レアル・オビエド

スペインのサッカークラブ

レアル・オビエドSADReal Oviedo S.A.D.)は、スペインオビエドに本拠地を置くサッカークラブチーム。2022-23シーズンはリーガ・エスパニョーラセグンダ・ディビシオン(2部相当)に在籍している。

レアル・オビエド
原語表記Real Oviedo S.A.D.
愛称Carbayones,
Los Azules (The Blues),
El Rey de Asturias (The King of Asturias),
Los Godos (The Goths),[1]
Oviedistas
クラブカラー    青・   
創設年1926年
所属リーグリーガ・エスパニョーラ
所属ディビジョンセグンダ・ディビシオン
ホームタウンアストゥリアス州の旗 アストゥリアス州オビエド
ホームスタジアム
カルロス・タルティエレ
収容人数30,500人[2]
運営法人メキシコの旗 カルソ・グループ
36,962人の株主
代表者スペインの旗 ホルヘ・メネンデス
監督スペインの旗 ルイス・カリオン
ホームカラー
アウェイカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

1926年3月26日創立。30,500人収容のエスタディオ・カルロス・タルティエレをホームスタジアムとしている。ホームでは青色のシャツと白色のソックスを着用する。ラ・リーガ通算順位表では18位に位置する。スペインでも有数の、忠誠心と熱烈さを備えるサポーターを有することで知られている[3]

歴史

1926年、スタディウム・オベテンセ(Stadium Ovetense)と合併してレアル・オビエド・クルブ・デ・フットボル(Real Oviedo Club de Fútbol)が設立され、7年後の1933年に初めてプリメーラ・ディビシオン(1部)に到達した。当時としては画期的な、鋭いパスやワンタッチパスなどを用いて試合の主導権を握る戦術を採用し、1933-34シーズンからの3シーズンはリーグ戦上位に入る成功を収めた。攻撃陣はエミリン、ガレ、エドゥアルド・エレーラ・ブエノ、イシドロ・ランガラの4選手(いずれもスペイン代表であった)で構成され、他にはカスコやリカルド・ガリャルトらがいた。イングランド人のフレッド・ペントランド(Fred Pentland)監督時代に初めてハードな練習や体調管理などが行われ、1930年代から1940年代の攻撃陣はデランテラス・エレクトリカス(Delanteras Eléctricas、電撃フォワード)と呼ばれた。ランガラはスペイン内戦でリーグ戦が中断する前に3シーズン連続でリーグ得点王(ピチーチ賞)のタイトルを獲得。クラブはこの3シーズンの計62試合で174得点を挙げ、あらゆる得点記録を塗り替えた。しかしその後、クラブと選手が衝突してチームは崩壊。ランガラは南米に渡り、エレーラとエミリンはFCバルセロナに、ガレはラシン・サンタンデールに、ガリャルトはラシン・フェロルに移籍した。1936年に勃発したスペイン内戦中にはグラウンドはプレーできない状態とみなされ、フランシスコ・フランコの軍隊はスタジアムを軍用廃棄場として使用した。1939年4月に内戦が終結し、同年にリーグ戦が再開されたが、1939-40シーズンはリーグ戦に参加しなかった。

1962-63シーズンには過去最高位タイの3位に食い込み、UEFAカップ出場権を獲得。1978-79シーズンには1シーズンだけであるがセグンダ・ディビシオンB(3部)まで落ち込んだ。スペインで開催される1982 FIFAワールドカップに向けて、クラブの本拠地であるエスタディオ・カルロス・タルティエレが全面改修され、チリ代表を招いて行われたお披露目試合は0-0で引き分けた。1984-85シーズンのコパ・デ・ラ・リーガ(現存せず)ではUDサラマンカビルバオ・アスレティック、CFロルカ・デポルティーバ、CEサバデルアトレティコ・マドリレーニョを破って優勝した。セグンダ・ディビシオンでプレーした1987-88シーズンには昇格プレーオフに出場し、RCDマジョルカを2試合合計2-1で下してトップリーグに返り咲いた。1988-89シーズンから1990年代前半にはリーグ中位に定着し、1990-91シーズンには6位となってUEFAカップ出場権を獲得。1991-91シーズンのUEFAカップでは1回戦でジェノアCFC(イタリア)と対戦し、2試合合計2-3で敗れて大会から去った。

1990年代後半はプリメーラ・ディビシオン残留がやっとのシーズンが続き、2000-01シーズンに18位となってセグンダ・ディビシオンに降格。2002-03シーズンはセグンダ・ディビシオンで21位となってセグンダ・ディビシオンBに降格し、クラブは深刻な財政難に陥った。オビエド市からの支援が不足し、選手への給料支払い不能という事態を招いた。2003年には強制的にテルセーラ・ディビシオン(4部)降格処分を下された。この時点でクラブは潰れかけていたが、結局更生して再編成された。2シーズン続けてテルセーラ・ディビシオンで優勝し、2005年にセグンダ・ディビシオンB昇格を決めた。2007年には再びテルセーラ・ディビシオンに降格したが、再び2シーズン連続で優勝し、2008-09シーズンの昇格プレーオフでRCDマジョルカBにPK戦の末に勝利してセグンダ・ディビシオンB昇格を決めた。しかし、財政難の状況は変わらず[4]、2012-13シーズンにはクラブ存続の危機に陥ったため、サンティ・カソルラ(下部組織に在籍)、フアン・マヌエル・マタ(下部組織に在籍)、ミチュ(2003-04シーズンにトップチームデビュー)などを輩出したクラブであることをアピールして世界各国のサッカーファンに株式の購入を呼び掛けた[5]

2015年5月31日、この日のセグンダ・ディビシオンのプレーオフ相手であるカディスCFに対して2-1で勝利したことで16年ぶりの2部復帰を決めた。

リザーブチーム

リザーブチームはレアル・オビエド・ベトゥスタと名乗っているが、1990年代初頭にスペインサッカー連盟(RSFF)が奇抜なチーム名を禁止し、レアル・オビエドBに変更された。2021年にレアル・オビエド・ベトゥスタという名称が復活し、2023-24シーズンはセグンダ・フェデラシオン(4部相当)に在籍している[6]

ライバル

同じアストゥリアス州内のスポルティング・デ・ヒホンとライバル関係にあり[7]、両クラブの対戦はアストゥリアス・ダービーと呼ばれる。2012-13シーズン開幕時点で117回のダービーが行われ、オビエドが49勝、ヒホンが38勝、引き分けが30試合である。

1926年12月6日に地域リーグの試合で初のダービーが行われ、オビエドは1-2で敗れた。プリメーラ・ディビシオンでの初のダービーは1944-45シーズンに行われ、ホームのオビエドが2-1で勝利した。このシーズンにアウェーのエスタディオ・エル・モリノンで行われた試合には0-6で大敗を喫している[8]。1998-99シーズン以降は両クラブが異なるディビジョンに在籍しているため、ダービーが行われていない。1998年3月15日に行われた最後のダービーは、オビエドがホームのエスタディオ・カルロス・タルティエレで2-1の勝利を収めた。このシーズン終了後、ヒホンは20位でセグンダ・ディビシオン(2部)降格となった。

スポンサーとサプライヤー

期間ユニフォームサプライヤー胸スポンサー
1990–1991KELMECLAS
1991–1993Cajastur
1993–1998Joluvi
1998–2000Erima
2000–2001PUMA
2001–2003アストゥリアス州政府
2003–2008Joluvi
2008–2012NIKE
2012–2014Joma-
2014–2015ASAC Comunicaciones[9]
2015–2016HummelGAM
2016–2017AdidasProcoin
2017–2018ファーウェイ
2018–2019
2019–2020オビエド
2020–2021NMRナチュラル・コミットメント
2021–2022DIGIモバイル
2022–2023

タイトル

クラブタイトル

1932–33, 1951–52, 1957–58, 1971–72, 1974–75
2014-15
2003–04, 2004–05, 2007–08, 2008–09
1984-85

個人タイトル

ピチーチ賞

イシドロ・ランガラ : 1933–34, 1934–35, 1935–36
マリアニン : 1972–73
イシドロ・ランガラ : 1932–33
エドゥアルド・ゴメス : 1957–58
ガラン : 1971–72
カルロス・ムニョス・コボ : 1987–88
ディエゴ・セルベーロ : 2004–05, 2007–08, 2008–09

サモラ賞

オスカル・アルバレス : 1931–32, 1932–33
ロンバルディア : 1971–72
ラファエル・ポンソ : 2003–04
オイナッツ・アウレスティア : 2008–09

過去の成績

シーズンディビジョン順位国王杯
1929セグンダ7位ベスト16
1929-30セグンダ5位準々決勝敗退
1930-31セグンダ8位ベスト16
1931-32セグンダ2位ベスト16
1932-33セグンダ1位ベスト16
1933-34プリメーラ6位準決勝敗退
1934-35プリメーラ3位ベスト16
1935-36プリメーラ3位ベスト16
1940-41プリメーラ8位準々決勝敗退
1941-42プリメーラ11位ベスト16
1942-43プリメーラ6位ベスト16
1943-44プリメーラ4位ベスト16
1944-45プリメーラ4位準々決勝敗退
1945-46プリメーラ5位準決勝敗退
1946-47プリメーラ8位ベスト16
1947-48プリメーラ9位ベスト16
1948-49プリメーラ5位ベスト16
1949-50プリメーラ14位準々決勝敗退
1950-51セグンダ6位DNP
1951-52セグンダ1位準々決勝敗退
シーズンディビジョン順位国王杯
1952-53プリメーラ9位ベスト16
1953-54プリメーラ15位DNP
1954-55セグンダ2位DNP
1955-56セグンダ2位DNP
1956-57セグンダ4位DNP
1957-58セグンダ1位DNP
1958-59プリメーラ11位ベスト16
1959-60プリメーラ6位ベスト16
1960-61プリメーラ13位ベスト16
1961-62プリメーラ10位ベスト16
1962-63プリメーラ3位ベスト16
1963-64プリメーラ14位ベスト16
1964-65プリメーラ15位ベスト16
1965-66セグンダ4位ベスト16
1966-67セグンダ5位ベスト32
1967-68セグンダ6位ベスト32
1968-69セグンダ11位DNP
1969-70セグンダ7位ベスト16
1970-71セグンダ14位ベスト16
1971-72セグンダ1位ベスト32
シーズンディビジョン順位国王杯
1972-73プリメーラ12位ベスト16
1973-74プリメーラ18位ベスト16
1974-75セグンダ1位ベスト16
1975-76プリメーラ16位ベスト16
1976-77セグンダ5位ベスト32
1977-78セグンダ17位ベスト16
1978-79セグンダB2位ベスト32
1979-80セグンダ11位ベスト16
1980-81セグンダ10位ベスト32
1981-82セグンダ16位ベスト32
1982-83セグンダ12位ベスト32
1983-84セグンダ13位ベスト32
1984-85セグンダ16位ベスト16
1985-86セグンダ8位ベスト16
1986-87セグンダ14位ベスト32
1987-88セグンダ4位ベスト32
1988-89プリメーラ12位ベスト32
1989-90プリメーラ11位ベスト16
1990-91プリメーラ6位ベスト16
1991-92プリメーラ11位ベスト16
シーズンディビジョン順位国王杯
1992-93プリメーラ16位準々決勝敗退
1993-94プリメーラ9位準々決勝敗退
1994-95プリメーラ9位ベスト32
1995-96プリメーラ14位ベスト16
1996-97プリメーラ17位ベスト16
1997-98プリメーラ18位ベスト32
1998-99プリメーラ14位ベスト32
1999-00プリメーラ16位ベスト16
2000-01プリメーラ18位ベスト32
2001-02セグンダ7位ベスト32
2002-03セグンダ21位ベスト16
2003-04テルセーラ1位ベスト32
2004-05テルセーラ1位2回戦敗退
2005-06セグンダB7位2回戦敗退
2006-07セグンダB19位1回戦敗退
2007-08テルセーラ1位DNP
2008-09テルセーラ1位2回戦敗退
2009-10セグンダB2位2回戦敗退
2010-11セグンダB8位2回戦敗退
2011-12セグンダB6位ベスト32
シーズンディビジョン順位国王杯
2012-13セグンダB3位2回戦敗退
2013-14セグンダB5位1回戦敗退
2014-15セグンダB1位ベスト32
2015-16セグンダ9位3回戦敗退
2016-17セグンダ8位2回戦敗退
2017-18セグンダ7位2回戦敗退
2018-19セグンダ8位2回戦敗退
2019-20セグンダ15位1回戦敗退
2020-21セグンダ13位2回戦敗退
2021-22セグンダ7位1回戦敗退
2022-23セグンダ8位ベスト32

現所属メンバー

2024年1月6日現在[10]

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No.Pos. 選手名
1GK カンタン・ブラー
2DF マリオ・エルナンデス
3DF ロドリゴ・タリン
4DF ダビド・コスタス
5MF ルイスミ
6MF ジミー
7MF ビティ
8MF サンティ・カソルラ
9FW ボルハ・バストン
10MF ビクトル・カマラサ
11MF サンティアゴ・コロンバット
12DF ダニ・カルボ
13MF サンティアゴ・ホメンチェンコ
No.Pos. 選手名
14FW アレマン
15DF オイエル・ルエンゴ
16MF ハイメ・セオアネ
17MF サバス・モジャーノ
18MF パウリーノ
19FW アレックス・ミジャン
20FW マスカ
21DF カルロス・ポマレス
22MF ホナタン・ドゥバシン
23DF アベル・ブレトネス
24DF ルーカス・アヒアド
25MF ボルハ・サンチェス
31GK レオ・ロマン

歴代監督

歴代所属選手

GK

DF

MF

FW

脚注

外部リンク