ボルボ・グループ

スウェーデンの製造会社

ボルボ・グループスウェーデン語: Volvokoncernen; 正式名称: アクチエボラグ・ボルボ〈Aktiebolaget Volvo〉, 通称: ABボルボ 〈AB Volvo〉)は、スウェーデンヨーテボリに本拠を置く多国籍企業。ボルボ・トラックス[7]ルノー・トラックス[7]マック・トラックス[7]東風汽車集団[7]アイシャー・モーターズ[7]、ボルボ・バス、ボルボ建設機械ボルボ・ペンタ、ボルボ・フィナンシャル・サービスなどを所有する。

ABボルボ
AB Volvo
ABボルボのロゴ
ABボルボのロゴ
種類株式会社
市場情報Nasdaq Nordic VOLV ANasdaq Nordic VOLV B
本社所在地 スウェーデン
ヨーテボリ
設立1927年
業種製造業
法人番号8700150107731 ウィキデータを編集
事業内容トラック、バス、建設機械、船舶用エンジン、航空宇宙
代表者カール・ヘンリック・スバンベリ英語版(会長)
マーティン・ルンドステッド英語版(社長・CEO)
資本金85,681 百万 kr
(2011年12月31日時点)[1]
発行済株式総数2,027,427,954株
(2011年12月31日時点)[2]
売上高連結:310,367 百万 kr
(2011年12月期)[3]
営業利益連結:26,899 百万 kr
(2011年12月期)[3]
純利益連結:18,115 百万 kr
(2011年12月期)[3]
総資産連結:353,244 百万 kr
(2011年12月末時点)[4]
従業員数98,162人
(2011年12月末時点)[5]
決算期12月末日
主要株主Industrivärden
浙江吉利控股集団(8.2%)[6]
主要子会社本文参照
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概要

地元の名門チャルマース工科大学と共同研究を行っている。また、2014年より上智大学と産学教育連携しており[8]、2017年現在でも継続している[9]

1999年に乗用車事業を「ボルボ・カーズ」としてフォード・モーターに売却した後、他国の商用車メーカーの買収によるトラックやバスといった商用車に特化した世界戦略をとっている。2016年時点で世界2位のトラックメーカーである[10]。また、建設機械船舶の各事業部と併せ、大型ディーゼル機関を中心としたグループを展開している。なお、「ボルボ・カーズ」は2010年にフォードから中国浙江吉利控股集団傘下に移動し、引き続き「ボルボ」ブランドを保持している。また、浙江吉利控股集団は2018年にABボルボの筆頭株主となっている[6][11][12]

日本国内では、ABボルボの子会社として設立したエヌエー(のちのボルボグループジャパン・現:UDトラックス)が日産ディーゼル工業を買収し完全子会社とした。また、かつてはABボルボ100%出資子会社日本ボルボがボルボ・トラックス、ボルボ建設機械、ボルボ・ペンタの各事業部を展開していたが、2010年1月1日をもって日産ディーゼル工業と合併した。そして翌月2月1日をもって日産ディーゼル工業はUDトラックス(初代)に社名を変更し、さらに2014年1月1日にUDトラックスジャパン、ボルボグループジャパンと合併。同時に存続会社のボルボグループジャパンが社名を変更し現在はUDトラックス(2代)となっている[13]2020年10月30日、主要株主であるボルボ・グループといすゞ自動車間で戦略的提携が正式に締結されたことにより、いすゞ自動車がボルボからUDトラックスを2,430億円で買収したことでUDトラックスはいすゞグループ企業となり、ボルボ・グループから離脱した[14][15][16]

なお、日本においてボルボを冠するABボルボ傘下の企業(グループ外であるボルボ・カーズ傘下を除く)は現存せず、現在の日本におけるABボルボの事業は基本的にUDトラックスが行っている。かつては前述のとおりエヌエー株式会社として設立され、現在はUDトラックスとなっているボルボ・グループ・ジャパンのほか、日本ボルボボルボ・インフォメーション・テクノロジー・ジャパンボルボ・ロジスティクス・コーポレーション・ジャパン、ボルボテクノロジー・ジャパン[17][18]がグループ内の企業としてボルボを冠していたが、ボルボテクノロジー・ジャパン以外の全社は合併を経て現在はUDトラックスの一部門となっている。なお、ボルボテクノロジー・ジャパンはUDトラックスに合併することなく、2017年10月30日に清算結了している[19]

UDトラックスのグループ会社[20]であるVFSジャパン株式会社(現・UDフィナンシャルサービス)は直接はボルボの名前を冠しないものの、Volvo Financial Services英語版の日本法人[21]であり、ボルボ・グループに由来する命名となっていた[22]

このほか、ABボルボはヤマハ発動機へマリン用ディーゼルエンジンを多数供給している[23]

沿革

旧部門の沿革については当該記事を参照のこと。

企業グループ

現行事業

トラック事業

傘下にボルボ・トラックスルノー・トラックスマック・トラックスの各法人組織を擁する[26]。世界的な業界再編の中で積極的な買収を行い、現在はドイツダイムラー・トラックと並ぶ商用車大手となっている。なお、UDトラックスはABボルボ子会社のエヌエーが日産ディーゼル工業の株式を取得し筆頭株主となったのち、日産ディーゼル工業がUDトラックス(初代)に商号変更、さらに同社がUDトラックスジャパン、ボルボ・グループ・ジャパン(旧:エヌエー)と合併した際に存続会社であるボルボ・グループ・ジャパンがUDトラックス(2代)に商号変更した法人である[13]

ボルボはジョイントベンチャーによる事業展開も積極的である。

  • インドではインドモービル・グループならびに山東臨工工程機械(SDLG)とのジョイントベンチャーでインドトラック・ウタマとしてSDLGブランドを、アイシャー・モーターズとのジョイントベンチャーでVEコマーシャル・ビークルズ (VECV)としてアイシャートラックを展開。
  • 中華人民共和国では東風汽車とのジョイントベンチャーで東風商用車としてドンフェントラックを展開。以前はこれとは別に、ボルボグループ(沃尔沃集团)傘下のUDトラックスが同じく東風汽車とのジョイントベンチャーで東沃汽車としてドンボトラックを展開していたが、ボルボグループが撤退し現在は東風汽車完全子会社の東風能迪汽車となっている[27]
その他の事業

旧事業

かつては下記部門も存在していたが、事業売却により他社資本・分社化されている。

トラック事業
乗用車事業

ボルボ社創業時からの事業であったが、1999年フォード・モーターに分離・売却された。売却後は、乗用車事業はフォードの傘下企業「ボルボ・カーズ」(Volvo Cars)となった。フォードとボルボグループの間に資本関係はないが、ボルボのブランドはボルボとフォードが協同所有する商標管理会社、ボルボ・トレードマーク・ホールディングに帰属し、同社により使用許諾されていた。さらに、2010年には中国資本の持株会社である浙江吉利控股集団に再売却された。

ボルボグループ時代は著名なスウェーデン鋼を使った「世界一安全なファミリーカー」と評価されていたが、フォード・モーターに売却されて以降はプレミア・オートモーティブ・グループのブランドとして、「プレミアムカー」へと路線の変更を行った。しかしながら1,000万円以下の車しか販売していない。

近年自動車の安全水準が大幅に向上しているため、安全性を図るテストにおいて好成績を修める他社の車両が増えてきたものの、道路逸脱事故や対向車との正面衝突対応した自動ブレーキ等、テストされないvolvo独自の安全機能は現在においても存在する。

航空機事業

かつてグループ内にボルボ・エアロが存在したが2012年にGKNに売却され、のちにGKNエアロスペースに社名変更された。

ブランド

ボルボグループでは以下のブランドを擁しており、実際の法人組織有無にかかわらず以下に区分されている[28]

ボルボ
  • ボルボトラック
  • ボルボバス
  • ボルボ建設機械
ボルボペンタ
  • ボルボペンタマリンレジャー
  • ボルボペンタマリンコマーシャル
  • ボルボペンタインダストリアル
テレックストラックス
  • テレックストラック
ルノートラックス
  • ルノートラック
プレヴォ
  • プレヴォ
ノヴァバス
  • ノヴァバス
マック
  • マックトラック


以下はジョイントベンチャー戦略的提携によるブランドである。

SDLG
  • SDLG
アイシャー
  • アイシャートラック
ドンフェントラックス
  • ドンフェントラック

車種一覧

ここではボルボブランドのもののみ記述する。

なおかつて生産していた乗用車についてはフォードへの乗用車事業売却後を含め、ボルボ・カーズを参照のこと。

ボルボ・バス

  • アステローペ
  • B10M
    • シャシーのみで、車体は富士重工業が担当。シャシーはセンターアンダーフロアエンジンシャシー(ホイルベース間にエンジンを搭載する構造)で、アステローペ、連節バスとも型式はB10M型。現在はいずれも製造終了。

以下は、日本国内に未導入の車種である。

ボルボ・トラック

出典

関連項目

外部リンク