フェルミガンマ線宇宙望遠鏡

フェルミガンマ線宇宙望遠鏡 (フェルミ望遠鏡) は、ガンマ線観測用の天文衛星である。以前は Gamma-ray Large Area Space Telescope (GLAST) と呼ばれていた。ガンマ線検出器として大面積望遠鏡 (LAT) とガンマ線バーストモニター (GBM) の2つを搭載する。2008年6月11日 16:05 GMTにデルタII7920-H ロケットでNASAによって打ち上げられ、2008年8月から運用が開始された。アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スウェーデンの政府機関、研究組織による共同研究である[1]。2008年2月8日にNASAGLASTに新名称をつける事を提案し[2]、2008年8月26日に Fermi Gamma-ray Space Telescope と改名した[3]

フェルミガンマ線宇宙望遠鏡
基本情報
NSSDC ID2008-029A
所属NASA, アメリカ合衆国エネルギー省とフランス、ドイツ、イタリア、日本とスウェーデンの政府機関
主製造業者ジェネラル・ダイナミクス
打上げ日時2008年6月11日 16:05 UTC
打上げ場所第17-B打ち上げ施設 ケープカナベラル空軍基地
打上げ機デルタ II 7920-H
ミッション期間経過: 16年と29日
軌道高度550 km (340 mi)
軌道周期〜 95分
観測波長ガンマ線
観測装置
LAT広角望遠鏡
GBMガンマ線バーストモニター
公式サイトfermi.gsfc.nasa.gov/
テンプレートを表示
GLASTのロゴマーク
Fermiのロゴマーク
GLASTの概念図
運用予定
2008年5月にケープカナベラルに到着したGLAST
デルタ IIロケットで2008年6月11日に打ち上げられた
フェルミガンマ線宇宙望遠鏡で検出されたガンマ線パルサーの分布
ガム星雲ガンマ線パルサー、フェルミの広角望遠鏡で検出された光子から構成

フェルミ望遠鏡は、2013年8月11日に当初予定していた5年間の観測ミッションを終了し、2018年まで観測を続ける延長ミッションに移行した。この5年間で、1,200以上のガンマ線バースト、500回以上の太陽フレアを観測した[4]

概要

フェルミ望遠鏡は、大面積望遠鏡 (LAT) とガンマ線バーストモニター (GBM) という2つのガンマ線観測装置を搭載している。LAT は 20 MeV から 300 GeV 以上のエネルギー帯域を覆う、高エネルギーガンマ線の検出・撮像装置である。全天の約20%の視野を持ち、掃天観測を行うことを目的としている。活動銀河超新星残骸パルサーのような高エネルギーガンマ線天体に加え、暗黒物質宇宙線星間物質も研究対象である。これとは相補的に、GBM は 8 keV から 30 MeV のエネルギー帯域でガンマ線バーストのような突発天体の観測を行う。

検出器

LAT

コンプトンガンマ線観測衛星に搭載されたEGRETの後継である。

GBM

GBMは14のシンチレーション検出器(12個のヨウ化ナトリウム結晶で8keV〜1MeV、2個のビスマスゲルマニウム結晶で150keV〜30MeVのバーストを捉える)と地球上では捉えることのできない帯域のガンマ線バーストを捉える。

参加研究機関一覧

LAT に参加する研究機関

アメリカチームの研究機関

日本チームの研究機関

ドイツチームの研究機関

オーストリアチームの研究機関

アイスランドチームの研究機関

イタリアチームの研究機関

スペインチームの研究機関

フランスチームの研究機関

スウェーデンチームの研究機関

脚注

出典

関連項目

外部リンク