ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド

ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド (Hubble eXtreme Deep Field) あるいは単にエクストリーム・ディープ・フィールドとは、ハッブル宇宙望遠鏡を用いたろ座への宇宙深部探査、またその探査された領域の名称である。略称としてXDFが使われる[1][2]

ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド
Hubble eXtreme Deep Field
ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド
ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド
仮符号・別名XDF[1]
星座ろ座[1]
視直径2.3 × 2 [1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 03h 32m 38.5s[1]
赤緯 (Dec, δ)−27° 47′ 00″[1]
画像について
公表日2012年9月25日[1]
撮影期間2002年6月~2012年3月[1]
総露光時間200万秒(約22.5日)[1]
撮影機器ハッブル宇宙望遠鏡[1]
Template (ノート 解説) ■Project

概要

XDFは、1995年HDF(ハッブル・ディープ・フィールド)おおぐま座)、1998年HDF-S(ハッブル・ディープ・フィールド・サウス)英語版きょしちょう座)、2003年から2004年HUDF(ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド)(ろ座)に続く探査で、HUDFの一部を更に長時間露光し撮影したものである。撮影期間は2002年6月から2012年3月までの約10年間で、総露光時間は200万秒、約22.5日分である[1]

内容

XDFと満月の直径との比較。

XDFは中心の座標が赤緯 03h 32m 38.5s赤経−27° 47′ 00″であり、大きさは2.3 × 2 と非常に狭い。XDFのほぼ中央部にある銀河はUDF 6206である。また、HUDFで既に発見されている天体に加え、新たに約5500個の天体が発見されている。最も暗い天体は人間が見る事の出来る限界の100億分の1の明るさしかない。この中には、星形成が激しい若い銀河から、既に星形成を終えた年老いた赤い銀河まで写っており、その形状や大きさもさまざまである[1][2]

超遠方の天体

XDFに写っている天体を距離別に分けたもの。左側から50億光年以下、50~90億光年、90億光年以上である。この中には、宇宙誕生から数億年以内に形成された天体も写っている。

XDFの画像は2012年9月25日に公表された[1]。2012年12月12日に、XDFの画像から、赤方偏移の値が8.6以上の天体が7つ報告された。その中の1つは、2011年に発見されたUDFj-39546284であり、それ以前は赤方偏移の値が10.3とされていたが、今回の探査で11.9である可能性が示された。これはこの報告の約1ヶ月前に発見され、UDFj-39546284の記録を抜いたMACS0647-JDよりも遠く、宇宙で最も遠い天体である可能性が出てきた。ただし、赤方偏移の値の不確かさはMACS0647-JDよりも大きい。真の値は2021年に打ち上げ予定であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測を待たねばならない[3]

報告された超遠方の天体

その他の主な天体

  • UDF 3166:特に目立つ恒星
  • UDF 3677:特に目立つ楕円銀河
  • UDF 6206:XDFのほぼ中央部にある銀河。
  • UDF 6523:尾を引いている非常に赤い銀河。
  • UDF 7556:特に目立つ、星形成の激しい渦巻銀河
  • UDF 9102:非常に赤い不規則銀河
  • UDF 9230:特に目立つ恒星。
  • UDF 8275・UDF 8314・UDF 8551:見かけの位置が非常に近く、尾を引いている渦巻銀河。
  • UDFy-38135539:UDFj-39546284の発見までは最も遠い天体であった。

関連項目

出典

03h 32m 38.5s, −27° 47′ 00″