ラデク・ステパネク

ラデク・ステパネクRadek Štěpánek, チェコ語発音: [ˈradɛk ˈʃcɛpaːnɛk] ,1978年11月27日 - )は、チェコカルヴィナー出身の元男子プロテニス選手。2012年全豪オープン男子ダブルス2013年全米オープン男子ダブルスで、インドリーンダー・パエスとペアを組んで優勝した選手である。ATPツアーでシングルス5勝、ダブルス18勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス8位、ダブルス4位。チェコの同僚選手たちからは“Steps”(ステップス)という愛称で呼ばれている。

ラデク・ステパネク
Radek Štěpánek
ラデク・ステパネク
基本情報
愛称ステップス (Steps)
国籍 チェコ
出身地同・カルヴィナー
生年月日 (1978-11-27) 1978年11月27日(45歳)
身長185cm
体重75kg
利き手
バックハンド両手打ち
ツアー経歴
デビュー年1996年
引退年2017年
ツアー通算23勝
シングルス5勝
ダブルス18勝
生涯通算成績697勝497敗
シングルス384勝302敗
ダブルス313勝197敗
生涯獲得賞金$11,343,464
4大大会最高成績・シングルス
全豪3回戦(2003・05・07・09・13)
全仏4回戦(2008)
全英ベスト8(2006)
全米4回戦(2009)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪優勝(2012)
全仏ベスト4(2007)
全英ベスト4(2013)
全米優勝(2013)
優勝回数2(豪1・米1)
国別対抗戦最高成績
デビス杯優勝(2012・13)
キャリア自己最高ランキング
シングルス8位(2006年7月10日)
ダブルス4位(2012年11月12日)
獲得メダル
男子 テニス
オリンピック
2016 リオデジャネイロ混合ダブルス

来歴

父親の手ほどきで3歳からテニスを始め、1996年にプロ入り。1999年4月、地元プラハ・オープンで同国のマルティン・ダムとペアを組んでダブルス初優勝。ステパネクの4大大会挑戦は、2002年ウィンブルドン選手権から始まる。初めてのウィンブルドンでは3回戦まで進出したが、それ以来なかなか成績が伸びなかった。同年の2002年全米オープン男子ダブルスで、ステパネクはイジー・ノバクとペアを組んで決勝に進出したが、マヘシュ・ブパシ/マックス・ミルヌイ組に3-6, 6-3, 4-6で敗れて準優勝になっている。

ダブルスではコンスタントに好成績を出していたステパネクだが、シングルス決勝の初進出はようやく2004年11月のパリ・マスターズになってからである。この大会はATPマスターズシリーズの1つに指定されている大規模なトーナメントだが、ステパネクはこの大舞台の決勝でマラト・サフィンに3-6, 6-7, 3-6で敗れ準優勝。2005年は2大会でシングルス準優勝がある。

2006年2月26日、ラデク・ステパネクはABNアムロ世界テニス・トーナメント決勝でクリストフ・ロクスを6-0, 6-3で破り、プロ入り10年目にしてATPツアー大会のシングルス初優勝を果たした。3ヶ月後、ハンブルク・マスターズ決勝ではトミー・ロブレドに敗れ準優勝。4大大会でも、2006年ウィンブルドンで自己最高のベスト8に入った。準々決勝ではヨナス・ビョルクマンと長い熱戦を繰り広げたが、6-7, 6-4, 7-6, 6-7, 4-6で惜敗した。

2007年7月第3週のファーマーズ・クラシックで男子ツアーのシングルス2勝目を達成。9月21日-23日、ステパネクは3年ぶりにデビスカップチェコ代表選手に起用され、「ワールドグループ・プレーオフ」の対スイス戦で3試合に出場した。第1試合でステパネクはロジャー・フェデラーに敗れたが、第3試合のダブルス戦と最終第5試合に勝ち、チェコ代表はワールドグループ残留を決めた。

2008年の主な成績は、全仏オープンで初めての4回戦進出があった。デビスカップでも、チェコ代表はワールドグループ準々決勝まで勝ち進み、ステパネクもワールドグループ1回戦・準々決勝の両方に起用された。11月に行われた男子ツアー年間最終戦のテニス・マスターズ・カップでは、故障で途中棄権をしたアンディ・ロディックの代役として急遽出場している。

2009年度はツアーでシングルス2勝、ダブルス1勝を獲得し、全米オープンで初の4回戦に進出した。

2011年8月のシティ・オープンでは決勝でガエル・モンフィスを6–4, 6–4で破り2年半ぶりのツアー5勝目を挙げた。

2012年全豪オープン男子ダブルスリーンダー・パエスと組み決勝に進出。決勝では4連覇を狙ったブライアン兄弟を7–6(1), 6–2で破り初の4大大会優勝を果たした。全米オープンではブライアン兄弟に敗れ準優勝している。スペインとのデビスカップ2012決勝では第1試合でダビド・フェレールに3-6, 4-6, 4-6で敗れたが、トマーシュ・ベルディハと組んだ第3試合のダブルスを制し通算2勝2敗で迎えた最終試合でステパネクはニコラス・アルマグロを6-4, 7-6(0), 3-6, 6-3で破りチェコは1980年(当時はチェコスロバキア)以来32年ぶりの優勝を果たした。

2013年全米オープン男子ダブルスではリーンダー・パエスと組んで決勝に進出した。アレクサンダー・ペヤ/ブルーノ・ソアレス組を6–1, 6–3で破り4大大会2勝目を挙げた。

ステパネクはオリンピックチェコ代表として、2008年北京五輪2012年ロンドン五輪2016年リオ五輪の3大会に出場している。リオ五輪の混合ダブルスでルーシー・ハラデツカと組み、3位決定戦でインドのサニア・ミルザ&ロハン・ボパンナ組を 6-1, 7-5 で破り銅メダルを獲得した。

ステパネクは2017年全豪オープンを最後に試合出場が無く、11月に現役引退を表明した。2018年はノバク・ジョコビッチのコーチを務める。

私生活

サッカーチェコ代表GKのヤロミール・ブラジェクはいとこである。

2006年11月、ステパネクはマルチナ・ヒンギスと婚約したが、2007年8月に婚約解消を発表した。2010年3月ニコル・バイディソバとの結婚を発表。2010年7月に挙式した。しかし2013年に離婚することを公表した。その後、2018年にバイディソバと再婚し、6月に第一子女児が誕生した。

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 12回 (5勝7敗)

大会グレード
グランドスラム (0-0)
ATPワールドツアー・ファイナル (0-0)
ATPワールドツアー・マスターズ1000 (0-2)
ATPワールドツアー・500シリーズ (2-1)
ATPワールドツアー・250シリーズ (3-4)
サーフェス別タイトル
ハード (5-3)
クレー (0-1)
芝 (0-0)
カーペット (0-3)
結果No.決勝日大会サーフェス対戦相手スコア
準優勝1.2004年11月1日 パリカーペット (室内) マラト・サフィン3–6, 6–7(5), 3–6
準優勝2.2005年1月31日 ミラノカーペット (室内) ロビン・セーデリング3–6, 7–6(2), 6–7(5)
準優勝3.2005年9月26日 ホーチミンカーペット (室内) ヨナス・ビョルクマン3–6, 6–7(4)
優勝1.2006年2月26日 ロッテルダムハード (室内) クリストフ・ロクス6–0, 6–3
準優勝4.2006年5月21日 ハンブルククレー トミー・ロブレド1–6, 3–6, 3–6
優勝2.2007年7月22日 ロサンゼルスハード ジェームズ・ブレーク7–6(7), 5–7, 6–2
準優勝5.2008年2月24日 サンノゼハード アンディ・ロディック4–6, 5–7
優勝3.2009年1月11日 ブリスベンハード フェルナンド・ベルダスコ3–6, 6–3, 6–4
優勝4.2009年2月15日 サンノゼハード (室内) マーディ・フィッシュ3–6, 6–4, 6–2
準優勝6.2009年2月22日 メンフィスハード (室内) アンディ・ロディック5–7, 5–7
準優勝7.2010年1月10日 ブリスベンハード アンディ・ロディック6–7(2), 6–7(7)
優勝5.2011年8月7日 ワシントンD.C.ハード ガエル・モンフィス6–4, 6–4

ダブルス: 33回 (18勝15敗)

結果No.決勝日大会サーフェスパートナー対戦相手スコア
優勝1.1999年4月26日 プラハクレー マルティン・ダム マーク・ケイル
ニコラス・ラペンティ
6–0, 6–2
優勝2.2001年4月9日 エストリルクレー ミハル・タバラ ドナルド・ジョンソン
ネナド・ジモニッチ
6–4, 6–1
優勝3.2001年4月30日 ミュンヘンクレー ペトル・ルクサ ジャイミ・オンシンス
ダニエル・オラサニック
5–7, 6–2, 7–6(5)
準優勝1.2001年8月25日 ロングアイランドハード レオシュ・フリエドル ジョナサン・スターク
ケビン・ウリエット
1–6, 4–6
準優勝2.2001年9月30日 香港ハード ペトル・ルクサ カーステン・ブラーシュ
アンドレ・サ
0–6, 5–7
優勝4.2001年10月14日 ウィーンハード
(室内)
マルティン・ダム イジー・ノバク
ダビド・リクル
6–3, 6–2
準優勝3.2002年2月17日 コペンハーゲンハード
(室内)
イジー・ノバク ユリアン・ノール
ミヒャエル・コールマン
6–7(8), 5–7
優勝5.2002年4月29日 ミュンヘンクレー ペトル・ルクサ ペトル・パラ
パベル・ビズネル
6–0, 6–7(4), [11–9]
準優勝4.2002年9月6日 全米オープンハード イジー・ノバク マヘシュ・ブパシ
マックス・ミルヌイ
3–6, 6–3, 4–6
準優勝5.2002年10月13日 ウィーンハード
(室内)
イジー・ノバク ジョシュア・イーグル
サンドン・ストール
4–6, 3–6
優勝6.2003年1月27日 ミラノカーペット (室内) ペトル・ルクサ トマーシュ・ツィブレツ
パベル・ビズネル
6–4, 7–6(4)
準優勝6.2004年1月16日 オークランドハード イジー・ノバク マヘシュ・ブパシ
ファブリス・サントロ
6–4, 5–7, 3–6
優勝7.2004年2月16日 ロッテルダムハード
(室内)
ポール・ハンリー ジョナサン・エルリック
アンディ・ラム
5–7, 7–6(5), 7–5
優勝8.2004年7月12日 シュトゥットガルトクレー イジー・ノバク シーモン・アスペリン
トッド・ペリー
6–2, 6–4
優勝9.2004年9月13日 デルレイビーチハード リーンダー・パエス ガストン・エトリス
マルティン・ロドリゲス
6–0, 6–3
準優勝7.2004年10月10日 リヨンカーペット (室内) ヨナス・ビョルクマン ジョナサン・エルリック
アンディ・ラム
6–7(2), 2–6
優勝10.2005年2月7日 マルセイユハード
(室内)
マルティン・ダム マーク・ノールズ
ダニエル・ネスター
7–6(4), 7–6(5)
優勝11.2005年2月21日 ドバイハード マルティン・ダム ヨナス・ビョルクマン
ファブリス・サントロ
6–2, 6–4
優勝12.2006年2月13日 マルセイユハード
(室内)
マルティン・ダム マーク・ノールズ
ダニエル・ネスター
6–2, 6–7(4), [10–3]
準優勝8.2007年1月7日 アデレードハード ノバク・ジョコビッチ ウェスリー・ムーディ
トッド・ペリー
4–6, 6–3, [13–15]
準優勝9.2007年3月3日 ドバイハード マヘシュ・ブパシ ファブリス・サントロ
ネナド・ジモニッチ
5–7, 7–6(3), [7–10]
優勝13.2009年2月15日 サンノゼハード
(室内)
トミー・ハース ロハン・ボパンナ
ヤルコ・ニエミネン
6–2, 6–3
準優勝10.2010年8月8日 ワシントンD.C.ハード トマーシュ・ベルディハ マーディ・フィッシュ
マーク・ノールズ
6–4, 6–7(7), [7–10]
優勝14.2012年1月26日 全豪オープンハード リーンダー・パエス ボブ・ブライアン
マイク・ブライアン
7–6(1), 6–2
優勝15.2012年3月31日 マイアミハード リーンダー・パエス マックス・ミルヌイ
ダニエル・ネスター
3–6, 6–1, [10–8]
準優勝11.2012年9月7日 全米オープンハード リーンダー・パエス ボブ・ブライアン
マイク・ブライアン
3–6, 4–6
準優勝12.2012年10月7日 東京ハード リーンダー・パエス アレクサンダー・ペヤ
ブルーノ・ソアレス
3–6, 6–7(5)
優勝16.2012年10月14日 上海ハード リーンダー・パエス マヘシュ・ブパシ
ロハン・ボパンナ
6-7(7), 6-3, [10-5]
準優勝13.2013年8月4日 ワシントンD.C.ハード マーディ・フィッシュ ジュリアン・ベネトー
ネナド・ジモニッチ
6-7(5), 5-7
優勝17.2013年9月8日 全米オープンハード リーンダー・パエス アレクサンダー・ペヤ
ブルーノ・ソアレス
6–1, 6–3
優勝18.2015年7月26日 ボゴタハード エドゥアール・ロジェ=バセラン マテ・パビッチ
マイケル・ヴィーナス
7–6, 6–3
準優勝14.2016年1月30日 全豪オープンハード ダニエル・ネスター ジェイミー・マリー
ブルーノ・ソアレス
6-2, 4-6, 5-7
準優勝15.2017年1月6日 ドーハハード バセク・ポシュピシル ジェレミー・シャルディー
ファブリス・マルタン
4–6, 6–7(3)

デビスカップ

優勝 (2)

チェコチームラウンド/相手
2012年トマーシュ・ベルディハ
ラデク・ステパネク
ルカシュ・ロソル
イボ・ミナール
フランティシェク・チェルマク
1R:チェコ 4–1 イタリア
QF: チェコ 4–1 セルビア
SF: チェコ 4–1 アルゼンチン
FN: チェコ 3–2 スペイン
2013年トマーシュ・ベルディハ
ラデク・ステパネク
ルカシュ・ロソル
ヤン・ハジェク
イジー・ベセリー
1R: スイス 2–3 チェコ
QF: カザフスタン 1–3 チェコ
SF: チェコ 3–2 アルゼンチン
FN: セルビア 2–3 チェコ

4大大会シングルス成績

略語の説明
 W  F SFQF#RRRQ#LQ A Z#PO G  S  B NMS P NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会200020012002200320042005200620072008200920102011201220132014201520162017通算成績
全豪オープンLQAA3R2R3R2R3R1R3R1R2R1R3R1RA2R2R15–14
全仏オープンAALQ2R1R3R3R2R4R3RA1R1R1R3R2R1RA14–13
ウィンブルドンLQLQ3R3R2R2RQF1R3R4RA1R3R2R2R1R1RA19–14
全米オープンLQA1R3R1R2RA2R3R4R1R2R1R1R1R1R1RA10–13

外部リンク