マッチ工場の少女

1990年のアキ・カウリスマキ監督映画

マッチ工場の少女』(マッチこうじょうのしょうじょ、フィンランド語Tulitikkutehtaan tyttö英語The Match Factory Girl)は、1990年公開のフィンランド映画。監督はアキ・カウリスマキで、『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』に続く“労働者三部作”の第三作。

マッチ工場の少女
Tulitikkutehtaan tyttö
監督アキ・カウリスマキ
脚本アキ・カウリスマキ
製作アキ・カウリスマキ
クラス・オロフソン
カティンカ・ファラーゴ
出演者カティ・オウティネン
ヴェサ・ヴィエリッコ
エリナ・サロ
エスコ・ニッカリ
シル・セッパラ
撮影ティモ・サルミネン
編集アキ・カウリスマキ
配給フィンランドの旗 Finnkino
日本の旗 アルシネテラン
公開フィンランドの旗 1990年1月12日
日本の旗 1991年3月1日
上映時間69分
製作国 フィンランド
言語フィンランド語
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1990年ベルリン国際映画祭インターフィルム賞受賞。1991年ユッシ賞監督賞、主演女優賞、助演女優賞受賞。

あらすじ

イリス(カティ・オウティネン)は母(エリナ・サロ)と継父(エスコ・ニッカリ)と暮らす冴えない独身女性。マッチ工場に勤めているが、両親は彼女の収入をあてにして働かず、家事までさせる始末。質素な身なりゆえか男性との出会いもなく、味気ない日々を送るイリス。

ある給料日、イリスはショーウィンドーで見かけた派手なドレスを衝動買いする。両親に咎められ返品を命じられるが、かまわずドレスを着てディスコに行くと、アールネ(ヴェサ・ヴィエリッコ)という男に声をかけられる。一流企業に勤める彼の豪華なアパートで一夜を共にする二人。

アールネに惚れ、さらなるデートを取り付けようとするイリス。自宅へ招き両親にまで会わせるが、あの夜のことは遊びだったとアールネは厳しく告げる。

後日、妊娠していたことを知ったイリスは、一緒に子供を育てるようアールネに手紙を書く。しかし返事は小切手と、中絶を求める短い言葉だけだった。放心して町へさまよい出たイリスは、クルマにはねられ流産してしまう。さらに追い打ちをかけるように、母に心労をかけたとして継父から勘当される。

兄のアパートに転がり込み、悲嘆に暮れるイリス。やがて意を決した彼女は、薬局で殺鼠剤を購入する。

イリスは殺鼠剤を水に溶かして「毒」を作りボトルに入れてハンドバッグにしまう。アールネのアパートを訪ねると女が出てくる。入れ違うように中に入り、「お酒」というとアールネがふたりぶん持ってくる。「氷も」アールネが取りに行っている間、彼のグラスに毒を注ぐ。「お別れに来たの。もうご心配要らないわ」小切手を返しイリスは去る。安心したアールネは酒を飲み干す。

帰りにイリスがバーに寄りビールを飲みながら本を読んでいると、酔ったチャラい男がナンパしてくる。イリスは微笑みかけ、彼のグラスに毒を注いであげる。翌日、イリスは実家を訪ね、ご馳走を用意する。ウォッカのボトルに残りの毒を全部入れ、自分は隣の部屋で一服しながら音楽を聴く。両親が死んだのを確認して家を出る。翌日工場で働いていると、二人の刑事がやってくる。

キャスト

  • イリス - カティ・オウティネン
  • アールネ - ヴェサ・ヴィエリッコ
  • 母 - エリナ・サロ
  • 継父 - エスコ・ニッカリ
  • 兄 - シル・セッパラ

外部リンク