ハンター (2011年の映画)

2011年の映画

ハンター』(The Hunter)は、1999年に出版されたジュリア・リーの同名小説「The Hunter」を原作とした2011年公開のオーストラリアのサスペンス映画。ヴィンセント・シーハンが製作し、ダニエル・ネットハイムが監督した。出演にウィレム・デフォーサム・ニールフランシス・オコナー

ハンター
The Hunter
監督ダニエル・ネットハイム
脚本アリス・アディソン
原作ジュリア・リー
『The Hunter』
製作ヴィンセント・シーハン
製作総指揮リズ・ワッツ
アニタ・シーハン
ポール・ウィーガンド
出演者ウィレム・デフォー
フランシス・オコナー
サム・ニール
音楽マッテオ・ジンガレス
マイケル・ライラ
アンドリュー・ランカスター
撮影ロバート・ハンフリーズ
編集ローランド・ガロワ
配給オーストラリアの旗 マッドマン・エンターテインメント
日本の旗 ブロードメディア・スタジオ
公開オーストラリアの旗 2011年10月6日
日本の旗 2012年2月4日
上映時間100分
製作国オーストラリアの旗 オーストラリア
興行収入$176,669[1]
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デフォーは役作りのために、自然の中での自身の臭いの消し方など実践的な技術をサバイバルの専門家から訓練を受けた[2]。また、デフォーはタスマニア州の州都ホバートにあるステートシネマで行われたプレミア上映に参加した[3]。本国オーストラリアでは2011年9月29日より上映された[4]

あらすじ

傭兵のマーティン・デイヴィッド(デフォー)は軍事バイオ企業レッドリーフに雇われ、絶滅したタスマニアタイガーのDNAサンプルの採取とそれらが他者へ渡らぬよう全ての個体の抹殺を目的として現地にやってきた。レッドリーフはタイガーの牙には相手を麻痺させる神経毒があると信じておりそれを欲していた。マーティンは生物学者と偽り、ルーシー(オコナー)とその子どもたちケイティ、ジェイミーのアームストロング家の住まいを拠点とした。ルーシーは夫で環境保護主義者であったジャラが失踪してから不安定になり、長きに渡る投薬により無感覚の状態に陥っていた。ジャラの失踪の原因は、とりわけ地元の森林伐採業者と森林破壊を防ごうとしている環境保護主義者との間の長年の対立が関わっていると推測された。

マーティンは一回に12日間森林の奥地に滞在し、鉄製のトラバサミやその場でこしらえた罠を張り巡らせ、あとは獲物が現れるのをじっと待っていた。アームストロング家にいるのは物資の補給のための短い間だったが、次第に子どもたちとの距離が縮まっていき、やがてルーシーに薬を届けているのが好意でアームストロング一家の面倒を見ているジャック・ミンディ(ニール)だと知る。マーティンは薬を絶たせ、意識が朦朧としている彼女を風呂に入れてやった。

奥地から戻ってきたある日、マーティンはルーシーの薬物依存が回復に向かっていることに気付いた。ジェイミーは木と点々とした水辺の側にタイガーのいる絵をマーティンに渡した。マーティンはその絵から地図上でタイガーの居場所を推測することができた。その次の遠征時、マーティンはジャラの遺骨を発見する。頭骨には銃痕があった。マーティンはその場でジャラを埋葬してやり、残された家族にそれを知らせることはなかった。アームストロング家に戻ると、ルーシーがジャラのことを語った。ジャラは当初はタイガー捜索と追跡のためにレッドリーフに雇われたが、最終的にはそれを放棄し野生動物を保護するために森に入るようになった、とルーシーは話した。

罠のチェックをしながら歩いていた時、マーティンは彼の代わりとして送り込まれたライバルハンターに奇襲された。マーティンは手を縛られタイガーの寝床の洞窟に案内を命ぜられた。だがその道すがらマーティンはライバルをうまくトラバサミに誘導し、まんまと罠にかかったライバルからライフルを奪い返し、射殺した。急いでアームストロング家に戻ると、家は火事で燃え尽きていた。ミンディを問い詰めると、ルーシーとケイティは火事で焼け死に、生き残ったジェイミーは児童局に連れて行かれたと知らされた。マーティンはレッドリーフの任務を終わらせるためもう一度奥地に戻った。そしてついにタイガーを発見したマーティンは逡巡しつつも撃ち殺し、タイガーの存在を消し去るため火葬した。

町に戻ったマーティンはレッドリーフに電話し、探しものは永久に去ったと言い放った。そしてジェイミーのいる学校に行くと、ジェイミーは独りでベンチに座っていた。マーティンに気付いたジェイミーは走りだし、それをマーティンは受け止め二人は強く抱き合った。

キャスト

役名俳優日本語吹替
マーティン・デイヴィッドウィレム・デフォー内田直哉
ルーシー・アームストロングフランシス・オコナー北西純子
ジャック・ミンディサム・ニール星野充昭
サス(ケイティ)モルガナ・デイヴィスLynn
バイク(ジェイミー)フィン・ウッドロック
ミドルマンジャセック・コーマン
ライバル・ハンターカラン・マルヴェイ
酒場の主人ジョン・ブランプトン
酒場の客ダン・ワイリー
ダグサリヴァン・ステイプルトン
フリージェイミー・ティモニ―
サイモンダン・スピールマン
シャクティマイア・トーマス
ジャラ・アームストロングマーク・ワトソン=ポール

ロケーション

撮影はすべてタスマニアで行われた[5]

評価

批評家からは概ね好意的なレビューがなされ、Rotten Tomatoesでは85件のレビューで支持率は71%、平均点は6.4/10となった。また、ユーザーの63%が5点中3.5点以上を付けている。[6]その他、Metacriticでは15件のレビューで加重平均値は63/100となった。[7]キム・ニューマンはエンパイア誌で多大なる賞賛を与え、"ゆっくりと惹きつけられ、画が美しく、高度に抑えられた達観的なスリラー"と評した。[8]

受賞とノミネート

賞・映画祭部門候補結果
オーストラリア映画協会賞作品賞ヴィンセント・シーハンノミネート
監督賞ダニエル・ネットハイムノミネート
脚色賞アリス・アディソンノミネート
主演男優賞ウィレム・デフォーノミネート
主演女優賞フランシス・オコナーノミネート
助演男優賞サム・ニールノミネート
助演女優賞モルガナ・デイヴィスノミネート
撮影賞ロバート・ハンフリーズ受賞
音楽賞マッテオ・ジンガレス受賞
マイケル・ライラ受賞
アンドリュー・ランカスター受賞
音響賞サム・ペティノミネート
デイヴィッド・リーノミネート
ロバート・マッケンジーノミネート
レス・フィッデスノミネート
トニー・マータフノミネート
トム・ホイツェンローダーノミネート
美術賞スティーヴン・ジョーンズ=エヴァンスノミネート
衣裳デザイン賞エミリー・セレシンノミネート

参考文献

外部リンク