ラリー・ドイチュラント

ラリー・ドイチュラント[1](Rallye Deutschland)はドイツで開催される世界ラリー選手権 (WRC) の一戦。「ラリー・ドイツ」または「ラリー・ジャーマニー」とも呼ばれる。またメディアでは「ラリー・ドイチラント」の表記もよく見られる。

特徴

第1回はドイツラリー選手権として1982年に初開催。2002年からはWRCの一戦となる。

フランスルクセンブルクと国境を接するドイツ西南部を舞台に開催される。2016年までは古都トリーアを中心に開催され、スタート/フィニッシュおよびスーパーSSは世界遺産ポルタ・ニグラ周辺で行なわれた。2017年はトリーアから60km離れたボスタールゼー(ボスタール湖)にサービスパークが移動した[2]

ヒンケルシュタイネ

路面はターマックだが、元々3つのラリーを統合して生まれたイベントであるため、エリアよって舗装の特性が全く異なるという難しさがある[3]ドイツワインの産地として有名なモーゼル河畔では急勾配の葡萄畑をぬう細い農道を疾走し、サイドブレーキを使って曲がるヘアピンコーナーも多い。

特に危険な箇所としてバウムホルダー軍事演習地内の「パンツァープラッテ」は荒れたコンクリート路面で滑りやすく、戦車の脱輪防止用として路肩に埋め込まれた竜の歯(ヒンケルシュタイネ(: Hinkelsteine))に触れると大ダメージを受けるコースである[4]2004年にはペター・ソルベルグがヒットし、横転してコ・ドライバーのフィル・ミルズ側のピラーが全て曲がる程のクラッシュをし、車を大破させた。

森林や野原を巡るフラットな高速ステージでは、所々に干し草の俵を置いたシケインが設置されている[5]

イベント期間中は天候が不安定で、雨が降るとより難易度が上がる。そのためただプッシュするだけでなく、冷静に路面を読んだドライビングと技術が要求される。

歴代勝者

WRC昇格以降。セバスチャン・ローブは2002年にここでWRC初優勝を挙げて以来最も得意にしてきた。

優勝者車輌
ドライバーコ・ドライバー
2002年 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナシトロエン・クサラWRC
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年シトロエン・C4WRC
2008年
2009年WRCのローテーション制により休止
2010年 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナシトロエン・C4 WRC
2011年 セバスチャン・オジェ ジュリアン・イングラシアシトロエン・DS3 WRC
2012年 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナ
2013年 ダニ・ソルド カルロス・デル・バリオ
2014年 ティエリー・ヌービル ニコラ・ジルソウルヒュンダイ・i20 WRC
2015年 セバスチャン・オジェ ジュリアン・イングラシアフォルクスワーゲン・ポロ R WRC
2016年
2017年 オィット・タナック マルティン・ヤルベオヤフォード・フィエスタWRC
2018年トヨタ・ヤリスWRC
2019年
2020年開催中止

脚注

外部リンク