ホウ酸エステル
ホウ酸エステル (borate ester) は分子式 B(OR)3 (R はアルキル基やアリール基のような有機残基) で表される有機化合物である。次の反応により生成する。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/50/Structural_formula_of_trimethyl_borate.svg/200px-Structural_formula_of_trimethyl_borate.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6c/Boratflamme.jpg/200px-Boratflamme.jpg)
ただし、濃硫酸などの脱水試薬を必要とする[1]。ホウ酸エステルは揮発性であるので、蒸留により反応混合物から分離できる。このプロセスは微量のホウ酸塩の分析や、鋼鉄中のホウ素の分析に用いられる[2]。ホウ酸アルキルが燃焼するとき、特徴的な緑色の炎を出す。この性質により、ホウ素の存在を定性的に知ることができる[3]。
ホウ酸トリメチル、B(OCH3)3 は鈴木・宮浦カップリングにおいて、ボロン酸エステルの前駆体として用いられる[4]。カルボン酸または第一級アミドからのアミド合成において、ホウ酸エステルは効果的なカップリング試薬の役割を演ずる[5]。