカード決済には対応していないが、ららぽーとなどショッピングセンター内の店舗ではクレジットカードが使える場合もある。また、ポイントカードのサービスもない。2019年4月よりQRコード決済のPayPayを殆どの店舗(都内の一部小型店舗を除く)で試験的に導入したが[11]、2020年4月末でPayPay導入を終了し、再び支払い方法が現金のみとなった[12]。
店内のショッピングカートは放置を防ぐためコイン式のものが採用されており、コインロッカーのように100円玉を入れるとカート置き場の鍵が外れて利用でき、使用後にカート置き場に戻すと100円玉が戻ってくる仕組みである。ショッピングカート、買い物かごはどちらも、太陽ビルメン製で、買い物かごは赤い色、精算済みのかごは、黄色かオレンジ。精算済みのかごには、かごハンドルが外されている。同様のショッピングカートはオーケーや、三和の一部店舗(イーアス高尾店、ららぽーと沼津店[13]など)でも採用されている。
経営形態
沿革
- 1971年(昭和46年) - 神奈川県藤沢市で肉の宝屋藤沢店を創業。
- 1972年(昭和47年) - 有限会社肉の宝屋中川畜産を設立(有限会社化)。
- 1976年(昭和51年) - チェーン展開開始。
- 1978年(昭和53年) - デリカテッセン部門開始。
- 1980年(昭和55年) - ハム・ソーセージの製造開始。
- 1994年(平成6年) - 港北ニュータウン(横浜市都筑区)中川店でスーパーマーケット事業参入。
- 1996年(平成8年) - 有限会社肉の宝屋から株式会社ユータカラヤに社名・組織変更(株式会社化)。
- 1997年(平成9年) - 西友跡地に新業態「新鮮大売りユータカラヤ希望ヶ丘店」(横浜市旭区、現・ロピア希望ヶ丘店)を出店。
- 2009年(平成21年) - 新業態として「ロピア綾瀬店」(神奈川県綾瀬市)を出店。
- 2011年(平成23年) - 株式会社ユータカラヤから株式会社ロピアに社名変更。株式会社ロピア・ホールディングス設立
- 2012年(平成24年)11月22日 - ららぽーとTOKYO-BAY西館改築と同時に「ロピアららぽーとTOKYO-BAY店」を出店し、千葉県に進出[4][9][14][15]。
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)4月14日 - 大和情報サービスが運営するショッピングセンター「アクロスプラザ八王子大船」(東京都八王子市大船町)の核店舗として「ロピア八王子みなみ野店」を出店[18][19]、ロピアとしては東京都内に初出店[2]。
- 2018年(平成30年)- 埼玉県新座市の調味料製造会社・丸越食品工業を買収[20]。
- 2019年(平成31年/令和元年)- 川崎市に本社移転。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 5月26日 - ロピアとしては中部地方初の店舗として本巣市の「モレラ岐阜」内に出店、同時に岐阜県に進出[25]。
- 7月15日 - スーパーバリューとの間で資本業務提携契約を締結[26][27]。
- 8月31日 - 同日に行われるスーパーバリューの第三者割当増資分を引き受け、同社を連結子会社化[27][28]。
- 9月1日 - 神奈川ロピア・関西ロピアなど地域子会社5社を吸収合併[29]。
- 9月23日 - 兵庫県三田市2号店となる「三田対中店」を出店し、ピザのテイクアウトコーナー、「LOPIZZA BUONO」を設置した初の店舗となる。
- 12月26日 - 甲府市に「ヨドバシ甲府店」を出店し、山梨県に進出[30]。
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)
- 2月1日 - 新北市中和区の「中和環球購物中心」内に出店し、新北市に進出。
- 2月9日 - 今後イトーヨーカドーが閉店させる店舗のうち、屯田店(札幌市)・青森店(青森市)など7店舗を承継することを発表[38]。各店舗は2024年8月から2025年3月にかけて順次開店する予定[39][40]。
- 2月26日 - 桑名市の星川ショッピングタウン サンシティ内に出店し、三重県に進出[41]。
- 3月25日 - 那覇市のカーゴス内に「沖縄国際通り店」を出店し、沖縄県に進出[42][43]。なお、同県に関しては初のフランチャイズ形態を取り、「フレッシュプラザ ユニオン」を運営している野嵩商会との協業で店舗を展開する[42]。
- 4月18日 - 株式会社タイシステムを買収[44][45]。
- 6月 - 新北市新荘区に出店[46]。
店舗
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f7/Lopia_Hakata_Yodobashi.jpg/220px-Lopia_Hakata_Yodobashi.jpg)
現在の店舗
2024年7月1日時点、関東地方1都4県及び中部・近畿地方2府5県と福岡県・宮城県・沖縄県に、日本国外では台湾と合計97店舗を展開する[1]。店舗の詳細は公式サイト「店舗情報」を参照。
- 東北地方
- 宮城県 - ロピア1店舗[2]
- 関東地方
- 神奈川県 - 新鮮大売ユータカラヤ1店舗、ロピア27店舗[2]
- 東京都 - 新鮮大売ユータカラヤ2店舗、ロピア8店舗[2]
- 埼玉県 - ロピア9店舗[2]
- 千葉県 - ロピア11店舗[2]
- 茨城県 - ロピア1店舗[2]
- 中部地方
- 近畿地方
- 九州地方
- 福岡県 - ロピア4店舗[2]
- 沖縄地方
- 沖縄県 - ロピア1店舗[2]
- 台湾
過去に存在した店舗
グループ会社
持株会社の株式会社OICグループ(旧・株式会社ロピア・ホールディングス)の元に以下のグループ会社を持つ。
- 株式会社スーパーバリュー - 埼玉・東京を中心に出店するスーパーマーケット(東証スタンダード上場)、筆頭株主[26]。
- 株式会社アキダイ - 小規模スーパーマーケット。
- 株式会社道場六三郎事務所 - 「和の鉄人」こと道場六三郎が監修する飲食店「懐食みちば」(松戸)・「銀座ろくさん亭」の運営。
- 株式会社ユーラス - 食品輸入商社。ロピアで販売するワイン、パスタ、オリーブオイルなども輸入する[16]。
- 利恵産業株式会社 - 神奈川県相模原市南区大野台。惣菜・弁当製造。ロピアオリジナル商品の洋菓子も製造する。日本惣菜協会加盟[17]。
- 株式会社丸越醸造 - 埼玉県新座市堀ノ内。ロピアのプライベートブランド商品の調味料も製造する[7]。
- 株式会社eatopia - 「ギュウトピア」(横浜市都筑区茅ケ崎中央)、「肉匠 みちば」(松戸)、「山科」(銀座)などの焼肉店を運営。
- 株式会社REACO
- 株式会社Firsto
- 日本マイセラ株式会社
- 川崎南部青果株式会社
- 川崎丸魚株式会社
- 株式会社L横浜センター
- 株式会社ファインフルーツおおぎみ
- 株式会社ロピアファーム
- 甲斐食産株式会社
- 株式会社稲葉ブロイラー
- 京都食品株式会社
- 商人ねっと株式会社
- フードビジネスサポート事業協同組合
キャラクター
ロピアのマスコットキャラクターとして、子豚の「ロピタくん」が設定されている[48]。有料レジ袋にはロピタくんの顔のイラストが描かれており、店頭にFRP製のロピタくん人形が飾られているほか[49]、ぬいぐるみも商品化され[50]店舗で販売されている。好物は「お肉」[48]。
不祥事
不当解雇訴訟
- 2018年6月に同社食肉部門担当の従業員が、店舗の商品を会計せず持ち帰ったことで懲戒解雇されたのは不当だとして、従業員が会社を訴えていた訴訟で、2019年10月10日に横浜地方裁判所で解雇無効などとする判決が言い渡された[51][52]。
従業員が精肉商品6点(3000円相当)をレジで精算することなく持ち帰ったことに対し、会社は警察に通報したのち懲戒解雇と、また会社は全店舗で従業員を名指しして窃盗を理由に懲戒解雇した旨の掲示をした。従業員は会計忘れについて過失だと主張していた[51][52]。判決では、警察の捜査が従業員に対する事情聴取だけで終わったことを指摘し、従業員が商品について同僚に説明し、目の前で加工・梱包をしていたことから、故意の犯罪行為だとすれば大胆にすぎるなどとして、故意があったとは認められないとした[51][52]。横浜地裁は解雇を無効とした上で、解雇されてから現在までの賃金相当額の支払いを命令した。また全店舗に対して掲示をした行為が名誉毀損に当たるとして、77万円の慰謝料(うち7万円は弁護士費用)の支払いも命じた[51][52]。さらに従業員が管理職(管理監督者)扱いで残業代が支払われていなかった件についても、従業員の業務は精肉加工・販売にかかわる作業であり、実際にはいわゆる「名ばかり管理職」であったとして、未払い残業代約100万円と付加金の支払いも命じた[51][52]。
不適正表示
2024年6月11日、農林水産省は12都府県74店舗に対して、スコーンをはじめとする調理食品や揚げ餅をはじめとする菓子など18品の計約65万パックに国内製造であることの原料原産地を表示せずに販売した不適正表示が発覚、これに対し同省関東農政局は2023年7月26日から2024年6月7日まで当社および中央林間店に対して食品衛生法第8条第2項に基づく立入検査などの結果、2021年4月1日から2023年7月26日までの間に中央林間店など当社が経営する73店舗において64万5994パックを一般消費者に販売していた。同省は当社に対して是正とともに原因の究明や分析の徹底、再発防止対策の実施などについて指示した[54][55]。
脚注
外部リンク
- 株式会社ロピア
- 株式会社OICグループ
- 利恵産業株式会社 - グループ会社