ルフトハンザドイツ航空

ドイツのフラッグキャリア航空会社

ルフトハンザドイツ航空(ルフトハンザドイツこうくう、ドイツ語: Deutsche Lufthansa AG, 英語: Lufthansa)は、ドイツケルンに本拠を置くドイツ最大の航空会社。ドイツのいわゆる「フラッグ・キャリア」とされている。現在はドイツ国外の航空会社も多数傘下に置いている。

ルフトハンザドイツ航空
Deutsche Lufthansa AG
IATA
LH
ICAO
DLH
コールサイン
LUFTHANSA
法人番号1700150005058 ウィキデータを編集
設立1926年
(Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaftとして設立)
ハブ空港[注 1]
マイレージサービスMiles & More
会員ラウンジ
  • ファーストクラスターミナル
  • ファーストクラスラウンジ
  • セネターラウンジ
  • ビジネスラウンジ
  • ウェルカムラウンジ
航空連合スターアライアンス
親会社Deutsche Lufthansa AG
子会社(一部抜粋)
保有機材数304機
就航地274都市[2]
スローガンSay yes to the world(世界にイエス).
本拠地ドイツの旗 ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州 ケルン
代表者Carsten Spohr
執行役会会長・CEO
外部リンクhttps://www.lufthansa.com
備考
日本支社所在地
東京都港区芝公園3丁目1-13
アーバン芝公園
テンプレートを表示
ルフトハンザドイツ航空の本社
ミュンヘン国際空港に駐機するルフトハンザ機

概要

旧ロゴ

2015年4月時点で世界98カ国274都市に就航[2] 、売上高はアメリカン航空デルタ航空に次ぐ世界第3位(約398億ドル)、旅客数はイージージェットに次ぐ欧州第2位、世界第9位(2014年現在)[注 2]の大規模航空会社(メガ・キャリア)であり、スターアライアンスの創立メンバーの一社でもある。日本への乗り入れ開始は1961年で、2023年現在の就航地は東京国際空港関西国際空港中部国際空港であるが、現在、新型コロナウイルスやウクライナ情勢などにより、中部国際空港発着の路線は運休となっている。日本に乗り入れている欧州外国系航空会社においては、フィンエアーについで2番目に多い。

社名「Lufthansa」は「空のハンザ同盟」の意。ドイツ・エアロ・ロイド(旧ドイツ・ルフト・レーデライ)とユンカース空輸の合併で誕生した会社として、中世ドイツの「商人組合」にかけて「旅商人組合(同盟)」の意味を込め「ドイツ・ルフト・ハンザ株式会社」 (Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaft) とされた。

シンボル(ロゴ)のモチーフとなっている鳥はツルである。世界中のお伽話や神話の中で、ツルは幸福の象徴として、あるいは神秘的な鳥として描かれることが多いことに由来している。1918年にオットー・フィルレのデザインにより前身のドイツ・ルフト・レーデライのシンボルマークとして制定され[3][4]、以来このツルをシンボルに用いてきた。また、このことにちなんで、ルフトハンザは野生のツルを保護する活動も行っている[2]

カラーリングとして使用される色にはそれぞれ以下の意味が込められている[要出典]

  • 黄:「差別化」「発見」
  • 銀:「高い技術水準」
  • 白:「信頼」
  • 灰:「品質」

2018年2月7日に28年ぶりの新塗装を発表[5][6]。機体デザインは紺色と白色をベースとして、垂直尾翼にマイナーチェンジを施したツルを描いたデザインとなる。これは前述のとおり1918年にドイツ人デザイナーのオットー・フィルレが制作し、2018年でちょうど100周年を迎えるためである。新塗装の初号機はB747-8(機体番号:D-ABYA)とA321(機体番号:D-AISP)の2機で、このうち前者についてはフランクフルト - 東京/羽田線にも投入されている。2025年までの7年間で在籍機全てを新塗装に変更するほか、アメニティセットや食器などのアイテムも今後2年間で新デザインに切り替える。

なお、黄色のデザインはフランクフルト国際空港などの案内サインや客室乗務員のスカーフなどに引き続き継続して使用される。

本社はケルンにある。もっとも、ルフトハンザ・アビエーションセンター(LAC)と呼ばれる中核的な事業所は、ルフトハンザのメインハブであるフランクフルト空港に位置している[7]。ルフトハンザのパイロット、地上職員、及び客室乗務員の多くがここを拠点としている[8]。ルフトハンザ第二のハブはミュンヘン空港である。第三のハブはデュッセルドルフ空港であったが、最近では同空港を発着するほぼ全てのルフトハンザ便が、子会社のジャーマンウイングス(現・ユーロウイングス)に移管されたため、現在では同空港がルフトハンザのハブであるとは言い難い。

綿密な機体整備は高く評価されている。ニューズウィーク誌の「最も安全な航空会社ランキング」の第1位に選出されている。同社中古機の人気は高く、1980年代のピープルエキスプレスなど、ルフトハンザの中古機材を用いて就航している格安航空会社も多い。

航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。[9]

西ドイツ側の航空会社となって以降は自社でパイロット養成を行っており、グループ会社が練習機を保有している。

ルフトハンザは、航空関連事業のグループ会社を多く有しており、その数は400を超える[2]。そのうち、主要なものについては後述する

歴史

ユンカースJu-52型機

1926年1月、ドイツ政府26%、地方都市19%の出資によってJunkers LuftverkehrとDeutscher Aeroが合併し誕生した。これによって、DELAGを源流とするエアロユニオン系、海運会社ロイド(現・ハパックロイド)を中心とするロイド系、エンジンメーカのユンカース系と、それまでドイツにあった航空会社が1社に統合された[10]。合併後ヨーロッパ域内に路線網を拡大するほか、同盟国の日本満州国への路線も計画するものの、1945年5月のドイツの第二次世界大戦の敗戦により、会社組織として一度解散した。

ドイツ連邦共和国(西ドイツ)成立後の1953年に、「Aktiengesellschaft für Luftverkehrsbedarf (LUFTAG)」という名称で西ドイツ国営企業として再建され、翌年8月に現在の「ルフトハンザドイツ航空」に再改称した。しかしドイツ民主共和国(東ドイツ)はこれと無関係に「ルフトハンザドイツ航空」という航空会社を設立したため、両社の間で係争となった。ベオグラードで行われた裁判で東のルフトハンザが敗訴したため、東ドイツの国営航空会社はインターフルークとなった。

その後はヨーロッパ域内のみならず、アジア、南北アメリカ中東アフリカなど世界各国に路線網を広げる。

1990年の東西ドイツ再統一時に、東ドイツ・インターフルークの路線網と一部従業員を引き継いだ。その後の1994年に、完全民営化を果たす。

1997年に、エア・カナダスカンジナビア航空タイ国際航空ユナイテッド航空とともに、世界初の航空連合であるスターアライアンスを結成した。2005年にスイスインターナショナルエアラインズの買収を表明し、2006年に完全子会社化する。2009年9月、オーストリア航空を買収したことを公表した[11][12]

最近ではルフトハンザ本社とは別に、2009年に完全子会社化したジャーマンウィングスというLCCブランドで、A319型機・A320型機を主力機材として欧州域内に大規模な路線網を展開しており、この子会社だけでも就航地は80地点を超えている。さらに2015年からは同じドイツ語圏で、子会社であるオーストリア航空の本拠地であるウィーン国際空港を新たな拠点として整備する事が発表されている。また2016年12月には、ブリュッセル航空の親会社で、45%の株式を出資していたSNエアーホールディングの残りの株式を買収し完全子会社化した。

保有機材数

  • エアバス製機材主体に、複数の機種を数多く保有している。また、エアバスではA318を除いて全ての機種を受注・運航している。
  • ルフトハンザが発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は30で、航空機の形式名は737-530, 747-430, 747-830 などとなる。
  • エアバスA380-800では、機体それぞれに都市の名前が付けられている[注 3]
    就航地(過去の就航地も含む)[注 4]:東京(D-AIMD)・北京(D-AIMC)・ヨハネスブルク(D-AIME)・ニューヨーク(D-AIMH)・サンフランシスコ
  • ボーイング747-8では、機体にドイツの連邦州の名前が付けられており、初号機は「ブランデンブルク」と名付けられた[13]。2020年現在、欧米の航空会社では唯一、B747-8旅客型を運航している。
  • ルフトハンザのエアバスA340-600は、エコノミークラスのトイレが客席下の貨物キャビンに集約されているという珍しい構造をしている[14]
  • ルフトハンザのB747-400,A330,A340,A380,B747-8などの一部の長距離路線使用機には、集中治療室の機能を持った患者搬送コンパートメント(Patient Transport Compartment,略称:PTC)が搭載されており、専門の医療スタッフも用意されている。2015年6月には、全ての長距離路線機にPTCを搭載する方針を明らかにしている[15][16]

リスト

ルフトハンザドイツ航空 運航機材(2023年11月現在)[17][18]
機材保有数発注数座席数備考
FCWY
エアバスA319-10023----138138
エアバスA320-20052----168168
180180
エアバスA320neo3042-180180ローンチカスタマー
エアバスA321-10020----205205ローンチカスタマー
エアバスA321-20037----205205
エアバスA321neo1722-215215
エアバスA330-30010--4228185255
エアバスA340-30017--3028221279世界最多運用
A350-900と787-9に置換予定
エアバスA340-60010-85628189281世界最多運用
A350-1000に置換予定
エアバスA350-9002134-4821224293
3026262318
43824201267
エアバスA350-1000-10[19]TBA
エアバスA380-8005+3-878523715095機復帰、更に残り3機も復帰予定[20]
ボーイング747-4008--6732272371世界最多運用
777-9に置換予定
ボーイング747-8I19-88032244364世界最多運用
ボーイング777-9-20TBA2025年以降に導入予定
747-400、A380-800の代替更新機材
ボーイング787-9534-2621247294
2828231287
ルフトハンザ・シティーライン
エアバスA319-10012----138138
エアバスA320neo51-180180
ボンバルディア CRJ-900LR28----8484
9090
エンブラエル ERJ-190LR7----100100
ルフトハンザ・カーゴ
エアバスA321-200P2F4-貨物ルフトハンザ・シティーラインによる運航
ボーイング777F11-貨物
ボーイング777-8F-7貨物2027年以降導入予定[21]
344170

ギャラリー

退役機材

特別塗装機数

  • EXPO2000 HANNOVER[注 5](ボーイング747-400・D-ABVK[注 6]),(*)
ボーイング747-400 (D-ABTH),(*) エアバスA340-300 (D-AIGC(**)、D-AIGN、D-AIGV), エアバスA319 (D-AILF), エアバスA320 (D-AIPD), エアバスA321 (D-AIRW), ボンバルディアCRJ700(D-ACPQ、D-ACPS、D-ACPT)
  • 50 YEARS Innovation Partnership Boeing and Lufthansa」
ボーイング747-400 (D-ABVH),(*)
ボーイング747-400 (D-ABVK[注 9],D-ABVS), ボーイング747-8 (D-ABYO), エアバスA320 (D-AIDG), エアバスA340 (D-AIHQ), ボーイング737-300 (D-ABEK)
  • Fanhansa Siegerflieger[注 10](*)
ボーイング747-8 (D-ABYI)
  • 「Congraturations! BOEING 747 1500th[注 11]
ボーイング747-8 (D-ABYP)
  • レトロ塗装 ('70年代~'80年代)」[注 12]
ボーイング747-8 (D-ABYT[注 13])
  • レトロ塗装 ('60年代)」[注 12]
エアバスA321-200 (D-AIDV)
エアバスA340-600 (D-AIHK)
エアバスA321-100 (D-AIRY)
  • Siegerflieger OLYMPIA MANNSCRAFT [注 15],(*)
ボーイング747-8 (D-ABYK)
  • 5starhansa ★★★★★」」[注 16],(*)
ボーイング747-8(D-ABYM)[注 17]、エアバスA320ceo(D-AIZX)
  • Fanhansa Mannschaftsflieger[22],(*)
エアバスA321ceo(D-AISQ)
エアバスA330-300(D-AIKQ)

(*)現在は、通常塗装による運航である。
(**)現在は、同社から退役している。

練習機数

初等段階から数訓練を行うため、初等・中等練習機を保有している。

訓練は天候が安定しているアメリカ合衆国アリゾナ州フェニックスに開設したアリゾナ航空トレーニングセンタードイツ語版で実施している。

就航都市数

ルフトハンザドイツ航空 就航都市(2017年2月現在)
都市空港備考
ヨーロッパ
ドイツフランクフルトフランクフルト空港メインハブ空港
ミュンヘンミュンヘン国際空港ハブ空港
ベルリンベルリン・テーゲル空港焦点都市
ハンブルクハンブルク国際空港
ブレーメンブレーメン空港
デュッセルドルフデュッセルドルフ空港
ハノーファーハノーファー空港
ニュルンベルクニュルンベルク空港
シュトゥットガルトシュトゥットガルト空港
ヘリングスドルフ英語版ヘリングスドルフ空港英語版[25]
 オーストリアウィーンウィーン国際空港
ベルギーブリュッセルブリュッセル国際空港
 ブルガリアソフィアソフィア空港
 チェコプラハルズィニエ国際空港
 デンマークコペンハーゲンコペンハーゲン国際空港
フランスパリシャルル・ド・ゴール国際空港
オルリー空港
リヨンリヨン・サン=テグジュペリ国際空港
ニースコート・ダジュール空港
ミュールーズユーロエアポート・バーゼル=ミュールーズ空港
トゥールーズトゥールーズ・ブラニャック国際空港
マルセイユマルセイユ・プロヴァンス国際空港
バスティアバスティア・ポレッタ国際空港
ストラスブールストラスブール空港
ボルドーボルドー・メリニャック空港[25]
ナントナント・アトランティック空港[25]
ギリシャアテネアテネ国際空港
 ハンガリーブダペストフェレンツ・リスト国際空港
クロアチアプーラプーラ空港英語版[25]
アイルランドダブリンダブリン空港
シャノン (アイルランド)英語版シャノン空港[25]
イタリアボローニャボローニャ空港
フィレンツェフィレンツェ・ペレトラ空港
ジェノヴァジェノヴァ・クリストーフォロ・コロンボ空港
ミラノミラノ・マルペンサ国際空港焦点都市
ミラノ・リナーテ国際空港
ナポリナポリ・カポディキーノ国際空港
ピサガリレオ・ガリレイ国際空港
ローマフィウミチーノ空港
トリノトリノ空港
ヴェネツィアヴェネツィア・テッセラ空港
オランダアムステルダムアムステルダム・スキポール空港
 ノルウェーオスロオスロ空港
ポルトガルリスボンポルテラ空港
フンシャルマデイラ空港[25]
ポーランドワルシャワワルシャワ・フレデリック・ショパン空港
 ルーマニアブカレストアンリ・コアンダ国際空港
ロシアサンクトペテルブルクプルコヴォ空港
モスクワシェレメーチエヴォ国際空港
セルビアベオグラードベオグラード・ニコラ・テスラ空港
スペインマドリードアドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港
バルセロナバルセロナ・エル・プラット国際空港
サンティアゴ・デ・コンポステーラサンティアゴ・デ・コンポステーラ空港[25]
 スウェーデンストックホルムストックホルム・アーランダ空港
ヨーテボリヨーテボリ国際空港
スイスジュネーヴジュネーヴ・コアントラン国際空港
チューリッヒチューリッヒ空港
イギリスバーミンガムバーミンガム国際空港
エディンバラエディンバラ空港
ロンドンロンドン・ヒースロー空港
ロンドン・シティ空港
マンチェスターマンチェスター空港
ニューカッスルニューカッスル国際空港
グラスゴーグラスゴー国際空港
 ウクライナキエフボルィースピリ国際空港
トルコイスタンブールアタテュルク国際空港
イズミルアドナン・メンデレス空港
北アフリカ
アルジェリアアルジェウアリ・ブーメディアン空港
 エジプトカイロカイロ国際空港
リビアトリポリトリポリ国際空港貨物便のみ
モロッコカサブランカムハンマド5世国際空港
マラケシュマラケシュ・メナラ空港
チュニジアチュニスチュニス・カルタゴ国際空港
中央アフリカ
アンゴラルアンダクアトロ・デ・フェベレイロ空港
赤道ギニアマラボマラボ国際空港
ガボンリーブルヴィルリーブルヴィル国際空港
東アフリカ
 ケニアナイロビジョモ・ケニヤッタ国際空港[26]
モーリシャスポートルイスサー・シウサガル・ラングラーム国際空港[27]
西アフリカ
ナイジェリアラゴスムルタラ・モハンマド国際空港
ポートハーコートポートハーコート空港
アブジャンナムディ・アジキウェ国際空港
南アフリカ
南アフリカ共和国ヨハネスブルグヨハネスブルグ国際空港
ケープタウンケープタウン国際空港
北アメリカ
カナダトロントトロント・ピアソン国際空港
モントリオールモントリオール・ミラベル国際空港
バンクーバーバンクーバー国際空港
アメリカ合衆国アトランタハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港
ボストンジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港
シャーロットシャーロット・ダグラス国際空港
シカゴシカゴ・オヘア国際空港
ダラスダラス・フォートワース国際空港
デンバーデンバー国際空港
デトロイトデトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港
ヒューストンジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港
マイアミマイアミ国際空港
ニューヨークニューアーク・リバティー国際空港
ジョン・F・ケネディ国際空港
オーランドオーランド国際空港
フィラデルフィアフィラデルフィア国際空港
サンフランシスコサンフランシスコ国際空港
ロサンゼルスロサンゼルス国際空港
サンノゼノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港[28]
シアトルシアトル・タコマ国際空港
ワシントンD.C.ワシントン・ダレス国際空港
タンパタンパ国際空港[29]
メキシコメキシコシティメキシコ・シティ国際空港
カンクンカンクン国際空港運休
中央アメリカ
パナマパナマシティトキュメン国際空港[30]
コスタリカサンホセフアン・サンタ・マリア国際空港[31]
南アメリカ
アルゼンチンブエノスアイレスエセイサ国際空港
ブラジルサンパウログアルーリョス国際空港
リオデジャネイロアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港
 コロンビアボゴタエルドラド国際空港
ベネズエラカラカスシモン・ボリバー空港
東アジア
日本東京東京国際空港(羽田空港)
大阪関西国際空港
名古屋中部国際空港運休中
韓国ソウル仁川国際空港
香港香港国際空港
中国北京北京首都国際空港
上海上海浦東国際空港
南京南京禄口国際空港
青島青島流亭国際空港
南アジア
インドベンガルールベンガルール国際空港
チェンナイチェンナイ国際空港
デリーインディラ・ガンディー国際空港
ハイデラバードラジーヴ・ガンディー国際空港
ムンバイチャットラパティー・シヴァージー国際空港
プネープネー国際空港
モルディブマレイブラヒム・ナシル国際空港季節運航[27]
東南アジア
シンガポールシンガポール・チャンギ国際空港
タイバンコクスワンナプーム国際空港
中央アジア
トルクメニスタンアシガバートアシガバート空港
カザフスタンアルマトイアルマトイ国際空港
アスタナヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港
西アジア
バーレーンマナーマバーレーン国際空港
イスラエルテルアビブベン・グリオン国際空港
クウェートクウェートクウェート国際空港
レバノンベイルートラフィク・ハリリ国際空港
シリアダマスカスダマスカス国際空港
サウジアラビアダンマームキング・ファハド国際空港
ジッダキング・アブドゥルアズィーズ国際空港
リヤドキング・ハーリド国際空港
カタールドーハハマド国際空港
アラブ首長国連邦アブダビアブダビ国際空港
ドバイドバイ国際空港
ヨルダンアンマンクィーンアリア国際空港
イランテヘランエマーム・ホメイニー国際空港
イラクアルビルアルビール国際空港
休・廃止路線
日本東京成田国際空港運休中[32]
韓国釜山金海国際空港
中国広州広州白雲国際空港
瀋陽瀋陽桃仙国際空港
インドネシアジャカルタスカルノハッタ国際空港
マレーシアクアラルンプールクアラルンプール国際空港
 ベトナムホーチミンシティタンソンニャット国際空港
フィリピンマニラニノイ・アキノ国際空港
インドコルカタネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港
カナダカルガリーカルガリー国際空港

サービス

ルフトハンザのサービスの質には定評があり、航空会社の格付けを行っているスカイトラックス社では5つ星を獲得していたが、2022年9月時点では4つ星へ降格[33][34]。乗客の評価に基づき同社が発表する世界ランキングでは、常に上位[注 18]を維持しており[35]、2015年度は「ベスト・エアライン・イン・トランスアトランティック」賞を受賞している[36]

また、旅客機の発着状況を調査するフライトスタッツ社が毎年発表している、定時到着率の世界ランキングでも、ルフトハンザの定時到着率は毎年80%を上回って上位[注 19]を維持している[37]

座席

ファーストクラスの座席(ボーイング747-8
エコノミークラスの座席(エアバスA340-600

ルフトハンザは、ファーストクラスビジネスクラスプレミアムエコノミークラスエコノミークラスの4クラスの座席を設置している。プレミアムエコノミークラスは、2014年10月より、中長距離国際線を中心に順次導入が進められており、2015年9月22日時点で、日本(羽田・成田・関西・名古屋)に就航している全ての路線・機材への導入が完了した。[38]。同じクラスであっても、座席のタイプは機材によってさまざまに異なる。

2020年の予定で導入されるボーイング777-9Xには、全席通路アクセス可能な最長220cmのフルフラットシートとなるビジネスクラスが装着される[39]

機内食

ルフトハンザでは、長距離便でも短距離便でも何らかの機内食が提供される。搭乗するクラスや距離によって提供されるメニューや回数が異なる。たとえば長距離便のファーストクラスではコース料理が提供され、短距離便のエコノミークラスではハンバーガー等の軽食が提供される。

また、中長距離便では、子供向けメニューや、糖尿病患者向けメニュー、ベジタリアンムスリムカシェル向けメニューなど、かなり幅広く17種類もの特別メニューが用意されている[40]。これらの特別メニューをオーダーするには、搭乗前に予め申し込んでおく必要がある。

エンターテインメント

長距離線では、各座席に設置された個人用モニターでオンデマンド形式によるビデオ・オーディオおよびビデオゲームプログラムを提供している。中距離線では、乗客が所持するスマートフォンやタブレットに予め所定のアプリをダウンロードすることで、オンデマンド形式のビデオ・オーディオ・オーディオブックなどを視聴できるサービスを展開している[41]

機内インターネットサービス

2004年より、機内にて無線LAN形式とGSM形式でのインターネット接続サービス「FlyNet」を提供している[42]。こうした上空でのインターネット接続サービスを最初に開始したのはルフトハンザである。2006年をもって一時このサービスを休止していたが、2010年より再開した[43]。このサービスにより、搭乗中でも最新ニュースを入手したりメールを送受信したりすることが可能となった。1時間制・4時間制・フライト制(24時間のあいだに搭乗する全ての便で利用し放題)の3つから選択でき、クレジットカードでの料金の支払いまたはマイル交換で利用できる。

ラウンジ

ファーストクラスターミナル(フランクフルト空港)

ドイツ国内をはじめとする各国にファーストクラスラウンジ(フランクフルト空港ミュンヘン国際空港のみ)、セネターラウンジ、ビジネスラウンジ、ウェルカムラウンジ(フランクフルト空港のみ)の4種類の空港ラウンジが存在し、予約クラスやMiles & More会員ステータスによって使用できるラウンジや同伴者の料金等が異なる[44]

さらに、フランクフルト空港には、ファーストクラスラウンジとは別にファーストクラスターミナルが存在する[45]。ルフトハンザ便のファーストクラス利用者およびHON Circle会員だけが利用できる。ルフトハンザが駐機する第1ターミナルに隣接する場所に位置している。

2015年度には、スカイトラックス社の「ベスト・ファーストクラス・エアライン・ラウンジ」賞を受賞した[36]

ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス

ルフトハンザ・エアポートエクスプレスの403形電車

ルフトハンザはかつて、「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」(Lufthansa-Airport-Express)という列車の運行に携わっていたこともある[46][47]。これは都市から空港への連絡列車ではなく、航空便の代替を列車が行うという異例のものであった。

1982年から1993年にかけて、フランクフルト - デュッセルドルフ間のような短距離で採算性の低い国内線の代わりに当時のドイツ連邦鉄道(DB, 西ドイツの国鉄。現在は民営化されドイツ鉄道)に、チャーター列車「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」を運行したのである。

エアポート・エクスプレスは、列車の運転はDBの職員が行うものの、運賃は航空運賃が適用され、客席の乗務員や車内の軽食サービスなどはルフトハンザが行うという形態を取っていた。運行当初DB内での扱いは営業用の「LH」と共に全車一等車ということから「TEE」の列車番号が当てられていた。また、DBの時刻表には掲載されていない。

当初はDBの定期運用から外れて保留となっていたインターシティ向け電車403形を使用し、その後新設されたシュトゥットガルト線は客車列車となった。

現在これを継承するものとして、DBの定期列車であるICEの一部区画を間借りしてルフトハンザ便名を付与し、航空便旅客専用とする「Lufthansa Express Rail」サービスを、フランクフルト(FRA) - ケルン(QKL)・シュトゥットガルト(ZWS)・ドルトムント(DTZ)・カールスルーエ(KJR)・マンハイム(MHJ)・デュッセルドルフ(QDU)間で行なっている[48][49]

マイレージプログラム

ルフトハンザは、Miles & Moreというマイレージプログラムを提供している[50]。獲得したマイル数に応じて、以下の4つのステータスに分類される。

会員ステータスカードの色スターアライアンス・ステータス会員資格
HON Circle 会員ブラックゴールド連続する2暦年内に600,000 HON Circleマイル以上
セネターゴールド1暦年内に100,000ステータスマイル以上
フリークエント トラベラーシルバーシルバー1暦年内に35,000ステータスマイル以上
Miles & More 会員ブルー-1アワードマイル[注 20]

Miles & Moreのマイルには以下の3種類がある[51]

  • アワードマイル…ルフトハンザ(子会社含む)便および提携航空会社便で積算される。
  • ステータスマイル…アワードマイルと同時に積算される。ルフトハンザ(子会社含む)便および提携航空会社便で積算される。1暦年の積算数に応じてフリークエント トラベラーまたはセネターのステータスが取得できる。
  • HON Circleマイル…アワードマイルと同時に積算される。ルフトハンザ(子会社含む)便の上級クラス利用時に積算される。2暦年の積算数に応じてHON Circleのステータスが取得できる。

提携航空会社

2017年12月現在、以下の航空会社と提携してコードシェア便を就航させている[52]。ルフトハンザはスターアライアンスの設立メンバーでもあるため、スターアライアンス加盟の各社と多く提携している。

子会社・関連会社

スターアライアンス加盟会社

その他

ルフトハンザグループ

ルフトハンザは多くの子会社を所有している。ルフトハンザドイツ航空と、グループ会社の航空会社を合わせると、2015年4月現在、合計4大陸102ヵ国301都市へ運航している[2]。現在、欧州内のドイツ語圏4か国(ドイツ、オーストリア、スイスの一部、ベルギーの一部)のフラッグ・キャリアが全てルフトハンザの傘下となっている。主なものを以下に挙げる。

子会社

ルフトハンザ・リージョナル」塗装のルフトハンザ・シティーライン便(エンブラエル190

持株会社

その他の業種

エールフランスエアバスA380型機に機内食を積み込むLSGスカイシェフのフードローダー(O・R・タンボ国際空港

ルフトハンザは、航空会社のみならず、航空関連をはじめとした幅広い事業の会社をグループ内に有している。

  • LSGスカイシェフ - 1966年に設立された、世界最大の機内食ケータリング会社[2]。51ヶ国に事業所を持ち、日本航空全日本空輸を含む世界300以上の航空会社の機内食を製造している[53][54]。近年では、DB(ドイツ鉄道)ユーロスター等の長距離鉄道で提供される食事を製造したり、セブンイレブンスターバックス等に食品を販売したりもしている。従業員数:32,307名(2013年末現在)。
  • ルフトハンザ・テクニック英語版 - 1994年に設立された、世界最大の航空エンジニアリングサービス会社。世界100ヶ所以上の都市に技術者を派遣し、世界中の航空会社を相手に航空機の整備サービスを提供している[2]。2011年には、日本航空の保有するボーイング787型機について、10年間の包括的な整備契約を交わした[55]。従業員数:約19,917名(2013年末現在)。
  • ルフトハンザ・システムズ - 世界でも大きな航空系IT企業の1つ。
  • ルフトハンザ・フライト・トレーニング - 飛行機の乗員を養成する会社。

航空事故等

本節に示されているのは、ルフトハンザドイツ航空において発生した航空事故や事件のうち、被害や事件規模が特に甚大であったものである。子会社の航空事故等については、各航空会社のページを参照されたい。

事故

540便墜落事故機(D-ABYB)

ハイジャック

181便ハイジャック事件の標的となった「ランツフート号」

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク