フェイム (曲)
「フェイム」(Fame)は、イギリスのロック・ミュージシャン、デヴィッド・ボウイが1975年に発表した楽曲。ボウイ、カルロス・アロマー、ジョン・レノンの共作による曲で、スタジオ・アルバム『ヤング・アメリカンズ』(1975年)の収録曲としてリリースされた後シングルカットされた。また、1990年には本作のリミックス・ヴァージョンを収録したシングル「フェイム90」もリリースされた。
「フェイム」 | ||||
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デヴィッド・ボウイ の シングル | ||||
初出アルバム『ヤング・アメリカンズ』 | ||||
B面 | ライト | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチ・シングル | |||
録音 | ニューヨーク、エレクトリック・レディ・スタジオ(1975年1月) | |||
ジャンル | ロック、ファンク | |||
時間 | ||||
レーベル | RCAレコード | |||
作詞・作曲 | デヴィッド・ボウイ、カルロス・アロマー、ジョン・レノン | |||
プロデュース | ハリー・マスリン、デヴィッド・ボウイ | |||
ゴールドディスク | ||||
ゴールドディスク | ||||
チャート最高順位 | ||||
デヴィッド・ボウイ シングル 年表 | ||||
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背景
この曲は、カルロス・アロマーがThe Flaresというグループの曲「Foot Stompin'」を参考に作ったリフが原型となっており[7]、ボウイとアロマーが曲の断片を別の形に再構築した[8]。ボウイは1974年に行われたツアーの一部の公演で「Foot Stompin'」を歌唱しており[9]、同年12月4日に「ディック・キャベット・ショー」に出演した際の音源はコンピレーション・アルバム『RarestOneBowie』(1995年)に収録されている[10]。その後ジョン・レノンがアコースティック・ギターのトラックを録音し、この録音において、レノンが大きな音で息を立てていたのを聴いたボウイが「"fame"って言ってるように聴こえる」と主張して、それが元になって歌詞が完成した[8]。
『ヤング・アメリカンズ』収録曲のうち、この曲とビートルズのカヴァー「アクロス・ザ・ユニバース」ではトニー・ヴィスコンティがプロデュースに関与せず、ボウイとハリー・マスリンが共同プロデュースした[11]。
シングル・カットの際、B面には同じく『ヤング・アメリカンズ』からの「ライト」が収録されたが、イタリア盤シングルのB面には「スペイス・オディティ」が収録された[12]。
反響・影響
全英シングルチャートでは8週チャート・インし、最高17位に達した[5]。アメリカのBillboard Hot 100では自身初の1位(9月20日と10月4日)を獲得し、『ビルボード』のダンス・ミュージック/クラブ・プレイ・シングル・チャートでは2位に達して[2]、1975年10月にはRIAAによってゴールドディスクに認定された[13]。
ジェームス・ブラウンが1975年に発表した楽曲「Hot (I Need to Be Loved, Loved, Loved)」のリズムやリフは「フェイム」を元にしているといわれる[14]。
ロックの殿堂が選出した「ロックン・ロールを形作った500曲」にはボウイの曲が4曲選ばれ、その中には「フェイム」も含まれている[15]。
参加ミュージシャン
フェイム90
「フェイム90」 | ||||||||||
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デヴィッド・ボウイ の シングル | ||||||||||
初出アルバム『Changesbowie』 | ||||||||||
リリース | ||||||||||
規格 | 7インチ・シングル、12インチ・シングル、CDシングル | |||||||||
レーベル | EMI/ライコディスク | |||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||
デヴィッド・ボウイ シングル 年表 | ||||||||||
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1990年、「フェイム」の複数のリミックス・ヴァージョンがシングルとしてリリースされた。同年にリリースされたコンピレーション・アルバム『Changesbowie』には、ジョン・ガスがリミックスしたヴァージョンが収録されている[22]。
アメリカではBillboard Hot 100入りは果たしていないが、『ビルボード』のダンス・ミュージック/クラブ・プレイ・チャートでは6位、ラップ・シングル・チャートでは12位、ダンス・ミュージック/マキシ・シングル・チャートでは14位に達した[2]。
収録曲
イギリス盤7インチ・シングル
イギリス盤CDシングル
- Fame 90 (House Mix)
- Fame 90 (Hip Hop Mix)
- リミックス:アーサー・ベイカー[23]
- Fame 90 (Gass Mix)
- Fame 90 (Queen Latifah's Rap Version)
アメリカ盤12インチ・シングル
- Fame 90 (With Queen Latifah)
- Fame 90 (House Mix)
- Fame 90 (Gass Mix)
- Fame 90 (Hip Hop Mix)
- Fame 90 (Absolutely Nothing Premeditated / Epic Mix)
- リミックス:デヴィッド・バラット[23]
他メディアでの使用例
「フェイム」は『シャンヌのパリ、そしてアメリカ』(1998年公開)[24]、『ラッシュ/プライドと友情』(2013年公開)[25]といった映画のサウンドトラックで使用された。ゲームの分野では、音楽ゲーム『Guitar Hero 5』(2009年)で使用され[26]、更に音楽ゲーム『Rock Band 3』(2010年)のダウンロード用コンテンツとして使用された[27]。
また、映画『プリティ・ウーマン』(1990年公開)[28]及び『コピーキャット』(1995年公開)[29]のサウンドトラックでは「フェイム90」が使用された。
カヴァー
- デュラン・デュラン - 12インチ・シングル「ケアレス・メモリーズ」(1981年)のB面に収録[30]。
- ユーリズミックス - アルバム『タッチ』(1983年)が2005年にリマスターCDとして再発された際、この曲のカヴァーがボーナス・トラックとして追加収録された[31]。
- ザ・フィーリーズ - アメリカ映画『サムシング・ワイルド』(1986年公開)のサウンドトラックに提供[32]。
- 宮沢りえ - I.TOIの日本語詞によるカヴァー「GAME」を1990年にシングルとしてリリース。
- インフェクシャス・グルーヴス - アルバム『Sarsippius' Ark』(1993年)に収録。
- ゴッド・リヴズ・アンダーウォーター - 映画『15ミニッツ』(2001年公開)のサウンドトラックに提供[33]。
- SPANK HAPPY - アルバム『Vendôme, La Sick Kaiseki』(2003年)に収録。
- DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN - アルバム『STAYIN' ALIVE/FAME/PAN-AMERICAN BEEF STAKE ART FEDERATION-2』(2004年)に収録。
- 野宮真貴 - トリビュート・アルバム『Tribute to David Bowie』(2007年)に提供[34]。
- スコット・ウェイランド - 配信限定のカヴァー・アルバム『A Compilation Of Scott Weiland Cover Songs』(2011年)に収録[35]。