ラクレット

スイスの国民食

ラクレット(フランス語:raclette)は、ヴァレー州を中心とするスイスおよびフランス サヴォア地方のチーズ断面を熱で溶かして削ぐ料理、あるいはこの料理に用いるチーズを指す。呼び名はフランス語の俚言(パトワ)で「削る」を意味する"racler"から。ヴァレー州以外ではスライスした長方形のチーズを溶かすことが多い[1]

ラクレット(スイス ヴァレー州

料理

チーズの断面を直火で熱して溶けた部分を削ぎ、皮付きのジャガイモなどに絡めて食べる。ピクルスを付け合わせとする。ヴァレー州を中心としたスイス全土、スイス国境に近いフランスサヴォア地方などの伝統料理の1つである。チーズを火で溶かす古い記録として16世紀のものが残っている[1]。現代では火ではなく、電気ヒータによりチーズ断面を加熱する器具や、薄切りのチーズを小さなトレイに載せて加熱するラクレットグリル[2]もある。

テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』で、暖炉にかざしてチーズを溶かして食べる食事場面に登場する[3][4][5]

チーズにはラクレットチーズ(後述)の他、グリュイエールチーズなどが使われることもある[要出典]

ラクレットチーズ

ラクレット
原料牛乳
原産国スイスフランス
原産地ヴァレー州
表皮やや硬い
低温殺菌なし
熟成3-6 か月
呼称統制AOC 2003-2013
AOP since 2013
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ラクレットは、牛乳から作られるハードチーズ[4][6]の一種である。32℃に温めた生乳を、乳酸菌(RA401)、レンネット(凝乳酵素)を用いて凝固させたカードを細かく切り、ホエーを除いて30~40℃で15~20分かき混ぜる。これを4回プレスした直径約30 cmの塊を1日塩水に浸した後、塩水で表面をこする頻度を減らしながら95日間11℃、湿度92%の環境で熟成させる[1]

脚注

外部リンク