ヒシイグアス

日本の競走馬

ヒシイグアス(欧字名:Hishi Iguazu :滂薄無比2016年1月22日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2021年中山金杯、2021年・2023年中山記念

ヒシイグアス
第97回 中山記念
(2023年2月26日 中山競馬場)
欧字表記Hishi Iguazu[1]
香港表記滂薄無比[2]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色青鹿毛[1]
生誕2016年1月22日(8歳)[1]
ハーツクライ[1]
ラリズ[1]
母の父Bernstein[1]
生国日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者ノーザンファーム[1]
馬主阿部雅英[1]
調教師堀宣行美浦[1]
競走成績
生涯成績22戦7勝[1]
中央:19戦7勝
海外:3戦0勝
獲得賞金5億5384万3900円[3]
中央:3億7839万円[1]
香港:1172万香港ドル[4][5][6]
(2024年4月28日現在)
WBRRI117 / 2021年[7]
L120 / 2022年[8]
I119 / 2023年[9]
勝ち鞍
GII中山記念2021年・2023年
GIII中山金杯2021年
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馬名の意味は、冠名アルゼンチンにある最大の滝[3]

戦績

2〜3歳 (2018〜2019年)

2018年11月25日東京新馬戦ライアン・ムーアを背にデビュー。道中3・4番手を追走するも、直線でラストドラフトとの追い比べに敗れ2着となる。続く12月15日中山の未勝利戦で勝ち上がりを決め、続く2019年1月の若竹賞(500万下)と連勝[10]してスプリングステークスで重賞初挑戦。3番人気で臨むもエメラルファイトの5着と敗れた。[11]その後はラジオNIKKEI賞を目標に調整され、迎えた同レースはスプリングステークス5着などの実績が評価され1番人気で出走するも、不良馬場が影響し9着に敗れる[12]

4歳 (2020年)

約6カ月の休養を挟んで迎えた復帰戦1月18日の4歳以上2勝クラス[13]ではダイワダグラスの、次いで出走した富里特別(2勝クラス)ではハーメティキストの2着にいずれもフィリップ・ミナリク騎乗でそれぞれ敗れる。しかし続く石和特別(2勝クラス)ではダミアン・レーンを背に力強く抜け出すと2着アップライトスピンに3/4馬身差をつけ勝利。待望の3勝目を手にした。[14]約7カ月の休養を再び挟んで11月29日東京のウェルカムステークス (3勝クラス)[15] では松山弘平に乗り替わり2着ショウナンハレルヤに3/4馬身差をつけて2勝クラス、3勝クラスと連勝を達成した[16]

5歳 (2021年)

年明け緒戦として出走した中山金杯には、1番人気に支持され直線では追い込んできたココロノトウダイとの追い比べをクビ差で制し重賞初制覇[17]。続いて出走した中山記念では3連勝中ということもあり2.5倍の1番人気で出走。直線残り50m付近で抜け出し、ケイデンスコールにクビ差で勝利。石和特別から4連勝・重賞2連勝を達成したほか、松山とのコンビでは3戦3勝となった[18]。その中山記念に出走後、2021年10月31日には天皇賞 (秋)G1に初挑戦。引き続き松山が騎乗したが、外枠15番も影響し上位3強馬の力を見せつけられ連勝は4で止まった。但し、それでも掲示板範囲内の5着は確保した[19]。12月12日には香港カップに出走。初めての海外遠征となった同レースでは、ジョアン・モレイラが騎乗し、直線では外から追い込み一度先頭に立つも、内から同年のクイーンエリザベス2世カップブリーダーズカップフィリー&メアターフを制したラヴズオンリーユーに差し返され短頭差の2着に敗れた[20]

6歳 (2022年)

当初は4月に香港遠征を行いクイーンエリザベス2世カップへ出走予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により海外馬の受け入れ中止を表明したため、池添謙一とのコンビで大阪杯へと出走[21]し4着。続く宝塚記念では約2年ぶりにレーンを鞍上に迎え、レースでは中団から上り3ハロン最速の脚を繰り出すも2番手から抜け出したタイトルホルダーから2馬身差の2着となった[22]

しかし、レース後に美浦トレーニングセンターに到着すると熱中症を発症し、生死の境をさまようほどの状態になる。入院して回復するまでに相当の時間を要し、しばらく冷房の馬房で過ごしたのち、涼しい北海道で立て直してから、ノーザンファームしがらきへ移動した[23]

7歳 (2023年)

中山記念表彰式

1月28日に美浦に帰厩し、8ヶ月の休養明けで中山記念に出走[23][24]。道中は中団の内において脚を溜め、抜群の手ごたえで3コーナーから4コーナーで好位に進出。直線では若干前が詰まる所があったものの、進路を外に切り替え馬場の真ん中を一気に抜け出しゴール。2021年以来のこのレースの制覇で重賞3勝目を飾った[25][26][27]。その後、大阪杯、札幌記念、秋の天皇賞と国内で3走し、二度目の海外遠征となる香港カップに臨み、3着と好走して7歳シーズンを終えた。

8歳(2024年)

8歳初戦も中山記念を初戦に選び、鞍上に女性騎手のレイチェル・キングを迎えて出走したが11着と敗れた。その後、4月28日に行われるクイーンエリザベスII世カップの招待を受諾し、三度目の海外遠征に臨む事となった[28]

競走成績

以下の内容は、JBISサーチ[29]、netkeiba.com[30]香港ジョッキークラブ[31]の情報に基づく。

競走日競馬場競走名距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順タイム
(上り3F)
着差騎手斤量
[kg]
1着馬(2着馬)馬体重
[kg]
2018.11.25東京2歳新馬芝1800m(良)1167005.20(3人)02着R1:49.6(33.2)-0.00R.ムーア55ラストドラフト496
0000.12.15中山2歳未勝利芝2000m(良)18510001.50(1人)01着R2:01.5(36.9)-0.50C.ルメール55(ホウオウビクトリー)490
2019.01.19中山若竹賞500万下芝1800m(良)844001.90(1人)01着R1:50.4(34.7)-0.00F.ミナリク56(フォークテイル)498
0000.03.17中山スプリングSGII芝1800m(良)1648006.00(3人)05着R1:48.0(35.8)-0.20F.ミナリク56エメラルファイト482
0000.06.30福島ラジオNIKKEI賞GIII芝1800m(不)1659005.60(1人)09着R1:51.0(36.7)-1.20M.デムーロ54ブレイキングドーン488
2020.01.18中山4歳上2勝クラス芝1800m(稍)1055003.20(1人)02着R1:51.6(35.6)-0.00F.ミナリク56ダイワダグラス498
0000.02.29中山富里特別2勝芝1800m(良)1267002.00(1人)02着R1:48.4(34.7)-0.30F.ミナリク56ハーメティキスト492
0000.04.26東京石和特別2勝芝1800m(良)10810001.90(1人)01着R1:48.0(34.1)-0.10D.レーン57(アップライトスピン)488
0000.11.29東京ウェルカムS3勝芝2000m(良)16612008.90(5人)01着R2:00.7(33.5)-0.20松山弘平55(ショウナンハレルヤ)494
2021.01.05中山中山金杯GIII芝2000m(良)1759003.10(1人)01着R2:00.9(34.5)-0.00松山弘平54(ココロノトウダイ)496
0000.02.28中山中山記念GII芝1800m(良)1458002.50(1人)01着R1:44.9(34.2)-0.00松山弘平56ケイデンスコール490
0000.10.31東京天皇賞(秋)GI芝2000m(良)16815040.40(7人)05着R1:58.7(33.7)-0.80松山弘平58エフフォーリア492
0000.12.12沙田香港CG1芝2000m(Gd)[注 1]12124005.80(3人)02着R2:00.68-0.020J.モレイラ57[注 2]Loves Only You485[注 3]
2022.04.03阪神大阪杯GI芝2000m(良)16510027.40(5人)04着R1:58.7(35.3)-0.30池添謙一57ポタジェ494
0000.06.26阪神宝塚記念GI芝2200m(良)17510009.50(5人)02着R2:10.0(35.9)-0.30D.レーン58タイトルホルダー490
2023.02.26中山中山記念GII芝1800m(良)14711009.20(4人)01着R1:47.1(34.6)-0.10松山弘平57ラーグルフ504
0000.04.02阪神大阪杯GI芝2000m(良)16714008.10(4人)07着R1:58.0(35.4)-0.60松山弘平58ジャックドール486
0000.08.20札幌札幌記念GII芝2000m(稍)15712016.90(7人)05着R2:02.8(36.2)-1.30浜中俊58プログノーシス502
0000.10.29東京天皇賞(秋)GI芝2000m(良)1178141.90(8人)09着R1:57.6(36.3)-2.40松山弘平58イクイノックス490
0000.12.10沙田香港CG1芝2000m(Gd)[注 4]1125014.00(6人)[注 5]03着R2:02.05(34.53)-0.050J.モレイラ57[注 6]Romantic Warrior485[注 7]
2024.02.25中山中山記念GII芝1800m(稍)1635007.20(3人)11着R1:49.4(37.9)-1.30R.キング58マテンロウスカイ498
  • 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
  • 香港のオッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの(日本式のオッズ表記とした)
  • 競走成績は2024年2月25日現在

特徴

  • 中山競馬場では8戦5勝2着2回と最も得意にしており、勝利した3つの重賞も全て中山開催である[36][37]。このことからメディアには「中山巧者」、「中山将軍」と呼ばれている[37][38]

血統表

ヒシイグアス血統(血統表の出典)[§ 1]
父系ヘイロー系
[§ 2]

ハーツクライ
2001 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
HaloHail to Reason
Cosmah
Wishing WellUnderstanding
Mountain Flower
父の母
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン*カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンスLyphard
My Bupers

*ラリズ
2004 鹿毛
Bernstein
1997 鹿毛
Storm CatStorm Bird
Terlingua
La AffirmedAffirmed
La Mesa
母の母
La Marlene
1995 黒鹿毛
Rainbow CornerRainbow Quest
Kingscote
La Cardinale*サザンヘイロー
La Bozan
母系(F-No.)ラリズ(ARG)系(FN:3-h)[§ 3]
5代内の近親交配Halo 3×5=15.63%、Northern Dancer 5×5=6.25%[§ 4]
出典


  • 母ラリズはアルゼンチンのGIIIコンデッサ賞、オクレンシア賞勝ち馬でGIのCEスプリント2着の短距離馬。

脚注

注釈

出典

外部リンク