ベンラリズマブ

ベンラリズマブ (Benralizumab, 製剤名 ファセンラ皮下注30mgシリンジ )は、協和発酵キリンが創生し、 アストラゼネカ[1]の子会社MedImmuneが喘息治療用に開発したモノクローナル抗体。 インターロイキン5受容体 ( CD125 )のα鎖に結合する[2][3]

ベンラリズマブ?
モノクローナル抗体
種類全長抗体
原料ヒト化 (マウスより)
抗原CD125
臨床データ
販売名ファセンラ, Fasenra
法的規制
  • JP: 生物由来製品 , 劇薬 , 処方箋医薬品
  • US: -only
投与経路皮下注射
識別
CAS番号
1044511-01-4 ×
ATCコードR03DX10 (WHO)
DrugBankDB12023 チェック
ChemSpidernone ×
UNII71492GE1FX チェック
KEGGD09874  ×
化学的データ
化学式C6492H10060N1724O2028S42
分子量146.0 kg/mol
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ベラリズマブ、SIROCCOおよびCALIMAの2つの第3相臨床試験が、2016年に主要評価項目を満たすことを報告した[4][5]。2017年11月に米国FDAにより、重度の好酸球性喘息の治療薬として承認された。 [6]

効能・効果

  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)[7]

副作用

重大な副作用として、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、喉頭浮腫、アナフィラキシー反応等)等の重篤な過敏症の出現が知られている。遅発反応が起こる場合もある[7]

薬理

ベンラリズマブは、好酸球及び好塩基球の細胞表面に特異的に発現しているヒトIL-5Rαに特異的かつ高親和性で結合することで、IL-5の好酸球に対する作用を抑制する。

ベンラリズマブはFcドメインのフコースを欠損しているため、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)等のエフェクター細胞上に発現するFcγ受容体 (FcγR) であるヒトFcγRIIIa (CD16a) に対して高い親和性を示す。その結果、抗体依存性細胞傷害 (ADCC) 活性が増強され、細胞毒性を有するメディエーター(perforin、proteases、granzyme) を放出し、IL-5Rαを発現する好酸球及び好塩基球のアポトーシスが誘導される。

脚注